水泳は有酸素運動の代表格と言われていますが腕痩せ効果はあるのでしょうか?
結論を言えば、水泳は脂肪燃焼効果が高いですから腕痩せの趣旨・ねらいが腕の脂肪(特に二の腕)にあるならばその効果は非常に高いと言えるでしょう。
また、腕痩せの趣旨として考えられるもう一つの要素としてむくみも考えられますが、むくみ対策にも水泳はとても効果的です。
ところが一番大きな問題は水泳の効果は十分理解はできても、水泳経験の少ない人にとって腕痩せを期待するほどの泳力がなく、どうしても水泳を敬遠してしまう傾向はなかなか拭えません。
この記事で紹介する初心者にでもできる練習メニューで頑張って泳ぎましょう。
1. 水泳で腕痩せは可能か
水泳で腕痩せが可能か?
この疑問に答える前に、まず腕痩せの趣旨はどこにあるのでしょうか?
余分な脂肪でしょうか、それともむくみでしょうか、鍛え上げた筋肉なのでしょうか・・・
気になるところなのですが、ごく一般的に考えて二の腕のたるみと言ったところでしょうか!
1-1. 腕痩せが必要な原因
考えられる腕痩せが必要な原因を一つずつみていきましょう。
1-1-1. 腕の余分な脂肪
二の腕など腕の余分な皮下脂肪について考えてみましょう。
人間が生きていくために脂肪は大切なエネルギー源であり身体を物理的に守るクッションの役目であり、また保温のためになくてはならないものです。
従って人間の身体は太古の昔から食べ物から少しでも大切な生きるためのエネルギー源として脂肪の蓄積が自動的にコントロールされています。
そしてその制御にも一定のシステム化がなされています。
まず自らの生命維持のために余剰の脂肪分は内臓脂肪として蓄えられます。次に皮下脂肪として蓄積されます。
皮下脂肪の蓄積には部位ごとの優先順位に一応のルールがあります。
そのルールとはまず身体の重要な臓器を守る皮下脂肪として蓄積されます。
お腹周りには重要な臓器があります。特に女性の場合には大切な新しい命を育む大切なお腹周りです。
皮下脂肪はまずお腹周りから蓄積されていき、随時身体の中心から遠いところへを皮下脂肪はついていきます。
では次に皮下脂肪をエネルギー源として使っていく場合には、まず内臓脂肪が優先的に活用されます。
そして皮下脂肪ですが、大切なお腹周りの皮下脂肪ですから使用する優先順位はお腹周りの遠いところから優先的に活用されていきます。
でも逆に言えば、腕にまで皮下脂肪が付いているのはお腹周りにも相当の皮下脂肪が蓄積されている証にもなります。
早急な消費カロリーの向上と摂取カロリーの抑制を行う警告でもあるわけです。
以下の参考記事をご一読ください。
1-1-2. むくみの解消
お腹周りにさほど太った状況でなく、腕痩せが必要となればそれは血行やリンパの流れが良くなく、余分な水分や老廃物の蓄積が著しいのかもしれません。
ご自身の日常生活において腕の活動状況をチェックする必要が大切でしょうか。
1-1-3. 姿勢の悪さからくる見た目の悪さ
そして肩を丸めるような姿勢で仕事や日常の暮らしをしているために見た目の悪さから腕が太く感じられていることも考えられます。
日常生活における姿勢を今一度チェックしてみましょう。
姿勢を正すことで、腕の血行も良くなるはずです。
1-1-4. 案外太くないのかも
これらの事を総合的に見て、案外腕痩せを深刻に考えるほど太くないのかもしれません。
今一度全身の皮下脂肪やむくみなどの状況をチェックされて、腕痩せをすべき状況を再確認されることがまず最初になすべきでしょう!
