水泳で筋肉がつくようにするのは水泳が有酸素運動の代表格であるため難しいのでは・・・?
と思われている方も多いと思います。水泳は優れた全身運動であることは既にご承知かと思います。
世界の水泳選手の肉体は逆三角形の美しくて素晴らしいシルエットでプールサイドを華やかにしてくれています。
水泳で理想的な筋肉がつく要因には、筋肉が減るメカニズムをしっかり理解しておく必要があり、水泳で素晴らしい肉体改造が可能です。
その点について、私は長年、水泳と親しんできましたのでいろいろな経験をお話ししたいと思います。
目次
1. 水泳で筋肉がつくのか?
筋肉は水泳ではつくことはない。もしくは競泳選手のようなトレーニングをしなくては無理と考えている人も多いと思います。
でもそれは違います。
言い換えてもっと正確に言えば、泳ぐための筋肉がつくのは明らかです。
これはウオーキングをすれば歩くための筋肉がつくのと同じ意味だと言えます。
泳ぐための筋肉とは推進力を得るために必要な筋肉と浮力を得るための筋肉です。
浮力を得ながら推進力を得るという両方を兼ね備える場合もありますが基本的には足で浮力をそして腕で推進力を得るというのが一般的です。
泳ぐ種目によって異なります。
そして泳ぐスイマーの個人差もあるでしょう・・・
個人の技量に合わせて少しお話ししましょう。
1-1. ビギナー
ビギナーとは25mを止まらずになんとか泳ぎ切る程度の技量までを仮にビギナーとしましょう。
この25mを適度なインターバル休息を取って4本、5本と繰り返せば確実に筋肉の増強が図れます。
そして上級者と違って無酸素状態に近いですから、全身の筋肉を総動員するために素晴らしい筋肉トレーニングとなるでしょう。
1-2. 中級者
ビギナーを経て25m50mを難なく泳げるになってくるとまた違った筋肉の増強が見られてきます。それは使う筋肉の選択性が自然に表れ、推進力に効果的な筋肉、浮力向上に効果的な筋肉!このように不要な筋肉の消耗を抑え、必要な筋肉が優位につくことになります。
逆に不要な筋肉は減るようになり、水泳にとってふさわしい筋肉がつくようになってきます。
1-3. 上級者
私のように長年水泳をしてきた人や、30分くらいならさほど疲れずに泳げる上級者になると様相が一変します。
たとえば私が30分ずっと止まらずに泳いだとすると、筋肉にどういう変化があるのか・・・?
ただ、身体を沈まないように体幹部の筋肉はしっかりと活躍します。
腹筋、背筋、インナーマッスルという筋肉主体で浮力を得るキックさえ最小減のエネルギーで泳ぎます。
とは言え、ある程度の推進力は必要ですから、腕、肩、胸、そして体幹部の筋肉が減る心配はないでしょう。
でも下半身の筋肉は減るのは避けられないと思います。言い換えれば歩いたり走ったりする筋肉は減退します。
1-4. 呼吸筋(心肺能力)
それから少し違った意味で呼吸(心肺能力)についてお話ししたいと思います。
呼吸は本来、無意識のうちに行われる不随意運動です。
それに呼吸は交感神経と副交感神経のバランスによって成り立っており、緊張した場合や恐怖を感じるときにはこのバランスが崩れ、呼吸が乱れます。
呼吸が速くなったり、浅くなるといった現象が無意識のうちに起こります。この呼吸を整える作業が我々人間には必要となってきます。
でも水泳を考えてみれば呼吸が自由ではありません。
意識的に呼吸動作を行いながら泳ぎます。
従って水泳における呼吸は呼吸筋が鍛えられ、心肺能力が高められる最善の身体活動だと思います。
ゆえに水泳をすれば心肺能力が強くなり、風邪になりにくい、喘息が改善されるなどの実例があるわけです。
さらに呼吸筋が鍛えられれば、ストレスに強い、免疫力に強いなどの副次的効果が表れてきます。
私にとって長時間の水泳は、それはもう、瞑想状態に入っています。
1-5. ダイエットとの関係
上手に水中ウオークや水中ダンスなどを上手に取り入れてビギナーから上級者までとても効果的で現実的なダイエット法だと言えるでしょう。
2. 水泳により減る筋肉の実例

前の章でも少し述べましたが、上級者になってくると水泳の練習の内容次第では筋肉が減る(衰退)という現象が起こります。
これは宇宙飛行士が帰還した時に大量の筋肉が減るのと類似しています。
宇宙船内・外の活動で運動不足は考えにくいのですが、無重力環境の中では重力に耐える全身の筋肉が減るのが知られています。
宇宙飛行士は期間後リハビリ的な運動により元の身体に復元するのです。
これに似た状態が水泳の場合も起こります。
2-1. 筋肉の衰退
従って、特に上級者やシニア世代のスイマーは必ず重力運動を忘れない配慮が大切です。プールだけで過ごすのであれば水中ウオークやプールサイドでのスクワットは欠かせません。
ただ、水泳選手はスタートやターンなど重要な要素があり、重力に逆らって飛ぶ、蹴るなどという能力がとても重要で、下半身の強化も欠かせません。
私自身、ジョギングや縄跳びスクワットなどの練習も若いころは欠かせませんでした。
2-2. 筆者のエピソード(筆者からの警鐘)

