水泳愛好家でバタフライへの挑戦中の方は「まず筋トレを!」と考えているのではないでしょうか・・・
まず最初に申し上げておきたいことはバタフライは決して難しい水泳種目ではなく、またバタフライキックは他の3つの水泳種目(クロール、背泳ぎ、平泳ぎ)にもとても重要です。
この記事を読んでバタフライへの関心がより強まり、バタフライが大好きになっていただいて、 Let’s バタフライ!
バタフライをどうぞ楽しんで下さい。
目次
1. 水泳(バタフライ)に効果的な筋トレ
早速バタフライについて述べていきます。
とは言え、鍛えておけばとても有効な筋トレという視点でお話ししますが、まず何と言ってもキック力です。
バタフライは両腕をダイナミックに羽ばたかせる上半身ばかりに注目しがちですが、私に言わせればバタフライキック(ドルフィンキック)がバタフライの命だと思っています。
バタフライを上手に泳ぐのも速く泳ぐにもバタフライキックの強さが先決だと考えています。
そしてタイミングよく腕による推進力を得るために豪快に肩を回す必要があります。より遠くの水をキャッチするために肩甲骨から回していく必要があります。
さらにこのバタフライキックと肩の回転をうねりを使ってバランス良く、タイミング良くつなげていく体幹部の強化というのが大切となってきます。
こうした視点で筋トレを考えればおのずと筋トレメニューが見えてきます。
まず、バタフライの泳ぎ方については次の記事と動画がとても参考になりますのでご覧ください。
1-1. 下半身の筋トレ

正しいバタフライキックをともかく徹底的に練習し、キックだけでタイムアップが少しずつでも目に見える形で表れてくれば筋トレ効果はバッチリと言えるでしょう。
膝を折って膝から下だけでのキックでは推進力は生まれません。
腰からいや腹筋からキックを打つようなイメージで腰、膝、足首、足指先までが鞭がしなるように、パワーが徐々に増幅して伝わっていくように1回毎にキックを集中して打っていきましょう。
そして水中に蹴り込んだキックは次には蹴り上げるキックにスイッチして蹴り込み蹴り上げと両方で推進力が得られるようなキックをイメージしてください。
そうすることで下半身の筋肉が鍛えられていきます。
強く大きくパワフルなバタフライキックを意識し1回1回集中してキック練習を繰り返しましょう。
上手くなってくればスピードも上がって来ます。そして筋トレ効果も素晴らしいものとなるでしょう。
1-1-1. 水泳での筋トレ
ビート板を使わないグライドキック500m目標
グライドキックダッシュ25m×10
1-1-2. ジムでの筋トレ
負荷は筋肉痛にならない程度で負荷を少しずつ上げていくのがお勧めです。
ジム以外ではスクワットとカーフレイズがお勧めです。
1-2. 上半身の筋トレ
両腕を振り上げてリカバリーするのは筋トレと言うよりも肩の柔軟性と考えた方が良いと思います。
したがってリカバリー動作は胸を張る筋肉が重要です。胸をはって両方の肩甲骨がくっつくくらいの筋力があればその反動をつかえば簡単に両腕をリカバリーできます。
初心者はウオーキングレーンでこの胸張りそしてその反動をつかって両腕を前に持っていく練習で上半身の動きのタイミングと筋トレをされることをお勧めします。
1-2-1. ウオーキングレーンでの筋トレ
今日つけの姿勢から胸をしっかり張って両腕を水面上を這うように一番遠いところに入水させる、肘をしっかり立てて水をかく、そして胸を張る、そしてリカバリーの手順です。
この連続をウオーキングしながら500m目標です。
1-2-2. 水泳での筋トレ
そしてプル板を両手に装着させてバタフライ25m×10
1-2-3. ジムでの筋トレ
ゴムチューブを使って水をキャッチからプルまでの動作をやってみましょう。ポイントはキャッチが重要です。
手のひらを使い手首を少し立てる感じて水をキャッチするというイメージです。
その瞬間に手の先から肩甲骨まですべての筋肉に刺激をいれて素早くキャッチ!集中しましょう。
水泳は一般的に身体の全ての部位の裏筋の筋肉が重要ですからあまり即効性のあるマシンは少ないですからこのゴムを使った筋トレが有効です。
少し強度の高いゴムチューブで胸を広げて肩甲骨を寄せる筋トレなどをお勧めします。
1-3. 体幹部の筋トレ
次に体幹部の筋トレです。
うねりを使ったバタフライをリズミカルに泳ぐには体幹部の筋トレは欠かせません。
そしてその筋トレも本来的に泳ぎながら鍛えていくのが私流のセオリーです。不用意に筋トレを頑張っても水泳にはバランスを失うリスクもあります。
水泳は筋力のパワーというよりもバランスとタイミング、そして水の抵抗を最小限にする水中姿勢を維持する筋肉が重要です。
従ってバタフライにおいても体幹部は水中姿勢を維持するために必要な背筋、腹筋、そしてインナーマッスルが重要だと考える必要があります。
バタフライの長い距離を泳ぐ練習、短いインターバル練習をしっかりと頑張ることで、体幹部の筋トレ効果が必ず向上していきます。
1-3-1. 水泳での筋トレ
