水泳競技、タイムの計り方の原則を見つめ合理的な練習を・・・

水泳競技を目指すものにとって、シニアといえどもタイムは生命線です。

より速くより強くなるために日々の水泳練習にあたりタイムを計るという計時方法(計り方)について考えていきたいと思います。

私が学生の頃に使っていたストップウオッチはアナログのものしかありませんでしたが、今はデジタル式の精巧なストップウオッチがいろいろあってとても便利になりました。

そして公認の競技会では全自動装置による完全自動計時システムにより競技会が運用されています。

でも大切な計り方の原則は何も変わってはいません。

練習するときにも正しいタイムを計り、メンタルを強化して来るべき競技会に臨みましょう。


1 自分で泳ぐタイムを計る

日々の水泳練習でタイムを計りながら練習することがとても重要で、その習慣づけがタイムを上げる一つの効果的な練習方法です。

ただ漠然と長い距離を泳いだり、短い25mをいくら繰り返しても効果的ではありません。

長い水泳距離のスタミナ練習においてはラップを意識して常にタイムを計算しながら泳ぐ必要があります。

そして25mや50mのインターバルトレーニングは一人でも十分に水泳練習が可能です。本当はマネージャーがついてくれて常にタイムを計ってくれればベストですが、シニア世代の水泳選手にはそのようま恵まれた環境にはないと思います。

出来ることは自分でやりながらモチベーションを維持向上していきましょう。

練習プールでの計時環境

私が所属する水泳クラブの25メートルプールにはスタート側をターン側に大時計が作動しています。そしてその二つの大時計は同じタイムを差しています。もちろん調整が自由にできるので毎日プールがオープンされる時にスタッフが調整してくれています。

その大時計の短針は分タイムを長針は秒タイムを表しています。

また施設によってはスタート側の壁面に1台の大時計が設置されているケースもあるかと思いますがこの施設ではターン側での計時ができない難点がありますが無いよりはましでしょう。

また移動式の大時計は泳いでいて見やすいところに設置することができ便利です。

多くの施設ではスタート側とターン側に固定設置されているケースが多いと思いますので25m毎にタイムを計ることが可能です。

もちろん自分が泳いでいるわけですから、タッチして時計を見ているのでは正確に計ることは不可能ですが自分の視野の中に時計があればタッチの瞬間に計時が可能です。

この計時はやはりアナログがベターだと思います。泳ぎながらの計算にイメージで理解がしやすいというのが私の感覚です。

長距離水泳練習のタイムの計り方

1500mとか30分とか定められた距離や時間を泳ぎ続けるという水泳練習をよくやると思いますがその時に大切なタイムと言えばラップタイムです。

25mプールでは50mのラップタイムを意識して泳ぐ練習が大切ですので自分でラップの計り方を知っておくべきです。

大時計が0秒でスタートです。最初はゆっくりなペースで泳ぎましょう。仮に1500mを想定して最初の500はゆっくりなペース、次の500は半分のパワーで最後の500は8割のパワーで最後のラスト50は全力でいう感じです。

この三段階のペースをイメージしてラップタイムを想定します。

仮に想定ラップタイムを50秒だとしましょう。

最初の50mを泳いでみてターンするときには時計を見えるようなタッチターンで計時します。最初のラップを考えて調整をします。身体の調子や具合など3段階のペースアップが可能かどうかなど全体1500mのイメージをして最後まで泳ぐプランを考えましょう。

そして第1段の500メートルに達するまでにプランを作り上げましょう。

次のラップは50秒+50秒だから100秒、すなわち1分40秒と計算されます。でも私ならこんなデジタル計算はしません。最初のタイムが50秒であればその50秒の位置を0秒とイメージして次の50秒だから1分40秒だと判断して分は無視して考えラップに集中します。

そして50秒のラップを維持しながら泳ぎます。もちろん遅い場合お早い場合もあるでしょう。でも当初作ったプランに従って泳ぎます。

そして第二段階になればラップを速めてペースを上げるようにします。

このように長距離を自分でタイムを計りながら泳ぐことで脳内のストップウオッチの精度を高めていくようにしましょう。1000にもなると面白いように大時計が自分のイメージ通りの時間を差しているという状況に至ります。そうなればとても素晴らしいコンデションです。

