水泳をするとすぐに疲れるという人がいらっしゃると思いますがそれは当然であり、仕方なのないことです。
別段、気になさることはありません。水泳は呼吸が自由にできませんからすぐに疲れて当然なのです。
日常生活では歩くのが生活習慣の基本ですよね。ですから歩いたり、走ったりはさほど苦にはなりません。
でも生活習慣が変化して全く歩かなかったら、やはり歩くことさえすぐ疲れるはずです。
水泳は非日常習慣であり、泳ぐという日常を過ごしていません。
水泳経験の浅いビギナーさん、そして水泳から少し遠ざかっていた人にはすぐ疲れて当然なのです。
目次
1.【水泳ですぐ疲れる】その泳ぎ方を検証
筆者の私に言わせればすぐ疲れる泳ぎ方は平泳ぎですね。そして疲れない泳ぎ方はクロール!です。
疲れない順番で行けば、クロール、バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎでですね。
でもこの順はリラックスして泳いだ場合の順番です。
では懸命に泳いだ場合の疲れる順番といえばそうですね。順番は決められないですね。
速さの順位はあっても疲労度の順位は同じだと思います。私ならこんなふうに答えますね。
では具体的に見ていきましょう。
1-1. すぐに疲れる泳ぎ方
まずすぐに疲れる泳ぎ方ですが、私にとっては平泳ぎが本当に疲れます。
平泳ぎが専門種目であるにも関わらず平泳ぎはそれはそれは嫌いなのです。理由は疲れるからです。
では見ていきましょう。
1-1-1. 平泳ぎの場合
平泳ぎは呼吸がとても苦しいです。加えてターンの度に壁を蹴っての許されている一かき一蹴りさえも苦しいです。
100mの競技ではラストのターンでは一かき一蹴りを省略して浮き上がった方が早くペースの乗れるようにさえ感じるくらいです。
それは呼吸する時に気道がまっすぐにならず圧迫されるように感じます。
従って、できるだけ気道が真っすぐになるような姿勢を作り、呼吸するのが好ましいのですが、これが非常に難しいです。
そして呼吸時に胸で大きな水の抵抗を受けるために失速するくらいスピードが落ち、より辛くなるのだと思います。
1-1-2. ビギナーの場合
ビギナーの場合には平泳ぎは呼吸が楽であまり疲れないと思われているかもしれませんが、競技会で求められる平泳ぎはこれほどすぐに疲れる泳ぎ方なのです。
ビギナーが泳ぐ平泳ぎとは言ってみれば平泳ぎではなくカエル泳ぎと言った方がいいかも知れません。
それにクロールでもビギナーさんの場合にはともかくストローク数が極端に多いです。それは早く呼吸をしなければという意識が強く働くのだと思います。
その思い込みからどうしても回転数が上がり、無駄なストロークですぐに疲れます。
それにバタ足も必死に動かしているために疲れが倍増します。これが最大のすぐ疲れる原因なのです。
背泳ぎ、バタフライにいたっても同様にともかくストローク数が多すぎるのです。
1-2. 疲れない泳ぎ方
ではすぐに疲れない泳ぎ方について述べていきましょう。まずクロールからです。
1-2-1. クロール
まずクロールですが、クロールの場合、バタ足キックとストロークとの関係ですが、ビギナーさんの場合は6ビートが主体です。
要する右左1回ずつの1ストローク中にキックを6回(右3回、左3回)打っています。これは水泳の選手ではレースに相当するリズムです。
そしてキックの効果が薄いですから身体の疲労にみあう推進力につながらず、疲れる大きな要因なのです。
でもクロールの泳ぎ方はストロークとキックの関係を4ビート、2ビートを練習して疲れない泳ぎを覚えると良いと思います。
左手の時も同様です。脚は6ビートで動いていても実際の効果的なキックは2ビートになるキック方法です。
でもこの場合注意すべきことはキックによる浮力が低下します。その浮力低下を防ぐために体幹部の筋力を使って下半身を沈まないようにする意識が必要となります。
蹴伸びに関しての以下の記事が参考になると思います。
壁を蹴って得た推進力は最大限無駄にしない、ストロークで得た推進力も決して無駄にしない!
