水泳競技が行われるオリンピック会場!過去はそして東京は?

今年の水泳日本選手権も済み、夏に韓国光州で開催される世界選手権への派遣選手も内定し、いよいよ東京五輪に向けた動きが選手はもとより政府自治体を含めた活動も活気を帯びて来ているように感じます。

さて東京オリンピック組織委員会では水泳競技のうち競泳、アーティスティックスイミング、飛び込み競技は新設会場として東京アクアティクスセンターの建設が急ピッチで進んでいます。

この記事ではオリンピック会場の一つである水泳競技場についての情報をまとめました。

数々の歴史を刻んできた現在日本水泳界のメッカ辰巳国際水泳場との関連、東京アクアティクスセンター会場建設の動向について詳しく述べていきたいと思います。


1 オリンピック水泳競技会場の建設の経緯

東京都江東区辰巳の辰巳の森海浜公園に建設中のプール、2020年東京オリンピックの水泳(競泳)と飛び込み、アーティスティックスイミングそして同年東京パラリンピックの水泳競技の会場として使用される「東京アクアティクスセンターが現在建設中ですが、数々のドラマを残してきた辰巳国際水泳場と隣接する形となっています。

同じ日本水泳のメッカである辰巳の森に二つの水泳競技場ができることになった経緯について述べていきます。

東京辰巳国際水泳場

東京辰巳国際水泳場は1993年8月にオープン(起工1990年12月)し過去日本選手権水泳競技大会、FINA競泳ワールドカップ東京大会など数々の大会で素晴らしいドラマと記録を生んだ日本の水泳界のメッカ的存在の競技会場です。

メインプールは50m×25mの10レーン(公認8レーン)可動床を採用しているために水深を1.4mから3mまで変えられ、メインプールを仕切って短水路(25m)の公認プールとしても活用が可能で地域の大会やジュニアからシニアのマスターズ水泳大会にも活用されてきました。

客席は5035席(固定3635席)となっています。

サブプールは(50m×15mの7レーン)競泳のみで使用され地下に面していまず。

さらにダイビングプールは25m×25m×水深5mの国際公認プールで飛び込み競技やアーティスティックスイミングに使用されています。

主な出来事としては2008年のジャパンオープン男子200m平泳ぎで北島康介選手が世界新記録を樹立、第4レーンのスタート台前には「世界記録達成記念コース」とプレートが設置されています。

また2017年の第10回東京都選手権水泳大会(北島康介杯2017)の男子200m平泳ぎで渡辺一平選手が2分6秒67の世界新記録を樹立し北島選手同様にプレートが設置されています。

一方2011年東日本大震災ではメインプールの水深調節可動床が故障するなどの影響をうけ、使用不能になるなど、施設共用から18年が経過し、施設の老朽化がいたるところで散見されるようになっています。

なぜ辰巳国際水泳場はオリンピック水泳競技会場にならなかったのか

東京オリンピックの水泳競技会場が辰巳国際水泳場ではなく新設に至ったのは老朽化もさることながら、客席が全く足りない状況を克服できなかったためなのです。

現状の辰巳国際水泳場の客席の固定席は3635席でオリンピック開催には15000席は必要であることから現状ではオリンピック開催競技場としては不可能という結論にいたりました。

もちろん観客席拡大などを含む大規模改修工事も検討されたようですが、現在の辰巳水泳場は運河に隣接する構造になっているため、客席はプールの片側だけとなっており、運河側はガラス張りとなっています。

解放感のあるデザインで親しまれてはいますが、それは国内競技に限定されていると言わざるを得ません。

したがって大規模観客席増設改修工事は断念することとなり新たに東京オリンピック水泳競技会場建設の運びとなりました。

東京アクアティクスセンター後利用の主なレガシー

1主なレガシー

日本水泳の中心となる世界最高水準の水泳場

・選手たちの競い合いと通じて、世界を目指すアスリートを育成

・オリンピック・パラリンピックや国際大会を契機に水泳の裾野拡大と次世代のアスリート候補を育成

2後利用の視点

・アスリートファースト

日本・東京のアスリートの晴れの舞台とし、競技力の向上を図っていきます。

目標:年間100大会開催(国際・国内大会、ジュニア大会等)

