水泳競技はメドレーターンを磨いてオールラウンドを目指そう

水泳競技で憧れの個人種目といえば個人メドレーです。4つの泳法で均等距離を泳ぐこの種目はオールラウンドの技術と泳力が要求されます。

すなわち、4つの泳法をうまくターンして次の泳法にスイッチする必要があります。

従って、ターンを制する者が個人メドレーを制すると言っても過言ではなく、このターンに注目して素早く泳法をスイッチしてターンする手順について述べていきたいと思います。

このメドレーターンをしっかり練習してオールラウンドの水泳選手をめざしましょう・・・

併せて、個人メドレーはスタミナも要求されるため、それぞれ選手は得意種目でもエントリーが可能となり、個人メドレーで好記録を持つ選手は高く評価されるでしょう。


1 個人メドレーについて

水泳競技種目、個人メドレーはバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、自由形(クロール)の順序で等距離をスイッチして泳ぐ水泳競技です。

種目は短水路(25mプール)では100m、200m、400m、長水路(50mプール)では200m、400mの個人メドレーがあります。

個人メドレーの競技ルール

個人メドレーは、定められた距離を次の順序によって、それぞれの泳法の規則に従って泳ぎ、かつゴールしなければならない。

(1)バタフライ (2)背泳ぎ (3)平泳ぎ (4)自由形

各泳法は、定められた距離の4分の1ずつを占めなければならず、自由形は(1)(2)(3)の泳法で泳いだ時は違反となる。

(財)日本水泳連盟 競泳競技規則から抜粋

 

2 個人メドレーのターンについて

ここでは個人メドレーのターンについて検証してみましょう。

まず、ルール上はどうなっているのでしょう。今一度みておきましょう。

ターンのルール

前章において個人メドレーのルールを抜粋しておきましたがそれぞれの泳法の規則に従って泳ぎ、かつゴールしなければならないとあります。

仮に100m個人メドレーだったとすれば25mずつルールに従って泳ぎルールに従って泳法をスイッチしなければなりません。

すなわちスタートはバタフライです。25mに達したらバタフライでターンタッチして背泳ぎにスイッチすることになります。

その意味はバタフライで25でタッチするまでバタフライのルールが適用となるためにバタフライのターンやゴールタッチに準拠しなければなりません。

ではこのそれぞれのターンタッチもしくはゴールタッチのルールを今一度チェックする必要があります。

・バタフライのターン・ゴールタッチ

折返しおよびゴールタッチは、水面の上もしくは下で、両手同時に行わなければならない。

(中略)

次の折返しあるいはゴールまで身体の一部が水面上に出ていなければならない。

(財)日本水泳連盟 競泳競技規則から抜粋

・背泳ぎのターン・ゴールタッチ

折返しの間、ゴールの時およびスタート・折返し後の壁から15m以内の距離では、身体が完全に水没してもよいが壁から15mまでに頭は水面上にでていなければならない。

(中略)

ゴールタッチの際は、泳者は仰向けの姿勢で自コースの壁に触れなければならない。

(財)日本水泳連盟 競泳競技規則から抜粋

・平泳ぎのターン・ゴールタッチ

スタートと折返しの後の最初の一かきのはじまりから、身体はうつ伏せでなければならい。いかなる時でも仰向けになってはならない。

(中略)

折返しおよびゴールタッチは、両手同時に行わなければならない。タッチは水面の上下どちらでもよい。タッチの前、最後の腕の動作後頭が水没してもよい。

(中略)

スタートおよび折返し後の一かき目は完全に脚のところまで行うことができ、この間、競技者は水没状態でもよい。次の平泳ぎの蹴りにつながる下方へのバタフライキックが1回許される。

(財)日本水泳連盟 競泳競技規則から抜粋

・自由形のターン・ゴールタッチ

折返しおよびゴールタッチでは泳者の身体の一部が壁に触れなければならない。

スタートおよび折返しの後、身体が完全に水没してもよい距離15mを除き、競技中泳者の身体の一部が水面上にでていなければならない。壁から15m地点までに頭は水面上に出ていなければならない。