短距離のインターバル水泳練習

次に25、50mなどのインターバル練習を想定してタイムの計り方を考えていきましょう。

水泳の練習でよくやる25×10本、50×10本などのインターバル水泳練習があります。1本目と2本目とのインターバルを20秒30分秒と定めて本数を重ねる練習ですが、スタート側の大時計を見て自分で計算しながらスタートします。

25mの練習であれば、ターン側の大時計もスタート側と同期していますから、練習開始前に一応スタート側とターン側の大時計をチェックしておきましょう。

それからインターバルを統一する練習の他に泳ぐタイムに関わらず、泳ぐタイムとインターバルを合わせたタイムを一定にする練習方法があります。私はそれをサークル練習と言っていますが、例えば1分サークルで25mを10本などをよくやります。

そしてサークルタイムを5秒、10秒短くすることで練習強度を上げることができます。この場合には計時は計算の必要がなく泳ぎに集中できます。

競技会を目指す種目のタイム計時

長い距離のスタミナ水泳練習やインターバルなどによるスピード水泳練習を行いかなり疲労も蓄積されているかもしれませんが、競技会エントリー種目の水泳練習も忘れないようにしましょう。

その場合のタイムの計り方はスタートは大時計0秒スタートゴール寸前にチラッと見て凡そのタイムを自覚しましょう。

クロールで100mを01:10.00程度のレベルであれば、ゴール前チラ見で大時計の長針位置で凡そイメージできると思います。そしてターンでは大時計を見るのは止めておきましょう。

クロールであればタッチターンは厳禁でターン前とターン後は最高スピードでターンを完了させましょう。

手の空いた同僚や水泳インストラクターがいる場合には計時をお願いしてスプリットタイムを含めたタイムを計り日誌に記録しておきましょう。

ラップタイムとスプリットタイム

ラップタイムとはターン毎とラストゴールまでの所要タイムです。もしくは50m、100mの所要タイムを言います。

スプリットタイムとはスタートから各ターンまでもしくは50m、100mの経過タイムです。したがって最終スプリットタイムが最終トータルタイムとなります。

最近のストップウオッチはラップタイムとスプリットタイムの両者を計時できるようになっているものが一般的のようです。

平泳ぎ、バタフライの計時ターン

水泳競技で平泳ぎとバタフライを目指す水泳選手にとってラップ練習やインターバル練習には計時の誤差は止むを得ません。でも常にラップやペース配分を具体的タイムで確認することは練習効率を上げるためにとても大切です。

私は平泳ぎが専門ですからラップはとても神経質にチェックしていまいした。

ターン側でのタイムチェックはしませんが、スタート側の大時計はいつも気にしています。スタート側のターンやゴールでは片手タッチでタイムを計時していました。

凡そその日の調子がわかります。

そして定期的に水泳コーチにお願いして計時してもらっています。

2 水泳選手のタイムを計る

クラブメンバーのタイムを計ってやる場合の計り方について少し考えてみましょう。それぞれ種目によっては計り方も微妙に異なる場合がありますから種目ご毎にお話しします。

クロール(自由形)

スタートは一人の場足は足が離れた瞬間が計時スタートです。でも二人でのスタートはスタートの合図が計時スタートです。

3人以上の計時にはストップウオッチの利用になれていればスプリット計時を使って複数の計時が可能ですが、記録や選手への通知を考えれば両手でストップを操作できる2人の計時にとどめておくのがベターだと思います。

ターンのスプリットタイムはクロールは自由形ですからターンはクイックターンの場足タッチターンの場合と水泳者によって違いますのでターン側の水中が良く目視できるところまで近づいてしっかりと計時しましょう。

ゴールの計時は水のしぶきで壁タッチの瞬間を見失うことがありますから、水中まで凝視できるところまで近づいて計時しましょう。水しぶきでのゴールではないことを留意しておきましょう。

背泳ぎ

スタート、ターンともタイムの計り方は同じですが、背泳ぎの場合、スタートは水中から足が離れる瞬間をしっかりと凝視しての計時スタートです。

背泳ぎのターンはターン前にうつ伏せになってクイックターンをしますのでその要領を良く見ておきましょう。うつ伏せになった状態でのバタ足と両手による手のかきは違反となりますのでよく見て違反があれば後で伝えましょう。

タッチターンの場合は手がタッチした時がターンのスプリットタイムです。

平泳ぎ

平泳ぎの場合スタートはクロールと同様です。ターン及びゴールは左右対称両手同時にタッチがルールですから違反がないかをタイムの計時と併せてチェックしておきましょう。片手タッチでもスプリットタイムは有効ですが泳法的にはルール違反ですから失格要因です。