2-2-1. 水泳離脱
私は30代の中期と、60歳前後に水泳離脱の経験があります。
30代中期には激務とストレスから胃潰瘍で大量出血から1ヶ月の入院治療となりました。
還暦の60歳には退職時の人間ドックで胃ガンが指摘され手術、翌年には再発の経験があります。
両方とも、仕事中心の偏った生活とストレスが原因で自分の一番弱い胃に障害が起こったのだと思っています。
そして50代には管理職として部下の労務管理や人事管理などの業務まで背負う毎日となりました。
2-2-2. 歩かない生活習慣
幸か不幸か個室での長い執務はいきおい歩行が極端に少なくなる生活習慣となってしまいました。
私のような地方都市では車無くしての移動は考えられず、1世帯に成人世帯員の数だけ車を保有するのが一般的です。
特に私などは完全なDoor to doorで一日中執務室に閉じこもっていれば全く歩かない生活です。
2-2-3. 水泳万能の過信
でも、苦い水泳離脱の経験から、どんなに忙しくても1週間に3、4回はプールに通っており、運動不足とは無縁だと思い込んでいました。
ところが、4年も5年もこの状態が続くと、ふくらはぎの筋肉が削げるように減る事態となってしまいました。
気が付いた時には、足を引きずるように歩くのが辛いほどの状態となっていました。
こんなになるまで気づかなかった自分が情けなかったのですが、仕方のない苦い経験です。
これこそ、水泳だけしておれば健康管理と体力維持には支障がないとの間違った思い込みによるものだと今となっては深く反省しております。
でもそのころ、一日の水泳メニューは1500m以上は泳いでいたので、運動量や消費カロリーには事欠くことはありませんでした。
2-2-4. 歩行習慣
でも歩かないで水泳だけに頼る運動は基本的な歩く筋肉が減る事態となってしまった現実があります。
その後、どんな場合でもウオーキングは欠かさず歩く筋肉がつくように努力しました。でも一度減ってしまった筋肉を元通りにつくようにするには相当の時間が必要です。

2-3. シニア世代への警鐘
とはいっても私の場合はあまりにも水泳だけに偏った運動習慣であったためであり、ごくごく一般的な方々にとって水泳だけに偏るというのは考えにくいとは思っています。
この経験を生かして、筋肉がつく生活習慣、また筋肉が減るという生活習慣・スタイルについて私のこのブログを通して伝えていきたいと思っています。
併せて、水泳が現代のストレス社会においていかに優れた精神的にも肉体的にも効果を発揮するかについても伝えていきたいと思います。
3. 理想的な筋肉維持を目指す

健康的な筋肉とは人それぞれ価値観が違うようにその考え方も違ってこようかと思います。
でも余分な脂肪が減ること、太りにくい身体こそ、最大の目的ではないでしょうか・・・
・消費カロリーと基礎代謝と摂取カロリーとのバランスがうまくとれている
・これらが十分に満足できる肉体であり、筋肉であることが理想的と言えると思います。
偏った体重、また偏ったダイエットを避けて上手に健康を維持し、上手にダイエットをするのはとても難しいと思います。
でも水泳を生活の中に取り入れる習慣はこの難しい健康維持を実現してくれるでしょう。
3-1. 理想的な筋肉
それをコントロールするのが水泳による筋肉のコントロールだと思います。
そのためには必要な筋肉が減るデメリットがないようにそしてまた体幹部の筋肉を鍛え、身体の外側、内側問わず筋肉がつくようにする。
そのために水泳はとても有効だと思います。
3-2. ダイエットと筋肉
ダイエットには筋肉の増強が欠かせません。
それも身体の中で大きな筋肉がつくように配慮するのが重要です。
お尻や太ももなどの大きな筋肉がつくようにするには、少し速足のウオーキングやスクワットなど水泳であればキック練習などがお勧めです。
特にビート板を使ったバタ足はとても効果的です。
そして何と言っても有酸素運動の代表格である水泳は余分な脂肪を燃焼させるために素晴らしい効果が期待できます。
ダイエットが必要となる肥満の原因の一つは筋肉が減るという生活習慣、すなわち運動不足が大きな問題です。
これらを考えれば水泳は運動不足解消にはもってこいと言えます。
ただ、少しずつ水泳に慣れ、上手になってくると筋トレ効果が薄れてきますので、バタ足練習を取り入れるなどの工夫も必要になってくるでしょう。
3-3. 健康と水泳
水泳をする環境というのは空気がもっとも清浄化されたエリアです。チリひとつありません。
そして常に水蒸気が立ち上る水面(みなも)で行うスポーツです。
泳ぐことは言い換えれば呼吸をコントロールすることを意味します。
自分の意志で呼吸をコントロールしてそのコントロールされた呼吸のタイミングである一定の時間を泳ぐのです。
これは人体にとてもとても良い効果を生みだします。
リラックス、免疫力の改善、呼吸筋の増強などはかりしれません。

これは水泳経験者ならだれもが経験していることだと思います。
4. まとめ
筋肉がつくためには水泳をどのように取り組めばいいのか、また水泳をする上で、筋肉が減るというデメリットがあるのかないのか!
水泳という非日常的な運動の秘密にせまりながら、筆者の経験を踏まえ、筋肉と水泳との関係についてお話ししてきました。
お楽しみいただけましたでしょうか。
水泳でも筋肉が十分につくのは明白です。でも下半身、特にふくらはぎの筋肉を鍛えるには水泳は不向きだと言えます。
それは水泳が重力運動ではないからという特色があります。
この点を考えて、下半身の筋肉がつくように歩行生活を意識することでバランスのとれた筋肉体質の身体を手にできます。
どうぞ、有酸素運動の代表格である水泳を上手に取り入れられて、スッキリとした体型のダイエットを成功させていただきたいと思います。
そしてより一層の健康、そして聡明でストレスのない日常をお過ごしください。
という事でこの記事は以上とさせていただきます。最後までお付き合いをいただき心から感謝しています。
なお、以下の記事も楽しくお読みいただけると思います。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。