水泳の飛び込み練習は家でのイメージトレーニングが鍵!

水泳の競技会にエントリーをお考えのシニアスイマーの皆さまにとって一番の課題と考えていらっしゃるテーマに飛び込みスタートがあると思います。この課題を克服するために家でどんな練習をすればいいのか水泳歴60年、競技歴50年近い私の経験からお話をさせていただきます。

実は私の場合も所属クラブでは日常のプールでの練習には飛び込みが禁止されているために飛び込みスタートができません。毎日10本くらいスタートダッシュができればもっと良い記録が望めると思うのですが思うようにいかないものです。

そうした課題を少しでも克服できるように家においても手軽にできる練習方法を紹介していきます。


1 飛び込みスタートについて

 

競技会を目指して日々水泳練習をされている読者の皆さま、練習の成果はいかがでしょうか!

2019年度の日本マスターズ水泳大会のスケジュールも発表されております。

また各地域での競技会や各所属クラブにおいて記録会などが開催されておられるかもしれません。

そんな中で初めてレースに参加される方やまだまだレース経験の浅いスイマーの方々にとって飛び込みスタートという大きなハードルは悩みの種だと思います。

そうした読者の皆さまのために少しでもこの記事が参考になっていただければ幸いです。

飛び込みスタートの種類

飛び込みスタートはクラブスタートトラックスタート(クラウチングスタート)の二つがあるのはもうご承知かと思います。最近ではトップ選手はほとんどがトラックスタートで飛び込んでいます。

そして競技会が開催されるプールにおいてもスタート台にバックパネルというブロックが整備されてトラックスタート仕様の施設となっています。

この二つの飛び込み方法については次の記事に詳しく紹介してありますので参考にしていただければ幸いです。

参考:水泳の飛び込みスタートは2種類!緊張を振り切ってエイッ!

所属プールでスタート練習が可能な方におかれては、どちらの飛び込み方法がご自分にふさわしいか十分に試されてお決めになればいいかと思います。

でも十分練習ができない方々にはオーソドックスなクラブスタートが易しい飛び込み方ですのでクラブスタートをお勧めします。

筆者の私には学生時代からずっとクラブスタートだったものですから、身体がそのスタートに凝り固まってしまっていますので新しいクラブスタートには対応が来ません。

とは言いましてもクラブスタートであれトラックスタートであれ飛び込む動作には基本的に変わりはありません。

飛び込みの考え方

水泳は水中で行う運動なのですが、唯一飛び込みだけは陸上運動なのです。すなわち重力運動です。スタート台を蹴って飛び込むという動作だけは使う筋肉が水泳とはまるで違います。

水中を泳ぐというのは腕によるキャッチ・プルであり、キックによって推進力を得て前に進みますが飛び込むのは陸上における支点(スタート台)を蹴って、その蹴る力とスタート台の高さからの重力落下の力で推進力の初速を得るのです。

従って水中から壁を蹴って初速を得るスタートと飛び込んでスタートするのとでは格段に初速スピードと泳ぐ距離に差が出るのは格段の違いがあります。

飛び込みの上手下手は記録に大きな差となって現れます。記録を少しでも伸ばしたいと誰しもが考えることですが、このスタートは水泳競技の生命線です。

競技種目が短水路(25mプール)での25mレースであればその勝敗はスタートで決まるといって過言ではありません。

では飛び込みに関して上に飛ぶのと水平に飛ぶのとどちらが良いかというと、まず下への飛び込みというのは初速を得る意味からも論外ですが、

飛び込み距離が長い方が有利であることは当然だと思います。上への飛び込みは入水時には落下となり、水平への飛び込みはスタート台と水平水面との角度で入水となりそれがベストだと思います。したがっていかに水平に飛び込みができるかというのがポイントとなります。

でも実際はイメージと現実にはギャップがあって目線が下を向いたままですと現実には水平ではなく下方への入水になることが多いと思います。したがって飛び込むときと目線はプール前面の25m先に向け力強く飛び出し入水時にはしっかりとあごを引いて腕の先から足の爪先までが一直線になるように飛び込みができるようにイメージしておきましょう。

飛び込み動作

飛び込みの要領についても先ほどの記事に詳細は記載してありますので参考にしていただければ幸いです。

参考:水泳の飛び込みスタートは2種類!緊張を振り切ってエイッ!