(財)日本水泳連盟 競泳競技規則から抜粋

ターンの手順

上記のルールをしっかりと頭にいれたターンをしなければなりません。

そのためにも、最初の泳法であるバタフライでスタート後、次の背泳ぎにスイッチするターンでは壁にタッチするまではあくまでバタフライですから、バタフライのルールが適用になり、ターン後泳法をスイッチして壁を蹴ればその瞬間から背泳ぎのルールが適用となります。

これらからターンの手順はルールに則りかつ合理的でスピーディーなターンが必要となります。では細かく見ていきましょう。

・バタフライから背泳ぎのターン

バタフライでターンタッチするときは両手同時タッチです。それから仰向け姿勢になりながらしっかり壁を蹴って背泳ぎの水中姿勢(ストリームライン)にはいり可能な限り(15m以内)バサロキックで浮き上がるという手順です。

スムーズなターンのためには通常のバタフライのターンよりわずかに仰向けな状態で壁を蹴るのがやりやすいと思います。

壁を蹴る時から仰向けで蹴るにはその動作が必要になるので水の抵抗のすくない壁を蹴ってから完全に仰向けになる方がターンしやすいと思います。とはいっても壁を蹴った時から背泳ぎのルール下ですから通常のバタフライターンのタッチターン後に姿勢を仰向けになるのはNGです。

・背泳ぎから平泳ぎのターン

背泳ぎから平泳ぎに移る場合、仰向きの状態から方向転換とうつ伏せ姿勢への回転が必要となります。

背泳ぎが専門の水泳者であればクイックターンが主流だと思います。またその他の泳法が専門の水泳者はクイックターンもしくはタッチターンですから、メドレーの場合の背泳ぎから平泳ぎのターンは経験不足という点がゆがめません。

右左どちらかの手でタッチして素早く両足を引き寄せその間に上体は仰向けからうつ伏せ姿勢にスイッチしなければなりません。

バタフライから平泳ぎのようにターン中に水の抵抗を受けるよりはできるだけ素早く壁を蹴り、水中姿勢中に完全にうつ伏せになるように意識するのが好ましいと思います。

平泳ぎの水中姿勢中に認められている一かき一蹴りそして有効なドルフィンキックを活用して有利に泳ぎたいものです。

・平泳ぎから自由形のターン

平泳ぎの通常のタッチターンにより水中姿勢にはいり自由形の初速の加速をバタ足もしくはドルフィンキックを有効にかつようして浮き上がるといいでしょう。

3 ターンの攻略

個人メドレーが強くなるためには何と言ってもターンの攻略が勝負を決するでしょう。また自己ベストを更新するにおいてもターンの強化は欠かせません。

まず100個人メドレーであれば3回の異なるターンが必要となります。

共通することは素早い抵抗の少ないターン、そして壁をしっかりと蹴り、力強い初速を活かしてそれぞれに認められているキックなどを活用して浮き上がり、ストロークを開始後速やかにトップスピードに達し、より一層の加速が得られるような泳ぎが要求されます。

それではその3つのターンの攻略法を見ていきましょう。

バタフライから背泳ぎ

バタフライから背泳ぎのターンはまずターンタッチが流れるなどタッチが合わないというのは致命的です。

よく練習時からターンのタッチを合わせる練習をする必要があります。

これはバタフライ競技の時も同じですが、日頃からターン突入に際して減速のないトップスピードでタッチができるように、ターン練習ではターン前5mからスタートするのではなく、トップスピードが得られる助走というかその距離からのスターを心がけるようにしたいものです。

そしてうつ伏せタッチターンから仰向けへの姿勢変更に気をとられてどうしても壁を蹴るタイミングがずれたり蹴るパワーが落ちたりすることのないよう、壁を蹴るパワーが100%となるように姿勢のスイッチを練習しましょう。

