水泳初心者にとって、一番のウィークポイントは下半身が沈むことです。特に最初に習うクロールについては息継ぎとの兼ね合わせでどうしても下半身が沈んでしまいます。
この記事を読んでいただければ読者の皆さんにとって、少しでも下半身が沈む対処法が見つかることでしょう。
とは言っても水泳に慣れていないのであれば少し時間が必要です。少しでも楽しみを見つけて続けていってほしいと思います。
1. 水泳(クロール)の下半身が沈む原因
水泳で下半身が沈むという水中姿勢では推進力を得ることできません。
推進力が得られないことでなおさら下半身が沈むという結果となり悪循環を来します。
初心者のスイマーにとってまずクロールにおいて、下半身を沈まなくすることで、クロール(水泳)が上手になる早道と言えるでしょう。
ではなぜ下半身が沈むのかその原因を検証してみましょう。ここでは特にクロールに絞って解説していきます。
1-1. 体幹部の筋力が弱い
特に初心者は体幹部の筋肉を使う意識が少ないこと、さらに本来の体幹部の筋力が脆弱であることにより下半身が沈む原因となります。
クロールで必要となる息継ぎのタイミングでどうしても下半身が沈むこととなりますので意識的に下半身が沈まないように頑張りましょう。
歩行中、姿勢良く意識する場合においても体幹部の筋力が必要なのとまるで同じだと考えていただければ良いでしょう。下半身が沈むとどうしても水の抵抗を大きく受けることになりますので体幹部に強い意識をして下半身が沈まないように頑張りましょう。
1-2. 息継ぎのタイミング
先ほども少し触れましたが息継ぎのタイミングでどうしても下半身が沈んでしまいます。慣れない水中での呼吸、呼吸に対する意識が強いため下半身への意識が低下するので、息継ぎに対する慣れをいち早く会得していきたいものです。
好ましいのは水中で息を吐き、顔を水上に出した時には息を吸うだけにしたいところです。
この息継ぎ中における下半身が沈む点については以下の記事を参考にして欲しいです。
1-3. 頭の位置が高い(目線の修正)
前方が気になり前に目線があるようでは頭の位置はどうしても高くなりますので、極端にいうと目線はプールの底にある感覚が正しい姿勢です。そして息継ぎの時には目線は真横のコースロープが目に入る感覚です。
初心者にはこの蹴伸び姿勢の練習で水中姿勢を練習しましょう。
1-4. 慌てている(余裕の欠如)
クロールで泳いでいる初心者のほとんどの人が余裕がありません。慌ててストロークをしています。左右の腕がまるで犬かきでもするように回転しています。
そして束の間の息継ぎとバタ足としなければならない動作があまりにも多くて完全に慌てています。でもなんとか頑張って25mを泳ぎ切ったとしてもその疲労は半端なく、顔面蒼白といったケースもままなりません。
こうしたケースの場合下半身はどうしても沈んでいます。
2. お薦めする対処練習4選
では前章で検証したクロール中に下半身が沈む点について、これを解消するための練習方を紹介したいと思います。
この下半身を沈まないようにプルブイを足の付け根に挟んで泳ぐスイマーをよく見ますがいつもプルブイに頼っているのも本来のクロールの上達が損なわれますので、プルブイの使用は私自身、あまりお薦めしたくありません。
これから紹介する練習方により下半身を沈むことのないようにしっかりと意識して泳ぎましょう。
2-1. 蹴伸び
前章でも蹴伸び姿勢の必要性を述べましが蹴伸び練習はとても大切です。この練習はクロールだけに限らず、水泳全般における最も重要な基礎練習です。
この蹴伸び練習をしっかり実践することで下半身が沈む弊害はほとんど修正ができると考えています。
詳しくは以下の記事を参考にして欲しいのでこの記事では概略に留めますが、この蹴伸び姿勢のしっかりできる人はかなりの上級スイマーです。
逆に下半身が沈むクロールで泳いでいる人はまずこの蹴伸び姿勢に問題があると言えるます。
壁を蹴って手の指の先から足の指の先まで1直線、身体の軸もとても綺麗に真っ直ぐとなっています。
この状態で浮いているためには体幹部の筋力が必要となります。
そしてプールの壁を蹴って軽く5mラインを通過することを目標に頑張って練習しましょう。
2-2. グライドキック
次に紹介する練習はバタ足キックです。ほとんどの人はビート板を使ってキック練習をしますが、このキック練習で使用するビート板も大きくて浮力の大きいものから、小さくてプルブイ兼用のものまで様々です。
このグライドキックでは呼吸するとき顔を水面から上げる浮力を自分で生み出さなければなりません。というより推進力により顔と水との隙間を上手く使って息継ぎをすると言った方が良いかもしれません。
ことさら、顔を上げて呼吸をして下半身が沈む力が働かないようにするためでもあります。
