水泳を初めて、ある程度経験を積んでくると、所属クラブにおける記録会など競技会への参加が告知されると思います。
そんな時、一番の問題は「飛び込みが怖い!」という気持ちが先立って記録会へのエントリーを躊躇してしまいます。
一般のジムプールや公営のプールでは飛び込みが禁止されているため飛び込み経験はほとんどなく、練習の機会さえありません。
でも所属クラブの記録会や水泳大会などに参加する機会があれば、是非この飛び込みの恐怖心を払拭して積極的に参加したいものです。
1. 飛び込みが怖い理由と対処法
水泳初心者にとって、どうしても乗り越えられない壁といえば飛び込みスタートではないでしょうか。
それはやがて経験する、クラブでの記録会や水泳大会です。
もちろん水泳ダイエット目的の人や、余暇を活かした水泳をしている人には飛び込みスタートなど全く不要なのですが、所属クラブのイベントで行われる記録会などには心惹かれるものです。
そして、子供の頃を思い出して思い切ってエントリーしたスタートの瞬間!
なんとも言えない不安と恐怖心・・・
スタート台とはこんなに高いものだったろうか?
上手く飛び込めるだろうか、大丈夫だろうか!と不安がよぎります。
清水の舞台から飛び込むつもりで飛びこんだものの、腹打ち、プールの底に接触など予想もしない恐怖に遭遇するとなれば、これが大きなトラウマとなり、もう二度と飛び込みはゴメン!
と言ったことにもなりかねません。
ここで、飛び込みスタートにおける恐怖心について検証してみたいと思います。
まずは怖いと感ずる原因・理由です。
そしてその恐怖心を取り除く対処法について詳しく解説していきたいと思います。
1-1. 恐怖を感じる理由
水泳競技ができる公認プールには競泳用のプールと飛び込みプールがあります。
その飛び込みプールの最上階は10mの飛び込み台があります。その台から下のプールを見下ろすと
もし風が吹いたらプールに入水できないのでは・・・
こんな不安がよぎります。
飛び込みとは高低差に対する恐怖心が相当なものです。経験が無い人にはまず足がすくむ事でしょう。
ましてや頭から入水しようとすれば、その怖さは言葉に表せないものです。
まず怖さを感じる具体的理由を検証してみましょう。
1-1-1. 頭から入水する恐怖
足から入水するのであればさほど恐怖は感じなくても、頭から入水しようとすればまず、誰もが怖いと感じるでしょう。
第一、入水点が腕であっても手に力がなければ水の抵抗を受けて入水姿勢が乱れます。
従って、人は飛び込みに怖さを感じるのは当然なのです。
入水時点において衝撃を回避するために1点入水が最善と言うことになります。
即ち腕が入水して頭・腰・足全てが一点の入水ポイントで入水すれば衝撃は最小に抑えられます。
1-1-2. 高低差
次にスタート台と水面との高低差の問題です。
でもこの高低差は初速に影響し、脚力と相まって大きなスピードの違いとして現れます。
大いにこの高低差を自分自身の強みに変えたいところです。即ち恐怖感からいち早く脱却して強みにしていきましょう。
1-1-3. 陸上運動から水中運動への変化
それから次の問題は陸上から水中に突入する事で、全く違った環境の変化を来します。
即ち、陸上運動である重力運動が、一転して重力の影響をほとんど受けない水中への突入です。
飛び込み動作によって空中での空気抵抗はほとんど無視できるものの、水中では驚くような水中抵抗を受けます。
緊張ではなく、リラックス状態でありながら、水の抵抗に負けない腕・首・腰などのしっかりした筋力が必要です。
1-1-4. トラウマ
以上述べたような恐怖に対する要因が複雑に絡み合うと、お腹を激しく水面に叩きつけられたり、万が一の場合には頭部をプールの底に強打する事故さえ起こりえます。
特に所属プールがジュニアの水泳スクールを兼ねているプールの場合には水深が浅く、事故の可能性は高くなります。
1-2. 恐怖心を払拭する対処のポイント
ではこれまで検証してきた恐怖を覚える原因に対して、どのように対処していけば良いのか解説していきます。
結論を言えば、従序だった練習経験を積むことで少しでも恐怖心を払拭していく必要があります。
でも、特段難しい技術が必要なわけではありません。一度上手くいけば以後、ほとんど失敗はないでしょう。
1-2-1. 練習をしていない事はしない
まず、練習していない事はやらない!
