水泳と血圧の関係には有効な降圧効果があるのでしょうか?

水泳は有酸素運動の代表格としてよく知られ、血圧との関係においては水泳は血圧を下げる効果が期待できるとの考え方が一般的です。

従って水泳など有酸素運動が降圧効果があって高血圧などの生活習慣病などの指摘を受けた中高年に勧められるのですが、

水泳の練習中に一過性の血圧上昇が起こり、気分が悪くなったり脳出血などで倒れると言ったケースも中高年を中心に事故事例として報告されています。

では水泳は単純に降圧作用があるとは言えない不安がありますが、一体水泳の場合、血圧との関係はどうなのか、注意すべき点など筆者の経験に基づく知見も含めて検証したいと思います。

いしはら
こんにちは!

けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。


1 筆者の水泳と血圧の関係

長年水泳を生活習慣として生きてきた私にとって水泳こそ健康の糧と信じて今も1週間に3〜4日は泳いでいます。

そして水泳の前後には血圧、体重は測定をして健康の管理には怠りなく頑張っております。

朝の血圧は平均的に言って最大130mmHg、最低80mmHgです。

水泳の開始前にはその日によって朝の血圧に対してバラツキがありますが、水泳前と水泳後での比較では最大で−20、最低で−5〜−10というのが平均的な水泳と血圧との関係になります。

従って水泳後に血圧が上昇したケースは一度も経験がありません。

この血圧の関係は入浴前後の関係にほとんど同じ傾向があります。

また脈拍については朝の脈拍は60前後、水泳前で70〜80、水泳後は80〜90程度になっています。

水泳練習の最後に十分なクールダウンはしているのですが、脈拍は朝の安静時の脈拍にまでは改善されていないのが実情です。

水泳中の血圧上昇事例

私の日頃の感覚で血圧が上昇しているなと感じるときは決まって血圧が高いですから大体自分の血圧はその時の感覚はさほど実際の測定値との差はありません。

従って今血圧が上昇しているな!と感じる時には出来るだけ深呼吸をしたり感情を抑えるようにしています。

この血圧の変動が一日の内に何度も感じる時があります。

朝の目覚めが良くなくスッキリしない時などはいつもより血圧は高い値を示しています。

では水泳中における血圧の変動は測定したことがないのですが、血圧上昇にある時というのは決まってインターバルトレーニング中に起こります。

インターバルトレーニングというのは競技会前のスピード練習で、25mや50mを頑張って泳ぎ、休息を30秒〜45秒くらいでまた泳ぎだすという練習です。

この練習の時には水泳の負荷も大きく脈拍も上がります。

その時には決まって感情の起伏が起こります。従って私の場合には血圧と感情には深い関係があるように思います。

まずは「苦しい」「もうやめたい」など負の感情が起こります。この練習が楽しくなればいいのですが、運動負荷が大きいのでしょう。

この時の身体に起こる現象は一言で言って興奮状態です。とてもリラックスといった状況ではありません。

この時血圧は急上昇しているのかもしれません。

急上昇かどうかは測定していないから明確には言えませんが、多分確実に血圧は上昇していると思います。

水泳中の血圧降下事例

先ほど述べたインターバルトレーニングが終わってロングのスイムに入った瞬間に泳いでいて、何とも言えない開放感というか爽快感というか興奮が冷め気持ちがスッキリとしてきます。

きっとこの時には血圧が下がっているのだと思います。

そして今日の練習が済んでプールから上がり、ジャグジーでのリラックスやセルフマッサージをして着替えて血圧測定をするのですが、この時には水泳前の血圧と比較して高い場合を経験したことがありません。

従って私にとって水泳は総合的にはリラックス運動なのです。

でも練習の内容によっては意識的に興奮状態にさせてトレーニングをしているのだと考えています。

従ってより速くといった競技目的の練習から解放させた時に血圧の効果が見られるのだと考えています。

2 水泳と血圧の関係についての研究事例

一般に有酸素運動が生活習慣病の予防や治療、中高年の生活習慣の改善に役立つことはこれまで科学的にも証明されており、ウオーキングやジョギング、エアロバイクなどその有効性については臨床研究も沢山あります。

