【金魚の屋外飼育】冬の越し方と世話のポイント(大切な観察力)

金魚の屋外飼育で一番関心の高い冬季間については金魚が「冬眠」をする魚であることはよく知られています。

この記事では冬季間における金魚飼育のポイント、そして金魚の冬眠、冬支度、注意すべき事項について詳しく解説していきたいと思います。

金魚の屋外飼育は気温など天候に直接影響を受けることから、屋内飼育の金魚よりも免疫力も高く強い個体が残っていくこととなり、強い個体は当然ながら繁殖に貢献します。

でも屋外飼育は飼育者にとっては厳しい飼育環境ですから大変です。

結論的に言えば出来るだけ池など大きく、水深のある飼育環境が適切であることは言うまでもありません。

冬季間とは言っても観察を怠らず、無事に冬を乗り切りましょう。

いしはら
こんにちは!

けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。

私の現役時代は魚類の試験研究現場で長年勤め、魚の生き死について色々なケースを見てまいりました。読者の皆様に参考になる情報を提供できると思います。

1【金魚の屋外飼育】冬の越し方

金魚の屋外飼育で、冬季間の水温低下をどうするのか?と言う大きな課題があると思うのですが、屋外飼育のポイントの一つは自然の環境、日に日に変化する飼育環境下で金魚を飼育するのが課題であり頑張って金魚とともに頑張りましょう。

そして冒頭にも述べましたが自然の環境下で飼育した金魚は強く育ち、力強く成長し、繁殖の期待が望めます。

飼育場所

金魚の屋外飼育で越冬するなら広さと水深が確保できる池のような環境がベストです。でもなかなかそれは難しいかもしれません。

ポイント
屋外で飼育する以上、せめて水瓶・睡蓮鉢、など出来るだけ大量を飼育水が確保できて激寒時期に凍結リスクの少ない飼育環境が望ましいです。

そして上に雨や雪をしのぐトタンやカバーなどで覆うのが良いでしょう。

金魚の越冬

冬季間の水温低下によって金魚の活動は極端に低下します。底でじっとしている状態となり実質冬眠状態となります。

ポイント
従って水換えも頻繁には必要なく、出来るだけ飼育水はそっとしておくといいでしょう。

極端な水温低下を来す時にはヒーターの使用も止むを得ません。

越冬準備から春を迎える飼育

金魚は飼育水温が15℃以下になると極端に活動が緩慢になり、餌食いも衰えてきます。そして水温10℃以下でほとんど餌を食べなくなり金魚の活動は停止となり冬眠状態に入ります。

屋外飼育の場合は特に顕著となりますのでよく観察して冬眠時期を判断しましょう。

・冬眠準備

10月頃になると冬眠を前提に準備に入ります。濾過装置があるのであればスイッチを切り、水換えだけの水質管理にします。

ポイント
これは濾過装置や一度に大量の水換えを行うことより飼育水がきれいになりすぎ冬眠に相応しくないからです。飼育水にはアオコなどたくさんの植物プランクトンが存在しており、このプランクトンが冬眠にはとても重要な飼育水の環境です。

そしてこの環境が金魚に優しい環境を与えてくれます。やがて水温低下に伴って、金魚の冬眠が始まります。

・冬眠状態

ポイント
金魚の冬眠中はほとんど飼育の世話は必要なく、蒸発等で水位が下がった時に補充する程度でいいでしょう。

緑色の水で覆われた飼育水が金魚を優しく包み込んでくれます。

・冬眠明け

年が明けて水がぬるむ3月梅の季節になってやっと金魚は活動を開始します。

ポイント
そして金魚の状態を見て餌を食べるかチェックして少しづつ給餌を開始していきましょう。

やがて桜の時期を過ぎれば水温は18℃くらいになり、うまくいけば産卵行動が見られるかもしれません。

飼育水は春先も冬の緑色の状態を維持させておきましょう。

そして4月に入り、金魚は水面くらいまで現れて餌を欲しがってきます。このような状態を観察できれば冬眠成功と言えるでしょう。

注意事項は冬眠明けに急激な水換えは金魚に大きなストレスと飼育水ショックを受けますので水換え時の換水率少しづつ上げていくようにしてください。

2 世話のポイント(大切な観察力)

