肩こりがひどく、整形外科医院で診てもらうと、運動不足や猫背などの良くない姿勢での生活習慣などを指摘されることがよくあります。
実はこの肩こり改善には水泳がとても効果が高いことをご存知でしょうか?長年水泳と共に生きてきた私自身、肩こりを知りません。でも「水泳」と聞くとなかなか敷居が高く、二の足を踏む運動でもあります。
しかしながら、水泳は効果が高いからと言って無理な水泳をすると逆に肩を痛めることにもなりかねません。そのような注意点も含めて解説していきます。
1. 水泳の肩こり改善効果
私は冒頭にも述べましたが肩こりの経験がありません。無いというより肩こりがどういうものなのかを知りません。それは子供の頃から水泳をやってきたおかげなのだと思います。
生活の中で水泳が習慣化しているためにデスクワークで身体を固定したままの状態が1日続いたとしても仕事の後は習慣的に水泳をやってきたために肩こりがないのだと思います。
肩だけにとどまることなく、水泳は全身運動です。それも陸上運動と違い水泳はリラックス運動です。
従って水泳は肩こりこり改善効果にすぐれていると言えるでしょう。では水泳と肩についてそして肩こりにどのように効果があるのか詳しく見ていきましょう。
1-1. 水泳肩
水泳選手の体形をイメージして欲しいのですが、太い首や分厚い胸板にいかつい肩など上半身の立派な肉体に加え、小さなお尻にスマートな下肢を持つスイマーのシルエットは逆三角形の素晴らしい肉体が特徴です。
でもより速くを目標に日々常にトレーニングをしている彼らにとって上腕の酷使は尋常ではありません。肩関節に過度な負担がありストロークによる繰り返される上腕骨と腱板とのスレなどにより激しい痛みや肩が上がらないと言った症状を起こします。
特にクロールやバタフライは腕の連続ストローク運動により推進力を得るために肩関節に与える影響は顕著となります。
さらに推進力を得るためにハイエルボーと言われるプル技術でより強力な推進力を得ようとします。そしてキャッチポイントをより遠くに求めるために肩関節のダメージは大きくなってきます。
1-2. 肩こり
では肩こりの症状について考えてみると、いろいろな原因が考えらますが、長時間のデスクワークや固定した体勢での作業などによって肩周辺の筋肉に乳酸が蓄積され筋肉痛を訴えるほどの凝り固まった状態になるのが肩こりです。
この凝り固まった状態が日常化すると慢性化してなかなか痛みが取れないと言った状況に至ります。
一口に肩周辺の筋肉と言っても肩を動かせることで収縮する筋肉もあれば日常生活ではうまく動かせない内部の筋肉インナーマッスルもあるのでコリをほぐすと言ってもなかなかうまくいかないのも現実です。
さらに加齢とともに血行も悪くなりさらにコリに悪影響を及ぼし、回復を遅らせる場合もあります。
1-3. 水泳と肩こり
水泳を日常の生活に取り入れている私にとっては肩関節の痛みは経験しても、肩こりという症状は未だにかつて経験したことがありません。
特段ハードなトレーニングをしなければ上腕は常に回転させる運動を行っているために肩の筋肉がコルなどという症状はありません。
2. 初心者でもできる楽しい泳ぎ方
私もそうなのですが、水泳が得意・いつも泳いでいるという人にはまず肩こりはないと思います。肩こり改善を必要とする以上水泳は苦手だと言えるでしょう。
そんな水泳初心者というか水泳経験の少ない人にとって水泳はやはり敷居の高い運動でしょう。
特にシニア世代が水泳をどのように取り込み取り組んでいくのか紹介していきたいと思います。
2-1. 無理はしない(25mも泳ぐ必要はない)
水泳は25m泳げなければ水泳ができるとは言えないと考えている人が多いと思いますが、決して25mなどを意識する必要はありません。
少しでも水の中で浮き、全身できればそれで十分と考えれば良いのです。もちろん25mを目標にするのは大切ですが、なによりも水泳は楽しむことが大切です。
走ったり飛んだり、ボールを投げたりと楽しみのある陸上運動と違って水泳は呼吸が自由にできないという決定的な違いがあるためにとっつきにくいのですが、この呼吸が自由にできないことこそが素晴らしい有酸素運動の秘密なのです。
クロールや平泳ぎの泳ぎ方がどうのという前にどんな泳ぎ方でもいいのです。人間は本来泳げる生き物なのですからあまり泳ぎ方など考える必要はなく楽に25mまで立ち止まらずに到達できるようになりましょう。
とはいえ、他人の目もあり、格好よくやりたいと思うのも当然です。そんな時はビート板でバタ足練習をしましょう。そしてビート板無しでバタ足で少しでも距離が伸びるように頑張りましょう。