・都民ファースト

都民のための水泳場という機能も併せ持つ施設とし、子供から高齢者まで、スポーツや健康増進に取り組むことができる場としていきます。

東京都オリンピック・パラリンピック準備局平成29年4月発表資料

2 建設工事の進捗

東京アクアティクスセンター、屋根リフトアップ映像 東京都公式動画チャンネル引用

東京アクアティクスセンター建設工事は順調に進捗しているようで、大屋根のリフトアップ工事が公開されています。

それによると屋根のサイズ130m×160m、面積約2万㎡、重さ約7000トン、最高高さ37mの屋根をリフトアップ工法で約20mずつ(5/9,7/4,7/24)で釣り上げたそうです。

このリフトアップ工法により工期短縮と経費節減と安全性が図られたそうです。

現在、プール、観客席、各種内外の工事や塗装工事が行われており、2020年2月完成予定で工事が進められています。

3 新しい水泳競技会場の特徴

新しい水泳競技会場となる東京アクアティクスセンターの公表されているイメージ写真は次のとおりです。

外観イメージ

会場イメージ

施設の内容

・国際・国内競技大会会場

メインプール(50m×25m)、サブプール(50m×25m)、飛び込みプール(25m×25m)

客席は5000席を確保(五輪大会後約15000席を減築予定)

大会開催時において柔軟な施設利用が可能となる諸室

・都民が利用できる施設配慮

サブプールを使用しない競技会など都民がサブプールで利用できるよう配慮

更衣室等の充実、障碍者対応の個室スペースの確保

メインプール、サブプールの可動床、可動壁の設置により水深の変更、短水路(25m×25m)への変更随時などが可能で子供から高齢者まで安心した利用が可能

環境への配慮

新しい水泳競技会場のアクアティクスセンターは環境への配慮が大きな特徴です。

まずは再生可能エネルギー、省エネルギー技術の導入が図られています。

例えば省エネやヒートアイランド現象の緩和に地中熱利用ヒートポンプ(600kW)国内最大級のものを大規模に導入されています。

また太陽熱、コジェネレーションからの排熱などは熱は熱で効率的に利用されます。

空調方式

プールサイド、観客席の空調については省エネを考慮し、空間全体ではなく人がいるエリアのみを対象とした部分空調設備となっています。

また観客席等はプールからの湿気を防ぎ快適性を確保するため、除湿を実施できるように設計されています。

プールろ過設備

プールのろ過設備はろ過制度が高く、逆洗排水量が少ない環境に優れた珪藻土ろ過システムを採用して、次亜塩素酸による消毒と合わせプール特有の塩素臭を抑える紫外線殺菌装置を採用し、残留塩素の低下に配慮がなされています。

オリンピック後の利用方法

先に述べた後利用のレガシーに従って以下のような利用方法が計画されています。

この後利用については都民ならずとも大きな関心があるところです。

・国際・国内競技大会の会場

現在東京辰巳国際水泳場で開催されている国内外の主要大会の会場とするとともにアスリートの強化・育成の場として活用されます。FINA関連の世界大会やパンパシフィックなどの誘致にも力を入れてもらって、数多くの世界大会が開催されて世界のトップアスリートの泳ぎを目にしたいものです。

また国内競技では日本選手権や私のようなシニアでも参加できる全日本マスターズ水泳大会が開催されて、私自身も是非新しいオリンピックプールでの競技大会へのエントリーを楽しみにしています。

・都民が利用できる水泳場

都民のための水泳場という機能を併せ持つ施設として競技会と都民利用の共存を図るよう配慮され、子供から高齢者まで安心して利用できるプールとして活用されます。

私たち地方都市住民にはまことにうらやましい限りの施設環境ではありますが、東京都民や区民の親しまれる水泳場として活用が図れるように希望しているところです。

・様々なスポーツ利用

水泳以外のウオータースポーツの振興も視野に様々なスポーツ利用も検討されています。

・多目的な施設利用

オリンピック開催中大会運営に必要な各種諸室を多目的に利用が可能になるようにトレーニング・ジムやスタジオを設置するなどの利用が検討されています。

・都民の憩いの場

適切な場所にはカフェテリアやレストランなどを設置するほか、海上公園内の他の施設との一体感や関連性を持たせて総合的な公園利用者のための憩いの場を創出できるように検討がなされています。