スタートの合図があって飛び込む時に反動を使うかそのまま飛び込むかですが、私の学生時代には体重移動はせずに合図と同時に飛び込みましたがその場合にはフライングのリスクが伴います。でも今はもうシニアですから脚力も落ちていますし、フライングは厳しいルールで即失格となります。

したがって両手でしっかりとスタート台をつかんで重心をしっかり後ろに下げて反動を使って体重移動によって飛び込んでいます。

2 家での練習

では本題の家での練習についてお話を進めたいと思いますが家で飛び込み練習などできませんが、実はそうでもありません。家では十分なイメージトレーニングと筋トレが可能です。さらに反応力と瞬発力は家での練習が欠かせません。

イメージトレーニング

家では徹底してイメージトレーニングに努めて欲しいと思います。今はネットの世界で飛び込みスタートの動画がたくさんあってイメージトレーニングには事足りることはありません。

でも飛び込みだけの解説動画も良いのですが、家ではよりイメージを高めていただくために実際のレースのスタートシーンを何度も何度も観てイメージトレーニングを行ってください。ご自分のエントリー種目の決勝レースの動画を見るのがベストです。

そしてご自身がそのレースの4レーンの選手だとイメージしましょう。入場して4レーンのスタート前に立っている時からご自身がスタートするのだとアリアリとイメージしましょう。

審判長の長いホイッスルがなってスタート台に上がり、飛び込み入水してゴールするまで追っていきましょう。イメージを膨らませ泳いでいるのはまさに自分なのだとイメージして見つめましょう。何度も何度も繰り返し動画を見ることでスタート・飛び込みの感触が脳裏に焼き付いていきます。

この家でのイメージトレーニング次第で飛び込みの失敗を少しでも無くす最大の方法ですから、レース経験の浅い方には是非家で行ってください。

筋トレ

次に筋トレです。プールでは飛び込みに必要な筋肉トレーニングはほとんどできないと思いますので家での練習は欠かせません。

家でできる筋トレはまず足腰を強くするためのものです。そして飛び込みに必要なジャンプ力です。シニアスイマーには足腰の筋肉が加齢によって低下しており、さらに水泳練習では飛び込みに必要な脚力も同様に低下していますので足腰の練習を家で行うのはとても大切です。

・カーフレイズ

日本間の家であれば座敷の欄間、洋風の家であれば部屋と部屋との仕切り壁に両手を上げて飛び込みスタートの姿勢をとりながらかかとを上げ下しするカーフレイズを繰り返し練習しましょう。上げる時には飛び込みをイメージして素早く身体を上げます。動画でのイメージトレニンーグを活かせましょう。

・スクワット

足腰の基礎体力向上のためにスクワットはご自身で計画されて日々の家での練習メニューに入れて欲しいと思います。そしてそのうち1セットは両手の振り上げ動作を入れてスクワットを行いましょう。

・母指球、指先の筋トレ

飛び込みに際して力の源は両足の母指球と5本の指です。この部位に関しては日頃から意識を集中させておきましょう。そしてマッサージ揉みほぐすなどの刺激も日々家では行ってください。

上記のカーフレイズ、スクワット練習にも大きな効果を発揮すると思います。

反応力と瞬発力

家で行える練習に是非反応力と瞬発力を含めて欲しいと思います。

・反応力

反応力は先ほどのスタート動画ですが、スタートの瞬間に集中して合図と同時に頭を上げる反応力を向上させてほしいと思います。うつむいた顔を合図で素早く前方を向く、そして素早く顔をまた下を向いて入水をイメージです。家でおこなえる反応力は素早く顔を上げる反応です。