先ほどの上半身のメニューでも十分に体幹部の筋トレ効果が得られますので、体幹部の筋トレというメニューはあまりありません。
クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライと個人メドレーを泳ぐことで総合的に体幹部の筋トレ効果が期待できます。
1-3-2. ジムでの筋トレ
ジムでの筋トレでお勧めはバランスボールを使った腹筋背筋です。
いろんなバリエーションの筋トレがありますからご自身でやりやすいメニューを選んで行うと良いでしょう。
なかでも私のおすすめはバランスボールの上で腹ばいになって両手両足を上げる背筋トレです。バランスを取りながらの筋トレはかなり難しいです。
それから床に仰向けになってバランスボールを両足に挟んでバランスボールを床から90度真上にあげる腹筋がお勧めです。
1-3-3. インナーマッスルの筋トレ
泳いでいても、陸上でも暇を見つけてはお腹を凹ませる筋トレでインナーマッスルを鍛えましょう。このインナーマッスルは水泳全般に常に重要で水泳の筋トレでこのインナーマッスルは優先順位1位といえるかもしれません。
2. ドルフィンキックを徹底的に

バタフライは平泳ぎから進化した水泳種目で両手を同時に動かせて泳ぐとてもダイナミックな泳ぎで水泳愛好家であればだれもが憧れる水泳種目です。
そして誰もが共通に抱くイメージは水泳で一番難しくて、事前に相当の筋トレをしておかなければならないと感じていると思います。
でもそれは大きな誤解です。
2-1. バタフライは難しくありません
例えば、水泳スクールを一度見学して欲しいのですが、非力な小学生がものの見事にダイナミックにパワフルにバタフライを楽々50mを泳いでいる姿を見て欲しいと思います。
私はジュニアの水泳インストラクターの経験があり、子供達にバタフライを教えまていましたが、クロールや背泳ぎの次に平泳ぎを教える難しさを思えば、バタフライは全く教える必要などありません。
私が見本を2,3回見本にバタフライはこうして両手両足を同時に動かせて泳ぐんですよと言うだけです。
そしてプールから上がって子供達に手を足の使い方とタイミングを鏡の前で教えるだけで、子供達はバタフライ初体験のその日のうちにバタフライを泳いでしまいます。
したがって水泳をする子供達にとってバタフライは決して難しい泳法ではないのです。
それに子供達にとってもバタフライは豪快でパワフルで早く泳げるようになりたいと思う泳法でもあるのです。
バタフライを覚えた子供達は本当に面白がって楽しくバタフライで泳いでいます。
また一方では、バタフライを泳ぐ小学校低学年の子供達に筋肉とか筋トレとかそういうテーマが必要なのかどうか!です。
ではこれから水泳種目の中でバタフライについて具体的なメカニズムである必要な筋肉や鍛える筋トレの具体的な方法などについて詳しく述べていこうと思います。
2-2. バタフライの注意事項
すれ違う時には片手バタフライにするか、一人で1レーンを独占できないときには最初からずっと片手バタフライで水泳者の交錯による怪我などを防止するなどくれぐれも気をつけてほしいと思います。
バタフライの練習は片手バタフライで十分だとも言えます。片手バタフライでプルとキックのタイミングを徹底的に練習する方が上達の早道だと思います。
2-3. バランスとタイミング
そして水泳ではいくら筋力があっても身体全体のタイミングが合わなければ失速する原因です。いくら筋トレしても小学生の子供達よりも速くバタフライを泳ぐことはかないません。
非力で発達途中の子供達がどうしてあれだけのスピードで水泳ができるのか、それは身体の柔らかさと、練習によって培われたバランスとタイミングなのです。
その基本がバタフライキックなのです。
それはバタ足がいかに多くの時間を割いて練習してきたかだと思います。退屈で苦しくて楽しくないのでしょう。
でもバタ足をしっかり練習してきた子供はさすがに体幹部下半身がしっかりとしてどの水泳種目をとっても実に安定感のある泳ぎです。
これはバタフライにも同様の事が言えます。バタフライキックを徹底的に練習して上手なバタフライ、そしてより速いバタフライを目指しましょう。
2-4. ドルフィンキックはオールマイティ
このドルフィンキックを練習をするメリットはとても大きく単にバタフライだけのためではありません。
キックの上手さがあればすべての水泳種目、オールマイティの水泳キックと言えるでしょう。
このドルフィンキックの練習に付随してジムで練習するとすれば先ほども述べたようにレッグカール、レッグプレスがお勧めです。
特にレッグカールは下半身の裏筋の筋肉が効果的に鍛えられますので、とても効果的です。
2-5. ドルフィンキックの練習バリエーション
2-5-1. ビート板を使った練習
呼吸とキックのタイミングをストロークスイムと同様に2回のキックで1回の呼吸のタイミングでスイムをイメージして第1キックと第2キックの強弱をつけて練習しましょう。
2-5-2. グライドキック
