子供さんを水泳スクールに通わせようと思っても、いろいろなプール独特の病気が心配で二の足を踏んでいらっしゃる親御さんも多いと思います。
事実、プール熱など感染性の心配もあります。
具体的には水泳による免疫力の向上、そして生活習慣の改善です。
幼い子供さんにはまだまだ免疫力が十分ではなく、ちょっとした体調の悪さから病気になるケースがよくあります。
だからと言って、そのような現在のような免疫力のまま成長するのもまた不安があるものです。
水泳は子供達の免疫力を向上させるのにとても効果があって、ケガなどのリスクも少ない運動系の習い事としてはいつもトップを維持しています。
1. 水泳と子供の病気
子供さんが水泳スクールに通っていて病気になると考えられるものについてみていきましょう。
1-1. 感染症
まず何と言っても水泳のシーズンにおける夏風邪と言われる感染症があります。
代表的で良く耳にするものにプール熱があります。風邪に似た症状の病気が心配です。
1-1-1. プール熱(咽頭結膜熱)
感染経路はプールでの飛沫感染、接触感染が一般的ですが、とても感染力が強いですから、プールに入っていなくてもタオルの共用などによって感染する可能性がありますので注意が必要です。
予防については有効なワクチンはありませんが、タオルなどの共用はやめ、うがい、プールから上がった時にはシャワーを浴び、目もしっかり洗いましょう。
1-1-2. 外耳炎
鼓膜から外側の外耳道における炎症です。細菌感染が原因となるのが一般的です。
原因は指や綿棒で触りすぎることで傷がつき炎症をおこすとされています。
症状は耳の痛みが特徴的です。耳を引っ張ったり食事中の咀嚼であごを動かす時にも痛みを伴います。
1-1-3. はやり目(流行性角結膜炎)
瞼の腫れや涙をともなった目のゴロゴロした傷みなどがあります。
痛みや痒みがあるからといって手で触れるのは感染を広げますので注意が必要です。
はやり目に対する特効薬がありませんので、抗炎症剤やステロイド系の点眼薬で症状を抑えます。
1-2. プールの消毒用塩素剤による病気
目の充血、目のゴロゴロ感など異物感、異常なまぶしさを感じるなどの症状をきたす場合があります。
原因は基準以上の異常値を示す塩素濃度であった場合などに起こることがあります。こんな時には速やかに水道水や点眼薬などで目を洗うことが大切です。
そしてプール管理者に残留塩素の濃度をチェックしてもらってください。
1-3. 水温など環境によって起こる病気
屋内プールではほとんど考えられないプール環境によって起こる病気ですが、炎天下における学校のプール、公営のプールでは暑熱によって身体に以上を来す危険があります。
熱中症と言われてる病気があります。具体的には熱射病などのヒートショックです。
そんな時には涼しい日陰に移動させて安静にして医師に診察を求めるべきでしょう。
2. 水泳の免疫力向上効果
水泳スクールの受け入れについては施設によると思いますが、私の所属するクラブでは0歳からの親子ベビースクールから3歳からのジュニアクラスまで年齢にかかわらず水泳を始められる環境が整っています。
2-1. 風邪をひきにくくなる
幼児期の子供さんが水泳スクールに通う理由の一つに風邪をひきにくくなるとか喘息が治るなどといった口コミにより通ってくる子供さんが多くいます。
これは現実にジュニアクラスのインストラクターの経験のある私自身がよく耳にしたところです。
具体的にはプールの水温は30℃前後で管理されているのですが、この温度は子供達にはヒヤッと感じる水温です。
子供達が何もせずにじっとしていれば寒く感じます。
この体温よりも低い水温環境の中で水泳運動をするわけですから、子供達の体温調節機能が強化されるのは疑いのないところです。
また水泳は呼吸が自由になりません。
まずクロールから学び、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライと水泳の主要な4種目の泳法を学んでいくわけですが、上達と共に息継ぎを覚えていきます。
余談になりますが、シニアの私も、風邪かなとくしゃみがでれば必ず水泳で身体をスッキリさせます。不思議に風邪をひき込むことはありません。
風邪は引きはじめにプールで治す!これが私流のやり方です。そしてこれは子供の頃から一貫しています。
風邪をひくのはきまって水泳をやっていない時に限られているのです。
2-2. バランスのとれた運動
