金魚はフナの仲間で、フナの突然変異を使って人為的に交配を繰り返し観賞用として作り出した観賞魚です。
この金魚にとって水草とは餌であり、身を隠す場所であり、産卵の場所でもあります。
この金魚と水草との関係を知って素敵な金魚飼育を初めてみましょう。
1【初めての金魚飼育】水草の必要性
画像引用:水草水槽.com
金魚飼育を始めるに際して水草の必要性は必須アイテムとは言えません。
金魚の立場に立てば水草は餌であり身を寄せる場所に一つでしかありません。
注意して欲しいことはアクアリウムショップで綺麗で可愛い水草と出会った時、自宅の水槽が殺風景だから水草を設置しようと思い付きで購入される場合もあるかもしれません。
水草の必要性
ここで金魚飼育にあたって水草の必要性をあげるとすれば次のようなポイントが挙げられます。
・水槽レイアウト
・水草が主、金魚が従
ではこれらについて個別にみていきましょう。
・餌の代用
でも主たる餌は市販の金魚用の配合飼料が好ましいでしょう。あくまで水草はおやつ代わりと考えるのがベターでしょう。
水草が目に見えて減耗するような食性にならないように一日の給餌時間を決めて食べ残しがなく、適正な給餌量を早く見つけてルーティンにしていきましょう。
・水槽レイアウト
水槽のレイアウトとして水草を考える場合には水草の成長力、固定の仕方などに注意をして翌朝に水草が浮いているといったことを避ける配慮が必要です。
それに水草を設置すると底掃除が面倒になりますので水槽の管理面での配慮も必要でしょう。ともかく水草の透明感というか美しい緑の金魚のコントラストが維持できるような配置が大切です。
2 水草の効果
では次に水草を設置する効果を見ていきましょう。
まず、水草の効果を列挙すると次のようなポイントが挙げられます。
・水槽内の浄化
・魚のストレス緩和
大きく3つの効果をあげることができます。具体的に解説していきましょう。
光合成による酸素供給
水草は植物ですから光合成という働きがあります。すなわち二酸化炭素を取り入れ酸素を作り水槽内に酸素の供給がなされます。
従って光源が必要です。
従って自然の日光を浴びる感覚で日照時間を考慮するのが賢明です。
そのためにもあまり水草の過密という状況は避けたいところです。
それに自宅での水槽という環境下では残餌や糞などの掃除も大切で、定期的な換水も大切ですから水草による酸素補給のしめるウエイトはそんなに大きなモノではないと考えます。
水槽内の浄化
そしてたとえわずかと言えども水草の水質浄化はあなどれません。
魚のストレス緩和
次に魚の立場になれば水草は身を寄せる格好の場所です。
自然界では外敵から身を守る場所というのはとても大切な生きるための知恵であるわけですが、水槽内にもこうした配慮を求めるために水草の効果はとても重要でしょう。
3 金魚のためのおすすめ水草
ではここで金魚飼育のためのおすすめする水草を紹介しておきたいと思います。
前章までで述べた金魚の特徴と水草の必要性や効果などを確認の上、購入されると良いと思います。
マツモ
このマツモは水草の定番、安価で育成も容易で初めての金魚飼育には欠かせない水草だと思います。
マツモは本来浮遊性の水草ですから植え付ける必要がなく、成長の過程で脇芽をカットして行けば上手に新芽が出て育成することができます。
マツモは比較的丈夫な水草ですが、枯れてしまう原因は急激な水質や水温変化に耐えれなくなって枯れる場合があります。こうしたケースには飼育している金魚にもダメージがありますからしっかりと日々の観察を忘れないようにしましょう。
アナカリス
アナカリスは金魚に限らずメダカや熱帯魚でもよく目にする水草です。和名はオオカナダモとも呼ばれています。
生育が活発で飼育も比較的簡単であることからマツモ同様にとても一般的な水草と言えるでしょう。
底床に植えないで浮かべておくだけでも増やすことができるため、ある程度生育が進めば底床に植え込んだり、茎の先端部に重りを付けて底床に固定したりなどバリエーション豊富に楽しむことができるでしょう。