この意識が疲れないためのコツです。
1-2-2. 大きなストローク
それから、どんな泳ぎ方にも共通するのはストローク数をできるだけ少なく泳ぎ、疲れを防ぎます。
先ほども述べましたようにストロークが多ければそれだけ疲れます。
水泳の上手になり泳ぐ距離を伸ばす最大のコツは、最小限のストロークと水抵抗のない水中姿勢で最大限の推進力を維持する。
これが大切です。そしてこれをマスターするには、泳いだ経験値がものを言います。
こうした意識と工夫が距離を伸ばし、早く上手になり、疲れない泳ぎ方を会得できます。
1-2-3. 陸上での呼吸リズムに合わす
次に大切なことはあまりゆっくり過ぎても疲れるということです。
私などはクロールにしろ平泳ぎにしろゆっくり泳ぐとかえって疲れます。疲れない自分のペースとリズムというのがあります。
私のような高齢になっても、自分が楽なペースは普通の人にとってはかなりのハイペースだと思います。
それは呼吸のリズムにあります。
従ってリラックススイムでは歩く呼吸に合わせるようなストロークリズムになるように調整しています。
そして水中では全て吐き切る、顔をあげた瞬間に息を吸う、いや吸うというよりは自然に入ってくるといったイメージです。
水中で全ての息を吐けば自然に息が入ってくるのです。是非、この感覚を体験して欲しいと思います。
2. 疲れないコツ!(誰でもできる4つのトライ)
水泳ですぐ疲れるというのは当然であり、長年水泳をしてきた選手でも水泳離脱からの復帰は相当の時間がかかり、苦労するということなのです。
ではどうすればすぐ疲れる状況を打破できるのか?ですが、私の経験を参考までに後ほど紹介しますが、秘策はありません。
ただひたすら泳ぐ練習に頼るよりほか方法がありません。
でも次のような一工夫で素晴らしく水泳が上手になります。
さあ、頑張りましょう・・・
2-1. 練習の都度泳ぐ距離の伸ばす
週に2回でも3回での良いのですが、水泳の練習するたびに泳ぐ距離を伸ばしていきましょう。
ここで言うのは1日の泳いだトータル距離ではなく、1回の水泳距離を少しずつ伸ばしていくことが大切です。
そうすれば結果として一日の泳いだトータル練習距離が伸びていきますがモチベーションはあくまで1回の泳ぐ距離が大切です。
今日は25m、次の日は50mそして100m、200mと伸ばしていければ最高ですが、そううまくは行きません。
2-2. 疲れて苦しくなる前に立ち止まる
25mで壁があってビギナーさんは決まってそこで「やれやれ」と休憩をします。
よく観察すると、20mくらいで限界でも必死で25mを泳いで顔はもう真っ赤、ひどい人には青ざめていらっしゃいます。
これでは身体を痛めるばかりでよくありません。
最初のうちはプールのハーフラインを通過する頃に疲れてしまって苦しくなると思います。
そしてウオーキングレーンに移動して呼吸が戻って楽になるまで歩きましょう。できるだけ立ち止まって休憩はしないようにしましょう。
そして元通りに戻ったらまた泳ぎ出します。
次はハーフラインを簡単に通過できると思います。そしてまた苦しくなる前に立ち止まりウオーキングです。
これを繰り返していくと不思議に泳げる距離が伸びていくのが実感できます。
25mにこだわって苦しさを我慢していては25mよりも長くは泳げません。
コツは苦しくなって立ち止まってもすぐに歩きだすことが最大のコツです。
これさえ守ればどうしようもなく苦しいと言った状況にはならず、少しずつ泳げる距離が伸びていき、伸びる喜びを感じられると思います。
2-3. ターンで休まない
先の方法で頑張れば、早い人なら1日目で25mを泳げるようになるかもしれません。問題は25mの壁にあります。
この25mのプールの壁は休憩することではありません。ターンする場所なのです。
25mで止まる必要のある人は仕方ありませんが、その場合でもすぐにウオーキングレーンに移動して歩きだしましょう。
25mの壁に来たらまずターンです。ターンの方法はどういう形でもかまいません。
おいおい練習されると思いますが詳しくは以下の記事をお読みいただければ参考になると思います。
プールの底に足をつかずに方向転換して壁を蹴り、泳ぎ出します。そして苦しくなる前に立ち止まり後は歩く!です。
たぶん、ターンして壁を蹴って浮き上がれば苦しくなって立ち止まると思います。でもこれを繰り返して行くうちに25mが35mと泳げるようになってきます。
このころになれば25mでは疲れないようになっているはずです。
ターンで必要なことはしっかりと壁を蹴って蹴伸び姿勢に入ることが重要なのですが、ターン練習や蹴伸び練習はまだまだ先で十分ですからしっかりと壁をけることを意識しましょう。
参考までに蹴伸びに関しては次の記事が参考になると思います。
2-4. 25mから50mに距離の伸ばす難易度
ビギナーのよくあるケースですが、25mは泳げても50mはなかなか泳げないといったケースです。
それは25mで休んでばかりいるからです。
そして今度は50mにトライしようとして25mで挫折します。
これではいけないとターン練習を始めターンばかり練習するのですが、25mからの距離は一向に伸びていかないといった状況が延々と続くのがよく見かける光景です。
これが距離を伸ばす最大のコツであり、すぐ疲れる状況を打破する決定打であることをこの記事で学んでほしいと思います。
したがって25mから50mに距離を伸ばすのは本当に難しいです。でもそれは当然です。
でも25mの次に目指すのは50mではありません。30mなのです。
30mといえばターンして浮き上がれば30mなのですから・・・!
