テストステロンといえば、今までにもいろいろとドーピングで話題となり筋肉増強作用のある禁止物質!
ちょっと取っつきにくいテストステロンではありますが、この物質は人体で合成される男性特有のホルモンであり、運動との関連についても興味深いところが多々ある物質です。
マラソンなどはレース後しばらくは休養が必要とさえ言われています。では水泳についてはどうなのか?
私の考えでは100歳を超えるマスターズスイマーが活躍していることを考えれば水泳は加齢によるテストステロンの減耗がとても小さく、いつまでも若い肉体と精神を維持できる素晴らしいテストステロン効果があるのではと考えています。
テストステロンの詳細、水泳など運動や筋肉との関連などについてご一緒に考えていきたいと思います。
目次
1. 水泳とテストステロンの関係
テストステロンとは人体の中で生成分泌されるステロイド系のホルモンの一つであり、健康な肉体を維持形成するためにとても重要な役割を果たしています。筋肉や骨格の発達に関与する性ホルモンとして作用します。
また一方でテストステロンは加齢とともに筋肉量の低下、あるいは肥満、糖尿など生活習慣病的な症状を来すという報告もあって、まだまだ未解明のところもあります。
1-1. 性ホルモンとして作用
そして一般に人においては30歳前後から減少し始め、男性におけるテストステロンの減少は男性更年期とも言われています。
女性が経験する更年期にみられるような急激なホルモン分泌の変化とは少し状況は違うとは言っても男性におけるストレスなど精神的疲労によって急激なテストステロンの減少は男性更年期として大きな障害を与え日常生活にも支障を与えかねません。
1-2. 筋肉との関連
男性は一般的に言って20代をピークにテストステロン濃度が低下すると言われています。
テストステロンの減耗が激しい症状を加齢性機能低下症と言われ、運動しても筋肉の増強を十分果たし得ない状況となり、運動機能にも影響を及ぼします。
こうした報告から筋肉の盛衰とテストステロン濃度の関係がとりただされています。
いかに加齢が進んでも運動によって筋肉増強は可能で、その努力で筋肉は裏切らない!と言われていますが、筋肉とテストステロンとの関係は無視できないところです。
1-3. ドーピング
過去においては、女子の陸上選手で生まれつきテストステロン値が高いことを理由に競技から排除することの是非についていろいろと問題を投げかけたケースがありました。
このように筋肉の強さや骨格の形成するとされているテストステロン値についてはスポーツ界でも常に問題となるステロイド系のホルモンです。
水泳でいえば過去に韓国の競泳界のスター的存在であった選手がドーピング違反により獲得してメダルの剥奪されるという出来事がありました。
大会前に行われたドーピング検査で筋肉増強作用のあるテストステロンに陽性反応があり国際水泳連盟が下した裁定だったこと、
そしてこの裁定の結果、日本選手が繰り上げでメダル獲得となったことは記憶に残っています。
1-4. 水泳との関係
加齢により「男らしさ」が失われ、外見・健康・体力ともに維持するのがとても困難となりアンチエイジングと称して男性ホルモン強化のためのサプリなどを服用する男性も多いと思います。
ここでは男性ホルモンである主要物質であるテストステロンの状況について運動の側面から見ていきましょう。
1-4-1. 筋肉刺激とテストステロン
運動による刺激で血液中のテストステロンの数値が増加するのは科学的に証明されているところです。
そしてより運動強度の高いフルマラソンなど激しい運動をして後には血液中のテストステロンは大きな減耗を余儀なくされる事が証明されています。
ところがこのフルマラソンも3月などの休息期間をおけばテストステロンのあたいは元に戻るというと言われています。
これを逆にいえば毎月フルマラソンに出場しているなどハードな運動によってはテストステロンの復帰がなく、運動のやりすぎはテストステロンにとってマイナス要因になり得るということになります。
これすなわち男らしさの維持にも繋がるのでしょう。
そのためにもバランスの良い筋肉運動や有酸素運動がとても効果的だと言えるでしょう。
1-4-2. 運動バランスの良い水泳
このバランスの良い運動といえば水泳は群を抜いていると思います。
