50、60歳代のシニア世代でごく一般的に行われているスポーツとしてウオーキングがありますが、その実態といえばまだまだ低水準と言えるのではないでしょうか。
これからの老後の健康を維持するためにはさらにウオーキングへの取り組みを充実させる必要があると思っています。
でも、億劫、時間がないなどの理由から二の足を踏んでいるシニア世代の皆様、そしてまたご自身の健康を過信してジム通いで膝や腰に痛みなどの症状がある方々も多いのではないでしょうか。
この記事ではシニアにとってのウオーキングに対するモチベーションの向上と維持がとても大切との観点から、
日々ウオーキングと水泳を日課として取り組んでいる筆者がアイデアに満ちたシニア世代向けのウオーキングスタイルを提案させてもらいます。
1 ウオーキング事情
総務省が平成29年10月に発表した社会生活基本調査によれば過去1年間(平成27年10月~平成28年10月)に「スポーツ」を行った10歳以上の人は7797万7千人、その行動者率は68.8%となっており、その概要は以下のとおりとなっています。
「スポーツ」の種類別行動者率
出典:総務省
・行動者率3%以上の種類を表章
・「スポーツ」には職業スポーツ選手が仕事として行うものや、児童・生徒・学生が体育の授業で行うものは除き、クラブ活動や部活動は含む。
この図表からもわかるようにウオーキングが確実に定着しており、前年を上回るなどウオーキングの重要性とその認識が高まってきているようです。
それはウオーキングが全体に占める割合は41.3%とウオーキングの定着度が向上しているのが読み取れます。
このウオーキングがシニアには手軽でもっとも人気があり、これからも生涯にわたっての生活習慣として定着して欲しいものです。
でも現実は加齢とともに足腰が弱り、いきおいこのウオーキングさえ脱落するケースもあると思います。
シニアにとってもっとも運動不足解消となるウオーキングを高いモチベーションのまま継続していくための工夫が必要なのかもしれません。
2 ウオーキングの功罪
シニア世代において一番取り組みやすいウオーキングですが、頑張りすぎによる膝の痛みなどがあってもなお続けたことで悪化する場合もあります。
シニアのウオーキング中、特に注意すべき点は膝の痛みが起きないような歩き方、姿勢になどに気をつける必要があります。
歩けば歩くほど身体の代謝が向上するウオーキングですが、そもそも体重オーバーであれば無理に長時間のウオーキングはかえって身体に負担を与えますので体調などを把握することで楽しいウオーキングを行うのが重要でしょう。
歩き方
仮想のウオーキングラインをイメージしてそのライン上を歩く意識でウオーキングしましょう。
そして足の親指で地面をしっかり押し付けるような歩き方です。
そのウオーキングラインは常に意識すれば軽快にウオーキングができるでしょう。
また膝が伸びきらない歩き方も膝に過度な負担をかけますので、しっかりと膝が伸びてかかとから着地するようなイメージでウオーキングを楽しみましょう。
シニア世代の場合は膝の負担を考えてウオーキングシューズ選びも少し配慮して履きやすく、歩きやすく、ソールがしっかりしているシューズを選びましょう。
姿勢
次に注意すべきはウオーキング中の姿勢です。
ウオーキングの効果を高め、膝の負担も軽減するための必要要件です。
背筋を伸ばして手を振って軽快にウオーキングする姿は見ていても気持ちが良いものです。シニア世代はこれからどうしても腰や背筋が縮こまりがちですから、常に意識して正しい姿勢でウオーキングする必要があります。
この正しい姿勢が膝や腰に負担をかけない最善のウオーキングスタイルなのです。
この正しい姿勢を維持するためにも目線は常に上の方を向いて自分の視野にはいつも空が見ているイメージです。
自分の足が視野に入るとそれは猫背で歩いていることとなりますから、決して視野には自分の足が無いようにできるだけ遠くの空をみて歩くように気をつけましょう。
ウオーキング効果
ウオーキングは世代を問わず、その効果は計り知れません。
何と言っても人は歩く生き物なのですから1日に相当のウオーキングがあってこそ人間たる所以だと思います。
したがって出来るだけ歩きたいものです。
