水泳は姿勢改善が上達の秘訣、中高年には姿勢改善に水泳を!

水泳運動の効果として姿勢改善が何よりも大きなメリットである事、そして逆に姿勢改善が水泳の上達に欠かせないのも事実です。

特に、中高年世代の加齢による筋肉の衰えや日頃の運動不足などに起因する肩、腰、膝などの痛みに悩む人がとても多く整形外科に通わざるを得ないケースも多々あります。その原因に加えとても重要な生活習慣上の課題の一つに姿勢の悪さがあげられます。

そこで、この記事では中高年の方々の肩、腰、膝などの痛みを少しでも改善するために水泳で姿勢改善を図っていくという視点にフォーカスを当てて伝えしていきたいと思います。


1 水泳と姿勢

筆者の私も年金受給年齢を過ぎて肩や腰の痛みも経験しています。水泳歴60年のキャリアもこうした加齢による間接部分の変形や異変はある意味仕方のないことなのですが、少しでも痛みを和らげる意味でも姿勢改善がいかに大切であるかという点も自らの経験から良く知っています。

そこで水泳と姿勢の問題について詳しく述べたいと思います。

上の画像にあるように頭を水中に沈めて手の先から足の指先まで一直線の姿勢がしっかりと取れている人は良く伸びているのがわかります。反対に頭が水面上に出ていて腰が沈み湾曲しているなど姿勢に問題があるとやはり伸びが良くないのが一目でわかります。

とはいえ、25メートルのプールを横に横切るように壁をけって行った蹴伸びでプールの約半分程度まで伸びているのも分かります。水泳はストロークで頑張るよりは壁をしっかり蹴って姿勢よく蹴伸びするのがとても効果的であることが良く理解できます。

水泳ビギナーの中高年の多くの方々がプールを蹴るとすぐにストロークに入っている姿は疲れる元と言わざるを得ません。水泳をするときは壁を蹴ってスタートは蹴伸びでしっかりと距離を稼ぐという意識を頭に入れておきましょう。

上の画像は水泳者がプールの壁を蹴ってスタートして5mラインを通過した時の水中姿勢の画像ですが、息を吐きながらまっすぐな姿勢が維持されていることがよくわかります。そしてその右側には今まさに壁を蹴ってスタートしようとしている水泳者が見えます。

プールの出来るだけ深いところを蹴ってスタートして手の指先から足の爪先までまっすぐな状態です。5mを通過して若干足先が浮き上がって見えますが、体幹部の姿勢は見事に美しく、耳の後ろで両腕がしっかりとブロックされており、両方の肩甲骨がまるでくっつくかのように胸を張った姿勢がとても美しいです。

もし中高年の方々がこの蹴伸びスタートをすると5mラインに達することさえ難しいと思います。上手に壁を蹴って水中姿勢に意識して5mラインを通過できるように頑張ってみましょう。

2 中高年の姿勢の実態とその原因

50代になると突然、肩関節に痛みが走り、腕の上げ下ろしにも支障が出るような疼痛や不快な痛みに悩まされることがよくあります。そして腰では椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など腰の痛みを訴える中高年も多く腰痛に起こりやすい症例です。

また膝においても加齢にともなう膝関節の軟骨がすり減ったり、変形することによる膝関節症が多く、特に変形性膝関節症は中高年女性に圧倒的に多い症例となっています。

これらは加齢による原因もさることながら、生活習慣、運動不足や姿勢の悪さからくるケースも多く、プールでウオーキングをしている人の多くはこうした中高年の痛み改善のために行っていると思います。

きっと医師から勧めもあるのでしょうが、水の中のウオーキング運動は本当に素晴らしい症状改善のためのリハビリ運動だと思います。

私自身も若い時からずっと水泳でかなりハードな練習をやってきた経験もあるので、腰や肩、膝の痛みというのはかなり若い頃から自覚症状があり、行きつけの整形外科、マッサージ師などかかりつけの専属トレーナーとしていつもお世話になっています。

その医師やマッサージ師と話すなかでともかく姿勢が悪く、猫背が中高年には圧倒的に多く、その猫背の原因が体幹部の筋肉が弱体化しているのが最大の原因だと口をそろえて言っています。

