【クロールが前に進まない原因はたった一つ!】おすすめの練習方法と注意点

クラブのレッスン「初めてのクロール」に参加しているのですが、クロールが進まないと嘆いている人も少なからずおられます。

その原因はどう言うことが問題なのでしょう・・・

この記事ではクロールが進まない原因を検証して、少しでも前に進むための考え方、イメージの持ち方そして具体的な練習方法について詳しく解説していきます。

この記事は初心者向けに解説していきますが、中上級者にも十分に対応できる内容となっていますので、スランプに陥っている方やもっと上手にクロールを泳ぎたい方にも必見です。

気持ち良く前に進むためのイメージ方を学んで楽しく気持ち良くクロールで泳ぎましょう。

いしはら
こんにちは!

けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。

1. クロールが前に進まない原因

進まないクロール

進まないクロール

クロールで進まない原因はたった一つ推進力が発生していないからと言えるでしょう。

バタ足も手のかきのストロークも動かしてはいるものの推進力が生まれていないか、もしくは身体が受ける水の抵抗力より少ない推進力しかないからです。

では足をバタ足キックの動作をしているのに、どうして推進力が生まれないのか、また腕を動かしているのに推進力がないのか詳しく検証していきましょう。

まず最初に以下の動画でイメージを作っていただけると良いと思います。

 この動画をみていただいてご自身がクロールをしているイメージと比較してみましょう。

軽やかなバタ足キックと両手のストロークが流れるようにスムーズでゆったりとクロールをあたかも楽しんでいるような感覚で泳いでいると感じられたと思います。

そうなんです。クロールは腕を水車のようにグルグル回すと言うものではなく、右手で水をかいている時には左手は空中をリカバリーしており全く右手の推進力に大して邪魔を一切していません。

次にキックも緩やかなキックでストロークとのバランスがとても心地よくキックとストロークお互いが推進力の相乗効果を狙っているのです。

では具体的なクロールが進まない原因を検証していきましょう。

1-1. バタ足キック

プールでもお風呂でも良いです。両腕を伸ばして手の甲でバタ足をやってみましょう。肘を固定して腕全体が棒のようなバタ足、手首や肘を上手く使ってまるで鞭のようにしならせてのバタ足などいろいろをやってみましょう。

どうすれば水流が生まれ推進力となりうるのか腕キックで検証してみてください。

上手く推進力が生まれれば水流が腕の前方へ推進力の発生が確認できるはずです。でも単に棒切れのようにバシャバシャしているだけでは水流は生まれず推進力とは言い難い動きであることが理解できると思います。

もし貴方のキックで前に進まないのであれば棒切れバタ足キックとなっている可能性があります。

1-2. ストローク

ストロークについてもプールもしくはお風呂で片腕ずつ腕を使って水をかいてみましょう。

真っ直ぐ腕の伸ばして入水!そして真っ直ぐに腕をかいて後方に腕が伸びるまで水をかいてみましょう。

どんなかき方をしても後方には水が流れ推進力となることは明白です。腕のかき方はまた後ほど詳しく解説しますが、腕のかきで推進力が生まれることは確認できると思います。

ただ、1点、肘を引きながら手のひらを水平にしたまま水をかくと推進力は生まれないことは明らかです。

さらに両腕同時にかくとどうでしょう?推進力が2倍になります。

でも右手のかきである程度の推進力が生まれた瞬間に左手が入水してきたとするとどうでしょう。考えてみてください。

後で入水した左手はまだかいておらず推進力が生まれないと同時に右手で生じた推進力の抵抗となります。

すなわち左右のタイミンが悪いと推進力とブレーキが同時に発生してい事になります。

クロールはバタフライのように左右同時に水をかきません左右交互にストロークを刻んでいく泳ぎ方です。

左右どちらか一方の腕で生まれた推進力をもう片方の腕で邪魔をしない事がとても大切になってきます。

1-3. 相互のパワーバランス

繰り返しになりますが、左右のストロークのタイミングとバランスをいかに上手に泳ぐのかで前に進む(推進力)の有無が決まってきます。

そして付け加えたいことは、腕によるストロークとキックとのパワーバランスです。

クロールが前に進むと言う推進力の大部分を閉めるのがストロークです。キックによる大きな推進力を期待するのは無理があると思います。特に初心者の場合、ストロークとキックのタイミングはなかなか難しいところでしょう。

少なくてもストロークで生じる推進力の邪魔をするようなキックであってはなりません。

例えば膝を大きく折ったバタ足によってもしくはほとんどバタ足になっていないような下半身が沈みが考えられます。

下半身の沈んだ状態は推進力に対して大きな抵抗となり、前に進まない原因の一つとなってきます。

2. おすすめの練習方法と注意点

では前に進まない対処法としてどうすれば良いのか練習方法をメインに解説していきます。

まず最初に言っておきたいことは推進力は評価判定が目で見て一目瞭然です。いくら理論やテクニックを振り回しても前に進まないのでは効果はありません。前に進んでこその効果ですから誰にでもチェックが容易です。