ウオーキングは誰もが知る優れた有酸素運動です。
若さを保ち健康を維持する効果は誰もが知るとところです。
また精神的なストレスを解き放ち、心身ともに健康を維持するにつながるとても有効な活動パターンです。
従って、このウオーキングを特にシニアには年代にかかわらず可能な限り取り組んで、生活習慣に組み込んでいただければ寿命を延ばし精神的な疾患の改善・予防にとても効果的です。
3 筆者が行っているシニアでも手軽なウオーキング実例
ではここで筆者が推奨するウオーキング事例を紹介します。
私の場合はもうすでにシニア世代を卒業して老後世代へ突入していますが今までずっとやってきたウオーキング事例であり、今もウオーキングのモチベーションを維持するために活用しています。
今日は雨が降ってとてもウオーキングなどとても無理と思ってもやはり雨に濡れない工夫を考えて毎日行いたいものです。
そこで膝や腰に負担がかかるような歩き方やウオーキング時間には気をつけて、ともかく毎日のウオーキングを毎朝顔を洗うような習慣に落とし込む工夫が必要です。
そんなウオーキングバリエーションの参考になるような事例を次に紹介します。
生活習慣の見直し(移動は徒歩)
私の友人知人を眺めても一番多いケースは退職金での新車購入です。
今までに買えなかったような高級セダンを乗り回すシニアをよく見かけます。
気持ちはわかりますが、私は全く逆でシニアから年金受給者になり、いの一番にしたことは車を使わない生活習慣です。
私のそういう気持ちを後押ししてくれた事情は2018年1月、2月は福井県地方は豪雪に見舞われました。過去何度も豪雪は経験しましたが10年近く豪雪を経験したことがなかった事とそれに昔とは比較できないような車の増大です。
渋滞もさることながら、家の駐車スペースから幹線道路に車を出せない、ほとんどの人が車の損傷を防ぐ程度の除雪しかできなかったほどの豪雪でした。
冬眠同様の生活に買いものなどの生活行動は徒歩を余儀なくされました。
その経験から学んだことは2㎞圏内は十分歩行可能ということです。
ウオーキングが大切だとわかっていてもシニアにとってウオーキングはスポーツなのです。したがって週に数回、身体と相談して無理のないようにと頭に刷り込まれており、近くのコンビニにいくのも必ず車を使っていました。
でもこの豪雪で車など全く必要がないと悟りました。
2㎞圏内には幹線公共交通の駅や停留場は複数あります。スーパーもコンビニも金融機関もショッピングモールもなんでもあるのです。
今は、車をいつ手ばしても何ら問題のない暮らしをしています。
まだ現役で仕事バリバリのシニアの皆さんもできるだけ歩行機会を高める生活習慣を今から養っておくことはとても意味があると思います。
ショッピングモールウオーク
私は荒天の場合、風の強い日も含めてウオーキングエリアはショッピングモールです。
モール開店前の早朝ウオークはモールの軒下をウオーキングすることにしています。一周約500mは確保できる雨に濡れない軒下がありますので自宅からモールまで車で行ってます。この時に車を使うなど滑稽ですが・・・
また開店後は私の場合は混雑をさけて午前中にウオーキングです。私の足でのんびり1時間の散策でほぼ7~8000歩です。自分の可能な所要時間を考えてモールウオーキングを楽しみましょう。
同様にモールウオークを楽しむ人達を見ると、シニアは考えることはやはり同じなのかなと親近感がわいてきます。
さらに時間を使って半日ウオークもたまにやってみましょう。
リュックに着替えや水筒や筆記用具などを入れて時間をかけてモールウォッチングも楽しいです。
最近の流行するファッションやトレンドを探るウオーキングです。
ブティックのウィンドーを眺めればそれが一目瞭然です。できるならこのモールウォッチングにはジャージスタイルよりもカジュアルが良いかもしれません。
電化製品売り場には最近新しく販売されている便利快適な商品で満載です。
また本屋さんに行けば平積みされている本を見て最近の情勢が手に取るようにわかります。FXや株式投資の本が平積みされているようであればそろそろ天井圏が近いと予想をすることができます。
疲れたらベンチで休み休憩をとりながらのウオーキングはまた新しい出会いがあるかもしれません。
日の出ウオーク
