水泳用の鼻栓(ノーズクリップ)のつけ方についてはいろんな種類もあってその効果も各人様々です。
一般的に鼻栓は、アーティスティックスイミングとか背泳ぎのスタート・ターン時に仰向け状態で進むバサロキックで長い水中距離を求める選手などが使用しているのを見かけます。
特に、ビギナーにとっては鼻からの水の侵入を防ぐために使われていますが、使い慣れないなどなかなかなじまないのも事実です。
背泳ぎのバサロキックやクイックターンには恥ずかしがらずにどんどん使いましょう。でもそれ以外では出来るだけ、鼻栓はせずにしっかりと呼吸タイミングを練習される方が好ましいと考えています。
目次
1. 水泳用鼻栓のつけ方とその効果
鼻栓には鼻筋を高くする目的の美容用や花粉症対策など医療用、そして水泳やアーティスティックスイミング用の鼻栓がありますが、鼻栓は水泳用のもの、水泳スポーツメーカーのものを購入するようにしましょう。
そして実際の使用感を試す意味で素材やサイズそしてつけ方をサンプル試供品を装着して確認しましょう。
1-1. 鼻栓のつけ方

次に鼻栓のつけ方はそれぞれメーカー毎の種類によってつけ方を確認するのはもちろんですが、泳いだ時の感覚で自分独自でつけ方を変えてみるのも面白いかも知れません。
よりクリップ強度を上げるために上下を逆さまにするとか逆に強度を下げるなど自分で工夫するもの良いかも知れません。
一般的なつけ方をまとめておくと、使用前に鼻栓のクリップ部分を十分きれいに水洗いした後、タオルでしっかり水気を取りましょう。
そして装着する鼻の油をしっかり排除することを忘れないようにしましょう。
・クリップ部分を鼻の狭いとこにまず挟んで下の方に移動させて鼻の道を広くクリップするように装着しましょう。
1-2. 注意事項
つけ方において注意すべきことはただ一つ、
鼻栓の使用は水泳の慣れるまでとクイックターン練習やバサロキックなど必要やむを得ない場合のみとするのが私の考え方です。
鼻栓のつけ方は最重要事項はつけ過ぎない、使用は最小限しましょう。これが私からのアドバイスです。
1-3. 水泳中の鼻栓の効果

前章でも述べてきましたがここで鼻栓の効果を整理しておきましょう。良い効果、良くない効果ともに理解しておいて欲しいと思います。
1-3-1. 鼻への水侵入防止効果
鼻栓の効果で鼻へのプール水の侵入を防ぐ効果で、勿論鼻を塞ぐということで鼻呼吸をシャットアウトする効果があります。
プール水の侵入が防げれば、水中での動作は極めて自由となりどんなスタイルの水泳も可能になり楽しみの幅が広がるという効果もあって遊び効果としては素晴らしいアイテムでしょう。
1-3-2. 鼻水防止効果
次に今度は逆に鼻からの鼻水が出るのを防ぐ効果が期待できます。
目だたないデザインと機能でまたおしゃれ感覚のある鼻栓があればプールの中でも鼻水を気にせず水泳を楽しむことができます。
それに鼻栓のつけ方が難しくなく簡単に脱着が可能なものを選べば、こうした効果も十分期待できるでしょう。
1-3-3. 呼吸制限効果の是非
本来人の呼吸は口呼吸と鼻呼吸で陸上では無意識の中で行われている無意識呼吸ですがヨガや禅などで行う深い呼吸は鼻と口を上手に使って呼吸をコントロールして深い呼吸あるいは細くて長いなど呼吸をコントロールします。
こうした意識的な呼吸が鼻栓効果によって口呼吸だけに制限されます。
この制限呼吸が身体に対して、どのような効果があるのかないのかその効果の是非は気になるところです。
2. 背泳ぎは鼻栓を恥ずかしがらず

水泳を始めてクロールや背泳ぎなど泳ぎ方を学び練習する過程で苦労する一つに呼吸があります。
どうしても陸上呼吸の癖が抜けきれず、鼻から水が浸入して鼻がツーンと痛くなったり、頭が痛くなるなど苦しい思いをしてしると思います。
それに背泳ぎやクロールのクイックターンにおいては仰向け状態になる体勢があり呼吸をとめていても水の侵入を防ぐことができません。
これら鼻からの水の侵入を抑えるために水泳用の鼻栓があります。水泳メーカー各社から販売されているので購入することができます。
また一方、花粉症、慢性の鼻炎やプールの塩素に反応するアレルギーを持っている方が水泳をする場合など、状況によって水泳者の鼻水が止まらなくなるといった状況が想定されます。
こうした体内から流れ出る鼻水を抑える手段として鼻栓を使用する必要性があると思います。
2-1. 鼻栓使用の具体例
水泳を運動不足の一環としてやろうと考えているシニアの方々や子供さんなど、鼻から水が入って痛い思いをされた経験のある方が水泳に慣れるまでの間に鼻栓を使用するという場合にその必要性はあると思います。

