水泳を続けていて、シックスパックの腹筋が割れる見事な筋肉美が得られるようなトレーニング方法があるのでしょうか?
水泳は有酸素運動の代表格として良く知られていますが、腹筋を割るほどの筋トレ効果があるのかという点については否定的な考え方が主流だと思います。
でも水泳選手は見事な腹筋美を誇った選手ばかりです。肩幅が大きく、逆三角形でお尻が小さく下半身が細い美しいシルエットには惚れ惚れしてしまいます。
もし、水泳で腹筋を割るトレーニング方法があれば是非教えて欲しいと願う読者も多いと思います。
この記事で美しい筋肉美を手に入れるコツをつかんで下さい!
1. 水泳で腹筋を割るコツ
日本水泳界を牽引する世界のゴールドメダリスト瀬戸大也選手に萩野公介選手、彼等の美しい肉体美は素晴らしいシックスパックの腹筋に胸や肩の筋肉の盛り上がりには目を見張ります。
この割れた腹筋は水泳で鍛え上げた肉体なのでしょうか、それとも筋トレで鍛えたものなのでしょうか?
もちろん彼等は水泳練習はもちろん、陸上での筋トレもトコトン、自分を徹底的に追い詰め鍛えてきたものです。
1-1. 水泳で腹筋が割れるのか?
でも基本的には割れた腹筋はもとより全身の美しい筋肉美は水泳トレーニングで鍛え上げた結果であるのは明白です。ではそのトレーニングとは・・・
この記事では腹筋に焦点を絞って解説していきたいと思います。
「腹筋を割る」という表現は鍛えた腹筋であってスポーツ選手であれば腹筋が割れていない選手は皆無でしょう。
では関取はというと、あの体重を拡大するために纏った重い身体の中にはすごい割れた腹筋が隠されているはずです。
さて水泳選手に話を戻し、水泳について考えていきましょう。
水泳は一般的に有酸素運動の代表格として知られ、ダイエット効果の高い運動であるために筋肉を鍛えるには不向きであると考えられています。
従って有酸素運動優位の運動を続けていれば筋肉量は低下するのが通説です。
逆にいうと長時間の水泳を行えば筋肉も同時に鍛えられていくと考えられます。
有酸素運動であるために筋肉量はどんどん低下し続けるのであれば推進力も低下、泳げなくなってしまいます。
従って筋トレがなくても水泳単独でもある程度の筋肉量は維持できるというのが正しい考え方だと言えるでしょう。
歩くだけでは筋肉は鍛えられないのか!というのと同じです。
水泳は長時間、泳ぐためにどうしても身体を自ら浮き上がらせ、同時に浮力を生じさせるテクニックが必要となります。
クロールで例えれば、両腕でしっかり水を捉えて水をかくことによって得られる強い推進力、そして強いキックで推進力と同時に浮力を得ているのです。
さらに重要なのは水平に身体を一直線にする強靭な体幹部の筋力が必要です。その体幹部の中心的な筋肉が腹筋であり背筋でありお腹周りのインナーマッスルなのです。
従って水泳をやっている人の腹筋が割れているというのは当然だと言えるでしょう。では腹筋を割るための水泳トレーニングとはどのようなものなのでしょう・・・
1-2. 水泳選手と一般スイマーとのトレーニングの違い