気候が良くなり、快晴の夜明けは絶好のウオーキングタイムです。
私は現役時代からずっと早朝ウオーキングをしていました。日の出前の東の空が白々となる頃に出かけウオーキング途中で日の出を迎えるタイミングで早朝ウオークが何よりの楽しみでした。
そして朝日を全身に浴びての朝日浴は最高の贅沢です。約1時間、途中神社参拝をコースに入れてのウオーキングは心が洗われるようでこの幸福感は最高です。そしてそれは経費が無料なのですから、私にとってこれ以上の大自然のエンターテイメントはありません。
夕日の日暮れも良いかもしれませんが、まだまだ交通量が多く空気の汚れを考えると私のウオーキングタイムではありません。
そしてこの時間のウオーキングにはなぜか出会いすれ違う同様のウォーカーはいつも同じメンバーなのです。そしてお互いに息が長く妙な連帯感が生まれ、出会わない時には何かあったのか?忙しいのか?と気になったりとまた会った日の挨拶にも笑みがこぼれます。
スマホゲームアプリの活用
次は私のお気に入りのウオーキングスタイルです。
ウオーキングは基本スマホのお気に入り音楽を聞きながらのウオークですが、その時に、ポケモンGOゲームを作動させながらウオーキングをしています。
音楽を聞きながら、ポケモンをしながらウオーキングをするというのが私のスタイルです。
ポケモンGOゲームは2016年の7月に日本でもダウンロードが開始され、その時以来私はずっとこのポケモンオタクで通しています。
このゲームに熱中して、雨の日も風の日もどんな日も歩いていました。
私にはこのポケモンGOゲームが最大のウオーキングのモチベーションです。
ウオーキングコースには二つの神社と3つの公園があり、このポケモンゲームの主要スポットがこの施設付近にあるのです。
これらのスポットに来ると、ポケモンキャラクターをゲット出来るボールなどのアイテムがもらえます。
またこのスポットのうちいくつかは自分のキャラクターが戦いを挑めるジムストップを伴っており、
そのバトル次第で自分が占有することもでき、その時はまた他の挑戦も受けることになるのです。占有機関が長ければそれに見合う報酬がもらえます。
さらに歩いた距離によってポケモンキャラクターの卵を孵化させることができるのです。
歩けば歩くほど自分のレベル向上になるというゲームなのです。一般的スマホアプリゲームがインドアなのに対して、このポケモンGOは完全なるアウトドアゲームなのです。
ただこのゲームに熱中してのウオーキングはとても危険ですからゲームは休憩時にすることとしてウオーキングではゲームの距離稼ぎとして頑張っています。
そして最近、歩く距離によって、ポイントがゲットでき商品購入の割り引きシステムのアプリもあるようですから、このようなアプリも活用するとご自身のモチベーション維持に役立つと思います。
水中ウオーク
シニアにはとっておきのウオーキングスタイルで、だれもがご存じの水中ウオーキングです。
プールでのウオーキングは水の中に入ると冷っと感じる温度刺激、水圧、浮力など様々な陸上とは違う非日常の環境あります。
シニアには腰や膝に与える負荷が少なくとても安全で、それでいて水圧や水の抵抗が大きいために陸上以上の運動強度が得られシニアには素晴らしい運動スタイルです。
もしまだご経験のないシニアウォーカーには是非勧めたいスタイルです。
私は水泳を普段の運動習慣にしていますが、水中ウオークはウオーミングアップ、クールダウン、水泳途中の休息には必ず水中ウオークで調整をしています。
シニア世代になると水泳ばかりでは重力負荷がかからないために歩く能力が減退することが予想されますのでプールでは水泳に費やす時間と同じくらいは水中ウオークをして歩行のために運動の補填を忘れていません。
もしプールに行ける環境が整うであれば是非陸上ウオークだけにとどまることなく、水中ウオークでより運動強度を高めるのも良いと思います。
それに、プールには浴室、サウナ、ジャグジーなどが整備されていますので、クアハウス的感覚で癒しの場所として活用できますので水中ウオークに限らず、水泳へのトライ、水中ダンスなどその他のレッスンメニューも豊富ですから楽しいと思います。
参考:太もものセルライトを撃退する運動とは?その秘密を徹底分析!
