水泳と水中ウオーキングの健康に及ぼす効果は計り知れません。特に水中ウオーキングのカロリー消費は陸上ウオーキングの倍にも相当します。またバタフライの運動強度はマラソンに匹敵します。
この記事では水泳と水中ウオーキングについてその効果とカロリーの消費量を検証するとともに、この両者をミックスさせて30分以上行うことで素晴らしい効果とカロリー消費を稼ぐ考え方とその方法についてまとめてみました。
とはいってもバタフライを50m、100mと泳ぎ続ける泳力はアスリート意外は不可能だと思います。
水泳と水中ウオーキングの効果を最大限に引き出す水泳歴60年スイマーのトレーニング方法をご紹介したいと思います。
1 水泳の効果とカロリー消費量
まず水泳効果のうち最も効果の高いモノとしてカロリー消費量があげられます。これは水泳が水中で行われる運動であるという特色があるのは誰もがご承知のことと思います。
水中という環境は陸上と違い非日常環境であります。したがって水泳は水の抵抗を泳者の身体に直接受けるために強い運動強度を伴います。
それに水中というのは同時に浮力を受けますのでこの浮力を上手に活用して楽しく運動を続けることができます。ビギナーのうちは呼吸が自由にならず苦しいかも知れませんが練習を継続することで水泳の有効性はますます向上していくことでしょう。
運動強度
具体的な消費カロリーを見てみると(独)国立健康・栄養研究所から発表されている「身体活動のメッツ(METs)表に示されている水泳各種目毎の運動強度(METs)を比較すると普通の速さでクロールを泳ぐと8.3でバタフライでは13.8となっています。
消費カロリー計算
具体的な消費カロリー計算は一般的には
カロリー(Kcal)= METs値×運動時間(時間)×体重(kg)×1.05
この公式に当てはめて計算できます。たとえば80kgの私が0.5時間、普通の速さのクロールで泳いだ場合の消費カロリーは
8.3×0.5h×80kg×1.05=348kcalという計算になります。
この優れたカロリー消費効果を十分体感している私には体重コントロールをするためにこの水泳は欠かせない運動なのです。
その他の効果
最初に消費カロリーに関する特徴的な効果を述べましたが水泳にはその他にも優れた効果がいろいろあります。
この制限される呼吸は呼吸筋が強化され風邪を引きにくく、循環器系の健全化も目覚ましく免疫力が向上されると考えています。
子供たちが水泳スクールに通う理由に喘息を治ったという口コミもうなずけます。成人においても健康診断で指摘される様々な血液検査の結果も水泳の継続により改善されることは間違いないところです。
水泳の上達は体幹部の強化が行われ美しい姿勢を保つ体幹部の筋肉が強化されるためなのです。この姿勢がよくなることで肩の凝りや腰、膝の痛みなども改善され体調が良くなるというのは私の実感ですから私の生活習慣に水泳は欠かせません。
まだまだいろいろな効果がありますがまとめると以下のようになります。
・免疫力改善効果 ・姿勢改善効果 ・リフレッシュ・ストレス解消効果
2 水中ウオーキングの効果とカロリー消費量
次に水中ウオーキングについて述べたいと思います。
水泳が非重力運動であるのに対してウオーキングは重力運動です。でもその重力は陸上の2分の1程度になります。もちろんこの2分の1は全身が完全に水没したときですから水面からでている身体はダイレクト重となります。
下半身にハンディを背負った人のリハビリは中高年世代の運動不足解消には素晴らしい効果を発揮するでしょう。
カロリー消費に関しては前章で述べている運動強度をウオーキングに換えれば計算できることなので重複は避けますが陸上ウオーキングと比較しても水中ウオーキングのカロリー消費効果は歴然です。
そして水泳で述べたいろいろな効果についてもウオーキングにおいても同様にその効果を期待できるでしょう。
そんな中で特に伝えておきたいことは呼吸と姿勢です。
次にも述べますができるだけウオーキングだけではなく、水泳も取りいれて欲しいという狙いがありますので、ウオーキング中は水泳を意識されてクロールのストロークをイメージされて呼吸をしてほしいと思うのです。
細く長い吐く息を意識した呼吸をお勧めしたいと思います。
それから背筋がピーンと伸びた姿勢で前かがみにならずしっかりと正面・進行方向を見つめて歩いて欲しいと思います。
姿勢と意識呼吸をしっかりと意識されてウオーキングされると上にあげた効果がより顕著に現れるでしょう。
3 水泳、ウオーキングの問題点
ここで水泳と水中ウオーキングについて若干の問題点を指摘したいと思います。それは運動環境が水の中ということで水温による人体への影響です。一般的な屋内プールは30℃くらいに調整がされています。私が通うプールの水温は31℃程度にコントロールされています。
プールで1時間ほど自分の練習していて感じることは、水泳をしている人で30分以上泳ぎ続けているメンバーはほとんど見かけません。25m泳いだら壁にとどまって休憩をしていらっしゃいます。そして身体の疲労が完全に解消してからまた泳ぎ出します。上手なメンバーでも100m以上泳ぎ続ける人は本当に一握りなのです。
休憩の取り過ぎが水泳にしろウオーキングにしろ問題だと思います。特にウオーキングについてはやはり退屈感がぬぐえませんから、15分程度で上がってしまう人もいます。