・瞬発力

瞬発力は腕を素早く振り上げて蹴伸び姿勢です。この姿勢は入水時の姿勢に相当しますから腕を振り上げて頭上で両手を合わせ両肘で両耳をふさぐイメージです。さらに後頭部で両腕がくっつくくらいまでの蹴伸び姿勢を一瞬のうちにできるようにその瞬発力を家で鍛えましょう。

家の中で飛んだり跳ねたりはできませんが素早く両手を合図とともに蹴伸び姿勢をとるのは座っていてもできる運動です。家で余裕があれば何度も繰り返し練習しましょう。

家の外へ出れば実際の飛び込みのようなイメージで上に飛べるでしょうから家での練習については効果が期待できると言えるでしょう。

競技会間近の自宅練習

競技会間近になるとどうしても緊張してきます。極度の緊張感はスタートの反応力や瞬発力を低下させます。でも緊張感があってこそのレースです。

プールでの練習で自己ベストを出して競技会に臨むというのが最もふさわしのですが、自己ベストを含めて良い成績をおさめるためにも緊張感は必要なものです。緊張感を取り除こうと思わずに緊張感を受け入れてエネルギーに変えようと考えてください。

そのためにも家で行うメンタル面の強化は大切です。

繰り返しになりますがスタートの動画の決勝レースの4レーンは貴方なのです。ご自身の意識の中でご自身が4レーンのスタート台に立っているとアリアリとイメージして、家のでのイメージトレーニングに励みましょう。

家でご自身自ら緊張を高めその緊張を全てスタート台での飛び込みのエネルギーに変えましょう。

3 プールでの練習

での練習に加えてプールでの練習は競技会が近くなりますと所属クラブで飛び込み練習が設定されて、インストラクター指導の下に飛び込み練習が行われると思いますが、その練習には積極的に取り組むようにしていただいていろんな飛び込み方法を試してご自身に一番ふさわしい飛び込み方法を探して下さい。

そして早い時期に飛び込み方法を決めて、家でもイメージトレーニングに励んで欲しいと思います。

飛び込み練習ができる場合

積極的に飛び込み練習に取り組まれるのはもちろんですが一番大切な点はスタートという初速を活かして浮き上がり、そのままトップスピードに乗せてターンまで行くのがベストですから、飛び込みだけでなく必ず浮き上がってトップスピードに至るストロークまでは必ず繰り返し練習するようにしましょう。

そしてスタート台では必ず静止してから飛び込むようにしてください。静止中にタメがあるかどうか、反発力を生むタメがあるかどうかはとても大切です。

クラブでの記録会程度のレースでは特に問題はありませんが、とは言ってもレース本番は緊張感が高まります。練習時から緊張感を持って飛び込むようにがんばりましょう。

マスターズ大会など公認プールでのレースになると、水深も違います、スタート台の構造も違いますのでその点をしっかりと頭に入れて緊張感をもって飛び込みましょう。家でのイメージトレーニングにが効いてきます。良い練習ができると思います。

飛び込み練習ができない場合

では所属クラブの事情から飛び込み練習ができない場合も多々あると思います。そんな場合には飛び込みはできませんが、スタート時に壁を蹴る時には必ず飛び込みスタートをイメージしていつもよりもしっかりと壁を蹴る初速を大切にしましょう。

スタートダッシュの時には必ず家でやっている飛び込みスタートのイメージで繰り返すようにしてください。

そしてウオーミングアップやクールダウンの時にはプールの底を蹴ってのイルカ飛びをアップ・ダウンに入れて脚力の強化に努められると同時に入水姿勢、蹴伸び、浮き上がりまで一連のスタートをイメージして行ってください。

4 競技会レース当日

競技会当日を迎え、競技会場に到着しました。足が震えるほどの緊張感に押しつぶされるような気持になってきます。でもそれはそれだけ集中していることですから素晴らしいレースが期待できます。

今日一日頑張りましょう。そしてレース当日は結果を出す日でもありますが、これから長い水泳人生のスタートの日でもあります。

すなわち、最高の練習でもあります。結果などにとらわれず今日は競技会場でできる練習ととらえ、良い練習にするつもりで一日を有効に使いましょう。

開会式前のウオーミングアップ

ウオーミングアップはサブプールではなくかならず競技をおこなうメインプールでウオーミングアップを行ってください。そして自分のレースのレーンでアップするのが好ましいです。

