水泳ではウオーミングアップやクールダウンでとても大切なストレッチですが、今回はバタフライに注目して簡単にできるストレッチについて詳しく解説させていただきます。
バタフライは豪快で魅力的な水泳種目で水泳を始めた人ならだれでもが憧れる泳法ですが、「私にはまだまだほど遠い!」と思っていらっしゃるかもしれません。
・バタフライ上達のストレッチの特徴について
・簡単なストレッチメニューについて
詳しく解説していきます。
きっと難しいと考えていたバタフライが案外軽く肩も回り、バタフライに対する先入観が消えるのではないでしょうか・・・
今回お話しするストレッチはバタフライに限らずどんな水泳種目をするにしてもとても有効なストレッチバリエーションです。
水泳を始める前と水泳後、そして自宅に帰られてからの隙間時間にでもやっていただくと身体がほぐれると同時に水泳がより早く上手になると思います。
1. バタフライが上手になる水泳ストレッチ
先に述べましたが水泳は、水の中で泳ぐという運動であるために、全身を伸ばしておくストレッチが必要です。
それに加えてバタフライというのは平泳ぎと同様に左右対称の動きをします。
平泳ぎの腕が水の中で動くのに対してバタフライはクロールの腕の動きを左右対称、同時に行う必要があり、同時に左右の腕を空中でリカバリーさせなければなりません。
そのために両手を振り上げるパワーと肩の柔軟性が必要となってきます。
そして下半身は腰からというよりも腹筋からと言った方がいいかもしれませんが、バタフライキックによって大きな推進力を作り出す必要があります。
1-1. 両肩甲骨がくっ付くくらいの柔らかさ
息を吐きながらしっかりとストレッチしてみましょう。そして弛緩、休憩で息を吸います。
一呼吸おいてもう一度やってみましょう。
次は息を吐きまながらもう一度肩甲骨をくっつけましょう。
限界まで肩甲骨がくっつきそうになったら、その状態で手のひらを左右同時に前に向けたり後ろに向けたりして肩甲骨に刺激が伝わるように手のひらを動かします。
そしてまた息を吸いながら解放、元の位置に戻ります。
いかがですか、肩甲骨の可動域が格段に広がったはずです。
最初は腕の位置は手の先が下を向いていている状態で良いのですが、少し手の先が斜め45度くらいの位置でも同じストレッチをやってみましょう。
肩甲骨の可動域が拡大すると同時に肩甲骨のストレッチだけにとどまることなく肩全体のストレッチに効いてきます。
さらに肩周辺のインナーマッスルにまで刺激が泳ぎ、とても効果的なストレッチとなります。
1-2. 骨盤を柔らかく
現代人はとかく猫背姿勢が長く、生活習慣においては猫背姿勢が一般的になりつつあるという指摘があります。
長時間のデスクワークによる猫背は深刻で骨盤が前傾となり歪んでいる状態となっています。この骨盤の歪みは骨盤が凝り固まっています。
この骨盤を柔らかくストレッチしておく必要があります。
立った状態で腰を大きく捻転させていきましょう。右回転、左回転ともにやってみましょう。
フラフープを回すようにゆっくりと腰を回転させていきます。腰に両手を当ててゆっくりとまわしていきます。
この腰の回転で、骨盤の歪みやコリを解消してくれるでしょう。とても気持ちよく出来ると思います。
1-3. バタフライストレッチに必要な必須アイテム
肩と腰のストレッチを紹介しましたがいかがでしたでしょうか・・・
このアイテムは水泳選手にはとても活用され、毎日の練習前後、日々の日常生活においても活用されています。
私の自宅にもこのアイテムはいつもそばにあり、まるで遊具のような感覚でいつも活用しています。
1-4. 水泳はなぜストレッチが重要なのか?
ストレッチは水泳に限らずどんなスポーツ・運動でも大切なのですが、水泳は陸上のスポーツと違った特殊性があります。
それは水中で泳ぐという動作・運動を行います。
泳ぐと言えば、地に足がついていません。言い換えると重力運動ではありません。
それに水の中ですから浮力を受けます。さらに水泳で前進するためには身体が水の抵抗に逆らって前進しなければなりません。
水泳は水を力でかき分けて進んでいくものではありません
最新の泳ぎは指先に全体重をのせ、そこを基点に前へ重心移動させるとのこと
身体が前に乗っていない状態で強くつかもうとすると水は逃げてしまう
何か意識の上で大きな変化が…!