そして練習をすればするほど前に進みますからここで解説する練習を繰り返すことが大切です。

2-1. バタ足キック

まずバタ足キックですが詳しくは以下の記事に委ねますがビート板を活用してバタ足キックで進まない状態から脱却しましょう。

少なからず壁を蹴ってスタートすれば初速がありますからその初速を出来るだけ絶やさないように練習しましょう。

まず最初に腕による手の甲バタ足でやったようないろんなバタ足をビート板を使ってやってみてください。一番前に進むキックが現時点でのベストなバタ足キックです。

私は小刻みなキックよりも大きくゆったりとした鞭がしなるようなキックが望ましいと思います。

ポイント
最初から理想的なキックは考えずにどうしたら前に進むかと言ったテーマでやってみましょう。

そしてもう一つのテーマは疲労度です。前に進むからと言って疲労度が高いのであれば長続きしません。勢いストロークとのパワーバランスが崩れるのは明白です。

疲れが少なく最も前に進むバタ足キックを見つけ出していきましょう。

注意事項ですが、苦しくなる前に立ち止まり25mの壁まで歩いて呼吸を整えましょう。決して無理をしてはなりません。

でも昨日より1mでも前に進むように頑張りましょう。何日か練習すると前に進まないと言う悩みから解消されるはずです。

バタ足練習

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2-2. ストローク

では次にストロークです。このストロークについても詳しくは以下の参考記事に詳しく解説していますので重複は避けますが水車のようにグルグルとまわすストロークは前に進みませんから注意をしてください。

慌てるあまり、必死に左右交互に水をかくと言うのが一般的な欠点となります。

呼吸に対する不慣れと不安からどうしても焦りが起こり左右のタイミングがあってこないのです。

まず最初にはウオーキングストロークをやってみましょう。

水中を歩きながらクロールのストロークをしながら歩きます。必ず進行方向前方で両手が揃うタイミングを意識してやってみましょう。

ポイント
では次に泳ぎますが、最初のうちはビート板などを使って両手が一瞬でも合体するイメージで練習しましょう。そうすればどちらか一方のストロークでもう一方の腕はビート板上にあり推進力の邪魔をすることはありません。

ストローク練習の時のキックが大切ですが、下半身が沈まないようにプルブイやビート板を両足で挟んだりしてキックを打てば下半身が沈むことなくストロークの練習ができます。

このストローク練習も進む状況が評価の基準です。進まないのか進んでいるのか、そして進む場合どの程度の前進かでチェックすることができます。

この場合も疲れる前に立ち止まり評価を確認しましょう。

腕の使い方

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2-3. 水中姿勢

クロールで前に進まない大きな原因の一つに水中姿勢の問題があります。この姿勢のことを蹴伸び姿勢(ストリームライン)と言いますがこの姿勢の如何で技術レベルが決定されると言っても過言ではありません。

上手な人はクロール以前に水中姿勢が非常に美しいです。

ポイント
初心者のうちはまだまだ美しい水中姿勢は難しいかもしれませんが、折に触れてこの蹴伸び練習をするようにしましょう。

蹴伸び姿勢については以下の記事に詳しく解説しています。

蹴伸び

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3. 練習が楽しくなる工夫

クロールが進まない原因は言ってみれば練習がまだまだ不十分である訳で、少しずつ練習を重ねることで解消されますから全く心配はありません。

効果的な練習についての考え方については詳しく解説させていただきましたが、バタ足練習にしろ、ストロークの練習にしろ慣れないうちは苦しくてなかなか続かないかもしれません。

でも少しでも練習が楽しくなるような仕掛けが必要となります。

ポイント
文中でも述べたようにまず苦しくなる前に立ち止まり歩いて呼吸を整えることを覚えましょう。

この方法で日々の進歩が明確になり苦しさが排除されモチベーションの維持にもつながります。そして25mが克服できればすぐにターンを覚えて30mを目指しましょう。

ポイント
それからプールに常設の練習用アイテムをフルに活用しましょう。

ビート板は誰もが一度は使うと思いますが、ビート板にも大中小といろいろな種類があります。

またプルブイ、パドル、グローブ、ヌードルなどプールでの使用をスタッフに確認して遊び感覚でしっかり活用しましょう。

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4. まとめ

クロールで前に進まない原因については決してパワー不足ではなく、推進力を作り出す方法に問題があると言うことを十分理解されたことと思います。

ジョギングなどは懸命に頑張って走れば疲労度は別としてスピードアップは比較的容易いことです。

それは走り方を私たちはある程度理屈がわかっているからに他なりません。

でも水泳においては泳ぐ事に慣れる必要があります。またまだ水泳経験の浅い人には水泳に慣れると言う練習が必要になってきます。

特にクロールは平泳ぎやその他の泳ぎ方よりも比較的簡単にマスターできますので、さほど悩む必要はありません。クロールに慣れるための練習を楽しく続けることが必要です。

終わりに

水泳は呼吸が自由にできず苦しい運動というイメージを振り払い、泳ぐ楽しさ、泳ぐメリットをこの「けんこう水泳」サイトでしっかりと伝えていますので楽しく泳ぐモチベーションとして活用していただければ嬉しいです。

さて、クロールが進まない状況を突破する意味で是非プールでお風呂で腕を使ってキック、ストロークのイメージトレーニングをしてみてください。どのような動きをすれば推進力を作り出すことができるか理解できると思います。

そしてクロールの動画などを視聴することでイメージをしっかりと作り上げることが大切です。

私のような水泳経験の長いスイマーにとって水泳で進まないなどというは考えられないほど水泳に慣れています。

そして少しでもこの記事で紹介した練習を繰り返していただければ練習初日から進む実感が得られるはずです。

「クロールで進まない!」という言葉をどうぞご自身の意識から消去して欲しいと思います。

そして泳ぐことが遊び感覚、楽しい練習であるよう、知恵を出して生活習慣の中に水泳を取り入れて言ってください。

ということでこの記事は以上とさせていただきます。最後までお付き合いをいただき心から感謝しています。ありがとうございました。

 

なお、以下の記事は水泳の技術的な内容となっていますのでご一読いただければ参考になると思います。

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