水泳で気になる塩素の影響!水道水と同程度の管理により安全!?

水泳で気になる一つに塩素の影響があります。強い塩素の影響を受けて、人体にどのような悪影響があるのか心配している人もいるかも知れません。

でもご安心ください。水泳歴60年の私が感じる塩素の影響は水道水と比較して同程度と言って過言ではありません。

では現実に水質管理上、高濃度と思える塩素が人体にとってどう影響があるのか、ないのか詳しく解説させていただきます。

記事の冒頭から影響があまりないと断言するのもいかがなものかと思いますが1950年代後半からずっと水泳に慣れ親しんできた私の経験からその当時と今とのプール事情など興味深い内容でお伝えしていきたいと思います。


1 プール事情

私の水泳経験からプール事情について記憶をたどれば1965年から1975年の10年というのは高校大学と水泳の全国大会を目指す水泳選手として必死で練習していた頃で現在のような屋内プールのような練習環境が整っていたわけではなく、屋外プールですから冬季間は除いてもゴールデンウィークの頃から落ち葉の季節まで毎日、4時間も5時間もプールの中で水泳の練習をしていました。

そして当時はスイミングキャップやゴーグルというものもなく、丸坊主に裸眼で泳いでいました。でも特段塩素で目が充血したことも皮膚や頭髪に支障が出たなどという経験はありません。

1960年代のプール事情

当時も水泳用プールの水質管理のための塩素はカルキと言われるものをプールの壁に刷り込んだり、固形のものを投げ込んだりと塩素の濃度は測定した記憶はありませんが、相当の高濃度だったと思います。

カルキとは正確には次亜塩素酸カルシウムのことで別名「さらし粉」とも呼ばれているもので水に溶かすと塩素が発生しプールの消毒に使われていました。

私の記憶では水泳練習プールの水換えは予算の都合もあって2月に一度もやったでしょうか、カルキは毎日のように固形物を数個投入した覚えがありますがプールの水換えの折、プールの底や壁面をデッキブラシでごしごしと藻やごみを除去して顆粒状のカルキを徹底的に底や壁面にデッキブラシで水を含ませて塗布しました。

当時カルキは衛生面の影響というより、プールの水を長持ちさせるために使用していたように思います。

現在の水質管理と比較すれば相当な劣悪な環境で水泳の練習をしていたように思います。

たまに目の充血がありますが、それは塩素の影響というよりも睡眠不足や目の疾患によるもので塩素の影響だとは断言できなかったのではないでしょうか。

現在のプール事情

現在の水泳のプール事情と言えば学校にあるプールは屋外プールが主流で子供たちが習い事として通う水泳スクールは屋内プールが一般的で施設管理者によってしっかりと水質管理がなされており、衛生管理面では相当の配慮がなされていると思われます。

私は2015年から数年間は水泳スクールのジュニアインストラクターの経験もあって、当番の日はその日の残留塩素量は施設管理者への報告事項でありましたので水質管理の重要性の程が理解できます。

そして最近の水質管理は塩素だけでなく、オゾン殺菌装置や紫外線殺菌装置などの導入もあって水道水の衛生管理に匹敵するいやそれ以上の管理がなされていると言っても過言ではないでしょう。

従って水泳をスポーツとして鍛え、楽しみとして水泳をする場合においてはさほど神経質になるものではないと思います。

2 現在のプールにおける残留塩素

水泳用プールの衛生基準については現在、厚生労働省の「遊泳用プールの衛生基準」文部科学省の「水泳プールに係る学校環境衛生基準」によってガイドラインが定められており、また水泳プールの所在地を管轄する都道府県、政令指定都市、特別区などの規則などによりさらに規制されている場合もありますし、管轄保健所や施設管理者による独自ガイドラインなどにより水泳用プールの水質管理はその基準が定められています。

厚生労働省(遊泳用プールの衛生基準抜粋)

水質基準

残留塩素濃度は0.4㎎/L以上。また、1.0㎎/L以下であることが望ましい。

水素イオン濃度はPH値5.8以上8.6以下。

濁度は、2以下。

プール水の管理

プール水の水質管理は残留塩素濃度については少なくとも毎日午前中1回以上午後2回以上の測定(このうち1回は遊泳者数のピーク時に測定することが望ましい)

