水泳の陸トレメニューと言えばすぐに筋トレとイメージされるかもしれませんが、私が考える陸トレとはストレッチやイメージトレーニングを含めたトータル的なトレーニングが重要だと考えています。
よくあるケースは余りにも筋トレに重点をおき、不用意に筋肉を鍛え、水泳時に水の大きな抵抗を受けたり、浮力の妨げになるような鍛え方をしている人をたまに見かけます。
そこで私がお勧めするこれだけはやって欲しい陸トレメニューをいくつかご紹介していきたいと思います。
このメニューはビギナーから上級者まで汎用性の高い陸トレですので水泳目的以外でも応用ができ、簡単にできますのでお試しください。
目次
1. 水泳の陸トレメニューで大切な事とは?
水泳の練習で陸トレはとても重要です。
もちろんメインは水泳トレーニングですが、水泳は水の中で行うものですから、泳ぎながらフォームの修正や力の配分なども含めてなかなかイメージと現実に乖離が起こります。
したがって以下に述べるような陸トレも十分に行っておくと、水泳練習のフォローとしては大きな効果を発揮すると思います。
1-1. イメージトレーニング
私の学生時代もっとも尊敬していたアスリートは平泳ぎのミュンヘンオリンピックのゴールドメダリスト田口信教選手、彼は田口キックをあみ出しそのすごい回転数の速いそれでいて抵抗の少ないキックは当時ドルフィンキックと判定されて失格となったほどです。
私は彼と同じ競技会の予選レースで一緒に泳いだことがあり、その時の衝撃は今でも忘れません。そして彼のレースは何度か観客席からも見つめ、しっかりとイメージを叩き込んだものです。
また最近では私がもっとも理想とするフォームで泳ぐ選手は北島康介選手です。北島選手の泳ぎはビデオが擦り切れるまで何度も何度も観てイメージトレーニングをしました。
まるで自分が北島選手であるかのように錯覚するほどイメージトレーニングをしたものです。
このイメージトレーニングの重要性をまず最初に述べておきたいと思います。
1-2. ストレッチ
続いて大切な陸トレメニューはストレッチです。
水泳で大きな推進力を得て、水の抵抗を最小限にするためにこのストレッチは最重要です。
そしてさらに水泳だけにとどまることなく腰痛、肩こり改善にもとても効果的です。
このストレッチも陸トレメニューには欠かせません。
1-3. 姿勢改善
姿勢改善は前のストレッチにも該当するかもしれませんが日頃の日常生活において常に姿勢改善を意識すること。
これはトレーニングメニューとは言い難いですが、あえてここで陸トレメニューに入れておきました。
この姿勢改善についてはどんな種類の陸トレにも優先される大切なトレーニングです。泳ぎながら姿勢を整えるのはとても難しく日ごろからの陸トレでとても重要です。
1-4. 体幹部の強化
体幹部の強化メニューは水泳自体にその効果が期待できますが、より水泳を上手にまたより早くを目指す水泳選手には積極的に陸トレメニューに入れて、日々この体幹部の強化を図ることは大切です。
基本的に筋トレということになります。
1-4-1. 腹筋
水泳をしていれば相当の腹筋が鍛えられていますからジムの腹筋マシンでは少々の負荷では弱すぎると思いますがもしジムを使う環境にあれば積極的に筋トレをやりましょう。
ジムでなくても椅子に座っていても、どんな姿勢でも少しの意識で腹筋は鍛えられるものですから腹筋は常に鍛えておきましょう。
1-4-2. 背筋
背筋も水泳にはとても大切な体幹部の筋肉であり重要な陸トレメニューです。
普通のうつ伏せ状態から足をあげる、両足両手を上げる、対角線上に右手・左足を上げるまたその逆とメニューもいくつもありますから、機会をつくってがんばりましょう。
1-4-3. インナーマッスル
次のメニューはインナーマッスルです。
水泳にとって大切なインナーマッスルはお腹周りと肩周辺が重要です。
特にお腹のインナーマッスルは水泳が上手になるためのコツともいえる重要な筋肉ですから、この陸トレは欠かせません。
一般的にはドローインにより鍛えます。
就寝時にベッドの中でもできます。
詳細は以下の記事で解説しています。
1-5. 下半身の強化
水泳ばかりやっているとどうしても下半身の筋肉が衰えてきます。とくにシニアには特に顕著にその傾向がみられます。何を隠そう私が実体験してきました。