でも水泳や水中運動については血圧降下効果があるのかどうかの研究は非常に少ないとされています。

それは中高年に対して1時間もの水泳などの運動をさせること自体にも問題があると思われます。

そこで、今回オーストラリアで行われた中高年の運動についてオーストラリアWestern Australia大学のKay Cox氏の発表と九州大学名誉教授川崎晃一氏の研究、中高年の動脈硬化進展予防に対する水中運動の効果の二つの研究について血圧と水泳との関係の概要を述べておきたい思います。

オーストラリアの研究

オーストラリアでは運動の降圧効果を調べた研究では主にウオーキングやジョギング、ランニングが採用されており、水泳の降圧効果にかんする研究がほとんどないところに注目し、無作為に血圧に対する影響をウオーキングと比較する試験研究を行っています。

試験対象は50~70歳で運動習慣がなくBMIが34未満で肥満ではな中高年女性とし、血圧は160/100mmhg未満、そして25m泳げることを条件にして116人を無作為に水泳群とウオーキング群に分け、1回あたり30分間、週3回、そして6ヶ月行われました。

参加者の平均年齢は55.5歳、平均BMIは26.4。血圧は116/67mmhg、心拍数は67回/分で、12人は降圧治療を受けていた。

運動実施率は水泳、ウオーキングともに7割以上で6ヶ月の定期的運動を行い、水泳群が56人、ウオーキング群は60人ということです。

そして定期的な運動前後での血圧を調べたところ、血圧はウオーキング群では有意ではないものの低下する傾向が見られたが、水泳群では24時間血圧には違いがないものの血圧が運動前と比較して3/1mmhg上昇する結果となっています。

定期的な水泳でどうして血圧があがるのか女性特有の減少なのかなど解明する点はのこるものの、「すくなくとも中高年女性に対して運動を行う場合は種目としては水泳は避けた方がいい」とCox氏や述べています。

引用資料:日経メディカル(人生を楽しむ人の健康・医療情報)

九州大学の研究

川崎教授たち研究チームは50~70歳の中高年男女39名を対象に6ヶ月間のに繰り返し検査を実施。

週2回、午後2時から4時まで休憩をとりながら次のメニューをインストラクターの指導の下に行われています。

・血圧、脈拍、体重測定

・ストレッチ体操、自転車

・腰痛体操

・流水マシンを使った水深1.0~1.2mのプール内での水中歩行約40分

・水泳指導約20分

・終了後の血圧、脈拍、体重測定

・期間中、運動群と対照群で同じ検査をおこない比較検討を行った。

運動群は35名(男性11名、女性24名)対照群は22名(男女各11名)

結果は血圧、脈拍、糖代謝の間に有意な相関関係が認められ、長期にわたる水中歩行を主体とする複合運動が血圧、脂質、糖質代謝異常を改善し、動脈硬化の進展予防に有効であるとともに転倒防止にも有効であることが証明されています。

今回の研究では運動教室は水泳だけでなく水中歩行を主体にしたそのほかの有酸素運動も組み合わせているために水泳だけの運動効果とはいえず、中高年者に長時間の水泳を継続させること自体に限界があり水中運動などいくつかの有酸素運動を含めることが現実的であると考えられている。

引用資料:中高年の動脈硬化進展予防に対する水中運動の効果

3 好ましい水泳練習

前章で水泳など有酸素運動と血圧など健康指標について数少ない水泳前後の試験調査研究の一部を紹介しましたが、オーストラリアの研究においては30分の水泳、九州大学では20分の水泳指導とありました。

