淡水魚を飼う時に準備するアイテムとして底砂のソイルがありますが、このソイルには種類も多くどんなモノを用意すればいいのか思い悩まれているかもしれません。
それに、そもそもソイルそのものが必要なのかという疑問もあるでしょう。
ソイルのメリットやデメリットをよく理解されて美しい淡水魚の飼育環境を維持していただければ嬉しく思います。
1 淡水魚ソイルのおすすめは?
ソイル(soil)とは、土壌
地殻表面の岩石の分解によって生じた無機物が地表に堆積したもの。多くは種々の程度に腐敗分解した動植物を含む。粒子の多きさにより礫、砂、年度に分類される。 (Weblio 辞典より)
一般に水草の育成を目的に栄養価の高いソイルと有害物質や色素吸着を目的に速やかに魚を飼育するためのソイルのタイプがあります。
一方、形が崩れず、吸着力も栄養効果も薄く焼き固めたセラミックソイルもあり、大きく3つのタイプのソイルが販売されています。
吸着系ソイル
吸着系のタイプのソイルは魚にとってアンモニアや亜硝酸塩などの有害物質を吸着除去してくれフィルターや濾過装置との併用により、比較的容易に水質の安定にとても有益です。
もちろん水槽を初めてセットするときには時間をかけて水槽内の水質安定に配慮する必要がありますが、その後の水換えもとても簡単で扱いも容易です。
特に水槽立ち上げの時に発生する濁りも比較的短期間で解消されます。
それに栄養系のような栄養過多となる心配もなく、コケなどの繁殖も抑えてくれます。
また逆に水草を育てようと考えている場合には栄養量が不足するために水草の生育に問題があります。従って水質第一優先で水草などの植物によるコーディネートは控えた方が賢明でしょう。
栄養系ソイル
栄養系の定番といえば水草一番サンドです。
栄養系という名称の通り、水草の生育に必要な栄養素が多く含まれているタイプです。水草が根を張り自然の水底のイメージが堪能できます。
ただ吸着系とは反対に過剰栄養となるデメリットがあります。コケの繁殖を助長し水槽の管理上手間がかかるという点を良く承知しておくことが大切です。
水換えは毎日換水するのが好ましいです。水草が成長するまでの間は慎重に配慮する必要があるでしょう。
セラミックソイル
セラミックソイルは本来のソイルと少し性質を異にするタイプです。
ソイル自身、土を焼き固めたセラミックスであるため、形が崩れないように硬度のあるセラミックソイルです。
従ってソイルというよりはセラミックスの底床財として考えた方が良いかもしれません。
ただ、ソイル粒子の崩れがなく、使用も半永久的です。でも粒子に突起物などがあれば魚を傷つけたりなどの弊害考えられるために敷設時には形の悪いものは排除するのが大切です。
違うタイプの併用
やはり、ご自身が考えている水槽のレイアウト、飼育計画などをしっかりと立ててて、栄養系でいくか吸着系でいくか、セラミックでいくか決めてからスタートするのがおすすめです。
ソイルの交換、洗浄どれをとっても併用は好ましくないと思います。
2 底床材のタイプと有効性
・砂・砂利(石ころ)
・ソイル
・(セラミック素材)
底床材に使用される素材として3つのタイプがありますが、前章ではセラミックス素材のタイプのソイルで解説したのでここでは解説を控えますが、単純に砂や砂利などについて考えてみましょう。
底砂には川砂利のようなモノから砂礫、そして礫と自然砂で大小様ざま川に行けば適当なサイズのものが見つかります。
そして最近ではカラーストーンやカラーサンドなどバリエーション豊富に店頭でも見つけることができます。
ただ底砂は舞い上がったり、そこ掃除の手間など配慮しなければならないケースも多分にあります。
底砂の有効性
ではこの底砂のメリット・デメリットを考えてみましょう。
またエビや多きさの異なる生き物を共に飼育が可能であれば小型の生き物にとっては格好の棲み家にすることができます。
また底砂の種類によっては水槽の雰囲気が大きく変わり、殺風景は水槽ではなくなり、飼う人にとっては目を楽しませてくれる空間が提供できるでしょう。
また種類によって飼育水のPHに悪影響を及ぼす場合もあり、定期的な交換も必要になる場合もあり底砂などの底床材を選ぶ時にはよく検討するようにしてください。
そもそも底砂は必要?
残餌や排泄物を掃除するには底床材などは無い方が良いともいえます。水槽のレイアウトに変化をというのであれば少し大きな石などの礫を幾つか大小差を付けて設置し掃除の場合には石を引き上げでやればやりやすいとも言えます。
魚の飼育の専門家の立場からすれば不要と言えます。水質の維持管理面からすれば魚にとって有益なところは少ないとも言えます。
3 魚ファーストの飼育環境を
自宅の水槽で淡水魚を飼育する立場に立てば少しでも見栄えの良い、飼う立場の人間にも癒しの空間であって欲しいモノです。のびのびと気持ちよく水槽内で泳いでいる魚をみてどれだけ癒されるかしれません。
飼育や繁殖を生業としているプロであれば底砂などは全く価値のないものかもしれません。このような意味から飼う魚の種類を考えて必要最小限どの彩りをつける意味でもソイルなど底床材を敷いて楽しみたいモノです。
ただあくまで水槽内で生きている魚主体で飼育環境を整えることだけは忘れないようにしておく必要があると思います。
こうした時間の経過と共にソイル自身の価値がなくなって来るタイミングでソイルの交換が必要になってきます。
そしてこのようなソイルの有効性を配慮しながら定期的な底掃除、換水といった作業も必要です。
4 まとめ
ここまで淡水魚の飼育水槽でよく使われているソイルについてどのような種類のモノがあって、どのようなおすすめのソイルがあるのかについて解説をしてきました。
また底床材について基本的に配慮しておかなければならないことを併せて解説をさせていただきました。
ここで今一度まとめておきましょう。
・水草を生育させて底床を安定させようとする場合には栄養系のソイルがおすすめです。 ・水質を安定させてるために有害物質の排除目的の場合には吸着系のソイルがおすすめです。 ・他の水棲生物との混飼育など小さな生き物の隠れ家などの場合にはセラミック系のソイルや自然砂・礫がおすすめです。 ・いずれにしても底掃除や換水は定期的に欠かさないことが大切です。
淡水魚を飼育している水槽という空間は自然界と同様に主体となる魚はもちろん有益なバクテリアもそうでないバクテリアも混在する環境があります。
その環境が良い状態であることがとても重要です。従って頻繁に全換水を行えばそれは綺麗な環境かもしれませんが、生き物にとってそれは良い環境と言えないとも言えます。
適度にバランスの取れた環境が必要です。バクテリアも生息しない環境は魚にも決して良い環境とは言えません。
最後までお付き合いをいただき心から感謝しています。ありがとうございました。
なお以下の関連記事も参考にしていただければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。
私の現役時代は魚類の試験研究現場で長年勤め、魚の生き死について色々なケースを見てまいりました。読者の皆様に参考になる情報を提供できると思います。