それにトップスイマーも同様に下半身の筋肉が落ちるというのはよく聞く話です。
泳ぐための筋肉と陸上で活動する筋肉とは違っているようです。
したがってスクワットやカーフレイズなどの下半身の強化はとても重要です。
この下半身がしっかりしていることで水泳の強いキックが打てることにもなってきますので下半身の強化も大切なメニューとなります。
2. 水泳に有効な筋トレメニュー

前の章で筋トレの事はすでに申し上げましたが、改めて水泳の陸トレで大切だと思われる筋トレメニューを上げておきます。
2-1. スクワット
まずはスクワットです。下半身、体幹部を鍛える筋トレには最高です。
陸トレメニューには是非このスクワットを入れておいて欲しいものです。
2-2. カーフレイズ

次のメニューはカーフレイズ、かかとを上げる筋トレメニューですが、水泳はどうしてもふくらはぎの筋肉が衰えてしまいます。
ふくらはぎの筋肉は水泳の場合、スタートとターンで壁を力強く壁を蹴るという初速を得るためにとても大切です。
このメニューも忘れないようにしておきましょう。
2-3. プランク

このプランクも体幹部の強化にはもってこい陸トレメニューです。
このプランクについては非力な女性やシニアにとても有効な筋トレですから、時間をみつけて行うと、決して裏切られることがありません。
2-4. ゴムを使った腕の筋トレ

ゴムをつかって腕の筋肉を鍛えるものですが、腕全体を鍛える陸トレには最適です。
ゴムの強度を変えてふさわしい強度で頑張りましょう。
私のおすすめを一つ言いますと、
2-5. ジムマシンを使った筋トレ
もしジム施設を利用できるであれば水泳の陸トレにとても効果的なマシンをいくつかここで紹介しておきましょう。
もちろん他にも沢山のマシンもありますから、インストラクターにアドバイスを受けながら利用しましょう。

2-5-1. レッグカール

水泳のキックに必要な筋肉が鍛えられます。そして水泳する者には苦手や筋トレメニューの一つです。
2-5-2. レッグプレス

水泳の下半身強化にスクワットとともに有効な筋トレメニューです。
2-5-3. レッグアダクション

このマシンは両膝を同時に閉じる筋肉、広げる筋肉と両方の筋肉を鍛えることができるマシンです。
両膝を広げるには結構きつい筋トレです。足のみならず腰回りのインナーマッスルも鍛えることができます。
3. これだけはやって欲しい陸トレ

水泳の陸トレに必要なメニューとして総合的な身体能力を向上させ、水泳にとても大切なストレッチ、筋力アップ、平衡感覚、バランスなどは是非やって欲しいトレーニングを解説したいと思います。
そして備えておきたい器具を併せて紹介します。
もちろん私も今も毎日活用しているものです。またそんなに高価なものでもありません。
それでいて陸トレ効果は抜群です。これさえあればジムのわざわざ行かなくても・・・とそんなふうにも思える誰もが良く知るアイテムです。
でも水泳をしている人でも多用しているのは少ないかもしれません。
3-1. ストレッチポール
このストレッチポールは画像のようにポールの上で仰向けになっているだけでストレッチ効果がすごいです。
是非、ジムでストレッチをする場合には常備しているこのストレッチポールを使いましょう。
3-2. バランスボール

