2020水泳競技オリンピック代表選考の行方と東京五輪への期待

いよいよ2020東京オリンピック、パラリンピックが迫ってきました。水泳競技においては日本代表のメダルラッシュによる「水泳日本」の期待も膨らんでおります。

水泳、オリンピック日本代表選考基準を突破して切符を手にする代表選手の行方はそして東京オリンピックまでの選考会について現在における各種目ごとの世界記録・日本記録のデータをまとめました。

さらにこれまでのオリンピック代表選手の偉業の数々についてそして今後の注目ポイントも併せてまとめてみました。

水泳歴60年の筆者にとりましても、2020東京オリンピックは心躍る最高のエンターテイメント、読者の皆様とともに感動を共有していきたいと思います。


東京五輪水泳競技日本代表への切符

日本代表選考大会として発表されているのは、2019年7月韓国(光州)での第18回FINA世界選手権と、2020年4月の第96回日本選手権とされています。

詳しい情報は発表されていませんが、日本代表への道はまず、2019年4月の第95回日本選手権で世界選手権への切符を手にすることが第一ステップとなります。

そして、光州世界選手権で金メダルを手にすることで東京オリンピック日本代表が内定と言えます。その上で最終的な選考委員会において決定されるでしょう。

しかし2019年7月の世界選手権への切符は同年4月の日本選手権において派遣標準記録Ⅰ・Ⅱ突破、かつ2位以内に入ることさらに50m背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライでは派遣標準記録Ⅰ突破者と発表されています。

2019年度、日本水泳連盟発表の派遣標準記録は以下の表に記載してありますが、併せて世界記録と日本記録を記載しましたので参考にして欲しいのですが、派遣標準記録のレベルの高さを思い知らされます。即ち日本の水泳競技のレベルの高さがうかがい知れます。

世界新記録、日本新記録、国際大会派遣標準(2019)

 派遣標準Ⅰ  派遣標準Ⅱ  世界新記録  日本新記録
 男子
自由形      50m      00:21.44      00:21.71 00:20.91(2009)セザル・シェロ(ブラジル) 00:21.67(2018)塩浦慎理
自由形    100      00:47.88      00:48.11 00:46.91(2009)セザル・シェロ(ブラジル) 00:47.87(2018)中村克
自由形    200      01:45.23      01:45.75 01:42.00(2009)パウル・デルマン(ドイツ) 01:45.23(2014)萩野公介
自由形    400      03:43.75      03:45.89 03:40.07(2009)パウル・デルマン(ドイツ) 03:43.90(2014)萩野公介
自由形    800      07:45.39      07:50.28 07:32.12(2009)孫楊(中国) 07:49.65(2009)松田丈志
自由形  1500      14:48.60      14:54.07 14:31.02(2012)孫楊(中国) 14:54.80(2014)山本耕平
平泳ぎ      50      00:26.85      00:27.14 00:25.95(2017)アダム・ピーティー(イギリス) 00:26.94(2018)小関也朱篤
平泳ぎ    100      00:58.96      00:59.38 00:57.10(2018)アダム・ピーティー(イギリス) 00:58.78(2018)小関也朱篤
平泳ぎ    200      02:07.47      02:08.93 02:06.67(2017)渡辺一平 02:06.67(2017)渡辺一平
背泳ぎ       50      00:24.56      00:24.74 00:24.04(2009)リアム・コンタック(イギリス) 00:24.24(2009)古賀淳也
背泳ぎ     100      00:52.78      00:53.36 00:51.85(2016)ライアン・マーフィー(アメリカ) 00:52.24(2009)入江陵介
背泳ぎ     200      01:54.73      01:56.27 01:51.92(2009)アーロン・ピアソル(アメリカ) 01:52.51(2009)入江陵介
バタフライ  50      00:23.00      00:23.24 00:22.27(2018)アンドリー・ゴボロフ(ウクライナ 00:23.27(2018)井田憲吾
バタフライ  100      00:50.96      00:51.47 00:49.82(2009)マイケル・フェルプス(アメリカ) 00:51.00(2009)河本耕平
バタフライ  200      01:54.47      01:55.55 01.51.51(2009)マイケル・フェルプス 01:52.97(2008)松田丈志
個人メドレー200      01:56.82      01:57.98 01:54.00(2011)ライアン・ロクテ 01:55.07(2016)荻野公介
個人メドレー400      04:10.49      04:13.09 04:03.84(2008)マイケル・フェルプス 04:06.05(2016)萩野公介
 女子
自由形      50m      00:24.12      00:24.54 00:23.67(2017)サラ・ショーストレム(スエーデン 00:24.21(2018)池江璃花子
自由形   100      00:52.70      00:53.65 00:51.03(2017)サラ・ショーストレム(スエーデン 00:53.03(2018)池江璃花子
自由形   200      01:55.25      01:56.26 01:52.98(2009)フェデリカ・ペレグリア(イタリア 01:54.85(2018)池江璃花子
自由形   400      04:03.40      04:05.49 03:56.46(2016)ケイテイ・レデッキー(アメリカ) 04:05.19(2007)柴田亜衣
自由形   800      08:18.55      08:25.22 08:04.79(2016)ケイテイ・レデッキー(アメリカ) 08:23.68(2004)山田沙知子
自由形 1500      15:57.15      16:06.82 15:20.48(2018)ケイテイ・レデッキー(アメリカ) 15:58.55(2007)柴田亜衣
平泳ぎ    50      00:30.30      00:30.64 00:29.40(2017)リリー・キング(アメリカ) 00:30.64(2018)鈴木聡美
平泳ぎ  100      01:0619      01:06.48 01:04.13(2017)リリー・キング(アメリカ) 01:05.88(2014)渡辺香生子
平泳ぎ  200      02:21.83      02:23.33 02:19.11(2013)リッケ・ぺデルセン(デンマーク 02:19.65(2016)金藤理絵
背泳ぎ    50      00:27.51      00:27.81 00:26.98(2018)劉湘(中国) 00:27.51(2013)寺川綾
背泳ぎ  100      00:58.77      00:59.68 00:58.10(2017)カイリー・マス(カナダ) 00:58.70(2013)寺川綾
背泳ぎ  200      02:07.15      02:08.76 02:04.06(2012)メリッサ・フランクリン(アメリカ 02:07.13(2008)中村礼子
バタフライ 50      00:25.48      00:25.77 00:24.43(2014)サラ・ショーストレム 00:25.11(2018)池江璃花子
バタフライ 100      00:56.61      00:57.45 00:55.48(2016)サラ・ショーストレム 00:56.08(2018)池江璃花子
バタフライ 200      02:06.51      02:07.49 02:01.81(2009)劉子歌(中国) 02:04.69(2012)星奈津美
個人メドレー 200      02:08.94      02:10.97 02:06.12(2015)ホッスー・カティンか(ハンガリー 02:07.91(2017)大橋悠依
個人メドレー400      04:32.52      04.36.35 04:26.36(2016)ホッスー・カティンか(ハンガリー 04:30.82(2018)大橋悠依