くわえて水泳は全身運動としてとてもバランスのとれた運動です。こうした運動性がより子供達の免疫力を向上させているのだと思います。
スポーツ少年団では野球、サッカーなど陸上スポーツが盛んですが、天候に左右され風邪などの心配は常に付きまといますが、
2-3. 過信は禁物
とはいえ、水泳は非日常環境の中でおこなう運動ですから、過信は禁物です。
また水泳はどうしても遊び要素が多いですから、ふざけたり、先生の指示に従わないと予期せム事故に遭遇する危険性もないとはいえません。
この子供達の基礎体力向上や免疫力向上については以下の記事が参考になると思います。是非ご一読ください。
3. 子供の生活習慣の改善
よく寝て、よく食べて、よく遊んで、よく学ぶ・・・でしょうか。
夜更かしや偏食など生活リズムが安定していなければどうしても、体調を崩す原因にもなりかねません。
これは子供さんに限ったことではないと思います。
なんといっても健康第一には幼い時からの生活習慣がまず何よりも大切です。
そして中学校に進学するようになってから様々な部活動をなさると思いますが、水泳は常に基本的な泳ぐという運動機能を強化させます。
4. プールの水質管理
プールの水質管理については学校のプールは文部科学省管轄で学校環境衛生基準がそして遊泳用プールについては厚生労働省管轄で遊泳用プールの衛生基準が定められており、消毒剤の種類やプールの水質管理基準がそれぞれ定められています。
4-1. 遊泳用プールの衛生基準(厚生労働省)
・残留塩素濃度は0.4㎎/L以上1.0㎎/L以下、PH5.8以上8.6以下、濁度2以下
・プール水の水質管理は残留塩素濃度については少なくとも毎日午前中1回以上、午後2回以上の測定
・残悠塩素濃度が0.4㎎/Lを下回った場合は遊泳を一時中止し、塩素剤を追加するなどにより0.4㎎/L以上としてから遊泳を再開する。
4-2. 学校水泳用プールの衛生基準(文部科学省)
・残留塩素濃度0.4㎎/L以上1.0㎎/L以下、PH5.8以上8.6以下、濁度2以下
・プール水は定期的に全換水とするとともに清掃が行われること
・塩素剤の種類は次亜塩素酸ナトリウム液、次亜塩素酸カルシウムまたは塩素化イソシアヌル酸のいずれか
4-3. 水道水の規制
水道法(水道法施行細則)によって定められている残留塩素濃度は各家庭の蛇口で0.1㎎/L以上の濃度が義務付けられています。
実際に都市部や浄水場に近い地域では残留塩素濃度はより高い値になっていると言えるでしょう。
従って、プールのように残留塩素濃度の上限が決められており、場合によってはプールより水道の方が残留塩素濃度が高い場合も想定されます。
また同様にプールの衛生管理上は水道水に匹敵する衛生管理がなされており、かつ残留塩素濃度の配慮されているといえるでしょう。
加えて近年水質管理には塩素殺菌が主流ですが、施設によればオゾン殺菌や紫外線殺菌などによる水質管理もなされており、衛生管理の面ではさらに進化を続けています。
これらプール水の衛生管理に関しては以下の記事も参考になるのでご一読いただければ理解が深まると思います。
5. まとめ
以上、子供達にとっての一番の心配事である病気について水泳の立場から水泳とかかわりのある病気について、そしてプール施設の衛生管理上の問題などについてお話をさせていただきました。
参考になることも多々あったかと思います。
何と言っても子供さん達の習い事として水泳は男女とも、そして以前から現在も常にトップクラスの位置をしめています。
その人気の秘密は沢山の友達や兄弟姉妹が一緒に通っているからにほかなりません。そしてそれなりも効果があり、口コミが広がっているのだと思います。
実は私は目が弱く、子供の頃はプールで結膜炎になりいつも目を腫らしていた経験があります。
でも近年の行き届いた水質管理下においてはそんな心配はほとんどないと思います。
ただ、近年はウィルス性の病気が猛威を振るうことがよくあります。
そのような事態に立ち至った場合にはプールという閉鎖的な環境のなかでは蔓延を防ぐのは大変です。
持ち込まない、持ち出さないを徹底するために、十分な手洗い、うがいの励行はプールにおいてもとても大切なマナーであることを申し上げてこの記事は以上とさせていただきます。
最後までお読みいただき心から感謝しています。ありがとうございました。
なお水泳関連に記事にとして以下の記事もとても興味深い内容となっていますので是非ご一読いただければ幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。