その他関連事項

競泳、飛び込み、アーティスティックスイミングの会場となる東京アクアティクスセンターが辰巳の森海浜公園に建設されますが、水球(ウオーターポロ)の専用会場となる「ウオーターポロアリーナ」も同じ辰巳の森海浜公園内に建設されます。この会場はオリンピック終了後は取り壊されて公園に戻すと発表されています。

また東京アクアティクスセンターもオリンピック終了後は客席を5000席程度に減らして維持費軽減をはかると伝えられています。

なお辰巳国際水泳場についてはオリンピック開催中は練習用プールとしてまたオリンピック終了後は未定とされていますが、廃止も視野に検討がなされるとの発言もあるようです。

4 過去のオリンピック水泳競技会場について

以上2020年東京オリンピックの水泳競技会場について述べてきましたが、過去のオリンピック水泳会場についてまとめておきたいと思います。

2016年リオデジャネイロオリンピック水泳競技会場

2016年8月6日から8月16日までリオデジャネイロ市のバッハオリンピック公園内にある水泳競技会場(エスタジオ・アクアティコ・オリンピコ)で開催されました。

日本選手の成績は以下のとおりです。

金メダル:400個人メドレー萩野公介、200平泳ぎ金藤理絵

銀メダル:200バタフライ坂井聖人、200個人メドレー萩野公介

銅メダル:400個人メドレー瀬戸大也、200バタフライ星奈津美

4×200リレー(萩野公介、江原騎士、小堀勇氣、松田丈志)

2012年ロンドンオリンピック水泳競技会場

2012年7月28日から8月4日までオリンピックパーク南東に位置するアクアティクス・センターで開催されました。

日本選手の成績は以下のとおりです。

銀メダル:200背泳ぎ入江陵介、200平泳ぎ鈴木聡美、4×100メドレーリレー(入江陵介、北島康介、松田丈志、藤井拓郎)

銅メダル:100背泳ぎ入江陵介、200平泳ぎ立石諒、200バタフライ松田丈志、400個人メドレー萩野公介、100背泳ぎ寺川綾、100平泳ぎ鈴木里美、200バタフライ星奈津美、4×100メドレーリレー(寺川綾、鈴木里美、加藤ゆか、上田春佳)

2008年北京オリンピック水泳競技会場

2008年8月9日から8月21日まで順義オリンピック水上公園に位置する北京国家水泳センターで開催されました。

日本選手の成績は以下のとおりです。

金メダル:100平泳ぎ北島康介、200平泳ぎ北島康介

銅メダル:200バタフライ松田丈志、200背泳ぎ中村礼子、4×100メドレーリレー(宮下純一、北島康介、藤井拓郎、佐藤久佳)

5 まとめ

東京オリンピック水泳競技はオリンピック開幕の翌日2020年7月25日~8月2日の9日間と発表されています。

順調に建設工事が進んでいる東京アクアティクスセンターの完成が待ち遠しいところです。そしてまた東京オリンピックの水泳競技会場においても様々なドラマが展開され数多くの記録が生まれると期待しています。

水泳競技会場は過去のオリンピックをみても沢山の観客を抱える大規模なアリーナで開催されていますので今回の東京においても新設されるのはやむを得ないところだっと思います。

その建設に至る経緯、そして現在の進捗状況などについて発表されている情報をまとめました。

日本の建設技術の最先端を駆使し、環境配慮型の巨大プールでの日本選手の活躍に期待し、併せて世界各国各地域のアスリートの熱いレースを期待したいと思います。

最後までお付き合いいただき心から感謝しています。ありがとうございます。

 

なお、水泳に関して次の記事も興味深いと思いますので是非ご一読ください。

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