水泳を始めてクロールの練習を重ねやっと25mを泳げるようになると次に課題となる練習がターンです。
このターンにはタッチターンとクイックターンの2種類があります。クイックターンは難易度が高く呼吸を整えるいとまもなく苦しいのでまずはタッチターンから練習を始めるでしょう。
そしてクロールでのタッチターンができるようになれば次のクイックターンやクロール以外のターンに応用していきましょう。
タッチターンの習得でより一層水泳が楽しくなると思います。これからは長い距離を優雅に泳ぎましょう。
1. 水泳のタッチターンはとても大切なテクニック
少しクロールが泳げるようになると25mプールの壁はやっとの思いで到達できた至福の休息の場所だと思います。でも練習を重ねるごとに25mを泳ぐ疲労度が減少して難なく25mを泳げるようになってきます。
「25mのプールの壁は休憩の場所」この域から出られるのはとても長い時間がかかってしまいます。ましてターンなど考えたこともないのではありませんか。
でも少しでも水泳が楽しくなるのは泳げる距離が少しずつ伸びていくのを実感することなのです。それは20m泳げるようになれば25m、そして25m泳げるようなれば30mいや26mでもいいのです。
距離が伸びるというのは25mの次は50mでは決してありません。
従って距離を少しでも伸ばしてモチベーションを高めて水泳を楽しくするためにターンはとても大切なテクニックなのです。その延長上に競技会レースのターンテクニックがあります。
勿論、競技会など目指す意思などないと考えていらっしゃるほとんどのシニアにも、競技会でのターンの手順や要領は合理的で素早い方法ですから、練習の要領を知っておくのはとても意味のあることです。
まず何よりも初めてのクロール25m達成ができれば、次は速やかに30mを目指してタッチターンを覚えましょう。
1-1. まずは余裕をもってゆっくりと25m泳ぐ
水泳を楽しむためにはプールに通うたびに泳げる距離が少しずつでも伸びていくのを実感するのがとても大切で、最高のモチベーションです。そして距離は苦しむことなく楽に泳げることが大切です。
今回の記事では主にクロールを例に挙げて述べていきます。
力を抜けば呼吸も楽にできます。そして姿勢も良くなりますから、ゆっくり力を抜いて泳ぐ方がかえって早く泳げ、見栄えもきっとよくなるでしょう。
そして次には必ず、25でターンして方向転換、30で止まります。
止まったら歩いてスタート地点まで向かいます。もとのスタート地点に戻ったら、もう一度クロールをします。
まだ呼吸が乱れてできないようであればウオーキングレーンに移動して歩いて呼吸を整えます。
こうした練習を重ねて30が40にそして50mと泳ぐことができるようになります。
ここで力を抜くのをもう少し詳しく説明すると、力を抜くというのはとても難しいことなのですが、呼吸するリズムが短くならないように水中でしっかりと息を吐き、顔を上げて速やかに息を吸う。
そしてクロールのストロークも出来るだけゆっくりとしたリズムで大きなストロークで泳ぐように心がけてください。
さてそれではタッチターンに入っていきましょう。
1-2. 何も考えず方向転換して泳ぎ出す
まずはどちらかの手で25mに到達したら何も考えずに方向転換を行って泳ぎ出しましょう。床に足をつかずに素早く両足を壁に引き寄せ泳ぐ出すのです。
これを忘れないように25の壁に到達したら必ず方向転換すなわちターンをして30を目指しましょう。そして50が泳げるようになれば次に目指すは60です。この50も休まずターンして次の距離目標を目指しましょう。
休憩は苦しくなって足を床についた時です。そして歩きながら休憩するようにしましょう。それが水泳上達の何よりの方法です。
1-3. ターンを素早く
ターンする壁に片手がつけば壁のエッジをしっかりと握ってその握った手を支点に両足を引付け次に両腕を伸ばしてスタート姿勢を素早く取れるように練習しましょう。
右側でターンするのか左側でターンするかはそれぞれ個人差があると思います。私は右手で壁をタッチして右手を回転させて方向転換する方がやりやすいです。
もし右手でタッチできない場合はバタ足で調節してそのまま右手を伸ばしたまま壁にタッチします。
それではターンの意味を理解されたと思いますので、次には実践面でのタッチターンテクニックに移ります。
2. 具体的手順と練習方法(初心者向け)
前章ではターンは休憩せずにいかなる時もターンをして休憩はターン後苦しくなって立ち止まり、歩きながら休憩しましょうと言いました。今一度忘れないようにしましょう。