これを徹底してください。
飛び込みスタートは注意力散漫であれば、大きな事故に及ぶ危険性があります。
そのため、一般のプールでは禁止されている規制となっています。
1-2-2. 恐怖感と緊張感とは異なる
恐怖感は緊張感とは別のものです。
緊張感が恐怖感を増幅させる事はあるかもしれません。また恐怖感から緊張感が増幅される事も考えられます。
1-2-3. 恐怖心を払拭するまで練習
恐怖心を払拭するためには、何度も練習を重ねる以外手がありません。
その練習にも幾つか重要なポイントがありますので次の章で解説していきます。
2. 水泳初心者向け練習のポイント
では恐怖心を払拭しながら行う、飛び込みスタート練習の具体的練習例を紹介します。
2-1. 段階的練習
飛び込みスタート練習は特に初心者の場合には段階的に進めていく必要があります。
決して最初からスタート台から飛び込む事は避けてください。
危険が伴う事を最初に心に留め置くようにしましょう。
そして少しずつ高低差を上げて、最終的にスタート台からの高さに持っていきます。
さらに競技会等が所属プールなら問題はありませんが、公認プールや遠征プールとなると良い一層、高さを感じますから、本番前までにリハーサル練習が好ましいです。
2-1-1. まず座って
少しずつ高低差を高める方法はまず座った状態から飛び込む練習をする事です。
頭から飛び込む場合、立った姿勢からと座った状態とは高低差に大きな差があります。
座って飛び込んで上手くいってから立って飛び込みましょう。
これはスタート台でも同様です。
2-1-2. 両足・両手をしっかりスタート台に固定
次にスタート台であれプールサイドからであれ、両足・両手をスタート前にしっかりと固定させる必要があります。
膝はスタート合図で直ちに飛び込めるように曲げておくのが好ましいでしょう。
この固定が緩いと、安定した入水ができません。
2-1-3. 腹打ちを恐るなかれ
ある程度、練習を重ねてくると、腹打ちを遅れて入水角度が大きくなり、深く入水する事となります。
ある程度、腹打ちを覚悟して出来るだけ遠くへ飛び込むように練習してください。
理想とする1点入水はある程度の入水角度が必要ですが、初心者の場合は25mや50mの短い距離が多いのでいち早くストロークに入れるように飛び込むのが好ましいと思います。
2-2. イメージトレーニング
所属プールで飛び込み練習に多くの時間を避けないでしょう。そして通常は飛び込み禁止の規制がかかっているはずです。
このハンディを克服するためにはイメージトレーニンがとても重要です。
飛び込みスタートの動画を見つけてご自身のイメージを育てていきましょう。
完全にイメージが出来上がり、その上で実地練習というのが早道だと頭の片隅に置いてください。
2-3. 練習における注意点
飛び込み練習する上で注意すべきポイントを掲げておきます。
・飛び込んだ衝撃でゴーグルのズレや脱落が起こる場合があります。そのためにも飛び込み練習時はゴムバンドを強めにし、顔との設置部分は水で濡らしておきましょう。 ・緊張と恐怖感から入水時に目を閉じる場合があるかもしれませんが、飛び込みスタート時は決して目は閉じないようにして状況判断能力を維持しましょう。
この章で解説した事は詳しくは以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
3. 飛び込みは出来なくてもOK
所属クラブの記録会や他クラブとの練習試合などこれから何度もレースを経験すると思います。
もし飛び込みスタートに自信が持てない場合には遠慮なく競技会スタッフや指導者に「飛び込みスタートはしません」と必ず申告しましょう。
公式マスターズ大会でも飛び込みスタートをせずに水中スタートも認められています。
自信が無い中での飛び込みスタートで不測の事態は以後の水泳に大きな影響を与えます。
決して無理のないようにしてください。
私は、飛び込みに関して何度失敗をしでかしたかしれません。
ゴーグルが脱落した事などは言うに及ばず、隣のレーンに浮き上がったり、それはそれは笑い話も多々あります。
そんな失敗するくらいなら水中スタートで日頃の練習成果をパフォーマンスしましょう。
4. まとめ
飛び込みスタートと恐怖心について、詳しく解説してきました。
いかがでしたでしょうか・・・
「私は飛び込みなんて怖いから関係ない!」と考えていらっしゃる愛好家もいらっしゃると思います。
万が一の場合に飛び込んで速やかに救助にいかなければならない状況もないとは言えません。
そんな時、躊躇なく飛び込む事のできる能力はやはり持っておきたいものです。
それに私に言わせれば、飛び込みほど楽しいものはありません。
それに競技にしても飛び込みがレースの勝敗を左右する第一要因です。飛び込みスタートの上手かそうでないかは大きなテーマです。
是非、これからの長い水泳人生、是非競技会への参加そして華麗な飛び込みスタートを自分のものにして欲しいものです。
という事でこの記事は以上とさせていただきます。
最後までお付き合いをいただき心から感謝しています。
なお、以下の記事も興味深い内容となっていますので、ご一読いただければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。