そして水泳での休憩の取り過ぎも身体を冷やすというデメリットがあります。壁は休むところではなく、ターンするところ、泳ぐ目標が25m刻みなので仕方がありませんが、できるだけターンしてもう少し頑張りましょう。
そのためにもターン練習は欠かせません。
4 【水泳+水中ウオーキング】トレーニング方法
今一度ターンについてお話しますと、
ではトレーニング方法について述べていきます。
・そして立ったらウオーキングで歩きながら休憩をする。休憩しながら呼吸を整えウオーキングで壁までウオーキングです。そして速やかにウオーキングレーンに移動してウオーキングタイムに移行する。 ・ウオーキングで呼吸と身体のストレッチが完了すれば、またスイムレーンに移動して水泳を始める。 ・この繰り返しにより45分程度以上停止することなく、水泳とウオーキングを繰り返すトレーニング方法をお勧めします。 ・そしてクールダウンにウオーキングで時間をかけてストレッチと呼吸を整えるようにすれば運動効果としては最高です。そして消費エネルギーも十分稼ぐことが可能です。
その上、水泳練習ではトレーニングのテーマを定めてキックなりプルなり体幹部なりを強く意識することで筋トレ効果も発揮されます。
こうした水泳とウオーキングをミックスしたトレーニング方法により貴重な時間を効果的に運動効果、カロリー消費効果をより一層高められるでしょう。
5 水泳+水中ウオーキングメニュー
プールで行う水泳やウオーキングはあまりにも単調で楽しくありません。少しでも楽しく効果的にトレーニングするためにも水泳+ウオーキングで楽しんで欲しいと思います。
ここで理解を深めるために、両者のデメリットについてお話ししますと、
水泳選手は筋トレを怠りません。カロリー消費効果を狙って有酸素運動的水泳ばかりしていると下半身の筋肉が衰えるリスクを抱えています。
一方、ウオーキングでは下半身と上半身の温度差があって頭温足寒状態で行います。
それに消費カロリーを上げるためには時間が必要ですので身体の冷えとカロリー消費のジレンマに陥るというデメリットを考えなければなりません。
この水泳と水中ウオーキングのデメリットを効果的に解消しながらカロリー消費を高めていく!これが水泳+ウオーキングメニューです。
例1 ビギナー、シニア向け
アップ:ウオーキング5分、
ウオーキング:10分 モモ上げウオーク、後方ウオーク、横ウオークなど
水泳:10分(休憩時には休まずウオーキングで呼吸を整える)
このウオーキング、水泳を2セット
ダウン兼ウオーキング:15分
例2 中上級向け
アップ:ウオーキング5分、水泳5分
水泳ロング:10分
ウオーキング:5分
水泳キック:10分
ウオーキング:5分
ストロークスイム、インターバル練習:100m×2、50m×4、25m×8(メニューは随時変更)
ウオーキング15分
ダウン:水泳5分、ウオーキング5分
楽しく水泳+水中ウオーキング
水泳やウオーキングは単調ですから何よりも変化をもたせ、各々の力量に合わせて楽しく練習メニューを作ることが大切だと思います。スイムレーンからウオーキングレーンに移動するのは億劫ですが、じっとしているよりましです。プール中央で停止、立っても一向に問題はありません。
壁ではターンをして苦しくなったら立って泳ぐメンバーに配慮して歩く。そして壁に来たら、ウオーキングレーンに移動する。
このようにレーンを行ったり来たりしながら45分から60分程度、楽しく過ごしてほしいと思います。この時間に消費したカロリーは相当の効果を発揮することでしょう
6 まとめ
水泳とウオーキングのメリット、デメリットを相互にフォローしながら消費カロリー効果をより一層向上させていく考え方と具体的な方法について述べてきました。
私は50代の時、管理職として個室で執務しており、通勤も車でほとんど歩かない日常を過ごしていました。でも出来るだけ毎日水泳をしていたので運動不足とは無縁と高をくくっていた頃があります。
すると驚いたことに効き足じゃない方のふくらはぎの筋肉が削げ落ちているのを相当時間が経過してから気づいたという苦い経験があります。中高年世代になると偏った運動や有酸素運動だけ、水泳だけというのはリスクを伴うというのを身をもって体験しています。
特に中高年世代にはプールにくれば水泳とウオーキング、陸上での移動はできるだけウオーキングといつも気を配ることが大切かと思います。 何と言っても人間である以上歩行能力を退化させるわけにはいきません。プールにくればまずウオーキングそして水泳を効果的にプラスさせて楽しいプールライフをお過ごしください。 それにプールではアクアダンスやアクアエアロビクスなど楽しいレッスンメニューも用意されていますのでこれらも含めて楽しく1時間程度を水の中では常に身体を動かし続けることが大切だと思います。そのためにはそれに耐える体力が必要となりますので、少しずつ無理をせずに楽しく頑張って欲しいと思います。
と言うことでこの記事は以上とさせていただきます。最後まで読んでいただき心から感謝しています。ありがとうございました。
なお、以下の記事も興味深いですのでご一読いただければ幸いです。
初稿:2019年3月6日
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。