グッピーの飼育を始めたのですが、なかなか餌を食べなくて困っています・・・
こんな相談はかなりあると思います。
まず飼育スタート時において餌を食べないケース、そしてある程度飼育期間が経ってから急に餌を食べなくなった場合についてその状況と対処法を詳しく解説していきます。
グッピー用の餌であれば心配は入りません。その不安は飼育経験が浅いことによるものですから、この記事を参考にしていただければ大丈夫です。
1 【グッピーの餌】食べないケース
グッピーの飼育管理で餌を食べないという事例はかなりあります。
これらについて詳しく解説していきたいと思います。
飼育開始時
まず、グッピーを熱帯魚ショップから購入して用意しておいた水槽に移したのですが、なかなか餌を食べないというケースです。
・移動ストレスと飼育環境の変化
考えられるのは、ショップの飼育環境と自宅水槽との飼育環境が大きく変わり、グッピーが大きなストレスを感じていることです。
ではどうして自宅の水槽で直ぐに食べないのかですが、それは空腹ストレスよりも、飼育環境の激変ストレスが大きいためと考えられます。
そして水温になれたら、今度は飼育水をビニール容器に少しずつ混ぜて自宅の飼育水にならしていきます。
これらふた手間ほど掛けてから水槽に放してやりましょう。移動ストレスは大幅に軽減できるでしょう。
・餌の変化
これはグッピーにすれば大きな問題です。例えば飼い主が美味しそうな生餌をやりたいと考えていた場合、ショップでは配合飼料を与えています。
新しい飼い主が生餌をやろうとした場合、本来美味しそうな生餌もグッピーにすればそうそう順応できません。またその逆もありうるかもしれません。
餌が変わるというのは人間同様に配慮が必要となります。
飼育中急に餌を食べなくなる
飼育中、今までは残餌はなく、きれいに食べていたのになぜか数日前から餌喰いが悪くなり急に食べなくなると言ったケースです。
それから、餌を食べないグッピーが一部に限られている場合やほとんどの魚が餌を食べなくなったと言ったケースです。
これは病気が疑われます。
摂餌行動に個体差がある
次にグッピーに摂餌行動が一様でなく、餌喰いの良い個体はどんどん元気に大きくなりますが、あまり食べていない個体は大きくならず、個体差が現れてくると言ったケースが考えられます。
2 餌を食べない場合の対処法
では前章で餌を食べない事例を紹介しましたのでその対処法を解説していきたいと思います。
どのケースも基本をしっかり頭に入れておきましょう。
魚は飢餓に強い
人間も全く同じなのですが、ともかく、今存在する生けとし生けるモノは飢餓状態の中で命を受け継いできました。従って飢餓には相当の耐性があります。
ショップの水槽から自宅の水槽に移設した場合のグッピーはストレス、飼育環境の変化からストレスを抱えています。前章で解説したように自宅の水槽の環境にならすと言った一手間をかけてやりましょう。
しばらくはショップの餌でならして、その上で飼い主が食べさせたい餌に少しずつ変えていくのも一つの方法です。
ショプの餌に新しい餌を混ぜてやりながら、徐々に餌を変えていくと言った方法です。
人の晩御飯の時にグッピーにも餌をやるのですがその時には摂餌行動はありませんが翌日朝には残餌は無かったと言ったことがよくありますが、こんな給餌方法はあまり感心しません。
要するの給餌時に食べるまで餌ややらないことです。
魚はお腹が空けば必ず摂餌行動をとって元気に食べるモノです。
給餌は摂餌行動をしっかりと観察
そして元気に食べる状況をしっかりと観察しましょう。そしてその状況を事細かく言葉にして日誌に記録していきましょう。
飼育スタートから毎日日誌をつけておけば何日目に摂餌行動があったのか一目瞭然です。
そして全ての個体が摂餌行動をとったのが何日目なのかも記録しておくといいでしょう。
そうすれば全てのグッピーが万遍に餌を食べたのが確認できます。
このような飼育管理上、給餌と摂餌行動はとても大切な管理となりますので、是非飼育日誌をつけておくようことをおすすめします。
食べ残しのないように
食べ残しは無駄喰いにもつながります。グッピーのためにはなりません。それに食べ残しは水質悪化の原因にもなり、掃除にも手間がかかります。
餌を与えるタイミングは1日1回でも何回でもいいですが、一回に大量に与えるよりは2回か3回に分けて食べ切るだけを与える方が効率がいいと思います。
3 元気よく食べさせるコツ
飼育しているグッピーが飼い主の餌やりに反応して元気に餌の飛びつき食べている姿は本当に微笑ましく、癒され、元気をもらえます。
そんな餌を与え方を学びましょう。そのために必要なコツを列挙しておきます。
・全ての個体が万遍なく食べ切るように場合によっては喰いの悪い個体には口まで餌をスプーンなどで運んであげて餌を与えることもあるかもしれません。
・毎日の給餌・摂餌記録から給餌方法や健康チェックまでいろんなデータが取れます。日々の観察を怠らないようにしましょう。
・餌を替えるのは慎重に!
・たまに生餌(ブラインシュリンプ)をおかずがわりに与えるのも良いかもしれません。でも基本配合飼料がおすすめです。
・浮き餌よりも沈む餌がおすすめです。餌の投入から底へ沈むまでに摂餌するように頑張ってしつけましょう。
いろいろと列挙しましたが参考にして欲しいと思います。
4 まとめ
グッピーの餌に関して、摂餌行動と給餌方法について詳しく解説してきました。
これらの給餌方法はどんな魚に関しても同様の方法です。もちろん、海水魚、淡水魚にかかわらず、底に棲む魚、泳ぎ回る魚もみんな同じです。
その基本はこれまで述べたように魚は元来飢餓にとても強く、魚自身が体調を崩した場合、餌を食べないで自分で体調を戻そうとします。人間が体調の良し悪しにかかわらず美食に走るのとは訳が違います。
魚は自然界では僅かな餌を同種、天敵と争いながら生存競争を生き抜きます。 その意味からも給餌と摂餌行動はとても重要なテーマです。 しっかりと観察をして美しいグッピーをしっかりと可愛がってやりましょう。
そして最後に観察力こそ飼育技術最大のコツであることを述べてこの記事は以上とさせていただきます。最後までお付き合いをいただき感謝しています。ありがとうございました。
なお以下の記事もまた興味深い内容となっていますのでご一読いただけたら幸いです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。
私の現役時代は魚類の試験研究現場で長年勤め、魚の生き死について色々なケースを見てまいりました。読者の皆様に参考になる情報を提供できると思います。