1-2. 水泳と部分痩せ
では水泳で部分痩せが可能なのでしょうか?検証してみたいと思います。
1-2-1. 脂肪燃焼優先順位
先ほど、脂肪のつき方について説明をさせていただきました。
脂肪が燃焼するときにはまず内臓脂肪が消費され、次に皮下脂肪が消費されていきます。
この皮下脂肪の燃焼については優先順位があって脂肪が蓄積される全く逆の順序で消費されていきます。
これらの理由はすでに申し上げたように身体の大切な部分を守るという原則が生きているからです。
従ってこの皮下脂肪の燃焼優先順位を理解していれば部分痩せは可能です。
ところが、今回のケースのように腕痩せとなれば比較的脂肪燃焼の優先順位が早い部位ですから、例えば二の腕に皮下脂肪が蓄積されセルライト化しているような状況においては水泳などの有酸素運動を心がけていれば、セルライトも消滅していくと考えられます。
1-2-2. 脂肪を付きにくくする
ここで特出すべき水泳の特殊性は、水泳で使う筋肉が陸上での活動とは少し違う筋肉を使っています。
たとえば一般的なクロールでいえば腕の筋肉でいえば上腕三頭筋を使います。腕をまっすぐ前に伸ばし、伸ばした腕を肘を曲げながら引っ張ってきます。
その時に使う筋肉は肩の筋肉、そして腕の筋肉は腕の力こぶの筋肉の反対側、上腕三頭筋が中心です。
それも偏った筋肉ではなく、腕の筋肉を総動員して水をかくという動作になってきます。
またかき終えた腕を自ら抜いてまっすぐに前に空中をリカバリーしてまた一番遠いところに入水(エントリー)します。
この腕が入水する位置は上手になればなるほど遠いところとなります。腕が伸びる限界点です。
その限界をさらに遠くするために肩甲骨さえも動かせて可動域の限界まで腕を伸ばします。
そうなれば腕の筋肉は力こぶをつくる上腕二頭筋が伸び、裏の上腕三頭筋は縮みます。この繰り返しが上腕三頭筋を鍛えていくのです。
物を持ち上げたり、支えたりするときに使う力こぶの筋肉は日常ではよく使いますが、力いっぱい壁を押したりするときに使う裏筋の上腕三頭筋はあまり使いません。
日常生活では上腕三頭筋があまり使わないために筋肉量が少ないことによって皮下脂肪は格好の蓄積場所と判断しているのだと考えられます。
言い換えれば二の腕は皮下脂肪が付きにくくなるというわけです。
いままで、皮下脂肪の温床であった腕の裏側も水泳を始め、一度腕痩せが実現すればこれからは腕が皮下脂肪で太くなるといった現象は抑えられ、願ったりかなったりというわけです。
水泳をこれから始められ継続されることがとてもメリットの高い運動だと理解してもらえると思います。
2. 初心者向け腕痩せ対策練習メニュー
水泳が得意の人なら腕痩せの悩みなどないのが実情なのですが、泳げない人には無理と思われるかもしれません。
水泳はクロールや背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライなどと4つの泳法泳ぎ方があるのはご承知かと思いますが、腕痩せ目的で水泳を始められる方々にクロールをやりましょうと言ってもそれは現実味が薄いです。
でも水中をウオーキングやビート板という補助用具をつかったバタ足など、いろいろな水泳練習のバリエーションも立派な水泳と言えます。
それにプール施設にはこのようなアイテムが常備されています。
上半身を浮き上がらせる浮き具を使ってバタ足をやってみましょう。腕痩せにも絶大な効果が期待できます。
2-1. バタ足
水泳ができない人でもビート板を使ってバタ足練習を見よう見まねでやってみましょう。
最初のうちは前進しませんが、少しずつでも前進が実感できるようになります。頑張って少しずつで良いですから距離を伸ばしましょう。
このバタ足練習で足をバタバタさせても効果があるのは脚であって、どうして腕痩せにつながるのかと疑問を持たれるかもしれませんが、ビート板に上半身の体重を任せてバタ足をするには