ともかく姿勢改善が急務だというのが中高年に限らず、人にはもっとも大切なのでしょう。特にハードな練習をするアスリートには姿勢改善は重要です。悪い姿勢でハードなトレーニングは身体の大切な関節部分に大きなダメージを与えるとの指摘は説得力があります。

私の水泳練習なども専属コーチがいるわけでなく、フォームの崩れはほとんど気づかず、記録な伸びないとの悩みでついついハードになってしまうトレーニングで関節の障害は突然にやってきます。

私が所属するスポーツクラブのプールのウオーキングレーンで見かける人の多くはやはり腰や膝に痛みがある人が多く少し話すと決まっておっしゃるのがプールで比較的楽だけれど自宅に帰るとなかなか痛みが引かないとよく聞きます。

でも、なかなか公然と姿勢が悪いなどと言えないのですが、プールでのウオーキング事態が典型的な猫背というケースをよく見かけます。そして猫背の人の共通している点は目線がうつむき加減で、暗い顔をしていらっしゃいます。きっと身体のどこかが辛くて笑顔になれないのだと思います。

プールでもきっと楽しくないのだと思います。これはいたし方ないのかもしれませんが、無理にでも明るい表情で前をしっかり向いて大股で手を大きく振って歩いて欲しいものです。

3 姿勢改善のための水中ウオーキング

では姿勢改善のためにプールで行うウオーキングについて述べていきます。

まずなぜ水中ウオーキングかというと水中という環境にその秘密があります。水の中では浮力が働きます。したがって体重が軽くなります。頭まですべて水の中に沈めると人の体重は約10分の1になると言われています。60kgの体重の人なら約6kgになるという計算です。

陸上での歩行を考えれば腰や膝にかかる負荷が水の中で重量が10分の1になるという衝撃の軽減はとてつもないメリットであり、膝や腰にダメージのある人にとっては最高の運動だと言えます。

その上、水の中では水の抵抗という負荷がかかります。運動強度から見れば、水中ウオーキングは陸上ウオーキングと比較して約2倍の運動強度があるといわれています。

従って、膝や腰に衝撃を大きく軽減しながら陸上ウオーキングの2倍程度の運動ができるという利点があります。言い換えれば水中ではジョギングをしているようなものなのです。それでいて膝や腰にはほとんどダメージがないのですがから中高年世代の運動不足にはうってつけです。

そして浮力と水の抵抗をうまく使って猫背などの姿勢改善を意識すれば素晴らしいづくめなのです。では具体的に姿勢改善目的のバリエーションを紹介します。

水中ウオーキングは水泳歴60年の私がいつもやっているメニューで、姿勢改善と筋力向上と有効な有酸素運動目的なのです。

まずまっすぐ前を向いて歩く

真っ直ぐ前を向いて歩くのはなかなか難しいです。それは意識するかしないかの問題です。意識するところは目線、肩甲骨と骨盤です。

まず前というより25m先にあるプールの窓や壁をしっかりと見つめて歩きましょう。両方の肩甲骨をくっつけるようなイメージで肩甲骨から腕を振って歩きましょう。

手のひらは進行方向から水の抵抗を受けないように、親指が真正面を向くように水を切りながら歩くイメージです。すこし大股でしっかりと骨盤が先行して歩く感じです。言葉を変えれば足の付け根がお腹にあるようなイメージです。

胸やお腹で水の抵抗をモロに受けてしっかりと歩きましょう。顔は笑顔です。すれ違うメンバーとは軽く笑顔で会釈!です。前を遅い人がいれば前の人の背中が近づいたらUターンして逆に歩きましょう。そして最低20分は歩きましょう。

身体を左右に90度、ひねって

では次に、身体をひねって歩いてみましょう。右肩前、左肩前と交互に正面姿勢から90度ひねってやってみましょう。胸やお腹で受ける水の抵抗がなくなってとても歩きやすいです。

それに体幹部の筋肉が捻転することによって鍛えられ、姿勢の改善にもとても効果的です。足の動きに合わせて状態のひねりもゆっくり行い腕も動かせて水を左右に押しのけるイメージでやるとリズム感もあって楽しいと思います。

でも顔だけは真っ直ぐ進行方向を見て目線は動かさないようにしましょう。この状態のひねってのウオーキングは水泳のクロールや背泳ぎの練習にもなりとても楽しいバリエーションです。