そして途中から公式スタート練習の時間が設けられていますのでその時は必ず参加してスタート担当役員の合図の間をチェックして時間がある限り、繰り返しましょう。日頃スタート練習ができない人にとっては最高の練習の場です。

スタート台、入水時、浮き上がりの感触を味わって家で徹底的に行ったイメージトレーニングとのマッチングを図りましょう。

レースが行われるプールは日頃の練習プールと違って水深も水温も違います。飛び込み後深く入りすぎて浮き上がりに失敗することもありますので、かならず本番レースプールでの公式スタート練習は大切です。

レースまでの観戦中

自分のレースが始まるまでの間、同僚の応援も大切な役割ですが、この観戦中に各レースの本番の飛び込みをよく観察して家でやってきたイメージとレーニングの確認・修正を行ってレースに備えましょう。

それからサブプールでのウオーミングアップが認められている施設の場合、飛び込みスタートレーンが設定されている場合がありますのでチェックして可能なら積極的に飛び込み練習をしましょう。

今日はレース本番の日ですが飛び込み練習の重要な日だと考えて出来るだけ練習を重ねることがとても効果的なウオーミングアップにもなってきます。

レース本番

さあ招集場に向かう時間がやってきました。この時にはもう飛び込みの瞬間まで何も考えず、音楽でも聞きながらスタートを待ちましょう。今さら考えてもかえって逆効果です。あとは身体に任せるだけです。

音楽が聴けないのであればともかく呼吸を整えて好きな言葉を唱えましょう。呼吸は細く長く息を吐き続ける意識で呼吸し瞑想状態です。意識するのは長いホイッスルでスタート台に上がる、静止して号砲音に集中するだけです。あとは一切の感情を消し去りましょう。

そしてスタート台に立ったら、足の指をしっかりエッジにかけて、一切無の境地でスタート音に集中です。スタート音を感じたら全ての瞬発力を使って前へ飛び込みましょう。あとはゴールまでまっしぐらです。

レース後のクールダウン

レース後のクールダウンはサブプールでゆっくり泳ぎながら身体をほぐしましょう。

次のレースがある場合はそれに備えるとしてレースが終了すれば後は自由に過ごしましょう。もしサブプールで飛び込み可能レーンがあるのであれば積極的に飛び込み練習をすると良いと思います。こんな練習機会はめったにありませんから有効に使いましょう。

5 まとめ

水泳の飛び込みスタートの重要性について、本番競技会レースを想定しての練習について自宅家での練習も含めて解説してきました。私は長年のレース経験もあって読者の皆さまには参考になられたところ、興味深かったところなどあったかと思います。お楽しみいただけたでしょうか。

記事の中でも申し上げましたが、私たちシニアスイマーは世界を狙う日本のトップスイマーとは違います。1回限りのレースではありません。これからも長く水泳を楽しもうと考えているはずです。

レース本番は最高の練習であり、練習成果を評価する最高の効果測定の場なのです。全力を尽くせばいいと思うのです。

そのためにもそのキーポイントは飛び込みです。勇気がいるスタート台ですが、言い方をかえれば素晴らしい舞台なのです。この舞台に立てた喜びに浸りましょう。そしてこれから長く続けていってほしいと思います。

そして違うクラブの人と仲良くなって「また次の競技会で会いましょう」と声を掛け合ってお互いに成長していきたいものです。

ところで、日頃、水泳の練習で飛び込み練習などはしないと思います。それに施設によっては飛び込みが禁止されていることもあります。

でもレースにエントリーする限り飛び込みは必須です。プールでの練習に加え家でのイメージトレーニングや飛び込みのための筋トレなど、レースに向けてのメンタル面にも立ち入ってお話しさせていただきました。

最後までお付き合いいただき心から感謝しています。ありがとございました。

 

なお、水泳に関して次の記事も参考になると思いますので是非ご一読いただければ幸いです。

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