したがって水泳を有酸素運動の効果が出てくるまで続けることの現実性に問題があるようにも思いました。

無理のない水泳

もちろん水泳選手を被検者にし、水泳前と水泳後の血圧の変化を見なければわかりませんが、水泳選手レベルの水泳を一般の人にしてもらうのは無理のあるところでしょう。

また運動習慣のない中高年女性に30分の水泳練習を行えば水泳の前後で血圧の上昇が見られたオーストラリアの研究もあります。

Takasi
従って無理な水泳は降圧効果としてはあまり有効的でないことがわかります。

しかしながら無理のない範囲で水泳を取り入れる習慣は呼吸筋を強くして免疫力を高めるほか、普段陸上では使うことの少ない筋肉を刺激して動かせる効果がとても高いですから、少しずつ無理のない範囲で水泳練習をすることは加齢による身体的な問題を解決できる要素は多分にあると考えています。

中高年世代の水泳

中高年世代にとって一番大切なのは生活習慣病の改善や予防効果を目的に運動不足解消のために行う運動です。

基本的に課題は有酸素運動ですから、水泳を5分とか10分やれば水中ウオーキングに切り替えて水中運動全体として有酸素運動効果を期待するのが好ましいでしょう。

水泳開始前には水中ウオーキングで十分なウオーミングアップを行い、その上で水泳を行いましょう。できる種目で十分です。

泳げない人にはビート板を使ったバタ足でも良いと思います。

最初のうちは25mがやっとでしょう。でも毎日少しずつでも距離が伸びていけば楽しみも倍増することでしょう。

このように無理のない水泳をやっておれば、水泳をしている間は血圧の上昇を来すかもしれませんが、全体的には十分な有酸素運動であることから血圧の降下効果は高いはずです。

水分補給を忘れないこと

それから水泳は水分補給を忘れがちです。

口が常に水に浸されていることから口の渇きが感じられません。

Takasi
喉が乾いたなと感じる時にはすでに脱水症状が始まっていると考えた方が賢明です。

そして脱水症状が起因する病気には心筋梗塞などの重篤な病気のリスクもありますから注意が必要です。

プールサイドにウオータークーラーがある施設であれば、定期的な水分補給は意識的に行いましょう。

もし水分補給の器具が無い施設であれば、各人がペットボトルや水筒をプールサイドに携帯して水分補給を忘れないように注意するのが大切です。

5 まとめ

以上、水泳と血圧の関係について述べてきました。

水泳は生活習慣病の運動不足には相応しい運動といった一般的な常識も詳しく調べてみれば、水泳を行う人がどういう人なのかによってかなりの違いがあるということがわかりました。

私のように長年、水泳と共に生きてきた部類の人にとって水泳は最高のリラックス運動であっても、日頃、運動習慣の少ない人にとって水泳は大きなストレスによる精神的苦痛の伴う運動です。

プールに来ていきなり、若い時のようにクロールで泳ぐなどといった行為は厳に慎まなければなりません。

詳しい調査結果によれば水泳は人によっては降圧効果が少ないといった研究もあります。

あくまで無理のない範囲で、水中ウオーキングと絡ませながら、水泳を楽しむというのが正しい水泳の楽しみ方だと言えるでしょう。

特に中高年世代においての注意事項をまとめますと

・水泳前後には血圧、体重、脈拍は計測して管理する

・しっかりと水中ウオーキングでウオーミングアップを行う

・水泳は無理をせず、苦しくなる前に止まって歩くこと

・有酸素運動効果を高めるためにしっかりと歩きましょう

・水泳の後は水中ウオーキングでしっかりクールダウンを行う

・プール施設にあるジャグジーやシャワー、お風呂での入浴でリラックス

このような配慮をすることで水泳後、スッキリとした心身で帰宅するのが最も血圧対策としても重要です。

そして水泳はいつまでも若々しくいられる、素晴らしい運動であることは誰もが疑わないところです。

楽しく、充実した時間を過ごせるように、健康第一に留意をしてこれからも楽しんでいただけるよう願いつつこの記事は以上とさせていただきます。

最後までお付き合いいただき心から感謝しています。ありがとうございました。

 

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