ビート板をしっかり腕を伸ばして抱えるようにしなければ上半身を委ねることはできません。そのためにはビート板上で上をしっかり伸ばす必要があります。
この姿勢を長く続けることがバタ足練習にはかかせません。
水泳初心者がビート板を使ったバタ足練習は腕痩せ効果がとても高いと言えるのです。
そして本来バタ足練習ですから、クロールの基本が学べるのです。
クロールの基本であるバタ足練習については次の記事が参考になりますのでご一読ください。
このビート板を使うバタ足練習は日常ではほとんど経験のない筋肉の動かし方です。
最初のうちは10mもバタ足ができるのが精一杯だと思いますが、少しずつ距離が伸びていきますので、頑張ってバタ足練習をしましょう。
コツは脚の使い方などは二の次にして腕をしっかり伸ばしましょう。
気が付けば腕痩せ効果が出ている現実に驚かれると思いますよ・・・
2-2. ビート板を軽いものに切り替える
最初のうちは浮力の強い大きなビート板を使いますが、少し慣れて、バタ足で25m以上泳げるレベルになれば少し小さめのビート板を使ってバタ足練習をしていきましょう。
ビート板の大きさが小さくなればそれだけバタ足による浮力を向上しなければなりません。
2-3. ビート板を使わないバタ足
最終的には、ビート板を使わないバタ足練習となります。
こんな進捗でバタ足練習の上達はおのずと腕痩せ効果が現れ、腕痩せの悩みは消えているに違いありません。
2-4. 水中で手を前にまっすぐ伸ばす水中姿勢
水中で一番水の抵抗を少なくできる姿勢はどのような姿勢でしょう。
気をつけの姿勢では進行方向に向けては肩で大きな抵抗を受けます。
でも両腕で両耳を挟むような腕を真っ直ぐに伸ばす姿勢は肩の抵抗、頭の抵抗さえ抑えられます。
そしてこの姿勢を維持することが一番腕痩せ効果が高いといえるでしょう。
2-5. 水泳の腕痩せ効果
そして最終的にはストロークコンビネーションスイムとその泳ぎの泳法を学べば、4種目の泳ぎが泳ぎが完成するわけです。
でもそれには多少時間が必要となりますが、それぞれの水泳種目のキック練習なら、ビート板使用で簡単にトレーニングができます。
ですから別に泳げなくても良いのです。
水泳は少しずつ上手になっていくものですから・・・
肩回りの筋肉、腕回りの筋肉、そして肩、肘、手首の関節も上手に活用して大きな推進力を得るのです。
リカバリー後のエントリー(入水)でしっかり腕を伸ばし、しっかりと水をキャッチ、プル、プッシュする、この力を生み出すのは肩や胸の筋肉そして上腕三頭筋に代表される腕の筋肉のパワーの違いが水泳の上手な泳ぎ方の基本となります。
2-6. 水中姿勢(ストリームライン)
今ものべた水中姿勢ですが、この水中姿勢だけのトレーニングメニューもとても重要です。
腕をどれだけ伸ばせるかが全てです。
水中姿勢については以下の記事が参考になると思います。
3. 水泳が上手な人はガンガン泳ぎましょう
水泳が上手な人はガンガン泳ぎましょう。
3-1. ゆっくりと泳ぐ
身体痩せには有酸素運動が必要ですから、できるだけ休まずに泳ぎましょう。
運動強度の高いクロールがふさわしいと思います。しっかりと息継ぎを行いながら30分くらいは連続で泳げるようにがんばりましょう。
腕痩せには、腕で水をかくストロークが大切なのは当然ですが、プルだけでなくリカバリー、エントリー時しっかりと腕を伸ばして少しでも遠くの水をキャッチすることが大切です。
そのために肩甲骨の可動域一杯を使って手を伸ばします。
多くの人が心配する肩が張るような大きないかり肩を想像されると思いますが、それは毎日すごい練習をしているアスリートだと考えてください。
一般的な水泳愛好家がそんなマッチョな上半身になるとは考えられません。
