初心者の平泳ぎにおいて、ストロークとキックの力の配分は3:7とか4:6とか言われます。
初心者の皆さんはどんな感じでしょうか・・・
平泳ぎは楽な泳ぎ方と言うニュアンスがありますが、とても苦しくて思うように前に進まない泳ぎ方です。
それだけに、パワーよりもいかに抵抗を少なくするかと言う点をいつも考えながら泳ぐようにしましょう。
1. 平泳ぎストロークのポイント
クロールがある程度泳げるようになると次に習う平泳ぎで多くに人が苦労すると思います。
ここで解説する平泳ぎとはカエル泳ぎではありません。
力強いキックに支えられたストロールで大きく優雅に泳ぐ平泳ぎです。
多くの人は平泳ぎを楽に泳ぎすぎです。すなわち呼吸が楽で下半身が常に沈んだ状態で泳ぐ弱ったカエル泳ぎです。
このような楽な平泳ぎを早く卒業して前に滑るように進む泳ぎ方を練習していきましょう。
まず次に示す動画をご覧ください!
1-1. 楽な平泳ぎを卒業
まずは今までの楽に呼吸ができる平泳ぎいわゆるカエル泳ぎを卒業しましょう。そして競泳に繋がる平泳ぎを練習していきましょう。
でも何も競技会で泳ぐような平泳ぎを最初から練習する必要はありません。
優雅にダイナミックに泳ぐ平泳ぎを練習してクロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライと4つの泳ぎをマスターする上で最も難しいとされるこの平泳ぎを早くマスターするためにも
このカエル泳ぎは早く卒業しましょう。
やはりある程度の推進力をもち前進できる平泳ぎでありたいものです。
1-2. ストロークは大きな抵抗を生む
動画を見てお分かりのように平泳ぎは呼吸時に大きな水の抵抗を受けます。
横に伸びた肩、そして呼吸時に上半身が上を向くことで胸に大きな抵抗を受けます。この胸で抵抗を受けることから平泳ぎの事を英語では「ブレストストローク」と呼びます。
1-3. 100%キックで泳ぐ
平泳ぎの推進力は100%キックで!ストロークはキックの推進力の邪魔をしないことが平泳ぎ最大のポイントです。
1-4. 初心者向けの泳ぎ方
初心者向け平泳ぎの泳ぎ方(テクニック)については下記の記事を参考にしてみてください。
2. 初心者向けに重要なのはこの4つのポイント
前章では平泳ぎのストロークについて、大切なポイントについての導入部分の感覚的なところを解説しました。紹介した動画の美しい平泳ぎに目を見張られたことと思います。
特にストロークに注目されたことと思います。
この動画を見てキックとストロークについてそのパワー配分をどう感じられたでしょう。
では初心者向けにとても重要な4つのポイントについて、詳しく解説していきましょう。
2-1. ストロークとキック
実は私の専門種目は平泳ぎです。
私が競技会で成功した時と言うのはストロークでほとんど力が入っておらずリラックスストロークで泳げた時は好成績でした。でもストロークに力が入っていた時には決まって自己ベストを得ることができませんでした。
従ってストロークを忘れ、キック重視で泳げた時こそ良い泳ぎができたと言えます。
さて初心者のスイマーにとってストロークとキックの力配分は2:8いや1:9くらいのイメージで十分だと思います。
2-2. 手首を柔らかく
平泳ぎのストロークで重要なポイントは肘と手首です。
平泳ぎのストロークのイメージとしてはまず前の水を横へ押し開き押し出す。肩幅より少し広い程度です。
次に開いた腕を閉じるだけ、それも両肘をくっ付けるイメージで素早く脇を閉じる感じです。ここで腕で水をかくと言う感覚はありません。
ここで要求されるのは手首の柔らかさです。この柔らかさが大きな揚力と推進力を産み出します。
これを別の表現をすると、肘高(ハイエルボー)な肘を絞るようにキャッチすると言うことになります。
2-3. ストリームラインを大切に
そして次にストリームラインが重要なポイントです。
ストロークの後半、キックのフィニッシュとともに水中に突っ込みストリームラインを形成します。この推進力が平泳ぎの最もスピードがあって前進する距離を稼ぐ時です。
従って、平泳ぎにおいてもストリームライン如何がレベルの効果測定と言っても過言ではないと言えるでしょう。
平泳ぎからのストリームラインのイメージは先ほどあげました動画をみて水中でのストリームラインの状況をみていただければ理解してもらえると思います。
2-4. スタート・ターン後の水没中の失速防止
それからスタート・ターン時におけるストリームラインもしっかり練習して自分の武器にしたいところです。
これはレベルに関係なく、練習しておきたいところです。
従って壁を蹴って水中を前進する距離が少しでも伸びる練習をしてください。
平泳ぎの場合は水中で1回のドルフィンキックと1かき、1蹴りが認められています。この水中での前進で少しでも前進する若しくは加速することができればとても有利に泳ぐことができます。
