【水泳チューブトレーニング】筋力トレの方法とキャッチングパワーを鍛えるポイント

水泳の陸上トレーニングでオーソドックスなものといえば筋トレやチューブトレーニングがあります。

中でもチューブは最近は優れものが出ており、パドルが付いたチューブまで販売されており、何とも恵まれたトレーニング環境にあります。

この記事では水泳練習用チューブを使った筋力アップトレーニングの実例やチューブの特徴、そして気をつけておきたいポイントなどについて詳しく解説します。

私が学生時代にはいらなくなった自転車チューブをもらってきてつなぎ合わせ、練習したものです。

でも昔と今も練習のチューブトレーニングのバリエーションは同じです。ストローク練習が主体ですよね。そしてキック練習にもチューブは活用が可能です。

私が考えるチューブトレーニングはあくまで筋トレ、それもインナーマッスルの強化が狙いと考えています。

チューブでストロークの強化トレーニングをすると言うのは私はあまり好みません。

「ストロークはやはり水中で!」が私の基本的考え方です。
いしはら
こんにちは!

けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。

1 【水泳チューブトレーニング】筋力トレの方法

チューブトレーニング

チューブトレーニング

水泳に必要な筋力アップトレーニングをチューブを活用して行うためにどんなバリエーションのトレーニング効果的なのか解説していきたいと思います。

1-1. 水泳練習用チューブの特徴

最近のチューブは良く出来ていて、持ち手に水泳用パドルがついておりとても優れものです。

でも陸上トレーニング専用チューブでもしっかりと水中でのキャッチ・プルをイメージしてトレーニングが可能です。

またチューブの最大延伸距離が25mのものがあり、腰に巻くベルトも身体に優しくフィットできるように設計されているストロークチューブもあります。

しっかりとした泳力であれば十分に25mに達することができ、達成感も味わえることができ、楽しいトレーニングになります。

やはり何と言っても、水泳用トレーニングチューブはどうしても高価となっているため、所属クラブ単位での購入が一般的ではないでしょうか!

個人での購入となればどうしても一般陸上筋トレ用チューブになるのではないでしょうか。

1-2. チューブを活用したおすすめ練習バリエーション

私もチューブトレーニングはよくやります。

ストロークに必要な筋トレはどうしてもストロークと同様の動きの中で鍛えるのがベストであるのでこのチューブトレーニングの重要性はとても合理的だと理解しているつもりです。

ただチューブの負荷はどうしてもチューブの縮む力であるために身体にかかる負荷も一方向のみとなります。

この点を少し工夫する必要があるように思います。

ポイント
水の中は複雑な力が働きます。そして一様でなく水の抵抗、揚力、波動抵抗などで微妙な力が働くため、感覚的な筋肉の動きにならざるを得ません。

従って結局は実際の水の中でのトレーニングがどうしても必要であり、省略することができません。

1-2-1. インナーマッスル強化(キャッチングパワー)

ポイント
私のチューブ活用で一番多く時間をかけるのは腕、肩のインナーマッスル強化にチューブを使います。腕の微妙な動きでこれらインナーマッスルに大きな刺激が伝わりますので、とてもキャッチングパワーにとても効果的です。

インナーマッスル強化の方法は一例を上げますと、座っていて手のひらを膝にあてがって、そのまま手のひらの力をMAXにして身体に引き寄せるようなイメージです。

その時に手のひらではなく4本の指で引っ張るようなイメージです。

こんなイメージでトレーニング用チューブを引いてみて下さい。腕、肩などのインナーマッスルが鍛えられます。

1-2-2. ロングベルトスライダーの活用

後ほど具体的商品を紹介しますが、ロングベルトスライダーを身体にセッティングして25mを泳いでみましょう。

練習ポイント
・まず、試しにフィン(脚ヒレ)・パドルを着用して推進能力を最大にして泳いでみましょう。そして25m到達の達成感を味わいましょう。

・次にパドルを外す、フィンを外すと段階的に変更させて、実際のコンビネーションスイムの状態(パドルやフィンを使わない)でスイムトライです。

ご自身のウィークポイントをチェックしながらトレーニングされるととても効果的です。

泳ぎながら、必要な筋肉トレーニングが可能となる合理的な方法です。

1-3. 引っ張る力(ストロークプル)