残留塩素濃度が0.4㎎/Lを下回った場合は遊泳を一時中止し、塩素剤を追加するなどにより残留塩素濃度を0.4㎎/L以上としてから遊泳を再開する。

水質検査の試料採水地点はプール内の対角線上におけるほぼ等間隔の位置3ヵ所以上の水面下20㎝及び循環ろ過装置の取入口付近を原則とする。

文部科学省(水泳プールに係る学校環境衛生基準抜粋)

水質

残留塩素0.4㎎/L以上。また1.0㎎/L以下が望ましい。

PH値5.8以上8.6以下。

濁度2以下。

施設・設備の衛生管理

プール水は定期的に全換水するとともに清掃が行われている。

塩素剤の種類は次亜塩素酸ナトリウム液、次亜塩素酸カルシウムまたは塩素化イソシアヌル酸のいずれかである。

参考:水道水の規制

水道法(水道法施行細則)によって定められている残留塩素濃度は各家庭の蛇口で0.1㎎/L以上の濃度が義務付けられています。

実際には都市部や浄水場に近い地域での残留塩素濃度はより高い値になっていると言えます。

そしてプールのように濃度の上限が決められていないのも重要で、場合によってはプールよりも水道水の方が濃度が高い場合も想定されると言えます。

3 塩素の影響あれこれ

水道水の衛生管理のために塩素をつかって消毒・殺菌をおこない安全に飲めるようにしていますが塩素は濃度が高いと強い殺菌作用で人体に少なからず悪影響を及ぼす場合も可能性はあるでしょう。

現に水道水では金魚などの淡水魚を飼育することはできません。飼育用にするにはカルキ抜きと言われる塩素分を飛ばすために水を空気に一昼夜以上さらして飼育水にする方法が知られています。

従って金魚が飼えないということは人体にも悪影響を考えねばなりません。

でも私の体験上、水道水や入浴水そして水泳練習用プールの水などで皮膚や頭髪に影響を及ぼした経験はなく、病的なアレルギーや疾患がない限りはそれほどの悪影響は考えずらいでしょう。

ここで考えられる人体への影響をあげるとすると

臭い

まずプールの水には臭いがあります。水泳の練習後、身体から塩素臭を感じるのは私だけではないと思います。しっかりとシャワーで塩素分を落としているつもりでも衣類の上からも塩素臭を感じることがあります。

でも、私は思うのですが、水泳の後というのは特別臭覚が敏感になっており、臭いに対して敏感なので感じる塩素臭はプールの水だけでなく入浴時シャワー時の水道水に対しても塩素臭を感じることがあるかもしれません。

入浴後などには気にならなくても水泳後というのは臭覚だけでなく五感が敏感になっているのが私の実感ですから、特別臭いに対して敏感になっているという原因があると私は思います。

肌への影響

肌が弱い人が肌のトラブルになってしまうという影響はあるかもしれませんが、肌の組織であるタンパク質が塩素に対して傷つくことになったり、肌を覆う油分などの被膜が塩素で剥離されて肌が直接塩素に触れたり、水泳後に肌が弱くなって外的な要因によって傷つくことも考えられます。

またアトピー性皮膚炎や肌荒れがひどい人には塩素濃度の高い環境では強い刺激がある可能性がありますので、医師の指示や助言に従うのがベターだと思います。

でも私の経験から言えば皮膚弱者が水泳で免疫力が向上するという話しも耳にしていますので、水泳後のケアや日常の入浴なども含めて乾燥肌を防止するなどのケアがあればさほどこれらの影響について神経質になる必要はないともいえるのではないでしょうか。

頭髪への影響

それから水泳により、髪が傷むなどの心配があると思います。残留塩素が頭髪に対しても何らかの影響があるのは言うまでもないことですが、スイミングキャップは単に頭髪にある油分などで水質悪化を防ぐと同時に髪自身の保護にもキャップの着用は欠かせません。

塩素による髪のキューティクルがダメージを受けるのは避けがたいので入浴後と同様に水泳後のケアは慎重になさるのは当然のことだと思います。

いずれにしましても水泳後しっかりと塩素をシャワーで流し落とし保湿剤や乳液等でのケアについて特に女性の場合は配慮が必要でしょう。

4 プール水と水泳者との相互影響

プール管理者にとって注目すべきは水泳などを楽しむユーザーが水質を悪化させる最大の要因であり、ユーザーのマナーは極めて重要です。プールの利用者にはメイク落とし、ヘアーオイル、整髪料などを完全に除去してスイミングキャップの着用を義務付けるなど、普通のスポーツよりも厳しいマナーを要求しています。

