【平泳ぎを速く泳ぐコツ】初心者から中級者への確実なステップアップ

クロールやバタフライではスピーディーにストロークの回転数を上げていけば速く泳げるのはある意味、論理的なことなのですが、平泳ぎに関しては単純にそう上手くは行きません。

特に初心者の場合には速く泳ぐ意識がかえって失速原因となる場合が多いです。

この記事では初心者向けに平泳ぎについて速く泳ぐためのコツ、そしてその論理を詳しく解説していきたいと思います。そして初心者でも感覚的に理解のできる具体的なコツを幾つか紹介していきたいと思います。

平泳ぎが上手になりたいと悩んでいる読者の皆さまにはとても有益な内容となることでしょう。

いしはら
こんにちは!

けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。

1. 平泳ぎを速く泳ぐコツ

平泳ぎを速く泳ぐコツ

平泳ぎを速く泳ぐコツ

速く泳ぐために必要なことは推進力を上げることが最大の方法であることはだれでもわかることですよね!

でも水泳の場合にはその推進力を上げる意識の効果は50%いやもっと低いかもしれません。それはむしろ、水の抵抗をいかに小さく限定的にするかがキーポイントです。

特に平泳ぎは他のクロールや背泳ぎやバタフライと比較して最も抵抗が大きな泳ぎ方ですので、平泳ぎの特色から胸などの上半身全体で大きな抵抗を受けます。

従って初心者の場合には推進力を生み出すパワーも小さいため、まずは抵抗をいかに少なく泳ぐかが最大の速く泳ぐコツを言えるでしょう。

ではこの二つのポイントについて最初に解説しておきましょう。

ポイント
・推進力を生み出すコツ

・抵抗を最小限にするコツ

1-1. 推進力を生み出すコツ

平泳ぎで速く泳ぐために、推進力を生む出す原動力はなんといってもキックです。

一般的にには6:4の割合でキックだと言われています。

ただ私に言わせれば感覚的にはもっともっとキックの占めるウエイトは高く、8:2くらいのイメージでキックに重きを置くくらいが丁度良いと考えています。

初心者の場合においては手のかきで推進力を得ようとすればその動作がかえって抵抗を生む弊害があり意識の中では呼吸をするために身体を持ち上げるくらいの揚力を手のかきで作りだすイメージでいいと考えています。

1-1-1. キック(足で作り出す推進力)

ではその平泳ぎキックですが、詳しくは以下の記事を参考にして欲しいのですが、要点を解説しておくと足の裏で確実に水をとらえて後方へ水を押しやることが大切です。

そのためには足首の柔らかさが欠かせません。

ポイント
足首の柔らかさを最大限いかして後方に両足を蹴りだし、そしてさらにより遠くに水を押し出すためにフィニッシュで両親指をくっ付けるように下半身を水平に持ち上げる意識が必要です。

この水を押して挟み込むという動作を一気にフィニッシュまで持っていくパワーを手に入れることがキックが上手になるコツです。

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1-1-2. ストローク(腕で作り出す推進力)

初心者の場合、手のかき(ストローク)でそもそも推進力を作り出そうとすること自体に無理があります。

キックにより作り出された推進力がマックスの状態にある時、腕で推進力を作り出そうとするのはそれはブレーキをかけるのと同じです。

基本キックでスピードに乗って前に前進している時は腕は真っ直ぐ伸ばしたまま失速しないようにするのが正しいフォームです。

ポイント
しかし次のキックまでには息継ぎの必要があります。その時、止むを得ず手のかきで揚力を作り出し上半身を浮き上がらせ呼吸するというのが初心者の場合のコツであり大切なポイントです。

