睡眠の質を睡眠時間から検証!貴方にとってのベストは・・・

睡眠時間については様々な調査研究がなされいますが、床についているのが6時間未満だと寝不足と感じてしまう傾向があるようです。

私の現役時代は5時間さえ取れていませんでした。

でも5時間未満でも寝不足と感じない質の高い睡眠が得られていたのかもしれません。

ならば、質の高い睡眠に必要な時間とは、そして睡眠に必要なベストなのはどれだけなのか?

そして、さらに、就寝、起床時刻についても検証する必要がありそうです。

この記事では、この睡眠の質を高めるに効果的な所要時間や時刻について考えてみたいと思います。

参考:安眠の方法は簡単ですが、眠りが浅いのはNG!ではどうすれば・・・

1 睡眠時間

1-1 推奨

全米睡眠財団による推奨睡眠時間

年齢            必要時間

新生児(0~3ヶ月)   14~17時間

乳児 (4~11ヶ月)  12~15

幼児 (1~2歳)    11~14

就学前(3~5歳)    10~13

学童 (6~13歳)    9~11

青年 (14~17歳)   8~10

若年者(18~25歳)   7~ 9

中年者(26~64歳)   7~ 9

老人 (65歳以上)    7~ 8

出典:wikipedia

子供は寝るのが仕事であり、寝る子は育つとはよく言ったものです。

全米睡眠財団が推奨している睡眠は7時間以上8時間ぐらいが適切と考えているようです。

1-2 国別平均

国              睡眠時間

日 本           7時間50分

ノルウエー         8   3

スエーデン         8   6

ドイツ           8  12

イタリア          8  18

メキシコ          8  21

OECD18国        8  22

イギリス          8  23

ベルギー          8  25

フィンランド        8  27

ポーランド         8  28

カナダ           8  29

オーストラリア       8  32

トルコ           8  32

ニュージーランド      8  33

スペイン          8  34

アメリカ合衆国       8  38

フランス          8  50

出典:wikipedia

このとおり、日本人は諸外国よりも短いとのデータがあります。

この理由は諸外国の人々は昼寝も重要な睡眠と考えているのではないでしょうか。

地中海地方ではランチ後に昼寝をする習慣があるので、質の高い睡眠には昼寝は欠かせないものなのでしょう。

しかし日本人は勤勉であるがゆえに昼寝などは多少の罪悪感さえあるのかもしれません。

とはいえ、諸外国の8時間以上には驚かされます。

そして全米の睡眠財団が推奨しているよりもかなり多く睡眠をとっていることがわかります。

1-3 その他の調査結果

・OECDの調査

経済協力開発機構18ヵ国(OECD)の調査によれば18ヵ国の平均が8時間22分で日本人の平均は最短の韓国に次いで短かったとされています。

・厚生労働省の調査

2011国民健康・栄養調査(厚生労働省)によると、1日の平均は6時間以上7時間未満という人が多いという結果が出ています。

・日本人は寝不足!

これらのことから日本人の睡眠時間は不足気味だといえるでしょう。

2 睡眠に不満

2018年2月健康機器メーカーの株式会社フジ医療器が20歳以上の男女4700人に対して睡眠に関する調査を実施しました。

その結果の概要を紹介します。

2-1 調査結果の概要

睡眠への不満がある人は92.6%この調査の第1回(2011)から毎回90%を超える結果になっているようです。

2-2 「寝ても疲れがとれない」

 

