人生における重要な課題!「老化防止」は毎日の生活習慣において、睡眠・食事・運動の質を向上させることが最も大切だと思います。中でも運動はついついおろそかになりやすいものです。
毎日30分でも歩く習慣!この日常習慣をより一層向上させていくために、水泳の持つ優位性を活用して運動の質の向上を図ることは私が最もお勧めする老化防止の運動スタイルです。
巷に溢れるアンチエイジングと言う言葉、加齢を否定するネガティブな表現ですが老いをしっかりと受け止め、適切な老化防止を考えた日常の生活習慣を身に付けようではありませんか・・・
ここではスマートエイジングと言う言葉を使いました。
1.【老化防止に対する水泳の魅力】その6つの凄い魅力
そもそも老化とはどう言うものなのでしょうか?
まずはその点から解説しながら理解を深めてもらうことにします。
1-1.そもそも老化とは?
筆者の私自身、今まさに老化の真っ只中にあり、日々老化現象を身に染みて感じています。ある時期までは成長という表現を使っていた身体の変化がある時期を境に老化と言う表現に変わってしまいました。
身長の伸びは止まってしまい40歳を過ぎた頃から逆に背が低くなってきたようにさえ感じます。そして目は視力が衰えメガネに頼らざるを得ず、何をするにも不便・・・
その不便さから生活の動きが悪く1日の運動量が激減となり老化現象は加速度的にマイナスのスパイラルに陥ってしまいます。これが今まさに私が体験していることであり、現実です。
1-1-1. 身体がさびる
また老化現象とは体内に活性酸素が蓄積され俗に「さびる」と言う言葉で表現されるように身体も錆びていく!これがまさに老化現象の姿だとも言えます。
この身体をどうすれば錆びないようにするか食事、睡眠などの質の問題や生活上のストレスなど錆びていく要因はたくさんあります。でもこれらを解消することはどう考えても現実性が薄いと言わざるを得ません。
1-1-2. 老化しない「海馬」
でもただ一つ老化せず歳を取っても新しい細胞が作り出されている部分があります。それは脳の「海馬」を言うところです。
学習や記憶を司る海馬は人が若々しく暮らしていく上でとても重要な脳の器官です。

私は60歳の定年退職後に水泳スクールのインストラクターとしてジュニアクラスを経験したのですがこの中で一番苦労したのが生徒の名前と顔を一致させることです。
1クラス20人程度になると頭はパニックです。そして毎月数人は出たり入ったりするので生徒の顔ぶれが変わります。そのクラスを3つも4つも担当するわけですから私の頭の処理能力を完全に超えています。
でも水泳を子供達に指導するだけでなく、自らもたっぷりと泳いでいますから、なんとかなったものです。この事実は海馬の働きが健全であり、ますます海馬のシナプスの新陳代謝が活発だったような気がしてなりません。
1-2. 老化防止に対する水泳の魅力

前章で私の実体験をこめて老化についてお話しさせていただきました。この老化と水泳の関係についてもっと掘り下げていきたいと思います。
私の水泳に関して生涯自己ベストというのは私の場合には20歳でした。以後自己ベストは低下し続けました。これはマスターズ水泳の日本記録が年齢区分ごとに低下している現実をみると致し方ないのかもしれません。
しかし、私の専門種目は平泳ぎです。自己ベストの頃と今とはルールもかなり変遷があり、今のルールでいけば絶対に無理だとはいえなくもありません。
さて水泳にはどのような老化対策としての魅力があるのでしょうか?
ポイントは以下の5つを取り上げたいと思います。
・瞬発力よりも持久力
・地に足が着かない無重力運動
・心肺機能の強化
・五感が鋭敏に
個別に見ていきましょう。
1-3. 水泳の持つ6つの凄い魅力
1-3-1. 水抵抗とパワー
水泳の場合、もっとも重要な要素はなんといっても水の抵抗です。この抵抗を少しでも減らすために選手はあらゆる試行錯誤を行います。
頭髪をスキンヘッドにしたり、全身脱毛を行ったりとありとあらゆることを考えます。でも筋肉が柔らかく強靭な青年期には抵抗に勝るパワーで乗り切ることができるでしょう。その結果、肩や腰の故障など、無理な練習を続けると選手生命が短く、その後の老化が早く訪れるのも私の場合においても実証済みです。
老化の側面から考えてもパワーの源である筋力強化は活性酸素が悪さをすることで老化を早めるリスクを背負います。水抵抗を抑えるためには水泳の進行方向に対して水平に一直線になるような体勢を維持する筋肉を鍛えることが重要だと考えます。
この筋肉は主にインナーマッスルで身体の内部にあって日常生活ではあまり使わない筋肉です。この筋肉を鍛えて姿勢を良くする事で内臓にも脊髄にも良い影響を与え、老化を防ぐと思います。