全身運動でありながら浮力の影響を受け身体に与えるダメージが少なく、筋肉刺激は極めて高い水泳です。
そして泳法によってはスプリントも要求され、また持久力も要求され、運動強度も極めて高いといえます。
例えば、水泳のバタフライなどはフルマラソンに運動強度に匹敵します。
しかし、水泳による筋肉刺激はマラソンとは比べ物にならないくらい浮力の影響を受けソフトです。
私はこのテストステロンに関して水泳の持つ優れた運動効果は計り知れないと思います。
男性にとっていつまでも若々しい「男らしさ」に水泳は大きく貢献するのではと考えています。
私が目標とするマスターズ水泳ですが、100歳前後のマスターズスイマーも現実に健康で頑張っていらっしゃることを考えればこのテストステロンの効果が水泳では如実に現れているように思います。
1-4-3. 水泳と健康
私自身長く水泳と共にいきているわけですが、60代の半ばを過ぎていますが、水泳練習は週に6回程度、泳ぐ距離は1000mは軽く泳いでいます。
もちろん水泳の記録そのものは低下していますが、練習に対する熱意、やり甲斐などますます元気そのものです。
このように元気で今でもパワフルに水泳が楽しめるのもテストステロンのお陰なのかもしれません。
テストステロンの減少によってもたらされる症状としては気怠さ、やる気が失せる、睡眠不足などの不調・・・
こうした男性更年期症状と言われるようなものはテストステロンの減少が原因していると言われいますので、こうした症状は未だ感じた事がありません。
これも日々水泳を継続的に行なっているからだと私は思っています。
私自身、肉体的には相当体力は後退しているのは実感しているところです。
歩かなければ下半身の筋肉の減退は如実に現れ、悲しくなる時があります。
これは水泳とテストステロンの関係の一部だと言えなくもないと個人的に考えています。
1-4-4. 水泳離脱と健康
過去、水泳離脱という現象が私の人生にも2度ほどありました。1度目は30代半ばにあり、激務と生活リズム乱れで完全に水泳離脱となりました。
家には寝に帰るだけの生活で、深夜の2時3時に帰宅してただただ寝るだけの帰宅でした。
そして朝は7時には出勤していましたから睡眠はほとんど取れていないといった状況は長期に及び、身体の変調は胃潰瘍で出血多量という事態となりました。
また定年を目前に控えた私の執務は管理監督者として労務管理や人事管理などとても大きな課題を抱えてこの時も1日24時間全てを執務に充てていました。
賃貸のマンションを契約して24時間の執務環境を自分自身で確保して頑張った頃が定年前に数年続きました。
この時は30代の時のような苦しい自覚症状に悩むということはなかったのですが、59歳時点での人間ドックで胃がんの宣告を受けました。幸い早期がんということで治療は短期間ですみましたが。
この時の精神的苦痛は今でも忘れられません。
この時の原因もストレスが原因であり、大きくテストステロンの減耗によるものだと考えられます。
2. メンタルとテストステロン

加齢とともに失われていく男らしい肉体というのは私自身も切実に感じることではありますが、若い頃の外見や健康状態は望めません。
でも「テストステロン」の値を高い状態で維持する方法について考えていくと、運動だけによることなく、生活習慣、生活や職場での人間関係などメンタル面で大きく影響を受けている現実を私自身体験しましたが、多くの専門家も指摘されているところです。
2-1. テストステロンを高い状態で維持
例えばお気に入りのチームが勝つとテストストロンが上がり、負けると下がるといったケースが報告されています。
またテストステロンは意欲や気力とも密接な関係があり値が下がるとうつ病になりやすく、
「ハゲにウツなし」などといった俗説もあながち根拠がないとも言えないようなのです。
ハゲるという症状はテストステロンの値が多い傾向にあるという説からすれば頷けなくもありません。
何れにしてもストレスのない生活週間やメンタルを強固にするトレーニングによってテストステロンの減耗を抑える方法についても無視できません。
2-2. 毎日の生活で気をつけたいことは
2-2-1. 睡眠
なにはともあれ「よく寝る」これが疲労とストレス解消の特効薬であり、テストステロンの維持に有効ということです。