睡眠に不満がある人のうち、4人に1人が「寝ても疲れが取れない」

睡眠に関して不満を感じるベスト1が「寝ても疲れが取れない」

2位は「何度か目が覚める」3位は「朝スッキリ起きられない」4位は「なかなか寝付かれない」

そして寝ても疲れが取れないで最も多いのが30代です。。

何度か目が覚めるについては70代がダントツです。

朝スッキリと起きられないは20代

なかなか寝付かれないは20代30代です

2-3 平均睡眠時間

平均は平日6時間、休日7時間

平日の睡眠時間で6時間以下は60%を占め、休日になると6時間以下は34%に減少し7時間が34%となっています。

そして理想とする睡眠時間を尋ねたところ8時間が51.1%を占めているようです。

2-4 原因

満足した睡眠をとることができない原因は「ストレス」が52.8%

このストレスが原因で満足できないと答えたのは男性51%女性54%

次の理由は「手足の冷え」で女性が34%男性が16%で女性の悩みがつよいようです。

次に体調不良、仕事・勉強、枕、人間関係の疲れと続いています。

2-5 快眠の工夫

快眠を得るための工夫の1位は「入浴」31.4%

「入浴」と答えたのは男性が28%女性が35%となっており

つぎに「あたたかい飲み物を飲む」が19.1%で続き男性が11%、女性が27%となっています。

その他工夫としては「何もしていない」「ストレッチをする」「マッサージをする」と続いています。

参考:不安解消にお勧め本!その前に不安をセルフコントロール!

3 睡眠時間の考え方

睡眠のが高く効果的な睡眠時間とはどう考えればいいのでしょうか。

前章に紹介した健康機器メーカーの調査を振り返りますと、平日では6時間、休日で7時間、そして理想は8時間という意見が多いようです。

これは平日は無理をして、休日は少し緩和、理想は8時間だという考えが一般的なのだと思います。

3-1 筆者の考え方

私の睡眠の質と時間の考え方については、目が覚めて起き上がった時の気分というか爽快感があればその睡眠の質は良好だったと考えてきました。

だからある時は8時間、10時間でも起床時の爽快感が得られないときもあります。

逆に3時間の眠りでもとても爽やかなという睡眠もあるわけです。

決まってそんな時とは熟睡、寝付きも寝起きもバッチリのとても質の高い睡眠だったのだと思います。

そしてその3時間が短いからといって、2度寝をすると、かえって爽快感が逃げていくような気がします。

それぞれ当該者がスッキリと質の高さを感じ取る自己評価はとても価値があるように考えています。

3-2 フィンランドの考え方

私が30代の半ば、仕事にやり甲斐を持って頑張っていた頃、フィンランドの男子高校生を1年間、ホストファミリーとして預かった経験があります。

その高校生の彼と生活習慣や文化についてよく話した事を今でも思い出します。

彼は高校3年生です。帰国後、兵役が待っているのだと言うのです。

日本では十分に自然とともにのんびりと遊びたいと、同じホームステイの子供達であってもお国柄というか世界の広さを感じました。

そして彼の国はフィンランド、白夜の国だから午後8時9時はまだ夜じゃない・・・。

でも冬は日中がとても短いのだと・・・

国の地理を考えると至極当然なのですが、私たち日本人には理解できない生活環境で彼は育ってきたのです。

だから冬は睡眠時間が長く、夏は短いといってました。

そしてその睡眠時間がとっても身体の調子がいいと。

3-3 質の高い睡眠とは(筆者流)