スポーツクラブプールに何年も通うメンバーが全く体型が変わらずに水泳では腹筋は割れないと感じていらっしゃるかもしれませんが、

ただ、内臓脂肪であったり、皮下脂肪であったりが邪魔をして割れた腹筋を覆い隠しているのでしょう。
摂取カロリーと消費カロリーとの関係においてバランスがよくなれば瀬戸選手にも匹敵する割れた腹筋が出現してくることでしょう。
では水泳選手と、一般スイマーとの違いを見ていきましょう。
1-2-1. トレーニングの量
水泳アスリートと一般水泳愛好家との決定的な差はトレーニングの量の違いです。
トレーニングメニューは基本的に
・PKS(プル、キック、スイム)などのドリル
・25 × 10本、50m × 10本などインターバルトレーニング
・IM(個人メドレー)× 3本
・クールダウン
このようなトレーニングメニューで基本的には同じようなメニューですが、水泳愛好家の練習量は多い人で2000m少ない人でも1000mくらいではないでしょうか。
そして有酸素運動として陸上でのジョギングやウオーキングといった運動と同様にクロールで30分から45分をずっと泳ぐようなトレーニングを練習のたびに楽しまれています。これでも2000mくらいではないでしょうか。
これだけの練習量をこなせば相当の水泳熟練者です。
でもアスリートたちは一日の練習量は4、5000m、そして競技会を前提になってくると10000mも泳ぐ選手もいます。この大きなトレーニングの量の違いはまるで違ってきます。
1-2-2. トレーニングの質
トレーニングの質については一般愛好家の場合特に質にこだわる人は少ないと思いますがアスリートの場合ですと1日の消費カロリーは5000kcalを軽く超えます。
この消費カロリーと基礎代謝量を賄うに必要な摂取カロリーを食事で取るというのは極めて大変で勢い摂取カロリー不足をきたします。
従って効率的なトレーニングを心がけて短い練習量で最大の効果をあげる努力と研究を選手はもとよりチーム、スタッフが一丸となって日々努力しています。
トレーニングの内容には次の二つに大きく分かれています。
・耐乳酸系トレーニング
1-2-3. 有酸素系
酸素をしっかりと取り入れて泳力とスタミナをつけるトレーニングです。
心拍数を上げて全力で泳ぐパワーで泳ぐメニューであったり、半分のパワーで泳いだりなどメリハリをつけたトレーニングです。
1-2-4. 耐乳酸系
耐乳酸系というのは心拍数を上げて全力で泳ぐのですが、呼吸を犠牲にしてある意味無酸素状態で泳ぐ練習をします。
次に1、2分程度の休憩をとり、乳酸が蓄積された頃を見計らってまた同様のパワーで泳ぐ、言ってみれば乳酸に対抗してパワーをつけるトレーニングを行なっています。
ゴール前で選手がよく見せるノーブレッシングラストスパートです。
このラストスパートのパワーは耐乳酸系の練習が物を言います。そして瀬戸選手のように個人メドレーとバタフライやリレー種目など複数のエントリー種目があればこの耐乳酸系のトレーニングがなければ到底レースで結果は出せないのです。
1-3. 水泳の基本
今、ここでアスリートと愛好家の決定的な違いを説明しましたが、アスリートはその上で陸上において筋トレで必要な筋肉強化を図っています。それは上半身であったり、下半身であったりですが、腹筋を強化するというのはあまり無いと思います。

それは水泳トレーニング自身が強い腹筋を必要とするからなのです。長い距離をかなりのスピードで泳ぐためにはどうしても身体全体を浮き上がらせる体幹部の強化が必要です。そして水泳自身にその体幹部の強化する効果があるのだと私は考えています。
従ってアスリートの割れる美しい腹筋は水泳で鍛え上げられた物であると言えるでしょう。逆に言えば腹筋を割るには水泳トレーニングを頑張れば自ずと結果は出るのです。
2. おすすめトレーニング(初心者向け)

では初心者(一般水泳愛好家)には割れる腹筋は不可能なのでしょうか、いいえ決してそんなことはありません。水泳のトレーニングを続ければ自ずと腹筋は割れてきます。
そのために必要なことは有酸素運動で余分な脂肪を撃退し、泳ぐ距離を少しずつ伸ばして泳ぎに必要な筋力を強化する必要があります。こうしたトレーニングを習慣づければ自ずと、結果として腹筋は見事に割れてくるでしょう。
でも初心者がこのようなトレーニングは難しいとお考えと思いますが、ポイントをまず整理しておきましょう。
・プールの壁で休まないこと
・水泳経験の浅い人でもビート板キックはできる
・お腹を凹ませる
私が提唱する愛好家向けのトレーニング方法なのですがともかく有酸素系トレーニングは最低30分は休まない。長く泳ぎ続けるには体幹部を意識して身体を沈ませないことが重要です。
腹筋を割る水泳について私の考えを整理すると以下のような点が重要となってきます。

2-1. 苦しくなる前にウオーキングにスイッチ
まず、水泳は苦しくなる前にウオーキングに切り替え、水中ウオーキングで有酸素運動を継続させるながら水泳の疲労を取り除くことです。苦しくなってくるともうそれは有酸素系トレーニングから無酸素系へと切り替わり有酸素効果がなくなってしまいます。
そして水中ウオーキングでも十分な有酸素運動効果が期待できます。苦しくなってからではなく、その前にウオーキングに切り替え、壁では休まない歩きながら呼吸を整え、高い心拍数を維持させましょう。
そして大切なことは少しずつ、泳ぐ距離を伸ばしていくことです。そうすれば泳ぐ距離・時間が伸びることで喜びにつながります。この喜びを味わいながら楽しく水泳を続けていって欲しいと思います。
2-2. ビート板トレーニングも素晴らしい水泳