まず、上の動画を見ていただいてタッチターンのイメージを感じてください。
ではそのターン、タッチターンの手順に入ります。
2-1. ターン前5mラインを通過
プールの底には各レーンを縦に横切るようにラインマークがあります。スタートして5mライン、そして中央ライン(12.5m)そして20m(ターンまえ5m)にラインがあります。
日々の練習では5mラインから何回のストロークでターンを迎えるか数を数えておくようにしましょう。
そのためにもターン前5mラインはとても重要なマークラインですから意識しておきましょう。
2-2. ターン中にしっかり息を吸う
タッチターン後はすべて一回の吐く息の間にスピードを落とさずに浮き上がる必要があります。浮き上がるまでに息をもう一度吸う時間はないと考えていて下さい。
余裕ができてタッチターンができるようになれば無意識で呼吸ができるようになりますが、片方の手がタッチするターン直後にしっかりと息を吸いましょう。そして素早く方向転換を済ませて水中で蹴伸びの準備姿勢に入りましょう。
そのためにもいかに効率よくタッチできるかです。体勢が水平でなくても半身(体勢が90度)になって良いくらい手を伸ばしてタッチです。手を伸ばしている間に力いっぱい息を吸いましょう。
2-3. タッチと同時に両足の引き寄せ
次にタッチと同時に両足を引き寄せます。この引き寄せが遅いとターン時間が長くなり疲労にもつながります。
速やかにターンするにも両足の引き寄せは大切です。タッチした手でプールのエッジをしっかりとつかんで腹筋を使って用足を引き寄せましょう。
ターン前に泳いできた人と言う物体は慣性の法則で動き続けようとしますので下半身も同様に動こうする力をもっていますので腹筋を使って引き寄せ意識があれば両足の引き寄せも比較的に行いやすいです。
2-4. タッチした腕を振りかぶり両手を合わす
その前にタッチしない腕の位置ですが、タッチターンする前にはきょうつけの膝の位置に固定されていて両足は壁に引き寄せられますがそのタッチしない手は移動せず固定した状態、すなわちターン後いち早く前方の最先端の位置にあるのです。
わかりますでしょうか、タッチする手が右手であれば左手はタッチした水平の状態から全く動かさずターン後前方を差し示す最先端に位置にあるためその手にタッチターンを誘導した右手が左手を目指して振りかぶり移動します。
2-5. 両手を合わせて蹴伸び準備姿勢に入る
両手があった時は水中で蹴伸び姿勢の準備が水中で完成されているのがベストです。蹴りだせばそのまま蹴伸びスタートができる体勢です。
どちらかの手がタッチしてからこのターン後の蹴伸び姿勢準備までを要領よく息をMax吸い込んで蹴伸びスタート準備完成までが素早くできるように練習しましょう。
でも練習はできるだけタッチターンの本番中に練習して要領とタイミングを覚えましょう。
そのターンだけを練習しても現実に泳いでいればタッチするタイミングが合わなかったりとか呼吸ができなかったりとかなかなか難しいです。でもその繰り返しの中で手順と要領を学びましょう。
2-6. しっかりと両足で蹴って蹴伸び姿勢
しっかりと100%壁を蹴る力が初速の推進力につながるように力強く蹴る、抵抗の無い蹴伸びスタートでタッチターンを仕上げる。これがタッチターンの手順です。
この素早い蹴伸び姿勢準備に入れるようなるにはたくさんの練習が必要ですが、この要領を頭に入れながら練習していれば必ず上手にタッチターンができるようになります。
そしてその頃にはクロールで泳ぐ距離も200m400mと30分も休まずクロールで泳げるようになっていることと思います。
慌てずに練習していきましょう。
2-6. バタ足をして浮き上がる
タッチターンの仕上げは浮き上がりです。蹴伸び姿勢で浮き上がる頃にはスピードがゼロに失速しています。水中で蹴伸び姿勢が減速しそうになった時には力強いバタ足で浮き上がりましょう。
浮き上がるまではストロークの開始はとどまった方が良いでしょう。むしろバタ足キックで推進力を支援する方が賢明です。
そして上級者になればより推進力のあるドルフィンキックで浮き上がってくるのが一般的です。でもドルフィンキックはスタミナを消耗するのでバタ足で浮き上がるのがベターでしょう。
2-7. 慌てずストローク
そして慌てず自分のリズムでストロークの開始です。次のターンまで慌てずにゆっくりとしたリズムを最初から最後まで心がけて少しでも泳ぐ距離を伸ばしていきましょう。