1-3-2. 瞬発力と持久力
次に瞬発力です。私自身、子供の頃から瞬発力には定評があり、この隠れた瞬発力がいつもレースでは日ごろの練習以上の力を発揮して好成績を治めてきました。
でもシニアになってからは、日ごろの練習で出せない力はレースでは当然ながら出ようはずはありません。これはまさに瞬発力の衰えに他なりません。
瞬発力を目指すよりも持久力で確実なラップを刻んで行く。これがシニアには大切でしょう。
この点については前に述べたパワーと全く同じで、持久力を鍛えるトレーニング主体と考えるのがベターだと思います。
持久力すなわち有酸素運動です。シニアにはインターバルトレーニングよりも有酸素運動系でしっかりと呼吸をして泳力をつけていく方法がシニアにはふさわしいです。
老化の意味からも有酸素運動系は老化を抑える効果があると言われています。
1-3-3. 無重力運動
すこし次元をかえての水泳運動の特色です。水泳は水面を水平に泳ぐ運動ですから陸上運動のような重力負荷はかかりません。したがって本来人間が有し、一番得意とする歩く・走るという基本的に運動に必要な筋力は不要です。
人は歩く動物として進化してきました。二足歩行で心臓から遠い足先に送った血液を心臓まで戻すには「第2の心臓」といわれるふくらはぎの筋肉の衰えは老化を早める結果となるでしょう。

水泳には歩行運動が老化防止には欠かせません。特に水中歩行は浮力が影響して膝や腰に負担の少なく、高い運動強度を得られることからリハビリ運動にはまさに好都合なのです。
逆に無重力運動であるがゆえに非日常的な環境のなかで運動を行うわけですから、日ごろ使わない平衡感覚などは鋭敏となり、脳の活性化につながる魅力があります。
1-3-4. 心肺機能
水泳の特色で最重要要素として忘れてはいけない事に呼吸の問題があります。すなわち自由な呼吸ができません!
そのために呼吸筋はいつまでも衰えを知らないのです。肺活量は低下しても呼吸筋は泳いでされいれば元気で活躍してくれています。それは心肺機能の衰えが少ないと思います。
私自身、心拍数はすぐに150程度に上がっていきますが、それ以上はほとんど上昇しにくく、150も少しのインターバルですぐに回復することを実感しています。
そしてなによりも若いときよりも風邪を引かなくなりました。もちろん不摂生が少なくなったのが原因でしょうが、心肺機能の老化による低下は実際はあるのでしょうがあまり感じません。
もし還暦後の水泳を考えておられるのであれば、心肺機能の向上がすぐに実感できると思います。
1-3-5. 五感が鋭敏
最後に水泳には五感が鋭敏になるという感触を私は持っています。若いころはあまり感じなかったのですが、最近やたらに感覚がするどくなってきたような気がします。もしかしたら気のせいかも知れませんが・・・
泳いだ後、ロッカーですれ違う人が喫煙者の場合には臭覚が敏感すぎて、気持ち悪くなります。また鏡の前でドライヤーを使っているのにロッカーで誰かのスマホの着信音が気になったりなど聴覚が鋭くなっているような気がしてなりません。