参考:派遣標準は世界ランキングを元に、派遣標準記録Ⅰは8位以内相当、派遣標準記録Ⅱは16位相当を基準に設定されています。

2019年4月第95回日本選手権の結果

上記の表に細かなデータ表を記載しましたが、派遣標準記録Ⅰが世界ランキング8位以内相当の記録であることからすれば各種目ごとに日本記録のほとんどが派遣標準を突破しており、入賞はもとよりメダルの可能性が高いと言えます。

そのオリンピック日本代表選考のスタートを切る2019年4月2日から8日までの日本選手権の結果を受けては韓国光州でも世界選手権日本代表17名が内定されました。

その内容は各種目で決勝で派遣標準を突破しかつ2位以内で内定を得た10名

そしてリレー種目のリレー派遣標準(1人平均)を突破した7名の選手が内定しました。

また5月30日から6月2日に東京辰巳国際水泳場で開催されるジャパンオープンにおいて追加代表が先行され最終的な光州世界選手権代表が決定されます。

今後のジャパンオープン、そして世界選手権での日本代表の活躍に期待してオリンピック代表に向けた熱い戦いに注目していきたいと思います。

第18回韓国光州世界選手権・日本代表内定者

男子

自由形 

中村  克(イトマン東進)400フリーR

塩浦 慎理(イトマン東進)400フリーR

松本 克央(セントラルスポーツ)200自由型、400フリーR

背泳ぎ 

入江 陵介(イトマン東進)200背泳ぎ、メドレーR(100背)

砂間 敬太(イトマン東進)200背泳ぎ

平泳ぎ 

小関也朱篤(ミキハウス)メドレーR(100平)

渡辺 一平(TOYOTA) 200平

小日向一輝(セントラルスポーツ)200平

バタフライ 

水沼 尚輝(新潟医療福祉大職員)100バタフライ

瀬戸 大也(ANA)200バタフライ

個人メドレー

瀬戸 大也 200m、400m

女子

自由形 

白井 璃緒(東洋大学)800フリーR

五十嵐千尋(テイクアンドギヴ・ニーズ)800フリーR

背泳ぎ 

酒井 夏海(スウィン美園)メドレーR(100背)