3. その他の水泳種目のターン
さてここまでクロールを中心にタッチターンを解説してきました。では少し他の種目についてもタッチターンやその他のターンについてお話ししておきたいと思います。
シニアスイマーが次に競技会を目指すようになれば多少の知識をイメージを持っていて欲しいと思います。
3-1. 背泳ぎ
まずは背泳ぎのタッチターンですがクロールと同様に壁にタッチしてターンをしますが、その時にクロールのように自由ではありません。
背泳ぎについてはルールがあって壁をタッチするときに身体が90度以上ひねらないことです。これは泳いでいる時にも言えるのですが90度以上の傾きは背泳ぎでなくなってしまうと理解してください。
それからクイックターンには多少難しいルールがあります。
背泳ぎの場合もクイックターンが許されています。ターン壁が近づいたらうつ伏せの体勢になってクロールのようにクイックターンをして壁を蹴って背泳ぎに入れます。
それからターン後水中でバサロキックで浮き上がる選手を見ると思いますがその場合の潜水距離は15mとなっています。この15mはどの種目にも共通です。
基本的にクロールと同様です。そして背泳ぎが背泳ぎであるためにクロールになると失格するのだと覚えておけばいいと思います。
3-2. 平泳ぎ・バタフライ
平泳ぎやバタフライのタッチターンはクロールのように片手タッチが許されてなく両手タッチですからその両手タッチからいかに素早く蹴伸び準備姿勢に持っていくかがキーポイントになります。
両手でタッチした瞬間にどちらか一方の腕は水中を素早く進行方向に突き出し、追っかけるようにもう一方の腕が水面上を素早く移動して両手をあわせるというイメージです。そのあとの動きはクロールのタッチターンと同様の要領です。
3-3. 個人メドレー、バタフライから背泳ぎ
水泳の4つの種目を一人で泳ぐ個人メドレーという競技がありますが、このターンも注目すると面白いです。いずれ貴方も是非この種目にトライして欲しいと思います。泳ぐ順番はまずバタフライ、次に背泳ぎ、そして平泳ぎ、最後にクロールです。
まずはスタートのバタフライから背泳ぎのターンですがバタフライのターンはタッチターンですから両手でのタッチターンが基本です。その後方向転換するときに仰向きで背泳ぎのストリームライン(蹴伸び姿勢)に入ります。
ストリームラインへの誘導を両手ですから片手でするかは個人によると思いますが、種目やターンの得手不得手がありますからいちがいにはいえませんが、最初のうちは大きく両手で振りかぶって素早くストリームラインの準備に入るのが練習効果は高いと思います。
ちなみに私は平泳ぎが専門種目なので片手誘導でターンしています。
3-4. 背泳ぎから平泳ぎ
次は背泳ぎから平泳ぎのターンですが基本背泳ぎのゴールは片手ですからタッチターンが基本です。
でもこのターンの場合仰向けからうつ伏せにならなければいけません。
よいしょと掛け声をかけてうつ伏せになるのは極めてタイムロスですから、昔からタッチ後にクイックターンをしたりとかいろんなことをためしましたが、タッチ後に素早く両足を壁に引付けその間に身体を横回転と縦回転を同時に行いうつ伏せになります。
最近の競技ではバケットターンと言う方法でターンをしていますが、ターンの如何に関わらずご自身が背泳ぎのタッチから素早く方向転換とうつ伏せになる回転を同時に出来るように練習しましょう。
3-5. 平泳ぎからクロール
最後のターンは平泳ぎからクロールのターンです。
平泳ぎのゴールは両手同時タッチですからそのタッチから方向転換してクロールのストリームラインに入ります。
したがって通常の平泳ぎのタッチターン終了後一かき一蹴りがなくドルフィンキックもしくはバタ足で浮き上がって最後の種目クロールでゴールを目指します。
3-6. タッチターンからクイックターンへ
前章でタッチターンの手順や練習方法などについて詳しく述べましたがイメージで理解されたでしょうか。
ネットにはタッチターンの動画も沢山ありますから、観ていただいてイメージを構築されると良いと思います。
でもご自身のイメージはご自身の水泳の中でイメージを最終的には完成されなければ意味がありませんの動画によるイメージはご自身が泳いでいるようにアリアリとイメージされるようにご覧いただきたいと思います。
競技では平泳ぎ、バタフライはこのタッチターンがそれも両手で同時にタッチすることがルールとなっていますがクロールではそのような規定はありません。