それからクロールでまだ25mがやっとというレベルの人でも楽しく水泳をやっていく方法はビート板でバタ足練習をすることです。ビート板を使えば呼吸は自由にできますから自分の楽な呼吸に合わせてバタ足ができ前進することが可能です。
そしてビート板キックでのスイム同様に苦しくなる前にウオーキングに切り替えるのは全く同じです。25mの壁に来たらビート板をおいてウオーキングを50m行い、回復を待ってまたビート板キックを行うといった内容で有酸素運動を継続させましょう。
ビート板練習はトップアスリートも毎日行っているトレーニングメニューで素晴らしい水泳なのです。競技種目の4つの泳ぎにこだわることはありません。ビート板を使ってバタ足、平泳ぎキック、バタフライキック、背泳ぎキックなどいろんなメニューが楽しめます。
2-3. お腹を凹ませて身体を沈ませない
次に泳いでいる時、もしくはビート板キックを行っている時、体幹部に意識を集中させてお腹が沈まないように意識しましょう。最初のうちは腰からした下半身が沈んだような姿勢で泳いでいる場合がありますが体幹部が沈まないように意識すれば正しい一直線の水平な姿勢が維持できます。
そしてその姿勢を維持するコツはお腹を凹ませること、そしてお尻を締めれば正しい姿勢を維持する事ができます。
このお腹を凹ませる意識は腹筋に強く働き、同時に腹筋を鍛えるのに大きな効果が期待できるでしょう。そして長く続けるのはとても難しい筋力です。
従って少しでも長く泳げるというのは割れた腹筋への道しるべなのです。
トレーニングのたびに少しずつ距離が伸びればそれだけ腹筋がしまって来ている証明でもあります。いつしか10分での15分でも泳ぎ続けられる泳力が身についているでしょう。
その頃には腹筋は割れて美しいマッチョのシックスパックに変身していると思います。
3. 腹筋割れよりも水泳の肉体美

割れた腹筋を目指すのであれば何も水泳などせずともジムで腹筋マシンを使えばそれで肉体改造ができるのかも知れません。でも身体を覆う皮下脂肪や内臓脂肪を取り除くには有酸素運動が欠かせません。
その二つを同時にできる効率の良い運動に水泳は素晴らしい効果を挙げることができると思います。
ですから水泳選手は小さなお尻に細い足なのです。でも水を蹴ったり水を挟むといった裏筋の筋肉が発達します。
私も同様に身体は大きくてもお尻は小さく足は細いです。上半身の衣類はLLでも水着はMです。
この水泳選手の逆算関係の肉体美がいろんなスポーツ選手のシルエットを見ても一番美しいと私は個人的には思っています。
まあ、それは単に水泳が大好きだからでしょう・・・

それが水泳の素晴らしいところなのです。
どんなに水泳経験が浅くてもプールの中に30分いれば、相当に疲れます。そして帰宅すればもうグッタリでぐっすりと眠れます。これはすごいエネルギー消費だと思うのです。
そして水泳練習には腹筋は必須です。水泳を楽しみながらシックスパックを目指しましょう。
4 まとめ
以上水泳というスポーツの特殊性からトレーニングの内容、トップアスリートのトレーニングメソッド、あらゆる角度からお話しをさせていただきました。
こと、腹筋を割るという点に焦点を絞れば難しく理解しずらいところもあったかと思いますが、一般的に水泳は有酸素運動の代表格として知られています。
でもスポーツクラブプールで水泳をしている人で有酸素運動をしている人は本当に限られています。
それは短時間であったり、がむしゃらに25mを泳いで壁で身体が冷えるくらいまで休憩をしている人、さらには25mを4、5本泳いでさっと上がってしまう人の本当に多いこと・・・
有酸素運動を実現するには少なくとも15分以上は続けて心拍数が100以上を維持継続しなければ脂肪燃焼効果は期待できません。
一方腹筋を割れトレーニングの点からは有酸素運動ではなく筋トレということになります。でもウオーキングをしながら足腰が鍛えられるようにゆっくりとした水泳運動でも意識次第で十分に腹筋を鍛えることは十分に期待ができます。
ここで今一度まとめて整理しておきたいと思います。
・有酸素運動による脂肪燃焼として水泳だけでなくビート板キックも水中ウオーキングも素晴らしい有酸素運動
・苦しくなる前に水泳から水中ウオーキングに切り替えて高い心拍数を維持し有酸素運動を継続
・壁では休まない!
・水泳の上達は体幹部の強化が鍵!(水泳を少しずつ距離を伸ばすことで体幹部の筋肉が鍛えられる)
・水泳で腹筋を鍛えることは腰に与えるダメージが少ないetc・・・
さて、水泳は苦しくて辛いから苦手という考えが大勢を占めどうしても敬遠がちの水泳です。でも子供達が大好きな水泳!
子供達が好きなのは水泳ではなく、プールの中での遊びなのです。
どうぞ大人もプールでの遊びレクレーションと位置付けて水泳を楽しんでいただきたいと思います。
何も25m泳げなければ水泳はできないと思わずとも人は誰でも泳げるのですから、プールにあるアイテムを活用して楽しみましょう。
そんな中で少しずつでの泳ぐ距離が伸びていけばそれは素晴らしい喜びであり楽しみだと思います。
そして短期間で細マッチョを実現できるように願いつつ、この記事は以上とさせていだだきます。
最後までお付き合いいただき心から感謝しています。ありがとうございました。
なお以下の記事も興味深い内容となっていますのでご一読いただけたら幸いです。
初稿:2019年8月10日
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。