バタフライ 

牧野 紘子(早稲田大)メドレーR(100バタフライ)

長谷川涼香(日本大)200バタフライ

個人メドレー

大橋 悠依(イトマン東進)200m、400m

大本 里佳(中央大学)200m

近年におけるオリンピック代表選手の偉業

オリンピック代表への厳しい道のり、そして代表選手が背にする荷の重さを痛感するところですがまず代表となりえる強運がものをいうのではないでしょうか。

その強運とは日々のたゆまぬ精進はもちろんの事、天性の素質、さらには強靭なメンタルなどあらゆる才能を鍛えあげた上に幸運の女神が降り注ぐものであり、代表選手に選ばれし者の頑張りこそ偉業と言えます。

そしてオリンピックという4年に一度のイベントである特殊性を考えれば、その4年スパンに照準を合わせるというのは至難の業と言わざるを得ません。

水泳の日本代表として名をはせた北島康介選手は2000年のシドニーオリンピック、2004年のアテネオリンピック、2008年北京オリンピックの3大会において日本代表として活躍をしています。

北島選手はアテネ、北京のオリンピック2大会で100m・200m平泳ぎで2連覇の偉業を成し遂げています。このオリンピック2大会2種目連覇は日本史上初となっています。

そして、現役の水泳選手でオリンピック代表経験者の入江陵介選手は2008年北京オリンピックで背泳ぎで5位入賞を皮切りに2012年ロンドンオリンピックで100m背泳ぎで銅、200m背泳ぎで銀、2016年リオオリンピック出場、メダル獲得には至らなかったものの、2020東京オリンピックの日本代表を狙いオリンピック4大会出場の偉業をなそうとしています

またアメリカ水泳界のエースに君臨していたマイケル・フェルプスに匹敵するマルチな「和製フェルプス」とも評される萩野公介選手、瀬戸大也選手の登場により代表選手の層の厚さも東京オリンピックの見どころの一つと期待されています。

特に萩野公介選手はロンドン、リオと2大会の代表に選ばれておりロンドンでは400m個人メドレーで銅、リオの400m個人メドレーのゴールドメダリストです。

こうしたオリンピックという特別なイベントにおいて複数回代表に選ばれるということは先に述べた厳しい派遣標準記録を毎回突破し、常に世界のトップスイマーであることが要求される訳で、まさに超人と言わざるを得ません。

代表選手個人のモチベーションはもちろん、たゆまぬ努力と健康管理そして代表を支える環境、スタッフ全ての条件がそろっていなければなりません。そして代表を勝ち取った勝負強さと成功体験がオリンピックの晴れ舞台でその力の集大成を見せてもらいたいものです。

では前回2016年リオ・オリンピック水泳日本代表のメダリストを記すと、

金メダル 男子400m個人メドレー:萩野公介

     女子200m平泳ぎ:金藤理絵

銀メダル 男子200mバタフライ:坂井聖人

     男子200m個人メドレー:萩野公介

銅メダル 男子400m個人メドレー:瀬戸大也

     男子4×200リレー:萩野公介、江原騎士、小堀勇氣、松田丈志

     女子200mバタフライ:星奈津美

まとめ

東京オリンピックで水泳競技に期待が高まってきますが、水泳を日々練習しているスイマーにとってオリンピックという舞台は最高の学びの場です。この機会に録画して代表選手の泳ぎのイメージを徹底的に焼き付けたいところです。

そして出来うるならば会場に出向き、オリンピックの歓声と熱気、そして各国代表選手の闘志あふれる熱い泳ぎに注目したいものです。

さて、私を含めて年齢を重ねつも日々より上手により早くと願いトレーニングに励んでいるわけですが、どうすれば早く泳げるのか、世界の各国代表選手の泳ぎ、特に決勝レースの泳ぎをこの目に焼き付けたいと思います。

スタート技術、水中姿勢と浮き上がりのタイミング、ストロークのリズムとタイミング、ターン技術など見るべきところが多々あります。

各代表選手の活躍にエールを送るのはもちろんのこと、東京オリンピック開催までの代表選考の行方などにも目を向けて我が水泳人生のためにも学び多き大会に出来るように注目していきたいと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

なお、水泳関連記事については下記の記事も興味深い内容となっていますのでご一読いただければ幸いです。

参考:水泳は大人にとって「泳げない」「上達しない」は口に出せない悩

参考:スイミングの効果を大人目線で捉えたらスポーツを超えるかも

参考:スイミングで子供の運動神経が発達する陰に恐るべき秘密が

 

初稿:2019年3月23日