なぜかというと鼻は呼吸にとってとても大切な器官です。そして水泳は優れた有酸素運動である一番の理由の一つとして呼吸の重要性があります。
水泳は水の中での運動であるがゆえに鼻から空気を吸い込むのはほとんどありません。鼻は息を吐きだす重要な器官です。
しっかりと鼻から息を吐きだしさらに口からも息を吐きだし完全なる吐気により、自然に空気を口から吸い込むという水泳独自の呼吸があります。
この鼻から息を吐きだす時間中にクロールのクイックターンや背泳ぎのスタート・ターンが完了するには十分時間だと思います。
2-1-1. 背泳ぎのバサロキック
従って背泳ぎのバサロキックという水中で認められた15m以内をバタフライのドルフィンキックを仰向け状態で行う水中動作以外、鼻栓を使用する必要性はないというのが私の考え方です。
でも鼻栓の使用は出来るだけ短時間で長時間の使用はかえって呼吸が制限され疲労があり、注意された方が賢明だと思います。
2-1-2. アーティスティックスイミング
さらにアーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミング)においては鼻栓は常時使用していますよね、それは水中で息を吐かず浮力を維持するために必要であるためにどうしても鼻栓が必要です。
裏話ですが、アーティスティックスイミングの選手たちは水着の中に予備の鼻栓を忍ばせているという話を聞いたことがあります。そういう意味でもこの競技においては鼻栓は必需アイテムなのでしょう。
すなわちアーティスティックスイミングは水泳より以上に呼吸制限のある過酷なスポーツだと言えるでしょう。
2-2. 背泳ぎは鼻栓を恥ずかしがらずに使いましょう
では背泳ぎでスタートやターンで認められているバサロキックですが日本の選手はあまり鼻栓を使用しているのを見かけません。
それは恥ずかしいといった印象を鼻栓使用に持つのも事実です。でも国際競技など外国の選手たちでは鼻栓の活用は一般的です。
日本の選手が行っているように長時間鼻から息を吐きだすことや上唇を量鼻にあてて鼻栓代わりににしているなどのテクニックを外国選手はかえって理解しがたいと思っているのではないでしょうか。
3. 鼻栓の使用は慎重に(呼吸と臭覚はとても大切)

人にとって呼吸はとても大切な生きて行くための絶対条件であると同時に呼吸をコントロールすることで健康面・精神衛生上も大きな効果が期待でき、スポーツを楽しむ者にとって呼吸は最も大切な随意・不随意両面で重要な効果を与えるものです。
そして水泳は有酸素運動の代表格としてとても効果のある運動です。
この有酸素運動としての水泳で鼻栓によって鼻呼吸を制限することは運動にストレスを与えるのみならず本来の呼吸から逸脱するものであると考えます。
3-1. 呼吸に与える影響
それに何度も言いますが呼吸は無意識・意識呼吸に関わらず生命維持にとってとても大切です。特に意識的な呼吸は精神性の向上などに大きな効果を発揮するものです。
それに水泳における呼吸が呼吸筋を鍛え、心肺能力を高めます。
こうした効果が人に対して免疫力の向上などの効果があり水泳をすると風邪になりにくい!喘息が治るといった健康面での効果が期待されるゆえんであり重要な効果であります。
こうした効果を鼻栓によって遮断するというのは私にとってはやむを得ない限りにおいて使用は最小限にすべきというのが私の考え方です。
3-2. 臭覚効果
それから水泳は人の五感を研ぎ澄まされるという不思議な効果を私は個人的かも知れませんが感じています。
それはプールでの水泳前後の五感で例を挙げれば臭覚や聴覚そして味覚が敏感になるなど五感に与える影響は少なからず効果があるのではないでしょうか。
その意味からプールで水泳中に臭覚を使うことは考えられませんが、練習の休憩やインターバルにおいては鼻からの呼吸を十分おこなってのリラックスと臭覚を感じるというのはとても大切なことだと考えています。
人間に能力をフルに活用して運動を行いながらもやむを得ない場合はコントロールや制限を行っていくという姿勢が大切だと思います。
4. まとめ

水泳用の鼻栓の活用についてつけ方と効果について詳しく解説してきました。
水泳を楽しく暮らしの中に取り入れていただくため、ビギナーが戸惑う鼻呼吸やプールの水が鼻に侵入することによる苦痛を回避するために鼻栓の使用されている実例、つけ方など使用方法、使用にあたっての注意事項など詳しく述べてまいりました。
・鼻栓は背泳ぎやクイックターンには積極的に使用しましょう。
・背泳ぎレースでは恥ずかしがらずに鼻栓を使用してスタート・ターンでバサロを使いましょう。
・練習時には長時間の使用を控えましょう。
以上、鼻栓は鼻呼吸と嗅覚を遮断するものであります。この鼻栓使用が常時水泳中の必需品になるというような習慣については私は好みません。
水泳を健康面で考えれば優れた有酸素運動の代表格でありますから、その健康効果を最大限発揮できるような鼻栓の活用を期待するところです。
以上、最後までお付き合いいただき心から感謝しています。ありがとうございました。
なお水泳関連特に鼻栓に関して参考になる記事として以下の記事がありますので参考にしていただければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。