チューブトレーニングで大切なバリエーションは腕の引っ張る力を高める筋トレメニューです。

その負荷を比較的優しいチューブで行うというものです。チューブの色で負荷量が違いますので、ご自身に相応しい負荷の2、3種類は持っていてもいいかもしれません。

それには従来型というかスタジオエクササイズ用のオーソドックスなチューブが価格的に言っても最適だと思います。

1-3-1. トレーニング方法

パドルがついたチューブはとても良い練習ができますが、エクササイズ用チューブでも十分です。

片手でも両手でやってもOKです。

ポイント
チューブを自分の肩の高さに地面と平行にして手のひらから肘までのラインが直線もしくはくの字になるようにして引っ張ります。

この時肘は出来るだけ高く手のひらが身体の近くを通過するようなイメージで引っ張ります。

肘が伸びたり、肘が先行して引っ張るなどの動きはパワーが逃げて行ってしまいます。

そして力が入る視点は手のひらから徐々に手の指先へと移動させます。

指で引っ掛けるようなイメージです。

このイメージで肘高、を維持できれば腕の筋肉はもちろん、肘や肩のインナーマッスルにも大きな刺激が伝わり、とても効果的です。

1-3-2. 無理はしないように

トレーニングの負荷量はチューブの強度と回数によりますが、私の場合はチューブ自体の負荷はミドル、そして回数とインターバルで負荷をコントロールしています。

チューブの強度が高く1回の負荷が多いと筋肉を痛めるリスクがあり、後ほど行う水泳練習に支障を与えます。

そしてこの引っ張りトレーニングは前方から身体に近いところまです。あくまでエントリー後プルまでのトレーニングです。

プッシュからフィニッシュまでについては以降で述べます。

1-4. 後方へ押しやる力(ストロークフィニッシュ)

ではプルに引き続き水を後方へ押しやるプッシュからフィニッシュまでです。

チューブを前と同様に、肩の高さでセット、フィニッシュ位置でチューブの負荷強度が最大になるイメージで、腕が身体に一番近いところからフィニッシュまでの動きを繰り返し練習しましょう。

負荷はあまり強くしないように、筋肉痛が起こらないように注意しましょう。

ポイント
このフィニッシュに使う筋肉も日頃の日常生活でのほとんど使わない筋肉であること、そして肩や肘のインナーマッスルも刺激がありますので、チューブを活用した筋肉のトレーニングはとても効果があります。

なお平泳ぎのストロークでは腕がアウトスイープで開かれると今度は肘をくっつけるようにまとめ胸の前で両手が合わさるようなイメージになります。

この脇が締まる時の素早さが重要です。この感覚をチューブを使って練習しましょう。

1-5. キック力

キック力に必要な筋トレもチューブを使ってトレーニングすることができます。

ポイント
足首にチューブを巻きつけ後方から前方へ蹴り上げるトレーニングです。負荷を感じながらゆっくりとした動作でチューブを引っ張ると効果的です。

またチューブを前方から後方への引きつけもトレーニングできます。この場合もゆっくりとチューブを引くと筋肉刺激が強く負荷が高くなります。

チューブの長さがと前方で引っ掛ける柱などを工夫して無理のない範囲で行いましょう。

2. キャッチングパワーをチューブで鍛えるポイント

ストロークで一番重要なポイントはリカバリー後エントリー時に素早く水を捉えることです。すなわちキャッチングです。

水泳のストロークはこのキャッチング次第と私は考えています。

このエントリー後のキャッチングに成功すればストロークの大半は成功したと言えると思います。

より遠く、より強く、より手の先で捉える!

これがキャッチングのコツであり、ストロークでの最重要課題です。

この一瞬の感覚的なポイントを追求するために私はチューブを活用して肩のインナーマッスル強化のためのトレーニングをすべきだと考えています。

2-1. 指で引っ掛けるイメージ

チューブトレーニングでは単に筋トレではなく、水泳のイメージを高めながらキャッチングポイントを探しながらチューブを引きましょう。

ポイント
肩甲骨を伸ばして一番遠いところにエントリー、そしてすぐに手の平の小指サイドの神経が緊張して親指以外の指の第一関節が微妙に折り曲がり手首の刺激、肘の刺激、肩の刺激が伝わり各部位のインナーマッスルが働き出します。

このチューブトレーニングはインナーマッスルの強化と反応力のトレーニングにとても有効です。

ストロークの始動のポイントと肘高のイメージで一番遠いところの水をキャッチする感覚を身につけましょう。

2-2. 引っ掛けた指に身体全体を乗せていく

ポイント
そしてキャッチングポイントがつかめれば、次には次の動作ですが、引っ張るというイメージよりはクライミングのようによじ登るという感覚で身体を前に移動させるようなイメージです。

チューブを引き寄せるという感覚ではありません。

チューブを指で引っ掛けるイメージを体感してほしいと思います。今まで使わなかったインナーマッスルに強い刺激を感じると思います。

と同時にインナーマッスルの強化につながります。

これはクロールでは左右交互に、平泳ぎやバタフライは左右同時にという感覚です。キャッチングポイントは平泳ぎもバタフライも同じです。

ただクロールや背泳ぎは片手ですからローリングも使えるのでより肩甲骨が前に移動できますからより遠いキャッチングポイントを探すことができるでしょう。

2-3. 無駄なスカーリングの排除

それからストロークにおいてはS字曲線を描くようにキャッチングポイントではスカーリングという手の平で浮力を得る動きを私も若い頃はコーチからよく指導を受けました。

でも私は

無駄なスカリングの手の動きよりもキャッチングポイントをしっかりと把握して速やかに、まるでボルダリングのように颯爽と駆け上がるようなイメージで身体を前へ前へ重心移動することがスピードアップにつながると考えています。