そのためにも完全に仰向け姿勢で壁を蹴るよりは、仰向け状態に至る前にしっかりと確実に壁を蹴ることが優先すべきと私は考えます。

背泳ぎから平泳ぎ

このターンも基本は同じです。背泳ぎでのターンタッチから壁をけるパワーを最大にする必要があります。

背泳ぎの選手はターン前5mに三角のフラッグラインを通過すると何かきでタッチするかを数えていて毎回同じタイミングでターンしています。

そのために頭が壁に激突する不安を全く感じていません。

個人メドレーの場合、背泳ぎ専門の水泳者は少ないと思いますが、ターン攻略のためにはこの感覚とタイミングが必要となります。

そして練習時からトップスピードでターンタッチしなければ練習の意味がありませんのでこのターンにおいてもターン前5mは全力で泳いでかく回数をしっかりと意識のなかに落とし込むようにしましょう。

ターンタッチ後両足を素早く引き寄せ壁を蹴るのですが、引き寄せる動作を水中で行うか水上で行うかいろいろ練習をしてみましょう。

それからタッチするタイミングですがタッチ前に身体が90度以上回転すると失格となりますが、それ以内なら許さるので、その許容範囲で身体の事前の回転が有効かと思います。

そして壁を蹴るパワーが100%で蹴るようにして平泳ぎの水中姿勢を入りましょう。

平泳ぎから自由形

最後のターンを迎えます。この平泳ぎから自由形へのスイッチ如何で勝負が決まると言って過言ではありません。

いち早く自由形にスイッチして記録を伸ばしたいところです。

そのためにも最後のターンは前の2つのターンよりも慣れている点もあり、今さら申し上げるまでもないところですが、ともかく素早く、力強く壁を蹴りだしクロールの初速を加速しながら浮き上がることが必要になってきます。

ターンの生命線は壁を最大限のパワーで蹴ることが重要です。

そのためにもタイミングをしっかりと合わせて壁蹴りで失敗のないようにしましょう。

4 個人メドレーを楽しく泳ごう

以上個人メドレーのターンを中心にその手順や大切な留意すべき点について解説してきました。

これらはマスターズ水泳大会や各地域でも競技会にエントリーを目指す水泳者のための内容でしたが、競技会のエントリーを考えていらっしゃらなくても水泳を楽しむ人であれば個人メドレーというのは憧れです。

なんとか自分自身もメドレーで泳ぎたいと考えていらっしゃると思います。

そういうシニアの方々にメドレーを楽しんでもらうためにすこし述べておこうと思います。

バタフライができなくても個人メドレーにトライ

水泳の泳法、クロール、背泳ぎ、平泳ぎと泳げるようになってバタフライを練習するのですがまだどうしてもバタフライが上手にできないというメンバーもいると思います。

でもその今のレベルでメドレーにドンドン挑戦して欲しいと思います。

それにはバタフライを通常のバタフライができないと考えるのではなく、ドルフィンキックのだけのグライドキックだけでいいのです。

もしくは足はドルフィンキック、プルは平泳ぎのドル平、泳ぎで十分です。

最初の泳法バタフライはドルフィンキックで十分です。

そして25mに達したら壁を両手タッチして仰向けになって壁を蹴るというシンプルなターンで背泳ぎにスイッチしましょう。

ターンテクニックなど考える必要もなく、バタフライキックでタッチしてターン中に仰向けになればそれで十分です。

そしてそのまま背泳ぎでゆっくりと25m泳ぎましょう。バタフライがキックだけだったので疲れていないと思います。

そして次は平泳ぎへのターンです。背泳ぎでタッチしたら両足を引き付けうつ伏せになってターンしましょう。

多少手間取ってもかまいません。落ち着いてしっかり壁を蹴って平泳ぎにはいりましょう。そして少し平泳ぎで休憩するような気持でゆっくりと泳ぎましょう。

そして最後はクロールへのターンです。あとはのんびりとクロールで泳げばいいのです。

いかがでしたでしょうか、とても楽しく個人メドレーをが泳げたのではないでしょうか。

バタフライなどできなくても全然かまいません。

それにバタフライは他のメンバーの迷惑なることが多くてバタフライキックやドル平の方がより楽しくて面白いです。

そして軽く100個人メドレーが泳げるようになれば次は50mクオーターの200メドレーに距離を伸ばしていきましょう。

とても楽しく、運動強度も高く素晴らしいエクササイズ水泳になると思います。

メドレー練習はキック練習を!