平均的睡眠時間というのは参考程度に考えておき、自分自身にもっとも質の高い睡眠を模索することが大切だと思えてなりません。

ある人は6時間かもしれないし、またある人は8時間という場合もあるでしょう。

・睡眠時間

7時間、8時間などいろいろあると思いますが一概に言えないというのが結論だと思います。

健康を維持するためには8時間寝なくてはいけないと決めつけることは問題があるように思います。

そして次の就寝・起床時刻との密接な関係がありそうです。

・就寝時刻

私の場合の就寝時刻のベストは午後10時です。

私は今までの経験の中でこの午後10時就寝が睡眠時間が短くても質の高い睡眠を得られる就寝時刻なのです。

私は若い時からずっと水泳の選手だったのですが、レースで好調だったのは決まって午後10時だと経験上知っています。

そして仕事でもなんでも翌日にベストを尽くさなければなけれならない所謂、勝負睡眠は午後10時と自分で決めています。

・起床時刻

では次は起床時間です。

これは特に何時と決めている訳ではありません。

日の出前の直近の目覚めが私の起床時間です。

しかし、90分サイクルで1サイクルの睡眠が確保できなければ起床するのです。

これが私の場合、ベストな睡眠が確保できると確信しています。

3-4 独自の睡眠時間を

この質の高い熟睡を得られる睡眠、を自ら探し出す作業が重要だと私は思います。

私は子供の頃の親の躾が10時就寝、日の出起床だったからその生活習慣が今の私のベースにあると思います。

睡眠については各人個人差があるはずでしょうから、探し出す努力をすべきだと思います。

・ベストな質の睡眠

誰でも「今日はスッキリと目が覚めた」という経験がおありだと思います。

スッキリしないネガティブな目覚めこそ忘れて気持ちよく朝を迎えられた睡眠を記憶にとどめ

その時の就寝時刻、睡眠時間、起床時刻を記録して、データを取り、あなたのベストな睡眠を探し出して欲しいと思います。

・睡眠の習慣化

質の高い睡眠が手に入ったなら、その眠りのパターンを習慣化させ、その習慣に仕事や暮らしを合わすのが賢明です。

深夜までの、仕事の帰りに食事に誘われることもあるかと思いますが、睡眠の習慣に合わして、断るべき時は断り、途中での切り上げも勇気を持って決断しましょう。

4 睡眠時間とリスク

私たちは1日のうちで平均的には1/3を睡眠に充てています。

この睡眠とは人が生きていく上でどのようなリスクを抱えているのかという点について紹介します。

日本人の9割以上が睡眠に不満を感じている状況からこの弊害は気になるところです。

ではここでは睡眠時間とリスクについて考えてみましょう。

4-1 睡眠時間と死亡リスク

この図は2002年に発表された名古屋大学の研究で

睡眠時間が6.5〜7.4時間の人を「1.0」とした時の相対的死亡危険率(6年後の死亡率)を数値化したものです。

・7時間がベスト

睡眠時間が約7時間が一番死亡リスクが低く、短くても長くても死亡リスクは高い。

さらに寝過ぎのリスクはより高いことを示しています。

・7時間は不満

このリスクの少ない7時間は日本人には不満な睡眠時間です。

これは日本人に限ったことではありません。

1980年代にアメリカで100万人以上を対象にした調査では

1日に6.5〜7.5時間の睡眠がもっとも死亡率が低いという結果が報告されているように

人間には寝不足と感じる睡眠時間だと言えます。

・8時間睡眠のリスク

この8時間睡眠の死亡リスクが7時間よりも非常に高い。この衝撃的結果はとても興味深いものです。

6時間睡眠は8時間より低リスクだというのもとても衝撃的です。

4-2 脳・心血管疾患のリスク

この図は睡眠時間と冠動脈性心疾患の発症危険率の関係を表したものです。(米国:2003年)