たった1回のタッチでターンできればさらに素早くターンが完成してタイムロスを縮小できるのです。そのために開発されたのがクイックターンなのです。
ターン直前で素早くとんぼ返りをして方向転換を行い壁を蹴れば1回のタッチでターンが完成・終了できます。それが今のクロールや背泳ぎで行われているクイックターンなのです。
詳しいクイックターンの手順とコツについてはこの記事では省きますが、基本的なところは全く同じです。
それは壁に到達する泳ぐ速度はマキシマムで決して減速せずに壁にタッチして突入した速度を回転エネルギーに変えて一瞬でターンを終了させてさらに力強い壁を蹴って初速をエネルギーでトップスピードのまま泳ぎ続けるのです。
これは25mプールでターンする場合と50mプールでターンしない場合の比較でターンする方が速いことで証明されます。すなわちターンはスピードアップなのです。より加速できるアドバンテージなのです。
トップスイマーはタイムを上げるために日々練習をしていますが私たちシニアにとってはタイムよりも泳げる距離を伸ばすこと、そしてもっとゆっくりと楽に泳げることが目標だと思います。
でもその違った目標ではありますが、練習の内容はほとんど変わりません。
勿論、練習の内容、運動強度は違いますが練習メニューや考え方はほとんど変わりません。
将来シニアの皆さまが競技会レースにエントリーされるのであれば一日の練習にスピード練習を加えることでアスリートに早変わりです。
そんな楽しみもあるわけですからターンについてもタッチターンからクイックターンへとスイッチするのもまた面白く楽しいことだと思います。
是非、遊び感覚でクイックターンにトライしてみましょう。
もう一度繰り返しますがタッチターンであろうがクイックターンであろうがターン前のスピードは最大になるようにしっかり泳いでターンをすることを心がけましょう。
トップスピードでターンすることで素早いターンが完成します。素早いとんぼ返りのターンはトップスピードで生まれます。
そしてタッチターンに関しては、競技会場ではターンする壁を計時板があってエッヂを握ってのターンができません。
完全タッチのみでターンをしなければなりません。その素早いターンにはトップスピードを使った反動が必要です。クイックターンはターンの一例でありテクニックなのです。
どちらのターンであってもターンは壁であり休憩するところではないのです。
4. まとめ
プールで見かける30分もそれ以上もクロールで泳いでいる人、なんとも優雅でまるで魚やイルカが泳いでいるように美しく見栄えがします。そしてそのターン技術も優雅で実に絵になる感じです。
そしてターンして浮き上がればプールの半分近くまで来ています。疲れなど微塵も感じられません。泳ぎ終えてプールサイドの上がる姿は頭はシルバーグレーの紳士、なんと素晴らしいと感じられたことはありませんか。
私もそんなスイマーでありたいと年齢に鞭打って日々練習にいそしんでおります。
水泳が上手になるにつれてターンも上手になってきます。ターンが上手ではないということは水泳ストロークもあまり上手ではありません。したがってターン上達と水泳の上達は相関関係にあると思います。
早く水泳が上手になればターンも上手になるということです。
それは25mの壁でいつも止まって休憩しているようであれば早い上達はあまり望めません。常に25mでターンを心がけて少しでも距離を伸ばそうと練習している人は当然ながら水泳もターンも上手になると言えるでしょう。
水泳におけるターンの基本はタッチターンです。
最後までゴールだと思ってトップスピードで壁にタッチして反動を使って素早く方向転換、ストリームライン(蹴伸び姿勢)準備に入り最高のタイミングと最大のキック力で初速を得る素早いタッチターン・・・
このようなターン練習を日頃の水泳練習の中で取り入れて早く水泳が上手になれるように練習をしていきましょう。
そして重要なことは決して辛い、苦しい練習はしないことです。とはいえ身体が冷えてしまうような休憩はしないようにしましょう。
貴方にとって楽しい練習とは日々泳げる距離が伸びていくことだと思います。その喜びをモチベーションに楽しく練習をされるように希望します。
長くなりましたが最後までお付き合いいただき心から感謝しています。ありがとうございました。
なと、次の記事の興味深い内容となっていますので、ご一読いただければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。