それからメドレーの練習は4つの泳法のキック練習をメドレーで練習するようにしましょう。

ビート板を持って25mずつ種目をかえての練習を5セットくらいするとスタミナもつくでしょう。そしてすべての泳法が上手になると思います。

ビート板もとってもターンは面倒ですが休まずに次の泳法キックにスイッチしてターンは休まずにしっかり壁を蹴ってターンしましょう。

それから特にドルフィンキックはしっかり練習しましょう。

ドルフィンキックはバタフライの練習はもちろんそのた3泳法の水中姿勢でも活用できる武器となるキックですからドルフィンキックの練習は重要です。

ターンで心がける点

水泳でターンとは休憩する場所と考えている人が多いと思います。足をついて一旦休憩するところ!

でもそれは違います。ターンはプールの都合上やむを得ず方向転換するところと考えて欲しいと思います。

今回はメドレーですから、壁ごとにターンとなりますが、そこで休んでいては泳法をスイッチして最後まで泳ぎきる泳力はなかなかつきません。

もし休憩が必要ならターン後に浮き上がってから休みましょう。

それからターンは方向転換とうつ伏せ仰向けの回転と二種類のひねりが必要となりとても難しいと考えがちです。

でも、ルール上許される範囲のなかでターンすればいいのですから素早くターンできる方法を練習すればいいのです。

一番重要なのは、壁をしっかり蹴るというのがターンの最重要事項ですからよく頭に入れて置いて欲しいと思います。

メドレーではターンは泳法のスイッチが行われますが、メドレー以外の種目もターンは同じです。ターンでいかに加速するかが大切です。

水泳中の加速よりも壁を蹴った初速の方がはるかにスピードがあります。この点を理解していただければターンの重要性がわかると思います。

そしてターンは泳ぐ距離を圧縮できるチャンスなのです。

ターン後の水中姿勢でスピードを殺さずルールで許されるキックなどを使うことで泳ぐ距離が圧倒的に少なくなりそれはまさしくハイブリッドです。

長く泳ぐためのコツなのですからターンは距離をのばすための鍵だとお考え下さい。

5 まとめ

以上、水泳競技で一番難易度の高くて誰もが憧れる個人メドレーについて、特にターンに焦点をあてて解説させていただきました。

素早く上手なターンで記録を伸ばす。

また勝負に勝つためのターンテクニックを中心に基本的なルールから今一度見直してみることから検証してきました。

いかがでしたでしょうかお楽しみにいただけたかと思います。

そして水泳選手にとどまることなく、シニアの水泳メンバーにも楽しいメドレー、そしてターンについての考え方、練習の取り組み方を含めて述べてきました。

水泳とはこんなに楽しいものだとメドレーを泳ぐことで感じてもらえたと思います。

どうぞ、バタフライが泳げないうちからメドレーなどまだまだと考えるのではなく、クロール、背泳ぎ、平泳ぎと泳げるようになればメドレーを練習に取り入れて楽しく水泳を続けましょう。

最後までお付き合いいただき心から感謝しています。ありがとうございました。

 

なお、次の記事も興味深い内容となっています。一度お読みいただければ幸いです。

参考:水泳のメドレー種目の順番は実は面白い!その理由を徹底検証

参考:水泳で上手にならない平泳ぎ!なぜ?そのコツは?教えて爺先生!

参考:水泳を楽しく!バタフライの泳ぎ方は意外とシンプルで楽しい・・・