そしてゴールには水しぶきで計時に誤差を生じさせますので、水中までしっかりと凝視できる位置まで移動してしっかりゴールタッチを認識しましょう。

バタフライ

バタフライのタイムに関しては平泳ぎに全く同じです。

水泳リレー種目

水泳400、800フリーリレー、400、800mメドレーリレーがありますが、リレー時時のタッチとゴールの空隙タイムは失格要因ですから練習の計時にさいしてしっかりとチェックしておきましょう。

そして第一泳者は公認記録となりますのでゴールタッチのスプリットタイムを消去しないようにしましょう。

3 水泳競技会でのタイムの計時について

最近の水泳競技会においては国際競技会から各地域の競技会までそのほとんどが全自動装置による電動計時によってタイムを計っています。これは視認による誤差を排除してより正確な記録の測定が行われています。

出発合図員の長いホイッスルで選手はスタートの停止姿勢に入ります。そのあとのスタート合図音に連動して全ての計時装置が作動します。

スタート側、ターン側にはタッチ板というプレートが設置されていて水泳者がタッチすることで自動的に計時するしくみとなっています。

ゴールまではスプリットタイムとなりゴールで最終正式タイムとなって計測されます。

そして競技処理コンピューターで処理されて電光掲示板に着順と正式タイムが公表され、印字されて中間報告として掲示板に公表されます。

最近の日本選手権などのビッグな水泳競技を見ていると1/100秒を競うレースとなっており、とても人間が計測できるタイムでは限界を感じています。

今後ますます完全自動システムによる計時の性能の向上と迅速な事後処理、そして故障時のバックアップなどが望まれており、来るべき東京オリンピックにおいては日本の精巧技術に注目が集まりそうです。

なお詳しい計時に関する現在の日本水泳連盟が定める競技規則を次に記載しておきますので参考にして欲しいと思います。

4 参考:日本水泳連盟が定める競泳競技規則における計時について

日本水泳連盟が定まる競泳競技規則において計時について定められている需要なところを抜粋しておきます。

競技主任

計時員にその位置を計時するレーンを割り当て、それぞれの任務を指示する(各レーン3名の計時員を配置することが望ましい)

全自動装置が使用できない時は2名の予備計時員を配置する。

計時

全自動装置は機械審判の監督下にあり、全自動装置によって計測された時間は順位、ならびに各レーンの時間を決定するのに用いられる。全自動装置によって計測された時間は計時員が計測して時間よりも優先される。

全自動装置に故障や明らかに不具合が認められた場合、競技者が装置を作動させなかった場足はビデオカメラによるバックアップ装置または計時員の計測した時間が正式時間となる。

全自動装置が使用されている場合は結果は結果は1/100秒までを記録する。(中略)1/100までが同記録の場合は同着・同順位とする。

競技役員による計測には、半自動装置またはストップウオッチが使用される。(中略)全自動装置を使用できない場足は公式計時は以下の方法で決定される。

3台のストップウオッチのうち2台が同じで1台が異なる時間を計測した場合、2台の合致した時間を公式時間とする

3台のストップウオッチがそれぞれ異なる時間を計測した場足は中間の時間を公式時間とする。

3台のストップウオッチのうち、2台だけが時間を計測した場合、その2台の平均時間を公式時間とする。

5 まとめ

以上、水泳におけるタイムの計り方そして現在公認水泳競技会での計時方法やそのシステムについて述べてきました。

でも基本的には水泳選手の技術が向上しつつもタイムに対する選手の飽くなき限界挑戦精神には感動させられます。

私たちシニア世代といえ目指す水泳競技会においてもこの最高の計時システムが運用されています。

日々の練習からタイムに対する関心と練習方法の合理的な改善などを行いなっていかねばならいと思っています。

この記事では水泳選手自ら行えるタイムの計り方や選手に対するタイムの計り方を中心に練習方法も含めて述べきました。少しは参考になったと思います。

今後より一層の記録更新に役立っていただければ幸いです。

最後まで読んでいただき心から感謝しています。ありがとうございました。

 

なお、水泳競技関係については以下の記事も興味深い内容となっていますので是非ご一読ください。

参考:水泳競技が行われるオリンピック会場!過去はそして東京は?

参考:2020水泳競技オリンピック代表選考の行方と東京五輪への期待

参考:水泳の東京オリンピック代表選手(女子)選考の有力候補・・・