グライドキックの息継ぎは前でも横でも構いませんが前で息をする場合には多少両腕を開くスカーリングによって浮力を得て呼吸をするのが下半身を沈ませないコツとなります。
2-3. 潜水
次に潜水練習です。この練習も蹴伸びの延長線としてまた遊び感覚として下半身を沈ませない目的で練習バリエーションに入れると楽しいと思います。
まず蹴伸び姿勢で水中をスタートします。初速が減速するタイミングでバタ足、もしくはドルフィンキックで推進力を維持して等速スピードで潜水できるように潜水を練習してみましょう。
この潜水の最もスピードダウンとなるのが下半身の沈みですから、下半身が沈むウィークポイント改善に効果的な練習です。
最も潜水の距離とスピードに効率の良い泳ぎ方は平泳ぎの水中での人かきひと蹴りの連続動作が有効ですが、今回の場合はバタ足だけで構いません。
練習によって少しずつ距離が伸びていくのが理想です。25mできる人は壁でターンをしましょう。
それから、水上を息継ぎをせずにバタ足で進行するのは潜水とは言いません。潜水はあくまで全身が完全に水没している状態で進行することを言いますので最初の蹴伸びで進む水深は維持するようにしましょう。
2-4. ゆっくりクロール
最後の練習メニューはゆっくりなスピードとゆっくりなストロークで大きなフォームでクロールを泳ぐ練習です。
下半身が沈む人の多くはゆっくりとクロールで泳ぐことができません。これをできるようになる練習です。
自分の泳ぐスピードの最も遅いスピードでクロールをやってみましょう。案外難しくて驚かれると思いますが、止まっているようなスピードでクロールができるようにトライしてみましょう。
このゆっくりクロール中、下半身が沈むようではNGです。
思い描く理想的なクロールフォームで出来るだけゆっくりと泳ぐイメージです。
ストロークのポイントは入水後のキャッチです。出来るだけ遠い水をキャッチするイメージでその後のプルやフィニッシュにはほとんど意識せず流すイメージでも良いくらいです。
そして25mを左右で1回のストロークとして何ストロークで泳げるか毎日数えて出来るだけ少ないストローク数で泳げるように頑張ってください。
10ストロークぐらいが目安です。でも10ストロークで25m泳ぐのは相当難しいです。
3. 楽しいクロールを目指す
下半身が沈んだ状態でクロールをしていると疲れてしまい、泳ぐのが嫌になってしまいます。意識的に下半身を浮かせてクロールの減速要因を排除することが楽なクロールを身に付ける早道です。
そうすることでクロールが楽しくなると思います。
3-1. 体幹部の筋力アップ
そんな意識で体幹部の筋肉が有効に活用することができます。
私の場合にはお腹を凹ませるイメージが一番手っ取り早いです。そして陸上での過ごし方も出来るだけお腹を凹ませる意識で体幹部の筋肉を鍛えています。
3-2. ゆったりと優雅に楽しいクロール
理想的なクロールのスタイルはスピード感のあるクロールである必要はありません。
それにこんな優雅なクロールで泳ぐ人がお爺さんだなんて素晴らしいと思います。
まさにそんな優越感に浸って私は泳いでいます。どうぞこの記事を読まれた皆さんが身につけて欲しいと思います。
そしてそのクロール実現のために下半身が沈まないようにすることです。
逆にいうとこのゆったりクロールが下半身が沈まなくなる練習メニューであることを伝えたいと思います。
4. まとめ
クロールの悩みで一番多いのが下半身が沈むことだと思いますがこの解決に向けた対処法について誰もがある程度想定はできるのですが、なかなか解決できない現実があります。
その点に着目してこの記事はまとめました。
下半身が沈む原因と検証、そしてその解消のための基本練習を4つご紹介しました。きっとお役に立てたことと自信を持っています。
私は水泳は苦しいものではなく楽しいものでなくてはならないというのが持論です。 でもプールで練習している人の多くは本当に苦しそうです。それは苦しくなる前に止まりましょう。そしてその後壁までは無理をせずに歩きましょう。 そしてまた息が戻ったらまた泳ぎましょう。 水泳を遊び感覚でやる!これが上達の最大のコツです。そして技術的には下半身を沈ませないように泳ぐことが最大のコツです。 下半身を自分の意識で浮かせてみましょう。
そして少しずつクロールで泳げる距離を伸ばしていけば1年後1000m、30分と休憩せずに泳げる泳力が身につくことでしょう。
そのためにも25mの壁はターンする場所、休憩する処にあらず!休憩は歩いて休息!
これらをモットーに今日も頑張って泳ぎにいきましょう。
ということでこの記事は以上とさせていただきます。最後までありがとうございました。
なお以下の記事はクロールのセオリーをまとめた記事ですのでご一読いただけたら嬉しいです。
初稿:2020年7月24日
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。