アナカリスはとても丈夫だとは言っても枯れないわけではなく栄養不足や急激な環境変化で枯れることがありますから日頃の観察は金魚同様にしっかりと育てていきましょう。
カボンバ
このカボンバも金魚飼育のための水草としてはとてもポピュラーでマツモ、アナカリスと並んでとてもおすすめです。
でもカボンバは前述のマツモ・アナカリスよりも飼育管理は気を配る必要があり、観察を怠ると枯らしてしまいます。
それはカボンバの根がしっかりと底床に根付いていないと生育しないという特徴があることから育成方法が違い難しいと言えるでしょう。
水中に浮遊させているだけで育つ水草ではないことを知っておきましょう。
カボンバを購入して植え込む作業が必要となります。購入時についている重りやスポンジなどは綺麗にはぎ取り、底床に植え込みましょう。
その他、光や水温などの飼育環境についてはその他の水草と変わりません。
金魚の飼育とカボンバとの相性は比較的良好なので多少埋め込みなどの手間がかかりますが一度トライするのも良いかもしれません。
ホテイ草
ホテイ草は別名ホテイアオイとも言い屋外で淡水魚を飼育している池などでよく目にする浮き草です。
繁殖力も旺盛であたり一面にホテイ草が広がると言ったケースもあるでしょう。でもこのホテイ草は外来種が一般的です。
もし金魚の飼育を屋外でお考えの場合にはおすすめのホテイ草です。また屋内の水槽でホテイ草をとお考えの場合には強い直射日光をホテイ草は必要とするために少し難易度が高く金魚にも悪影響を及ぼす可能性があるかもしれません。
とは言え金魚の飼育と合わせてホテイ草の飼育もしっかりと管理できれば屋内でも十分可能です。やはり日頃の観察に基づいた定期的な掃除や間引きなどの維持管理が必要であるという点についてはどんな水草でも同じと言えるでしょう。
4 まとめ
以上金魚飼育に水草を考える場合の注意すべきポイントやその必要性・有効性について解説を加えながら、筆者がおすすめする水草を紹介させていただきました。
冒頭にも解説しましたが金魚はフナの仲間であることから雑食でなんでも食べるという食性を持っています。金魚飼育水槽に水草があれば格好の餌にもなります。
もし給餌が足りていなければ水草を食べて飢えをしのぐでしょう。そういう意味では水草のメリットはとても多いと言えます。
私は次のようなツイートをしました。
自宅で金魚を飼ってみたい!
外出が制限される昨今、お子さんと共に金魚を飼ってみるのも楽しいかもしれません
初めての金魚飼育には水槽、底砂、そして水草もあれば見栄えがします
でも水草も生きもの、金魚同様に可愛がってやりましょう
それに水草は必須ではありません
最初は無くても大丈夫🐬 pic.twitter.com/uKDZMiKHDm— いしはら@水泳歴60年爺スイマー (@hayaokitori) February 29, 2020
本来的には金魚の餌は飼い主からの給餌によって与え、水草は身を寄せて気持ち良くなる場所であって欲しいと私は考えます。 そしてその光景によって飼い主も癒やされる!そんなバランスが理想だと思います。 そして子供さんが居られるご家庭では子供さんの勉強と生き物との共生、癒しには格好の金魚飼育かもしれません。
どうぞ初めての金魚飼育かもしれませんが、水草も活用なさって金魚と共に癒やされて欲しいと思います。
もちろん、金魚飼育にとっては水草は必須アイテムではない事だけは頭の片隅に置いていただき少しずつ飼育スキルの向上を目指していただくことを願ってこの記事は以上とさせていただきます。
なお以下の記事もとても興味深い内容となっていますのでご一読いただければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。
私の現役時代は魚類の試験研究現場で長年勤め、魚の生き死について色々なケースを見てまいりました。読者の皆様に参考になる情報を提供できると思います。