でも水質管理者は水泳者に影響を及ぼすことのないように厳しい上にも人体に優しい水質管理を日夜心がけています。

私のように水泳を日々日常習慣の一部として活用している者にはプールの水質に関しては水質よりも濁度が気になります。塩素の影響は経験上あまり無いことをよく熟知しているので気になるのは濁度です。

25mプールでスタート壁からターン壁が綺麗に見えるような濁度であればとても爽快な気分で水泳を楽しむことができます。

でも夏場のメンバーが混雑する時や、ジュニアのための水泳教室がある日などの翌日の水質は相当の濁度があり、25m先の壁面を確認することはできず、前方を泳ぐメンバーの身体さえ目視できないような濁度の場合があります。

もちろんそんな場合でも残留塩素量などのチェック項目はクリアしているわけで水質管理上は問題がありません。

でもできうれば濁度重視でろ過機能の強化なり換水により濁度、透明度の向上に努めてほしいというのが私の偽らざる希望です。

既に述べた水泳のためのプールにおいての濁度の基準値は2以下となっています。

試験用のビーカーなどの容器に濁度2の水を入れてもさほど濁りは感じられませんが、濁度2とは水泳中、自分の腕の先が見えるか見えないかくらいの濁りであり、その程度の濁りであっても基準値はクリアされているわけで問題はありません。

ちなみに25m先のターン側壁面が見えるというと0.01レベルのクリアな水というものであり、常時その透明度を求めるのも無理のあるところかもしれません。

でもできうればですが、透明度の良い、換水直後の状態でいつも水質管理されていることを望まずにはおられません。そうなれば残留塩素濃度が高くなってしまうのかもしれませんが、私個人的には残留塩素よりも透明度優先というのが望ましいと思っています。

それから私は目が弱く免疫力が低下している時には目の疾患に悩まされます。塩素などで殺菌されているとはいえ水泳後の目あらい、日常的に目を疲れさせないような配慮をしてプールで感染症などによって発症しないように十分な睡眠と栄養を心がけています。

ともかく、水泳中に衛生上の問題で支障が出る場合も多々あると思いますが、大多数の人が健康に支障なく水泳を楽しんだり練習したりを繰り返すプールの水質管理は慎重過ぎるというものはなく、マンパワーも含めて管理技術の向上はさらに改善されていくことでしょう。

でも人体に対する影響は水泳者の個人差の問題があり100%問題がないというものでもありません。

汚れや微生物などをプールに持ち込まない、そしてプールから塩素など薬剤をしっかり洗い流すことが大切だと思います。

5 まとめ

以上、水泳を楽しむ上で水質管理上使用されている塩素に対する基礎知識と、現在の水泳用プールでの衛生管理の状況、そして水泳者への影響について詳しく述べてきました。

参考になったかと思います。少し塩素に神経質になりすぎていた感も拭えないのではないでしょうか。

飲み水でないのですからそこまで徹底した水質管理がなされていると驚かないれたかもしれません。それに法的規制も厚生労働省、文部科学省、そして自治体とチェックは二重にも三重にもなされており、水泳を楽しむプール水で問題が起こった事案を私は全く記憶にありません。

しかしながら水泳を楽しむことで免疫力が向上して多少の汚れた水でも人体になんら影響を及ぼさない身体作りと体質改善も重要かと思います。

プールの水を完全に無菌にしたところで、人体に付着する微生物や細菌類を遮断するのは不可能ですから、もし感染性の病原菌が混入した場合のリスクは極めて高くなります。

もちろん、そういう悪性の病原菌を混入しないようにするにはユーザーの自覚に期待するしかなく、極めて閉鎖的環境なるがゆえにユーザーのマナーと自覚が水質管理上とても重要である点を最後に申し上げたいと思います。

最後までお読みいただき心から感謝しています。ありがとうございます。

 

なお、水泳関連記事で以下の記事も興味深い内容となっておりますので時間があれば是非ご一読いただければ幸いです。

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