そして初心者にはこの水没時に楽に浮き上がってこられればその後のストロークでエネルギー消費の消耗を抑えることができます。
3. 平泳ぎをダイナミックに泳ぐ
平泳ぎを優雅にダイナミックに泳げたらとても美しい泳ぎをパフォーマンスできます。
前章でも解説しましたが、平泳ぎはとても苦しい姿勢であると同時に苦しい呼吸に耐える必要があり、練習には多くの練習が必要です。
従って初心者にとっては、出来るだけストロークに費やすパワーを温存しながらキック重視で泳ぐのが正解です。
ある意味、呼吸するために顔を上げるだけのストロークと極論を言っても良いくらいと私は思います。
そのストロークですが肘先行でストロークの後半素早く両肘をくっ付けそのタイミングで素早い呼吸、そして水中にイルカ飛びをするような感覚で突っ込んでいく感覚です。
このダイナミックな泳ぎのポイントをこれから解説していきます。
3-1. 25mのストローク数をチェック
まず予備段階として25m平泳ぎでのストローク数をチェックしておきましょう。速さではなくストローク数です。
平泳ぎが上手にな人は壁を蹴って1かき1蹴りでプールの半分程度までいきますから浮き上がってからのストロークは4〜5回くらいです。
壁を蹴ってのスタート練習でストーク距離を縮める練習もナイスアイデアです。そして1ストロークで前進する距離を練習するのが最大のテーマです。
このストローク回数を減らす目的のために多くの人がストローク練習、すなわちプル練習に多くの時間を割きます。でもそれは間違いです。
キック練習に多くを割くのが正解です。キック力を高めてストリームラインでの前進距離を稼ぎましょう。
ストロークはキックで生み出された推進力のブレーキにならないように上手な呼吸ができる役割に徹すると言う感覚が正しいと私は考えます。
3-2. 呼吸時の落差を利用する
ダイナミックに泳ぐ次のポイントは呼吸時に上半身が水面上に浮き上がりますが、その落差を最大限生かして呼吸時に受ける抵抗をカバーしましょう。
まず呼吸時における上半身が上昇する体勢で大きな抵抗を受け減速してしまします。この時の抵抗を最小限にするために肩をすぼませる必要があります。
この体勢は脇を精一杯締める必要があります。でもこの脇を締める感覚ではなく両肘をくっ付ける感覚がおすすめです。
脇を締めると言う感覚では肘の部位が抵抗面積を広げてしまいます。両肘をくっ付ける場合には肘から手の先まで上体の抵抗面積に隠れることとなります。
その上、脇を締める感覚ではどうしてもストロークがかき過ぎてしまいますから感覚的にはかかないイメージが最適です。
そしてその最大抵抗を受ける状態から一気に水没する時、その状態の落差を最大限生かして突っ込み素早いストリームラインに持っていきましょう。
落差を生かしてイルカ跳びで突っ込むイメージです。
4. まとめ
以上平泳ぎのストロークについて初心者向けに重要なポイントを出来るだけ、感覚的に初心者にも理解してもられるようにイメージが膨らむような内容で解説してきましたがいかがでしたでしょうか・・・
きっと平泳ぎに対するイメージが一変したのではないでしょうか。
平泳ぎの指導でキックも大切ですが多くの時間をストロークに費やします。
もっとしっかりと水をかく事とか、ストロークのプルからフィニッシュを素早く効果的にと指摘を受けると思います。
でもこの記事で解説したようなイメージを初心者には持っていただき、難しく考えるのではなく、感覚的に身体を動かす練習をして欲しいと思います。
そしてストローク数の減少が上達の評価ポイントであることを知っていただければ平泳ぎは格段に上達することでしょう。
ここでまとめておきます。
・平泳ぎはキック重視!かかないくらいのイメージで十分です。
・ストロークは手首を柔らかく開いた腕を閉じるだけそして肘をくっ付ける。
・落差を生かした素早いストリームラインへ移行。
・スタート、ターンを有効に使って距離を稼ぐ。
この4つのポイントを頭にいつもしっかりイメージして練習しましょう。
平泳ぎはパワーではありません。知恵の勝負です。従って非力な女性やシニアでもいくらでも上手に泳げることができます。
どうぞ、この記事を参考に、ご自身に相応しいオリジナルなイメージを作り出していただきたいと思います。
そして平泳ぎも楽にダイナミックに泳げるテクニックを身につけましょう。
と言うことでこの記事は以上とさせていただきます。
最後までお付き合いをいただき心から感謝しています。ありがとうございます。
なお、以下の記事もとても興味深い内容になっていますので是非ご一読いただけたら幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。