水泳を始めて、クロールである程度の距離を泳げるようになると、今まで行っていたタッチターンからクイックターンへの展開が必要となってきます。
でもこのクイックターンがなかなか思うように行かず、困っている人も多いと思います。
クイックターンは背泳ぎでも基本同じ方法です。一日も早く競技会で実践できるようにタッチターンから果敢にクイックターンにトライして新しい練習の展開をスタートさせましょう。
そしてまた、初心者においても、クイックターンの取り組みは泳ぐだけの単調な練習にインパクトを与え、水泳がとても楽しくなって来るに違いありません。さあ、クイックターンをして優雅に泳ぎましょう・・・!
1. 水泳クイックターンの手順と練習方法
クイックターンは水泳競技種目、自由形(クロール)で行われる素早いターンの方法です。
タッチターンに比べターンに要する時間が短縮できるテクニックです。
タッチターンでは手で壁にタッチをして方向転換をし、さらに壁を蹴って泳ぎ出さなければなりませんが、クイックターンは壁にタッチするのは蹴る足だけですからタイム差は歴然としています。
1-1. 具体的な手順
このクイックターンの手順を説明するためにはまず、このターンの方法をしっかりとイメージに焼き付けておく必要があります。このイメージを育てるために有効な動画を以下に示しますのでご覧いただきイメージトレーニングをして欲しいと思います。
クイックターンは方法転換をすると同時にとんぼ返りした仰向け姿勢をうつ伏せ姿勢にひねる動作を同時にやらなければなりません。言い換えれば半回転半ひねりのターンということになります。
クイックターンの手順は以下のとおりとなりますので、動画を参考にご覧ください。
・ターン前、最後の一かきで気をつけの姿勢をとる
・顎を引く動作と両手で水を押し上げる動作で素早い回転をする
・回転後半上体は水平を維持
・壁を蹴り素早く水中姿勢をとる
・バタ足・ドルフィンキックで加速して浮き上がる
1-2. 初心者向けの練習方法
初心者のためのクイックターン練習方法方法を次の動画で紹介します。
いかがでしたでしょうか!練習のポイント、そしてそのコツを解説していきます。
1-2-1. 素早い回転
プールを歩きながらタイミングをとって水中でのとんぼ返りをやってみましょう。
二、三歩反動をつけ床を蹴って水中姿勢をとります。クロールの左右一回ずつストロークを行い気を付けの姿勢となります。
うまく回転でき立ち上がれたら、またこの回転を繰り返すという練習を行いましょう。
1-2-2. 仰向けのまま壁を蹴る
素早い回転ができるようになれば次の段階に入りましょう。
ターン前5メートル位置から床を蹴り水中姿勢、クロールの左右1回のストローク後気を付けの姿勢で丁度良いクイックターンのタイミングとなると思います。
壁を蹴った後身体をひねりながらうつ伏せで浮き上がります。
1-2-3. 少しひねって壁を蹴る
次にターン前クロールの左右それぞれ2ストロークできるくらいの距離をとってスタートしてクイックターンをやってみましょう。
先ほどよりもスピードがありますからスピードを回転に生かすイメージです。
1-2-4. 壁を蹴る初速度を失速させない
浮き上がりにはドルフィンキックやバタ足を強く打って加速して浮き上がりましょう。
2. 初心者のポイント

今までところはクロールでかなりの距離を泳げ、タッチターンをしていた人を対象に解説をしてきましたがここでは子供さんや全くの初心者がクイックターンをする場合のポイントを述べておきたいと思います。
・目を決して閉じない
・慌てない
プールで初めてとんぼ返りをするとにはコースロープを持ってクルッと回ってみましょう。子供さんの場合には父兄さんが補助して回してやってください。
でも以下の点について気を付けましょう。
2-1. 呼吸を止めない
子供さんや初心者が水中でとんぼ返りをするのは初めての経験ですから、大きな恐怖感が伴います。コースロープを持って回転するとか、補助者がそばにいて回転させてあげるなどの配慮が必要です。
2-2. 目を閉じない
ゴーグルをしていても恐怖心から目を閉じてしまいます。目を閉じれば方向感がなくなり危険であると同時に何をしているか分からなくなってしまいますので
2-3. 慌てない
そして慌てないことです。
そしてなれてくれば1章で解説したような二三歩歩いてとんぼ返りをする練習につなげていけばスムーズにクイックターンを会得できるでしょう。
3. より上手なクイックターンのコツ

クイックターンの手順と練習方法について、ここまで解説をしてきましたが何と言ってもターンに要する時間を少しでも短縮して失速することなく上手にターンを完了したい所です。どうすればより上手にできるか述べていきたいと思います。
・小さく素早い回転
・加速して浮き上がる
3-1. 失速することなくターンに入る
ターン前ではターンに対する一抹の不安からどうしてもスピードが遅くなります。練習を重ねてターン前では逆にスピードを上げてターンに入るくらいの心構えていて欲しいと思います。
レースで差が出るのはスタートとターンと言われるほどターンは重要です。
そのためにはターンに入る位置を身体で覚えておくことが大切です。泳いでいる間にいかにピッチやストロークに変化があろうとターンタイミングがぴったり合うように練習するのがベストですがそう上手くいきません。
バタ足からのターン回転に入るのは無理があります。最後のキックは軽いドルフィンキックを打って回転に入りましょう。
3-2. 小さく素早い回転
それからターン回転は小さく素早くがポイントです。膝や太ももを大きく水面上に出してターンをしている人を見かけますが出来るだけ小さく流れるようにスムーズなターンを心がけましょう。
これも個人差があると思います。ご自身の一番タイミングがあう方法を見つけることが大切です。ご自身のイメージにあうコツが見出せると思います。
3-3. 加速して浮き上がる
一般的に浮き上がりはドルフィンキックを使います。そして潜水距離は15mとルールで定められているので浮き上がりには気を付けましょう。
ここで加速して浮き上がる練習を紹介すると、それは壁なしクイックターンです。

4. まとめ
自由形の競技を見ていると、ターンは素早くて目にも止まらない感じです。そして水中カメラで捉えたクイックターンのシーンは本当に美しく見事にターンしている光景を目にします。
クイックターンやタッチターンと比べて疲労度が高く練習時間中全てのターンをクイックターンで行うのは難しいとは思いますが、早くこのクイックターンに慣れて欲しいと思います。
クイックターンのコツをまとめておきましょう。
・ターンに入る距離感とスピード
・素早いターンは姿勢と両手の動きで回転加速をあげる
・浮き上がりはドルフィンキックで加速
クイックターンが苦しいというのはまだまだ練習不足と言わざるを得ません。泳いでいる状態とクイックターンが一体となってこそクイックターンの完成形だと思います。
この記事ではこのクイックターンの練習方法やコツについて詳しく解説をいたしました。どうぞこれからの練習に生かして欲しいと思います。
そしてここで知ったコツを生かして背泳ぎのクイックターンや個人メドレー背泳ぎから平泳ぎへのバケットターンに生かして行って欲しいと思います。
これでこの記事は以上とさせていただきます。最後までお付き合いをいただき心から感謝しています。
なお以下の記事も興味深い内容となっていますのでご一読いただければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。