2-2. 少しずつ距離を伸ばす
壁に到達したら必ずターンをして折り返しましょう。25mで休憩する人の何と多いことでしょう。この休憩が水泳を楽しくできない理由の一つです。
20mのラインを通過するころ苦しくてたまらなくなるでしょう。その時はその地点で立ち止まり残りの5mを歩きましょう。
決して無理をして25mまで無理をしないようにしてください。その無理が25mの壁で必要以上の休憩をしてしまいます。
25mまでなんとか到達出来たらターンをして30mまで行きましょう。残りは他のメンバーの泳ぎを邪魔しないように歩きましょう。
そして少しずつでも距離が伸びるように練習するという姿勢が大切です。毎日距離が伸びていく喜びは本当に楽しいというかうれしいものです。
2-3. ビート板によるバタ足練習
先ほども言いましたがビート板を使ったバタ足練習をまず手始めの水泳練習としてスタートしましょう。最初からは難しいかもしれませんが、次第に頭を水に沈めてバタ足練習をしましょう。
息が苦しくなったら呼吸をする、頭を水没させたままのバタ足中に細く長く息を吐き続け、苦しくなったら顔をあげて息を吸うというタイミングで泳ぐように練習しましょう。
この水の中での呼吸に慣れてくれば25mバタ足も全く苦になりません。そして息の仕方も前ではなく、顔を横にあげて呼吸できるようになればあっという間にクロールの完成が近づいてきます。
したがってこのバタ足練習でしっかり呼吸になれるようにしましょう。そしてそう簡単にできるものでもありません。
ビート板を使ったバタ足から初めてビート板を使わないバタ足と難易度を高めていけば呼吸のタイミングとリズムを習得できるでしょう。
2-4. ウオーキング
壁にもたれての休憩はできるだけやらないでおきましょう。
水泳をやろうとしても実質水泳で泳ぐ距離は最初のうちは微々たるものです。でもその微々たる水泳の距離がこれから少しずつ伸びてくるのです。
その泳いでいない間はウオーキングで有酸素運動を継続することで一日の消費エネルギーが格段に違ってきます。
消費エネルギーが多くなればなるほど血行がよくなり肩こり改善にもつながります。
ウオーミングアップ、クールダウンにも水中ウオーキングを行い、プール入水中は30分から40分は常に歩いているもしくは泳いでいる。そんなプールでの過ごし方を覚えましょう。
2-5. 潜水・蹴伸び、イルカ飛び練習
バタ足練習やウオーキングが楽しくできるようになれば、さらに楽しくなれるように潜水・壁を蹴っての蹴伸び・イルカ飛びなどを行い楽しみながらプールで過ごしましょう。
この遊びのバリエーションも姿勢改善にとても効果的ですので楽しみながらやってみると良いと思います。
2-6. 肩こり改善への効果
今この章で述べていきたのはクロールなどの水泳以前のトレーニングであったりそのバリエーションであったりと肩を回す水泳とは違いますので直接肩こりの改善につながらないようにお考えかもしれません。
クロールが上手に50mも泳げるようになる人には肩こりなどまず考えられません。ですからクロールが上手になる頃には肩こりも解消されているとお考えになっていただきたいと思います。
ビート板に両手をおいてのバタ足練習をイメージしてください。両手はしっかりと伸びてビート板を握っているか板の上に両手を置いているかどちらかだと思います。
その時の肩の伸びはしっかりと伸びており、上手になってくれば肩甲骨が先行して伸びるようになってきます。この肩の伸び・ストレッチ効果は絶大です。
そしてウオーキングで両腕を大きく振って歩けば肩の力が抜けて日頃、肩が凝り固まった状態は一変するでしょう。
なにもクルールが肩こり改善に良いというものでもないということをしっかりと認識して欲しいと思います。
3. その他一般的な肩こり改善方法
では一般的な肩こりの改善方法について見ていきましょう。
まず肩こり症状を訴えている人の特徴は姿勢が悪く猫背状態で日常を過ごしてるいう生活スタイルが考えられます。
常に前かがみで骨盤から曲がっている若い人さえ目にします。最近誰もが活用しているスマホなどは猫背原因の象徴的なツールだと思います。
通勤時間にはスマホを常用し、職場での長時間のデスクワークを考えた時に肩こりが起こりうるべき日常を過ごしており、むしろ肩こりがない方がおかしいほどの生活習慣だと思えてなりません。
3-1. 肩こり改善にはまず姿勢を正す
肩こり改善にはまず姿勢を正す。これに尽きるかと思います。現代を生きる人が姿勢よく「気をつけ」の姿勢はなかなか困難なほど筋力が低下しています。
したがって「気をつけ姿勢」は筋トレ効果、ストレッチ効果があります。