この揚力で浮き上がった上半身が重力により沈み込む時に真下に落下するのではなく、少しでも前方に突っ込むことでキックの推進力もフォローができる。

このように考えた方が初心者にはわかりやすいと思います。

やり方を言葉で表現するとすれば、呼吸の後、イルカ飛びの要領で前に突っ込んで行くイメージを持ってほしいです。

1-2. 抵抗を最小限にするコツ

では次に速く泳ぐコツとして平泳ぎ特有の抵抗を少なくするためのポイントを解説していきます。

この抵抗を最小限にするのはどの泳ぎ方でも同様に配慮せねばなりませんが、ある意味、ある程度ブレーキをかけながらアクセルを踏むというのもあり得ます。

でも平泳ぎの場合はあまりにも身体に受ける抵抗が大きいため、抵抗を最小限にするコツというキーワードを強くイメージして欲しいと思います。

1-2-1. 上半身の抵抗を最小限にするコツ

上半身で最も抵抗を受けるのは呼吸のタイミングで胸を中心に大きな抵抗を受けます。これを少しでも回避するために手っ取り早いことは出来るだけ水をかかない!

推進力を作り出すことからは矛盾する動きですが、腕の動きは最小限にして後半は両肘をくっ付けるようにして上半身の投影面積の中にしまい込むイメージが大切です。

単に脇を締めただけでは腕の分だけ投影面積が広くなります。

ポイント
従って開く腕の角度も出来るだけ少なく、開いた腕は速やかに両肘をくっ付けて腕と共に上半身を前に突っ込みましょう。

1-2-2. 下半身の抵抗を最小限にするコツ

では次に下半身に入ります。キックのやり方については以下の記事を参考にして欲しいのですが、膝と水面との角度ができるだけ小さくなるように配慮しましょう。

すなわち膝を曲げるイメージよりも両足をお尻にくっ付けるイメージが良いでしょう。

ポイント
深々と膝を折って強いキックを打とうとするのではなく、最小限の引き寄せで足首の柔軟性を最大限活かして最大の推進力を得られるように練習しましょう。
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1-3. キックとストロークのタイミングのコツ

では次にキックとストロークとのタイミングです。

先ほども解説しましたが、キックで最大の推進力が得られスピードをもって前進している時に上半身や腕による動作によっての失速は抑えなければなりません。

そのためにも、スピーディーな腕の動き、そして腕を前に伸ばした瞬間にキックの推進力が最大になるようにタイミングをコントロールしましょう。

次の動画が参考になりますのでタイミングをつかんでください。

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2. 初心者から中級者への確実なステップアップ

では初心者が簡単に推進力を得る方法について解説していきます。

初心者が推進力を得るためには前の章で述べたことがうまくいけばおのずと早く平泳ぎが完成形に近づいてきます。

より推進力をたかめ、速く泳ぐためにはどうしても克服しなければならない問題がありその解決が速く泳ぐためのコツなのです。

その問題解決として、速く泳ぐコツを紹介します。

2-1. キックダッシュ

平泳ぎを速く泳ぐ最大のコツはなんといってもキック力です。

キック力をつけるコツはキックダッシュです。100%の力でキックダッシュです。

ポイント
キックの回転数でスピードアップするか一回の蹴りのパワーでスピードアップするかは個人にもよりますが短い25mの距離では最大回転数で速く泳げるようになりましょう。

このキックダッシュで現在の平泳ぎのスイムと同等タイムが出るようになればキックダッシュの成果は絶大です。

そしてこのキックダッシュが速くならない限り、より速く泳ぐことは望めないと肝に銘じておきましょう。

2-2. クロールでスピード感を肌で感じる

それからクロールのインターバル練習も忘れないようにやりましょう。

なぜクロールをするかと言うと平泳ぎでどれだけ頑張ってもクロールよりは早く泳ぐことはできません。

だからこそ平泳ぎでのスピード感をクロールで会得するのが私流のコツです。

クロールで25mを22秒で泳ぐスピード感と20秒で泳ぐスピード感は肌で感じる感覚はまるで違います。この速い20秒のスピード感を平泳ぎで感じるように体感するのです。

ポイント
クロールは当速度運動ですが平泳ぎは細かく言えば加速減速を繰り返す特徴がありますが、クロールでのスピード感があれば肌で速い遅いが感覚的にイメージできます。