片膝を胸にくっつけて

次は膝を高く上げてのウオーキングです。上げた膝を両腕で抱えるイメージです。あわてず、ゆっくりとやってみましょう。普通の歩行と勝手が違ってバランスをくずしてしまうかもしれませんが、あわてないことが大切です。

膝を抱える時には歩行をストップして行うと膝を抱えやすいと思います。でも歩行ペースをできるだけゆっくりと歩くペースに合わせてとぎれのないリズムで頑張ってみましょう。

これはバランスの練習でもありますから水の浮力や抵抗をうまく使って上手に膝を抱えられるように頑張りましょう。そして膝を抱える時も目線は変えずに真正面をむいて前かがみにならないように注意しましょう。

それから膝を抱える効果は腰が伸びが腰痛にとても効果的です。膝を抱えてマキシマム時に腰がしっかりと伸びるイメージです。

爪先歩き

今までのバリエーションはしっかりとかかとから着地して爪先の母指球で底を蹴るイメージでの歩行だったと思いますが、今度は爪先歩きです。かかとを着地させずに爪先だけで歩いてみましょう。カーフレイズウオーキングです。ふくらはぎや足首の強化です。

陸上歩行では膝を痛めてしまい爪先歩きはNGですが、水の中では程よい浮力の負荷が足首にも優しいです。私はどうしても水泳運動ばかりでふくらはぎの筋肉強化が不足がちなため、爪先歩きと陸上でのカーフレイズは必須のトレーニングメニューです。

爪先歩きも姿勢は同じです。

後ろ歩き・横歩き

では今度は後ろ向きに歩いてみましょう。前が見えませんから後ろ向きの歩行ラインがブレないようにしっかりと歩きましょう。後ろ向きのウオーキングですが先ほどの膝抱えを取り入れても良いと思います。後ろ向き歩きの方が膝が抱えやすいかもしれませんが、このバリエーションの組み合わせも面白いと思います。

そして横向きにも歩いてみましょう。両腕を開いて、閉じての繰り返しと横歩きステップと組み合わせながら横に移動するイメージや両足をクロスさせて歩くのもいいかもしれません。

ジョギング

最後に水中ジョギングにもトライしてみましょう。どれだけキツイ運動か体験してみていください。人間の身体で受ける水の抵抗の強さを実感できると思います。そしてジョギングによるスピードがさらに抵抗を増強され25mジョギングで相当に疲労となるでしょう。

以上いろいろ紹介したバリエーションを組み合わせて25m毎、50m毎などご自身でメニューを立て、時間とも相談しながら楽しんで水中ウオーキングをプールで過ごす楽しみに加えて欲しい思います。

水中ウオーキングは今回、姿勢改善という視点で述べましが、中高年世代にはとても強力な有酸素運動ですから消費エネルギーを稼ぐにはうってつけです。

4 姿勢改善のための水泳

次に姿勢改善目的の水泳を消化していきましょう。水泳の上手!そうでないかは姿勢如何にかかっています。水泳が上手になるということは姿勢が良いという意味になります。そして水泳の練習することで姿勢の矯正、改善につながりますので全く泳げないという人も是非トライして欲しいと思います。

なにもクロールができなくても水泳練習は可能です。最初に述べる蹴伸びなどは水泳の基本中の基本です。どれだけ上達したトップスイマーも必ず水中姿勢に最大の神経を集中させて飽くなき探求に努めています。

蹴伸び

まず蹴伸びです。これはプールの壁を蹴ってスタートする泳ぎ始めの最初にとる姿勢です。この水中姿勢のことをストリームラインといってこの姿勢は鍛えた肉体がないとできない姿勢でもあります。したがって蹴伸び練習によって体幹部が鍛えられ、姿勢改善につながることは明白です。

是非、プールに入ってまずは水中ウオーキングで30分ぐらい頑張られると思いますが、スイムレーンに移動されて、蹴伸び練習をやってほしいと思います。

蹴伸びに関しては次の記事に詳しく解説していますから是非お読みいただければより一層理解が深まると思います。

参考:水泳上達には蹴伸びが最大のコツ!その効果的な手順とは

姿勢と蹴伸びとの関係ですが、姿勢が悪いと蹴伸びの距離が短いです。でも蹴伸びで距離が伸びればそれだけ姿勢が良くなったと評価できるので、姿勢改善の評価指標に蹴伸びの距離がとても明快な指標となります。