そしてゆっくり泳ぎ時にもエントリー位置で無駄とは言いませんがスカーリング動作で抵抗を受けるよりはストリームライン維持によって距離を稼ぐべきではないかと思います。

そのほうがより省エネ効果が高いと考えます。

クロールについては以下の記事が参考になると思います。

2-4. プルパワーの強化

チューブトレーニングではやはり何と言ってもプルの全体的なパワーが求められますが、陸上でのチューブトレーニングでキャッチからフィニッシュまでの一連の動きを瞬間的に行うパワートレーニングもバリエーションに入れていきましょう。

でもこのトレーニングはチューブの負荷強度は出来るだけ抑えて、1セットの回数とセット数で調整して腕の筋肉や関節に負担のかからないように注意してください。

あくまでプルパワーはチューブを使わないスイムで強化するのが基本と考えます。

ポイント
スイムでのストローク強化は回転数ではなく、1回のストロークの距離を長くすることを第1に考えてトレーニングすべきというのが私の考え方です。

その根拠はストローク距離を最大限伸ばすためにはキャッチングポイントとキャッチングパワーが無ければなし得ません。

そしてそのキャッチングによって短距離などの場合や中長距離のラストスパートでは回転数をマックスにすれば最高のスピードが得られると信じているからに他なりません。

またシニアにとっても1ストロークの距離を伸ばすことで省エネにつながります。

このような考え方によりチューブトレーニングのメニューを構築することで効果的なチューブを使ったトレーニングがより効果的に即効性が得られるでしょう。

クロールの泳ぎ方

【水泳初心者向けクロールの泳ぎ方】楽しく上手になる3つのコツ

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3. トレーニング用チューブのバリエーション

水泳で使われているチューブと言えば腰にチューブベルトを巻いて泳ぐと言うトレーニングに代表されるように、水泳中の負荷を人為的にチューブで高めてトレーニングをするバリエーションの画像や動画を最近よく目にします。

3-1. 陸上で使うか水中で使うか?

またオーソドックスに、陸上トレーニングとしてチューブを使ってストロークに必要な筋トレによく使用されています。

まず、最初に最近よく使われているチューブについて代表的なものを上げておきましょう。

引用画像はヤフーショッピングからです。

3-2. 水泳トレーニング用チューブ例

3-2-1. ロングベルトスライダー

このロングベルトスライダーは25mまでの伸びが可能でボディーに優しいベルトで保護されます。

泳ぎながら使用するタイプで選手向け

3-2-2. 水泳専用トレーニングチューブ

ソルティック水泳用トレーニングチューブグリーン強度Mパドル付き
陸上での筋トレ用タイプ

3-2-3. 水泳平泳ぎ用トレーニングチューブ

平泳ぎストロークゴムチューブ陸上トレーニング

パドルがついており平泳ぎの微妙な手のひらの感覚が体感できます。

3-2-4. 筋トレ用ゴムチューブ

筋トレ、トレーニングチューブ2本セット

水泳に限らず様々な筋トレで使用できます。

3-2-5. 筋トレ用チューブエクササイズ

エクササイズ用、トレーニングチューブ、筋トレ、リハビリ、ヨガ

色によって強度が異なり、ご自身の筋力に合わせて練習ができます。

4.  まとめ

以上、チューブを使ったトレーニングについて、私の理想とするチューブを活用したトレーニング方法を詳しく述べてきました。

チューブトレーニングは昔も今も基本的なところは変わりはないと思います。

今のチューブは精巧にできていて陸上にいながら、水中でのストロークトレーニングが出来そうに思いがちですが、やはり何と言っても水中での水泳に優るトレーニングとは言い難いと私は思います。

やはり、上達は水泳経験距離に比例すると思います。いかに長い距離を泳いだかで上手になるのも、速く泳げるようになるのも経験がものを言うと思います。

それは日本スイミングクラブ協会が実施する泳力認定基準についても有段者になれば泳いだ距離数が認定基準となっていることからも頷けます。

とは言っても筋力アップはどうしても避けられません。

上手に無駄なく水泳の泳力と水抵抗をいかに抑えるかその趣旨を十分に理解してチューブトレーニング、日々のバリエーションに含めて頑張りたいと思います。

今一度整理すると、私がおすすめするチューブトレーニングは

・キャッチングポイントとキャッチングパワーを最大限に!

・ハイエルボーでインナーマッスルをフル稼働!

・イメージは指先で引っ掛けてボルダリング感覚で!

をお伝えしてこの記事は以上とさせていただきます。

どうぞ来るべき競技会においては優勝を目指して頑張ってください。

最後までお付き合いをいただき心から感謝しています。ありがとうございました。

なお以下の記事もとても興味深い内容となっていますので是非ご一読いただければ幸いです。

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