グライドキックはビート板を使わずに手を真っ直ぐに伸ばして呼吸時には両手で水を押さえるようにして呼吸しましょう。
キックは同様にスイムをイメージしてのキックです。
2-5-3. ドル平(腕は平泳ぎ、キックはドルフィンキック)
グライドキックの進化形ですが、呼吸時に平泳ぎの軽いプル動作、両手で水を横に押し広げ、そしてすぐに脇を締めて前に伸ばす平泳ぎのプルをおこないながらのキック練習です。
バタフライのリカバリー動作で一番推進力が強い状態のパワーを失速しないようにリカバリー後の水中姿勢を確実に形作るための練習です。
2-6. バタフライに必要な筋肉

バタフライは両手両足をタイミングよくリズミカルに同時に動かせてイルカが蝶のように水面をピョンピョンと飛びながら泳ぐとても難しい泳法だと言われています。
腕のストロークに必要な筋肉とは肩から背中に至る筋肉として僧帽筋、三角筋、広背筋などそして胸の筋肉、大胸筋も大切です。
次にキックに必要な筋肉ではお尻の筋肉大殿筋や足の筋肉、大腿四頭筋や腸腰筋などが重要です。
と同時に大臀筋からハムストリング、ヒラメ筋と脚の裏筋に分布する陸上ではあまり使わない筋肉もとても重要です。
またバタフライは上半身と下半身をバランスよくうねるように泳ぎますから体幹部がしっかりとしていなければなりません。
そのために体幹部の筋肉もとても重要です。
腹筋・背筋はもちろん腰や膝関節周りの筋肉などもしっかりしていなければなりません。
それに肩、体幹部、腰、膝など周辺のインナーマッスルもとても大切な筋肉です。
少し水泳強度をあげて練習すれば素晴らしい筋トレになることは間違いありません。
ただ、バタフライという水泳の特殊性でこの筋肉が特別鍛えられるというのはあまり考えない方が良いと思います。
水泳は基本的には有酸素運動であること、陸上での運動ではなく重力や自分の体重を支えるものではありません。
従って、立って歩く、走る、飛ぶといった重力に対抗するための身体の筋肉を鍛えるには不向きであると同時にそれら筋肉の衰えさえあり得る水泳なのだとよく理解しておくべきと考えています。
3. バタフライで水泳を楽しく

そしてバタフライを泳ぐために必要な筋トレ、そしてバタフライを泳ぐ結果鍛えられる筋肉などを説明すると同時にバタフライの魅力の一旦をお示ししてきたつもりです。
バタフライの楽しさがお分かりになっていただけたでしょうか!
バタフライは決して難しい水泳種目ではありません。そしていろんなバリエーションのバタフライがあります。
練習に通っているプールで毎回ノーマルなバタフライなど別にする必要などありません。
3-1. 片手バタフライ
3-2. 個人メドレーにトライ
そして個人メドレーにトライしましょう。
まずはバタフライからです。これも最初に疲れると4種目も体力が持ちませんから、バタフライは片手交互バタフライで十分です。そして背泳ぎ、平泳ぎ、そしてラストクロールです。まずは100m個人メドレーから練習していきましょう。
100m個人メドレーが難なくこなせたら次は200m個人メドレーです。これは1水泳種目50mですから少し大変ですが、とても楽しいです。
最初のバタフライで泳力を消耗させないことが大切です。
このような練習をする上で、必要なのは強靭な筋肉では決してありません。柔らかい筋肉と全身の筋肉が一本のロープのようにしなるような滑らかなバランスの良い動きとタイミングが水泳の命なのです。
4. まとめ
以上、水泳のなかで一番難易度の高いとされるバタフライを例に必要な筋肉と筋トレを検証することでバタフライの魅力、水泳の特殊性などについてお話しをここまで続けてまいりました。
バタフライの魅力に少しでも触れていただけたでしょうか・・・
バタフライの腕を蝶のように美しく伸ばしてリカバリーするのは本当に見栄えのする素晴らしいパフォーマンスですが、その動作は簡単な身体の反動動作にすぎません。 リカバリーにさほどの筋肉は必要ありません。あるとしたら水中で水をかく筋肉と強いドルフィンキックを打つ筋肉が重要となります。 リカバリーは大きく胸を張った反動を肩甲骨を支点に回すだけの動きなのです。 胸を張る、身体をしなるようにうねりを使う、そして強いキックを打つなどこうした動作によってバタフライは支えられています。
近年、バタフライもあまりうねりを使わない水平なフォームが主流となっています。まるで川面に石を投げるように飛んでいくようなタイミングです。
強い推進力があればこそのフォームだと思います。
どうぞこの記事で紹介したような筋トレやキック練習などを通してバタフライのテクニックを磨いていって欲しいと思います。ではこの記事は以上とさせていただきます。
最後までお付き合いいただき心から感謝しています。ありがとうございました。
さて以下の水泳関連記事も興味深い内容となっていますのでご一読頂ければ幸いです。
初稿:2019年6月1日
2稿:2020年2月17日
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。