でもこれはよく眠れないからストレスであり、ストレス過多であるから眠れないということであり、いかに十分な睡眠をとるかは現代における重大な課題と言えるでしょう。

またカキ、シジミなどといった亜鉛も効果的だと言われています。
2-2-2. 食事
次に大切なのは何と言っても食事でしょう。
テストステロン値を高い状態で維持するには良質たんぱく質を十分に摂取することが大切です。
2-2-3. 適度な運動
前の章においても述べたように適度な運動はテストステロンの維持にとても大切であることはすでに述べたところですが、メンタル面を強化するにもとても大切なことです。
メンタル強化の意味からも適度な運動、それも新しいスポーツへの挑戦というのはとてもアクティブで素晴らしい取り組みだと思います。
2-2-4. その他習い事など
その他で考えられるメンタル強化の取り組みとしてはヨガや太極拳などへのチャレンジ、また仕事と全く関係のない習い事などへの挑戦もまたメンタル面を強化する意味でとても有効だと考えられます。
そして同時にテストステロン値の維持にとても効果的なことだと言えるでしょう。
3. アンチエイジング(いつまでも若々しく)

アンチエイジングが叫ばれて、巷では中高年においてもジムトレーニングが大流行りの昨今ですがマラソンにハマってしまった人、そして筋トレにハマり驚くような肉体美を維持している中高年男性もよく見られます。
でも何事もほどほどが肝要かと思います。
過度なトレーニングはテストステロンを減耗する原因にもなりかねません。上手に運動と休息を盛り込みながら、テストステロンも消費と生成を繰り返すことで高い値をキープする姿勢が大切なのでしょう。
私はアンチエイジングというのはあまり好きではありません。
それはエイジング年齢を否定することでありとてもネガティブに受け止めてしまいます。加齢を寛容に受け止め年齢相応な活動を通していイキイキと暮らしていく姿こそ、素晴らしいエイジングだと思います。
これを言葉にすればスマートエイジングとでも言えるでしょう・・・
50m自由形の日本記録(2020年1月現在)は95歳〜99歳区分で48秒66、
100m自由形で2分17秒59です。
また女子最高齢の50m自由形では100歳〜104歳区分で1分41秒88、
100m自由形で3分45秒85です。
そしてなんと1500m自由形では74分08秒73です。
女子の最高齢日本記録保持者は全ての自由形種目を一人の女性が獲得しています。
この超人的な運動能力はテストステロンのなせる技と言えるでしょう。
いつまで若々しくいられるためには何か目標を持って身体を動かし続けることが一番大切なのだと思います。
そしてそれが一番近道であり、誰でもできることなのだと思います。
大それたことでなく、日々の生活の中でイキイキとしていられる何かを常に追い求めながら、テストステロンをいつも高い状態で維持することが何より若々しくいられる秘訣だと思います。
4. まとめ
以上、テストステロンと水泳を含めた運動との因果関係について私自身の経験も含めて詳しく述べてきました。
テストステロンと聞くと悪名高きドーピングの禁止薬物との悪いイメージがつきまとうステロイド系ホルモンではありますが、人が人として人生を幸せに全うするためにとても大切なホルモンであることは疑い得ません。
適度な運動、ストレスのない暮らし、規則正しい生活週間の重要性をこのテストステロンが警鐘を鳴らしているようにも思います。
筋肉増強剤としての狭い理解でのテストステロンの受け止めではなく、人生という大きな舞台での大きな役割を見つめて老いを受け入れつつも明るく元気に健康で暮らして行きたいと改めて再認識したところです。
ぜひこのテストステロンの理解をこの記事によって深めてもらって、できうれば併せて水泳の魅力にも触れていただきこれからもイキイキと健康で頑張っていただきたいとの願いを込めてこの記事は以上とさせていただきます。
最後までお付き合いいただき心から感謝しています。ありがとうございました。
なお以下の記事もとても興味深い内容となっていますので是非ご一読いただけたら幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。