4 シニアにはもっとウオーキングを生活習慣に
前章で私がお勧めすウオーキングスタイルを紹介いたしましたが、ウオーキングを続けるには何と言っても楽しくなくては続きません。ノルマ的にやらねばならないとのプレッシャーはかえってストレスであり、逆効果にもなりかねません。
やはり楽しみを見つけ、永く続けられる工夫が必要なのかもしれません。
そのためにも特にシニアにはその楽しみがあることで生活習慣に落とし込むことができると思います。
前章でお勧めしたスタイルも検討していただいてご自分にもっともふさわしいウオーキングスタイルを作り上げて欲しいと思います。その生活習慣に落とし込むアイテムを紹介します。
ウオーキングスタイル確立のためのアイテム
まずは万歩計です。
一日の歩数を確認することはとても意味があり、張り合いも出てくると思います。引き出しの奥に一つや二つはきっと眠っていると思いますので是非見つけてください。
そして今日一日の歩数データをチェックしましょう。
それから体組成計です。
単に体重測定だけでなく、体脂肪、筋肉量、骨量、脂肪量などを測定できる体組成計を是非備えていただいて身体のチェック、データの保存を行ってください。
ファッションです。
ウオーキングウエアとウオーキングシューズはとても大切なアイテムですから定期的に新しいもので装いも新たに長い継続を期待したいところです。
ウオーキングデータの保存と管理
一日の歩数や体組成データの蓄積は言うまでもなく、定期的な健康診断時に提示するなどして医師の的確な指導を受ける意味でもデータの管理に努めましょう。
最近はそんな機能を持つスマホアプリもたくさんありますので、ご自分で一番やりやすい方法でデータの管理に努めましょう。
そのデータの趨勢を見ながら新しいウオーキングスタイルを作り上げることで生活習慣に落とし込むことが実現すると思います。
シニア世代にとってこれからの長い老後を生き抜くための土台づくりをこのシニアウオーキングで頑張っていきましょう。
5 まとめ
以上、シニア世代のウオーキング事情、ウオーキングを楽しく永く続けられるように留意すべき点についてお話をさせていただきました。
併せて私自身が行っているウオーキングスタイルも紹介することで参考にしていただきたいと考えておりますが、一つでも二つでも参考になれば幸いです。
私の母は85で父は91歳で亡くなりました。
ともに生涯健康で、特段大病するわけでもなく、本当に子供孝行な両親だったと今も感謝の気持ちでいっぱいです。
その両親の生活スタイルのなかでいつも二人でウオーキングというよりは散歩でした。二人でリュックを背に毎日1時間くらいのウオーキングを欠かしませんでした。
でも歩けなくなったとたんに終末期を迎えました。
人生歩けなくなったらもう生きる気力が消えていったのでしょう。それを見て私も人は歩く生き物であることを身に沁みました。
私自身ウオーキングは生きている証、そう捉え、ウオーキングの習慣を絶えることなく生涯続けていきたいと思っています。
どうぞ、シニア世代の読者の皆様、私同様にいつまでも歩ける人でありたいと心から願っています。
最後まで読んで下さり心から感謝しています。
なお、次に掲げる記事もシニア世代にはとても興味のある内容ですのでご一読いただけたら幸いです。
参考:人生これから!生きがいのないシニア世代に贈る「生き方とは」