今時点で、ご自身の体幹部の筋肉でとれるベストの姿勢でこの蹴伸びを評価して、さらなる体幹部の強化でさらに距離が伸びてきます。

この相関関係がわかると水泳が楽しくてたまらくなってきます。

イルカ飛び

蹴伸びでプールの壁を蹴って進み、停止するまで頑張ります。そして立ちます。次にプールの底を蹴ってイルカのようにジャンプしてまた蹴伸び姿勢をとってできるだけ前に進みます。

この繰り返しで25m進んでみましょう。最初は10回以上のイルカ飛びかも知れませんが、大丈夫です。少しずつ上手になってうまくなれば壁蹴り蹴伸び、イルカ飛びで3回か4回で25mくらい軽いものです。

イルカ飛びはプールの底を蹴る脚力と蹴伸びによる水中姿勢で伸びる距離はぐんぐん伸びていきます。

このような壁蹴り蹴伸びとイルカ飛びはともかく水泳の基本練習ですから、遠慮せず、恥ずかしがらずに堂々とスイムレーンで練習してください。邪魔者扱いは絶対されません。イルカ飛びで水泳の基本を練習すると同時に姿勢の改善がますます進むと思います。

クロール

姿勢改善と水泳といえばまずクロールだと思います。クロールは水泳で最初に教わる種目です。バタ足、息継ぎと子供の頃に苦労した思い出もあるのではないでしょうか!上手に優雅にクロールで泳ぐ人を見ていると本当にうらやましく思います。

クロールが上手に優雅に見えるのも姿勢如何にかかっています。

クロールは、足のバタ足や腕のかき、息継ぎにばかり気がとられ肝心な姿勢がおろそかになってしまいます。しっかりとした姿勢に支えられた体幹部があればこそ、美しいフォームのクロールとなるのです。

クロールに関しては次の記事が参考になると思いますので是非ご一読ください。

参考:水泳を楽しく!クロールの泳ぎ方は初心者でもこのコツさえ知れば

背泳ぎ

クロールに続いて姿勢重視の泳ぎ方に背泳ぎがあります。背泳ぎのゴールドメダリストの第一人者に入江陵介選手がいますが、彼の練習をみていると、おでこにペットボトルを置いてそのペットボトルが倒れないように背泳ぎをしている練習風景を見たことがありますが、それには驚かされます。

彼はまさに頭を動かさないという姿勢重視の考え方がうかがい知れます。頭のてっぺんから腰そして足先までの軸が全くブレません。その軸を中心に左右に身体がローリングして素晴らしい推進力を生み出すのです。クロールが上手になったら是非背泳ぎにも挑戦して欲しいと思います。

背泳ぎに関しては次の記事で詳しく述べていますので是非ご一読ください。

参考:水泳の泳ぎ方で背泳ぎには大きな誤解が!それは腕の軌跡・・・

こうした水泳練習はまさに泳法練習ではあるのですが、姿勢改善の練習課題があることをスイマーは理解しています。そして記録の伸びないスランプに陥るときは決まってこの姿勢が狂いを生じているというケースが多々あります。

姿勢改善はなにも中高年の問題ではありません。トップスイマーにおいても同様に姿勢改善が重要です。この姿勢をまっすぐにして水泳の軸をぶれないようにするためには体幹部の強化が欠かせません。そのためにも私たちスイマーは腹筋背筋はもちろん、インナーマッスルの強化にも余念がありません。

5 まとめ

水泳で姿勢改善という視点で水泳と正しい姿勢の維持について述べてきました。私たち中高年世代になると、どうしても加齢とともに筋肉や骨格の衰えや疲労などが原因するケガや痛みなど予期せぬことが起こるものです。

そんな症状が見受けらた時に、勿論、医師との密接な連携が健康に必要なことは当然ですが、水泳というリハビリテクニックをしっているとこれからの加齢による不安が一掃できます。それだけ、水泳の魅力というかメリットの多い運動であることを強調したいと思います。

最後まで読んで下さり心から感謝しています。

中高年向けの以下の記事も興味深いと思いますので是非お読みください

参考:中高年からの趣味は一日も早く!見つけ方と永く続けるコツ・・

参考:スイミングの効果を大人目線で捉えたらスポーツを超えるかも!