水をかく→→水をとらえる→→水を引っ掛ける
— 石原孝@水泳歴60年爺 (@hayaokitori) June 1, 2019
このテクニックに必要な筋肉は陸上ではあまり経験した運動ではないため、使う筋肉も違ってきます。
そこでストレッチをしっかり行うことで水泳で使う筋肉に刺激を与え、かつ柔軟にさせておく必要があります。
この記事では水泳の中での一番練習する頻度の少ないバタフライでのストレッチについて重点的にお話しを進めていますが、
バタフライだけに限らず、その他の水泳種目でも上手にそしてより速く泳ぐためには肩甲骨の可動域がとても大切になってきます。
この肩甲骨を含めた肩の柔軟性は水泳の生命線と言えるでしょう。
ウオーミングアップでは肩をしっかりと大きく回しておくことがまず第一に重要なこととのなりますので日常生活の隙間時間があれば肩回しを片手、両手同時に関わらず行うようにしましょう。
水泳におけるストレッチの重要性、そして特に肩のストレッチの重要性については以下の記事を参考にしていただければさらに理解が深まります。
2. バタフライストレッチの効果的メニューと具体的やり方
では具体的なバタフライのためのストレッチを紹介していきます。
まず肩回しからです。
2-1. 肩回し運動
ストレッチをする前に十分に肩を回す運動から入りましょう。この肩回しだけでも肩甲骨に意識を集中させて回すと効果的な肩のストレッチになります。
2-1-1. 片腕回し
まず片腕回しからです。右左どちらか一方の腕を大きく前回しです。注意点は肩甲骨を回すイメージで行います。
右左交互に10回くらい大きくゆっくりとまわしましょう。前回しが済めば後ろ回しです。
2-1-2. 両手回し
次は両腕を同時に回します。大きくゆっくりと肩甲骨に意識して回していきましょう。10回くらい回しましょう。
前回しが済んだら後ろ回しです。
注意点はバタフライをイメージして肩甲骨をくっつけたり、離したりを繰り返しながら回していきます。
いかがですか、肩が軽くなってきたのではありませんか!
2-2. ストレッチポールの活用
画像にあるようにストレッチポールを背にして仰向けに乗っているだけで肩や骨盤がビックリするほど伸びてストレッチ効果てきめんです。
2-2-1. まず事前チェック
まず、ストレッチポールを使わずに床に仰向けになって今日つけの姿勢をとって床と身体の密着具合を確認しておきましょう。
それからすべてのストレッチポールを使ったストレッチが済んだのちにもう一度床に仰向けになって身体の密着度合をチェックしましょう。
それだけ、身体の軸が真っ直ぐに修正できた証です。
2-2-2. ストレッチポールを背にして
ストレッチポールを背にして仰向けになりましょう。
身体をゆらゆらさせてポールと身体の密着度を高めましょう。
そしてポールを肩甲骨で挟むような感じの密着感が得られたらしばらくその気持ちよさを味わいましょう。
背中全体の痛気持ちいい感触がたまりません。
次は腰、骨盤に意識を移して、骨盤もゆらゆらポールを揺らしながらストレッチしましょう。
2-2-3. 手のひらを上下に
ストレッチポールの上で仰向けになったまま、手のひらを上に向けたり下に向けたりしながら肩のインナーマッスルに刺激が行くように手のひらを動かしてみましょう。
手のひらの上下する際に、例えば手のひらが上になっている状態で、手のひらの甲で小さな円を描くように回しながら肩に刺激が行くようにストレッチしましょう。
2-2-4. 腕を蝶のように羽ばたかせる
次は両腕を使って蝶のように羽ばたく動きをしてみましょう。
2-2-5. その他のバリエーション
ストレッチポールを使ったバリエーションはその他にも沢山ありますので、ご自分にとって良いメニューを探して是非やって欲しいと思います。
このストレッチポールはポールの上で仰向けになっているだけでストレッチ効果はすごいものがあります。
許せばご自宅にも一つ欲しいところです。
スポーツクラブジムのストレッチエリアにいけば必ずあるアイテムですから使わない手はないと思います