この姿勢を正すことによって肩や腰のコリがストレッチ効果により、ほぐれるはずです。長時間のデスクワークや偏った姿勢による作業などでおこる肩こり改善にはまず姿勢を正す。これを頭に入れて置いて欲しいと思います。
デスクワークの休憩にスマホを使うのではなく、姿勢を正すストレッチ、さらに姿勢を正して少しでも歩くことをお勧めします。
この姿勢を正す方法ですが、背中の両方の肩甲骨をくっつけるようなイメージで胸を張ってデスクワークをする習慣を身につけたいものです。
そして時間があれば水泳をやってみる気持ちがあればさらに肩こり改善には効果があります。泳ぎが少しずつ上手になるにしたがって姿勢が良くなっていくと思います。
水泳を始めてもなかなか上手にならないと嘆く声もよく聞こえますが、続けていれば少しずつ泳げる距離が伸び、併せて姿勢も良くなってきます。
3-2. 積極的に肩甲骨を動かせる
次に積極的に肩を回す習慣を身につけましょう。
私がよくやる肩回し運動を紹介したいと思いますが、これは水泳をウオーミングアップやクールダウンのストレッチを兼ねて行うものなのですが、まず右手だけをしっかり伸ばして腕全体の遠心力を使ってゆっくりと大きく回します。
前まわし後ろ回しと10回程度回していきます。右が済めば左腕も同様に回します。回すイメージは大きく肩甲骨を回す感じです。
次に両腕一緒に前まわし後ろ回しを行います。両腕同時に回すのは肩が固いとなかなか回しずらいですが、肩甲骨をしっかり回すイメージで行えばよく回ってくれます。
肩こり改善にはとても効果的です。マッサージなど揉みほぐす以上のほぐし効果が期待できます。
そして常に肩を回すひじを折って両肩を回す、片方の手のひらをもう一方の肩の上に置いて肩を大きく回すというのもとても肩が軽くなり肩こり改善にはとても効果が高いですから折に触れて、暇さえあれば肩を回す意識、習慣づけが大切です。
3-3. マッサージ温浴
そして時間があればスーパー銭湯や温泉施設でのんびりとする余暇の使い方も大切かと思います。入浴の最も優れているのは温浴効果です。
温浴効果とは血行改善、リンパの流れの改善など優れた効果があり、単に肩こり改善のために血行やリンパの流れを良くするだけにとどまることなく、身体の全てにわたって良い効果を生み出すことでしょう。
そしてシニア世代には時間の余裕があればマッサージによる揉みほぐしを行うとさらに肩こり改善につながると思います。
肩だけにとどまることなく、上半身・下半身共にほぐしてもらえば全身の血行が良くなり、効果は倍増するでしょう。
3-4. 有酸素運動の習慣化
そして最後に運動を生活習慣の中に取り込むことが大切です。まず長く続けることが大切ですからまずウオーキングを一日30分でも続けるようにしましょう。
ウオーキングは有酸素運動の代表的な運動です。このウオーキングの習慣化により、血行が良くなるのは明らかです。投薬やマッサージ以上に有酸素運動の習慣化は何よりも大切な肩こり改善方法といえます。
ウオーキングの習慣化に加え週に1度2度と行えば肩こり改善は言うまでもなく健康維持にもっと優れた運動ではないでしょうか。
4 まとめ
以上、肩こり改善について水泳の持つ特徴、そして良い事例、良くない事例なども織り交ぜながらお話ししてきました。お楽しみいただけたでしょうか。
水泳が肩こり改善にとても効果があるということはだれでもが知るところですが、シニア世代には水泳はとても遠い存在であるかもしれません。でも陸上で運動するよりもはるかに効果が高いです。
水の中は何よりも浮力があり、身体の筋肉や関節、骨格に与えるダメージがなく、とてもリスクの少ない運動です。この水泳を含めて水中運動で肩こり改善を行うのがとても効果的だと言えるでしょう。
ただ一つ問題は水泳が誰にでも簡単にできる運動ではないことが最大の課題です。
この課題を楽しく克服していくためのバリエーションを紹介させていただきました。クロールが25m泳げるようになれば肩こりはすっかり解消している。
そんなイメージで水泳を捉えていただければよろしいのではないでしょうか。
くれぐれも無理にがむしゃらにクロールを頑張ってかえって関節を痛めるなどと言った問題を抱えないようにあくまで楽しく少しずつ水泳を日常の運動習慣に組み込んでいただければ肩こり改善にはとても効果があると言えるでしょう。
最後までお付き合いいただき心から感謝しています。ありがとうございます。
なお、以下の記事も興味深い内容となっていますのでご一読いただければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。