ですから心配は無用です。二の腕のたるみや脂肪の排除は速やかに効果が目に見える形になって現れると思います。
3-2. むくみ改善(血行やリンパの流れが良くなる)
次に皮下脂肪以外で腕痩せの原因となりうるむくみ改善があります。
腕をあまり使わないことによって血行が良くなく、当然リンパの流れも良くなく、冷えの原因にもなります。
その現象は皮下脂肪の温床となるばかりではなく、むくみの大きな原因にもなりかねません。
腕をしっかり動かせることは皮下脂肪対策と全く同じです。
ビート板によるバタ足練習は腕は使わないと思われるかもしれませんが腕はパンパンになってきます。
今までに経験したことのない腕の疲労感があります。
この疲労感が腕のむくみ改善に寄与すると思います。
腕痩せのむくみ改善としても水泳やバタ足練習は大きな効果を発揮します。
もし二の腕はセルライト化しているような場合の腕痩せ効果はすごい効果が期待できるでしょう。
3-3. 水中ウオーキングを忘れない
腕痩せについてここまで述べてきましたが忘れてはならないのが水中ウオーキングです。
水泳やバタ足練習が腕痩せを始め身体全体の脂肪燃焼効果が高いのはご理解いただけたと思いますが、これら水泳練習は長い時間継続するのは極めて難しく、ビギナーのうちは疲労も蓄積されます。
疲労は有酸素運動効果が低下します。下手をすると無酸素状態で運動することににもなりかねません。
そこで水泳やバタ足練習には水中ウオーキングを含めて楽しく、30分、60分と水中での運動を継続させることで脂肪燃焼効果、さらにむくみ改善効果を高めることができます。
水泳を停止しても、すぐにウオーキングにスイッチすることが重要となります。そうすることで有酸素運動は継続されます。
さらにウオーキング中にビート板を持って進行方向にビート板で水の抵抗を受けながら、ビート板で水を前方へ押し出す。
このビート板の使い方で受ける腕への運動量は大きなエネルギーを要します。この動きも加味しながらのウオーキングも腕痩せには大きな効果を発揮します。
いろいろなバリエーションがウオーキングにもあります。
プールという閉鎖的な施設で、水泳やウオーキングといった単調な運動なのですが、考え方、アイデア次第でとても楽しく効果のある有酸素運動が実現できます。
私はプールでの各種運動を是非どんな年代の人にも、またハンディキャップのある方にもお勧めしたいと思います。
4. まとめ
以上、腕痩せについて腕痩せをやらねばならない原因と状況の分析、そしてその打開について水泳のもつ特殊性についてここまで解説してきました。
水泳の持つ特殊性とは何と言っても水泳は重力運動ではない点が最大の特徴です。
地に脚が着いていない状況の中で前進するには全身を有効に動かせて推進力をつくりだしていく、その推進力に腕のもつ働きはとても大切です。
腕をしっかりとかいて推進力を生み出す。
また腕をしっかりと伸ばして、水の抵抗を最小限にする、水をかく推進力を最大限に作り出すために、腕をしっかりと伸ばして水を効果的にキャッチする。
水泳運動にあっては、腕の働きは極めて重要です。 その腕の動きは素晴らしい腕痩せ効果につながり、加えて脂肪がつかない身体への改善効果が高いと言えます。 そして、腕痩せ目的で水泳を行うのは、まさに水泳が上手になるためのトレーニング経過なのだと思います。
どうぞ水泳を含めた水中運動を生活の一部に込みこんでいただき、健康で明るく元気な日常を過ごして欲しいと願ってこの記事は以上とさせていただきます。
最後までお付き合いいただき心から感謝しています。ありがとうございました。
なお関連記事として以下の記事もとても興味深い内容となっていますのでご一読いただければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。