・睡眠時間8時間がベスト

脳や心血管疾患のリスクを考えた場合、8時間睡眠がもっともリスクが低く、9時間以上の睡眠は極端にリスクが増大する。

・睡眠の乱高下は危険

日常は7時間程度の睡眠をとっていた人が急に残業などで徹夜をし、さらにその翌日はその睡眠不足解消のための寝溜めなどというのはもっとも危険と言えるのでしょう。

4-3 糖尿病のリスク

この図は睡眠時間と糖尿病の発症危険率の関係を表したものです。

・7〜8時間がベスト

糖尿病の改善には寝不足は大敵です。そして寝過ぎもまた好ましくないと言えるでしょう。

これは睡眠不足や不眠は交感神経の緊張などにより、インシュリンの分泌バランスが崩れて糖尿病症状を起こすのかもしれません。

・寝不足は大敵

睡眠時間が5時間以下の人、睡眠障害を自覚する人、夜中何度も起きる人なども要注意です。

上記のインシュリンの分泌バランスに加え、朝食後の血糖値の急上昇など糖尿病のリスクは拡大するでしょう。

・高血圧のリスク

さらに考えられることは高血圧リスクです。

一般的には睡眠中の血圧は10%程度の低下が起こります。

また逆に一晩徹夜すると拡張期血圧(最低血圧)が約10mmhg上がると言われています。

すなわち睡眠不足は血圧の大敵なのです。

4-4 肥満リスク

この図は睡眠時間が7時間以上の肥満を「0%」とした時の睡眠時間別の相対肥満度です。

・睡眠4時間未満での肥満は深刻

睡眠時間が短い人は食欲を促進するホルモン「グレリン」の分泌が促進され、食欲を抑える「レプチン」の分泌が抑えられるため、肥満になりやすいということが報告されています。

睡眠時間の短い人はストレスを多く感じ、外食が多く食事リズムがバラバラであったり栄養バランスも偏りが多く肥満になりやすいのでしょう。

・睡眠障害と生活習慣の改善

生活習慣病の根本原因はこの睡眠障害と生活習慣の悪循環が重要な問題だと思います。

睡眠時間とその質の向上が肥満改善の鍵と言えるでしょう。

4-5 睡眠不足とうつ病

この図は睡眠時間とうつ状態との関係です。

・7〜8時間の睡眠がうつ病リスクが低い

うつといえば不眠という印象がありましたがこの表からは寝過ぎもうつ病リスクが高いといえそうです。

とはいえ睡眠を奪われることは死活問題でもあり、睡眠時間の確保とその質を向上はとても大切なのはいうまでもありません。

5 時間と質の確保

睡眠時間の質が高くベストなのはやはり7〜8時間がベストだといえそうです。

でも睡眠時間が6時間程度であってもその質さえ向上されていれば特に問題がないともいえそうです。

ただ寝ダメと称して寝すぎることは決して褒められることではないことも明らかです。

5-1 睡眠と覚醒のリズム

私たち人間といえども生きとし生ける生き物である以上、太陽の恵に育まれて生きています。

フィンランドの高校生が言っていたように、お日様の日差しに合わせて睡眠時間を調整しているというのはとても興味深いというか理にかなっていると思います。

朝の目覚めは日の出が一番だと私は思います。

夜は夜更かしせずに早寝早起きがやはり一番なのでしょう。

朝の日光を浴びてお日様の日差しを浴びることの覚醒効果は生きとし生けるものの原則だと改めて実感しています。

5-2 適度な運動

生活習慣に適度な運動を取り入れている人の眠りのパターンを見るとやはり規則正しさが伺えると思います。

そして歩いたりジョギングをする時間を捻出させ、規則正しい生活習慣を身につけていると思うのです。

適度な運動とは何と言っても歩くことでしょう。

朝の日差しを浴びてのウオーキング、これに勝る運動はないのかもしれません。

やはり人は歩く生き物、人が歩くことを忘れてしまえばもうそれは人であることを放棄したようなもの!

毎日の暮らしの中にできるだけ歩くという意識づけを深めたいものです。

5-3 睡眠の質の向上

人は感覚的にも日常的にも7時間程度の睡眠をとっているのが一般的です。

であるならその質を上げるための工夫を少しでもすれば自ずと病気などのリスクは回避できるでしょう。

入浴の効果的な利用、職場環境、家庭環境など様々な人が生きる空間をうまく改善して睡眠の質を高めていきましょう。

6 まとめ

以上、ここまで長い記事に最後までお付き合いいただき心から感謝しています。

睡眠の質と睡眠時間との関係について様々な調査結果を元に解説検証してまいりました。

少しでも参考になれば幸いです。

外国旅行から帰国して一番最初に何がしたいか?

また懸案のプロジェクトが終了して今何がしたいかなどと問えば決まって眠りたいとおっしゃる通り、

眠りとはまさに心身の修復再生のために欠くべからざるものです。

健やかな心身を維持するため、いつまでも健康であり続けるために、睡眠の質と睡眠時間、

そして睡眠と覚醒のリズムを整えること、今一度見直してまいりましょう。

ここまで読んでいただき心から感謝しています。