そのためにもクロールを自分のペースメイカーとして活用できればと考えてきました。

また仮に平泳ぎで25mを25秒でしか泳げないとします。クロールで25mのペースというのは自分で泳いで実感するのは簡単です。一度そのタイムでクロールで泳いでみてその遅さを実感すると平泳ぎのスピードアップは感覚的に理解できるはずです。

2-3. ターンを素早くするコツ

次に速く泳ぐコツはターンを重視することです。

平泳ぎのターンはタッチターンです。なんといってもターンの上手かそうでないかは速く泳げるかどうかを分ける大切な瞬間です。

何度も練習をして素早くターンが完了して蹴伸び姿勢に入れるようになりましょう。

ポイント
そのためにもターンの前は全力力泳がコツです。全力で壁にタッチ、その推進力をターンエネルギーに変えるのです。

2-4. 水中一かき一蹴りのコツ

ポイント
次に平泳ぎを速く泳ぐコツは少しでも平泳ぎストロークを少なくするためにスタートやターン直後水中にいる時間に一かき一蹴りが許されていますのでこの距離と時間を有効に活用するのが大切です。

そのコツはなんといってもドルフィンキックがコツです。

平泳ぎは退屈で苦しい練習ばかりだと思いますが、気分転換にドルフィンキックをドンドン行うようにしましょう。するとバタフライも上手になるし一挙両得です。

水中で一回だけドルフィンキックを打つことができます。これを有効に使えるようになりましょう。

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3. 遅く泳ぐ重要性

ではここで私がおすすめする速く泳ぐための極めつけのコツを紹介します。

それは遅く泳ぐ練習をすることです。

速く平泳ぎを泳ぐために遅く泳ぐのです。

遅く泳ぐには力を入れず、ストローク数はできるだけ少なくしようと意識すると思います。

実はこの意識がひいては速く泳ぐ感覚をつかむことができます。

悠々と静かに大きなストロークで優雅にゆっくりと泳いでみましょう。

プールサイドを歩くよりももっと遅く、まるで進んでいないかのようなスピードで泳いで見て下さい。

一向に疲れないし、それでいて滑るように進んでいる感覚を体験できると思います。1回のストロークごとまるで停止する直前で次のストロークに入るイメージです。

それでいて水中姿勢は常にまっすぐ伸びた美しいストリームラインを保てています。

遅く泳ぐというのはすばらしい練習効果を発揮することに気づかれると思います。

ポイント
是非、一日の練習のラストメニューは超遅い平泳ぎでクールダウンをして良いイメージで練習を終了して欲しいと思います。
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4. まとめ

平泳ぎを少しでも速く泳ぐコツについて初心者の立場に立って解説してきました。

いかがでしたでしょうか、あっと驚くような気付き、そしてまるで想像もしなかった指摘を受けたことでしょう。

クロールや背泳ぎ、バタフライとはまるで違った感覚の平泳ぎについて、私の経験から読者の皆さんに是非伝えたかったことをまとめました。

どうぞ、これからも楽しく練習を続けていって欲しいと思います。そして共にもっと美しく、ダイナミックで優雅な泳ぎを目指してがんばりましょう。

さてここで今一度まとめておきたいと思います。

まとめ

・初心者にとって平泳ぎは推進力より抵抗を少しでも抑えることが速く泳ぐコツである。

・平泳ぎに限らず速く泳ぐにはスタート・ターンが上手になることそして実際に泳ぐ距離を短縮させる。

・平泳ぎのスピードアップは何と言ってもキック、キック練習で速く泳げるようにがんばりましょう。

以上3つのポイントについて改めてその重要性を強調してこの記事は以上とさせていただきます。

最後までお付き合いをいただき心から感謝しています。ありがとうございました。

 

なお、以下の記事もとても興味深い内容となっていますのでご一読いただければより一層理解が深まると思います。

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