バランスボールもまた一家に一つはほしい陸トレアイテムです。
私の使い方は主にバランスボールの上に座ってゆらゆらしながらデスクワークをしたり読書をしたりと日常生活に溶け込んでいます。
お客さんが来れば必ず珍しがってバランスボールの上に座りますね。
このアイテムを水泳の陸トレに活用しない手はありません。
3-4. 筆者のお気に入り陸トレメニュー
私が学生の頃の水泳練習環境はアウトドアだったので冬季間は毎日陸トレでした。
でも毎日ランニングや筋トレばかりの陸トレもまったく面白くなく、モチベーションも維持できずいろいろ部長の先生とも相談して他の陸上スポーツのクラブを点々とジプシーのように回った経験があります。
野球だけはさせてもらえなかったのですが、他の運動はほぼ経験があります。
水泳部はメンバーはだれもがすごい心肺能力の持ち主で、ランニングでは陸上部に負けない走力をもつメンバーも数知れません。
私もご多分に漏れず、マラソンも大好きでした。本当に学生時代はいくら走っても疲れなかったですね。
公式試合にしても陸上はもちろん、サッカー、ラグビー、柔道、剣道、テニスなどいろんな公式試合に出させてもらいました。
メンバーが足らないなどの弱小クラブからはいつもお呼びがかかりました。
そんな冬季間の陸トレを経験してきた中で最もこれはいいという陸トレメニューは何と言ってもスキーでしたね

3-4-1. スキーは水泳の陸トレに最高
水泳とスキーには多くの共通することがあります。
ともにスピードとそのスビードを維持するバランス感覚そして体幹部の筋力です。
今でこそ水泳環境がインドアプールとなり4シーズンいつでもでできるので、スキーをする期間が減りましたが、学生時代、冬季は山にこもってゲレンデのバイトをしながらスキーのトレーニングをしました。
水泳はスキーのためにスキーは水泳のためにでしたね。
私が水泳の陸トレナンバーワンはスキーと言えるかもしれません。
特に私は平泳ぎが専門ですからスキーで培われた下半身は平泳ぎのキック力に生かされました。
また平泳ぎで鍛えられた下半身はスキーには最高のパワーを生みました。
スキーのストックワークは水泳のプルに、微妙な脚力で生み出す高速ターンは足首の柔らかさとしなるような下半身の動きはドルフィンキックやバタ足の陸トレに匹敵します。

スキーメッカのリゾートにインドアプールがあればもう最高ですね。
3-4-2. なんといってもランニング(ウオーキング)
では次のメニューですが、なんといってもランニングです。もちろんこのランニングにはシニア向けのウオーキングも含みます。
できるだけ車などの乗り物は使わずに基本、ウオーキング、そしてトレーニング目的でランニングというスタイルがやはり陸トレメニューの基本でしょう。
そしてそのランニングやウオーキングで水泳の呼吸を意識して陸トレされると水泳のトレーニング効果がたかまります。
そしてこのメニューで水泳に必要な体幹部の強化が図れます。
4. まとめ
以上、水泳の陸トレメニューについて詳細にわたって解説してまいりました。
ほとんどが私自身の考え方に基づいた内容となり少し違和感を持たれたかもしれませんが、私が考える水泳の陸トレとは単なる筋トレではありません。
ストレッチも柔軟性も全てを含めた陸上トレーニングとの考え方に基づいたものです。
・水泳の場合においては固くて強い筋肉は重く、水の抵抗を大きく受けるために最小限にとの考えが私の持論です。
・私は思うのですが、現代は本当に便利快適でいろんなスポーツができ、楽しめる環境にあります。水泳は夏のスポーツというのはもう過去の話です。
でも私はそんな不便な時代に生きてきたおかげで、陸トレとしていろんなスポーツを体験できたことをありがたく思っています。
全てのスポーツの基本的な運動としてランニングがあるように水泳もまた人間が生きる上で必要で重要な基本運動なのでしょう。

このような観点から今回の記事はこれだけはやって欲しい水泳の陸トレメニューとのテーマでお話しさせていただきましたが以上となります。
最後までお付き合いをいただき心から感謝しています。ありがとうございました。
なお、水泳関連記事として次の記事もとても興味深い内容となっていますのでご一読いただければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。