この水泳の脳に与える影響はきっと本来人間の持つ能力が目覚めているのかもしれません。
2. 初心者にもできる老化対策メニュー

水泳に伴う老化防止に関連した魅力などについて今まで述べてきました。
では実際に老化防止に焦点を当てた具体的な水泳メニューを紹介したいと思います。
水泳の目標は少しでも泳げる距離を伸ばすことを目指しましょう。最初から25mクロールなどと苦しい目標をたてるのはやめておきましょう。
私たちは老化防止を考えるシニアなのですから、無理がそもそも老化原因なのですから、すこしずつを目指しましょう。
2-1. 水中歩行+ビート板バタ足
老化防止を目的とした水泳についてお話しする前に、シニアの方々が最初から泳げるはずがありません。もし若い時に水泳経験があったとしても25mも泳げばそうはもうその日はもう何もできない状態だと思います。
これでは身体の中は酸素を使い果たし、乳酸で充満という結果となり、より老化を加速させてしまうでしょう。
まずは水中ウオーキング主体で始めましょう。最初の日のトレーニングは全てウオーキングでもOKです。
プールには常備品としてビート板があり、いつでも使用が可能です。このビート板を使ってバタ足のまね事をやってみましょう。
両足を交互に上下にバシャバシャと音が聞こえるくらい、蹴り下げ、蹴り上げを繰り返すだけです。ほんの少しでも前に進むようであればバッチリです。
顔は水面から上げたままでも顔を水につけてもどちらでもいいです。
そして練習の度にバタ足で進む距離が少しずつでもいいですから伸びていけるように頑張りましょう。インストラクターに教えてもらう必要も無く、知らぬ間に25mバタ足ができるようになります。
バタ足も立派な水泳です。顔を水に浸けて呼吸が制限されればれっきとしたビート板の補助を得た水泳なのです。このバタ足で少しでも距離が伸び、5分くらいを目標に連続に泳げるようにトレーニングを重ねましょう。
2-2. クロール+ウオーキング
次にバタ足が出来るようになってクロールに挑戦しようと考えている方、そしてクロールで25mくらいなら泳げる方にはクロールとウオーキングのミックスパターをお勧めします。
考え方は水中歩行+バタ足と全く同じです。
トレーニングを続けていくとクロールの距離も少しずつ伸びてくると思いますが、25mの壁で決して休まないことが大切です。ついつい25mまで頑張って壁を背にして休むようになりがちですが、直ぐに泳ぎ出すか歩きましょう。
25mはあくまで通過点、30mでウオーキングに切り替えましょう。
2-3. スローテンポクロール
次にクロールが上手に泳げる人についてですが、
もしかすればゆっくり泳ぐ方が苦しいと思われるかもしれません。その場合には苦しくなく、疲れないテンポでOKです。
ともかく、苦しくなる前まで続けて泳ぎましょう。ターンではしっかり壁を蹴って距離を稼ぎましょう。そしてストローク数を減らすことが省エネに繋がります。
しっかりと水中で息を全て吐いての呼吸につとめ呼吸でストロークをコントロールしましょう。
そしてこのクロールを15分から30分目標に続けていきましょう。あくまで無理のないように苦しくなる前に止めて後は泳いだ時間を同じ時間をウオーキングします。
クロール30分、ウオーキング30分、合計60分のエクササイズは相当に過激ですが、あくまでこれは最終目標ですからこれを目標に頑張ってください。
3. まとめ
老化防止対策としての水泳についてここまで詳しく述べて来ました。
水泳の魅力について感じ取っていただけたら幸いです。
ここで今一度まとめておきたいと思います。
・水の抵抗を上手に活用して適度な運動強度により運動不足を解消
・水泳は優れた有酸素運動であると同時に無重力運動
・水泳とウオーキングを途切れなく行うことで膝や腰に負担の少ない効果的な有酸素運動の実現
・心肺機能がいつまでも若々しい
・脳の活性化が加齢による弊害を防止
以上、水泳には他の運動とは違って優れた効果があり老化防止対策に優れている事を強調したいと思います。
でも人はあくまで歩く生き物であることから歩行をおろそかにはできません。水泳の唯一つの欠点はふくらはぎを鍛えることができません。
ふくらはぎは「第二の心臓」を言われる大切な器官です。この点を常に頭の片隅に置いていただき加齢による老化を謙虚に受け入れながら生涯健康にスマートエイジングをお互いに誓いながらこの記事は以上とさせていただきます。
最後までお付き合いをいただき心から感謝しています。ありがとうございまいした。
なお、水泳、老化関連記事として以下の記事も興味深い内容となっていますのでご一読いただければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。