25mを泳ぐのに2週間かかったとすれば50mに距離が伸びるのは4,5日の練習で十分に達成できると思いますよ。
25mのターンで休憩ばかりしていればなかなか疲れない泳ぎをマスターできません。
3. すぐ疲れて当然(筆者の経験から)
水泳をしてすぐ疲れる方に申し上げたいのですが、疲れずに水泳を30分以上も泳ぎ続けて楽しんでいらっしゃる方というのはそんなにはいないと思います。
私でも最近はあまり練習をしないバタフライや背泳ぎなどはどんなにゆっくり泳いでもすぐに疲れてしまいます。水泳は疲れて当然なのです。
私自身の過去の経験を参考にお話ししたいと思います。
3-1. 30代での水泳離脱(3か月)
30代で胃潰瘍治療で1ヶ月の入院をしたことがあります。この時は就職してからの親元を離れた生活と仕事の激務によるストレスから胃痛にたえてとうとう出血多量で意識を失う状況での入院だったので1ヶ月の治療期間がかかりました。
この時当然ながら水泳離脱という事態となりました。離脱期間は3ヶ月くらいあったでしょうか。
でも30代の若さですから、どうってことは無いだろうとタカをくくっていたのですが、クロールで25mがやっとでしたね。
すなわち「すぐ疲れる」という状況でした。
3-2. 50代での水泳離脱(1年間)
私は49歳の時に管理監督者となり長く勤めた現場の仕事から管理監督業務に代わり、50代の半ば以降は精神的疲労に悩まされ58歳の頃は一人マンションを借りてほぼ24時間仕事をする生活で、水泳から遠ざかること1年以上にも及ぶ不規則な生活を余儀なくされていた時期があります。
そして気が付けば早期胃がんの宣告を受けるという経験があります。実にその頃水泳とはまるで程遠い日常を過ごしていました。
胃ガン治療が済んで、また泳ぎ出したのですが、その頃の状況は「すぐ疲れる」といった状況を通り過ぎ25mのクロールすら泳げない状況でした。
3-3. インフルエンザによる水泳離脱(約1ヶ月)
次には風邪です。インフルエンザウイルスにやられると発熱があり治っても約1ヶ月ぐらいは泳げません。
そうなると治ってから再開する水泳にも大きな影響がでます。
ようするに「すぐ疲れる」のです。すぐ疲れる状況を打破するにはやはり相当の時間がかかります。
3-4. 水泳離脱からの復帰
私自身いろんなケースで水泳離脱の経験がありますが、もとどおりの泳いでいてもすぐには疲れないと平常に戻すに要する時間は年齢に比例して高齢になればなるほど時間がかかります。
若い頃は風邪をひいても休むのは1週間、1週間後には水泳の練習を再開できますが、60代になれば恐ろしくて風邪はひけません。
風邪をひきそうだなと思えばすぐに薬を服用してすぐに寝てしっかりと睡眠をとったり、食事もに気をつけたりとしっかりと対策をしているので最近は風邪は引きそうにはなるけれど、発熱の経験はありませんね。
ただひたすら、元通りの身体に少しでも近づけるように少しずつ泳ぐ距離時間を伸ばしていことしか方法はないのです。
私の専門種目は平泳ぎなのですが、復帰プログラムは平泳ぎで行えばいいのでしょうが、平泳ぎはとても苦しい泳ぎなので私の復帰プログラムはまず疲れにくいクロールで復帰させてその上で平泳ぎの練習に復帰した方が早くなります。
4. まとめ
以上水泳ですぐ疲れるといった悩みに答える趣旨でこの記事をまとめましたがいかがでしたでしょうか。
参考になる点があれば是非練習に組み入れて欲しいと思います。
結論を言いますと、すぐ疲れるのは普通で、特段気にする必要はありません。
万が一のケースを考えてコーチに相談しましょう。
われわれ一般の水泳愛好家が水泳を楽しむ意味ではすぐ疲れるのは当たり前です。
そして少しずつ距離を伸ばして楽しく練習していきましょう。
1ヶ月もすればぐんぐん距離が伸びて水泳がますます楽しくなると思います。
もし、貴方がクロールが泳げないという状況であれば、クロールをビート版を使ったバタ足と読み替えてこの記事を理解して欲しいと思います。
なにもクロールができなくてもビート版をつかってバタ足をするだけでも立派な水泳なのですから、そしてそのうちビート板が不要になりビート板を使わないグライドキックができ、自然とクロールに発展していきます。
一挙に高望みをして先を急ぐとすぐに疲れてしまいますからくれぐれも少しずつ頑張っていきましょう。
・まず、水泳は疲れるものだと理解する。
・苦しくなる前に立ち止まって速やかに水中歩行。
・再度泳ぎだすときは前より1mでも長く泳ぐよう努力する。
・25mでは休まず速やかにターンする。
・一番楽に泳げるフォームを追求する。
・呼吸のタイミングを陸上歩行ペースに合わす。
以上のとおりです。
いかがですか、この記事を読まれて、水泳を楽しく練習さなってください。
一朝一夕には結果は出ませんが、手ごたえはすぐに感じられ、ますます水泳が大好きになれると信じています。
ではこの記事は以上とさせていただきます。ありがとうございました。
なお、以下の記事も興味深い内容となっていますのでご一読いただければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。