バタフライの前には是非やっておきたいストレッチの1つです。
2-3. バランスボールの活用
では次にバランスボールを使ったストレッチを紹介していきます。
2-3-1. 体幹部のストレッチ
バランスボールの上で仰向けになって体幹部に意識を集中させてのストレッチです。
苦しくなるほどのストレッチ効果が期待できます。
ストレッチポールと併用すればもう万全ですね。
バランスボールから転がらないようにしっかりとバランスをとりましょう。
2-3-2. 肩のストレッチ
バランスボールを使って肩回りのストレッチバリエーションもあります。
バランス感覚を持ちながらのストレッチは水泳にとても効果的です。
2-4. その他のストレッチ
どこにでもある椅子や壁を使ったストレッチも効果的ですので試して見て下さい。
椅子を背にして床に座って椅子の座るところに両手を置き肩の可動域を広げるストレッチです。
無理のない範囲で可動域を少しずつ広げていきましょう。
また壁を使って行うストレッチもいつでもどこでもできますのでとても即効性があります。
プールサイドの壁を使ってもできます。
片手ずつ、そして両腕を上にして壁にあてがってもできますから、試して見て下さい。
3. バタフライはオールマイティーで楽しい
バタフライの特殊性を活かしてストレッチについて詳しく解説してきましたが、いざバタフライに挑戦となるとなかなかうまくいかないかもしれません。
でもバタフライのキックは他の水泳種目の全てで行くことが許されています。
バタフライが上手になれば他の水泳種目にもとても有効ですから、きれいなバタフライのスイムが完成されていなくてもどんどんやって見て下さい。
バタフライのイメージがしっかりと形作ることができれば、さほど難しい泳法ではありません。
まずは遊び感覚でトライしてみましょう。
バタフライの泳ぎ方については以下の記事や動画が参考になると思いますのでご覧ください。
バタフライは難しいと一般的に言われている水泳種目なのですが、勿論競泳種目のようにより速く泳ぐためにはそれは難しい種目で水泳者の個人的な能力も当然必要です。
でもゆっくりと楽に大きなバタフライで泳ぐにはクロールや背泳ぎよりも優しい水泳種目だと私は考えています。
なんといっても左右対称ですからタイミングを取りやすいです。
肩を水面から上げるパワーが足らなければプールの床を蹴って飛び上がって両腕をリカバリーすればいいのです。
ウオーキングレーンで床を蹴ってバタフライをやりながらやるのも楽しいです。
プールの床を蹴ってイルカ飛びジャンプ、両腕を同時に水面から振り上げてリカバリーを繰り返して25m進んでいきましょう。
バタフライのイメージが膨らんでいきます。
その時にストレッチでほぐした肩甲骨をフルに活用して肩甲骨を回すイメージでバタフライ感覚をつかみましょう。
そしてバタフライキックを十分練習してスピードとパワーを養っていけばバタフライはとても簡単に克服できると思います。
バタフライは難しいとの先入観は脱ぎい去りましょう。
4. まとめ
以上、水泳で一番難しと言われているバタフライについてこの記事ではストレッチに焦点を絞ってお話を進めてまいりました。
前章でバタフライは難しくないですよ!と付け加えておきましたが、お楽しみいただけましたでしょうか・・・
バタフライは難しいとの先入観からどうしても泳ぐ頻度の少ない水泳種目ですから、バタフライにふさわしいストレッチもなかなか行われていないかもしれません。
記事の中での申しましたが、決してバタフライは難しくありません。
難しいという先入観を是非脱ぎ去り、どしどしトライしてみて下さい。
でもバタフライのストレッチをやっておけば全ての水泳種目に汎用性があり、とても効果的なストレッチですから頭の片隅に置いていただければ幸いです。
では、今回の記事は以上となります。最後までお付き合いいただき心から感謝しています。ありがとうございました。
なお、水泳関連として次の記事もとても参考になると思いますのでご一読頂ければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。