前章で冬季間中はほとんど金魚の世話は無いと言いましが観察はとても重要です。もう少し詳しくみていきましょう。

そして世話をする飼育者の観察力を向上させませよう。

観察

金魚の観察というよりは飼育池や水槽の状態も含めて全体的に十分に観察しておきましょう。

先ほども述べたように天気・気温・表面水温・底水温程度は飼育日誌に記録しておくことが重要です。

この飼育日誌は後々にとても貴重な資料となりますので面倒くさがらずに続けていきましょう。

馴れてしまえば必要のない観察だと思われるかもしれませんが、どんな優れたプロでもこの飼育日誌こそが命です。

繁殖に携わるようなプロであればなおさら重要です。個体識別による管理は無理だとしてもロット別管理はしっかりと行うべきでしょう。

水温管理

金魚が冬季に冬眠する魚であったとしても、水温管理はよくチェックしておきたいものです。

表面と水槽の底の温度は常にチェックして飼育日誌に記録しておきましょう。

飼育水の表面が凍ったくらいではまず金魚には影響はありませんが、凍結が深いところまで進行するような水温では越冬は難しくなりますので覆いをかけるとか移動が可能であれば一時避難という場合もあるかもしれません。

飼育している池の表面が結氷して雪が降り積もるといったことのないように管理してやりましょう。

給餌と換水

厳冬中は基本的不要と言えるでしょう。でも冬眠開始前と冬眠明けには給餌と換水は大きな問題です。金魚の状態を見て適宜黄変にいうのが答えとなりますが、この時に飼育日誌が生きてきます。

初めて経験する場合であっても冬眠準備中における金魚の観察がしっかりとされていれば冬眠明けの3月にどのような動きを始めていくのが大方の予測がつきます。

ベテランになっても、過去の日誌があればこれもまた飼育管理についての大きな武器となります。

でも毎年、大雪であったり暖冬であったりと時によって違ってきますのでやはり信頼が持てるというのは自らの観察日誌です。

不運にも失敗して死なせてしまった場合もこれもまた貴重な資料となります。

そして観察は金魚だけでなく、飼育水の状況もしっかりと観察しておきましょう。濁り、匂い、粘性などの観察項目です。

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3 冬季間中水草の世話

では次に水草の世話を解説しておきましょう。

屋外での金魚飼育ということで水質浄化など効果的なホテイ草ですが、この植物は冬の寒さに弱く厳しい寒さには耐えられない場合が多いので、このホテイ草の管理も忘れないようにしておきましょう。

寒い時期には屋内の日の当たる場所に移動させておくのも対処の方法です。

水草も飼い主にとっては大切な飼育対象なのですから・・・

ホテイ草の他にもフィランサスフルイタンスやオオサンショウモなどの水生生物も基本的には寒さに弱い植物ですから気を抜かずに思い切って屋内に移動させて屋内で越冬させておきましょう。

金魚池や水槽を覆う物はトタンなどで雨や雪を遮断して水温低下を防ぎましょう。

ポイント
ホテイ草の適性水温は20〜28℃と言われていますので、冬季の植物ではないことがわかります。

夏場に猛威を振るうホテイ草ですが冬には枯れてしまう水草なのです。

春に購入したホテイ草は冬には枯れてしまう植物であるという理解も頭の片隅に置くほうが良いかもしれません。

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4 まとめ

自宅での金魚の飼育といえばご家庭で水槽でというのが一般的だとは思います。

でも子供達の実験や学習、さらにまた大きな庭のあるご家庭で金魚を屋外池で越冬させてみようとお考えの読者の皆様に向けて金魚の冬季間の飼育について詳しくまとめてきました。

金魚は30℃近い飼育水温で元気に活動して、の冷蔵庫のような水の中でも冬眠して冬を越す魚です。人間にとってはなんとも愛くるしい観賞魚です。

まとめ

・冬季間における金魚飼育のポイントは観察、水温は特に重要

・金魚の冬眠、冬支度のポイントは緩やかな冬支度から厳寒の冬眠から穏やかに活動に見合う飼育環境

・注意すべき事項:観察に勝る飼育管理なし

と言えるでしょう。

どうぞ、金魚の屋外越冬に役立っていただければ幸いです。

最後までお付き合いをいただきありがとうございました。

 

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