【クロールが遅い原因はたった一つ!】解消のためのポイントと効果的な練習方法

クロールを長く頑張って練習しているのだけど、遅いままで全く速く泳げない人も多いと思います。

初心者が中級者に向上する上で通らなければならないこの壁をいかに乗り越えていけばいいのでしょう・・・

この記事ではクロールの遅い原因を詳細に検証してその解消のためのポイントを洗い出し、おすすめする練習方法を解説していきたいと思います。

私は以前、次のようなツイートを投稿しました。

クロールが遅いなどと心配する必要は全くありません。この記事を読まれれば眼からウロコ!

どうぞ一度練習に取り入れられることを提案します。

さあ、頑張って自由自在にスピードコントロールのできるクロールの泳ぎ方をマスターしましょう。

いしはら
こんにちは!

けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。

1. クロールの遅い原因

クロールが遅い原因

クロールが遅い原因

クロールが遅い原因はたった一つです。水の抵抗を大きく受けているからです。

これ以外の原因は無いと言っても過言ではありません。

よく誤解されるのがパワー不足!

でもいくらパワーが強靭であっても水の抵抗を受ける原因が解消されない限り遅いクロールは解消できません。

パワーを生み出すためにさらなる抵抗を生じるからです。

では今から論理的に考えられる原因を検証していきましょう。

1-1. 初速度

まず最初に原因としてあげあられるのが初速です。陸上競技と水泳、比較して決定的な違いは初速度です。

陸上では初速はゼロです。水泳も止まった状態からのスタートですから初速は同様にゼロです。

でも水泳は飛び込みスタートによる落差とパワーにより大きな初速度を得ることができます。また水中スタートにおいても壁を蹴って初速度を得ます。

浮いて停止した状態からスタートするのとは全く違います。

陸上走る場合、必須用件である加速!これには間違いなくパワーと走法との勝負です。

水泳はほとんど加速は不要です。いかに初速を維持するかがキーポイントです。競泳ではスタート直後の潜水は15mとルールで決められています。

これはいかに水中を潜って前進するのが有利かと言うことを物語っています。

初心者の場合壁を蹴ってスタートします。浮き上がりと同時にクロールの泳法に移っていきますが、壁を蹴った初速を長く保つことが最大のスピード維持、換言すれば速く泳ぐためのキーポイントなのです。

決してパワーの問題では無いことをまず最初に理解して欲しいと思います。

1-2. 水中姿勢

次にクロールが遅い原因は初速を維持するための水中姿勢です。

これは蹴伸びと言う練習バリエーションがありますが、この蹴伸びの練習をとことんマスターできるように頑張って欲しいと思います。

詳しくは次の記事を参考にしていただければ幸いです。

蹴伸び

【水泳上達の秘訣は蹴伸び(ストリームライン)】効果的な練習とコツ(手順と要点を詳細解説)

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蹴伸びで水中姿勢を身につけてクロールを泳いでいる時にも常にこの蹴伸びを意識して泳げば水の抵抗を最小限にして泳ぐことができます。

私はもうシニアで生涯ベストと比較すれば大きな記録の後退止むなき状態にありますが、若い時以上に姿勢に気をつけて泳ぐよう練習しています。

非力な子供達や女性が実にスピードに乗った速いクロールができるのは決してパワーではないことを理解して欲しいと思います。

1-3. タイミングとリズム

それからストロークのタイミングとリズムが挙げられます。

先ほどのツイートにもあるように遅い原因はこのタイミングとリズムが悪いため遅いと私は考えています。

言い方を変えれば遅い人は遅く泳ぐのが苦手のはずです。

遅く泳ぐと呼吸のタイミングが悪く、上手く呼吸できないとか身体のバランスが崩れ下半身が沈むなどの現象を来します。

従ってクロールのストロークタイミングをマスターするには超遅いスピードと超ゆっくりなリズムで最小のストローク数で泳げるようになりましょう。

25mですと左右のプルを1ストロークとして10ストローク以上で泳いでいるのであればより一層の練習が必要だと思います。

そして歩くようにゆっくりとしたリズムで出来るだけ壁を蹴った初速を減速しないで泳げるようになりましょう。

1-4. ストロークとキックのマッチング

次にストロークとキックのマッチングの問題です。

ストロークはスピード、キックは浮力と言う考え方もありますが、私は両者一体のものだと考えています。

イルカの推進力はドルフィンキックだけです。でも人は手と足を一体的に連動して同じ目的(浮力と推進力)のためにあると思います。

キックはストロークの邪魔をしないキックのタイミングをストロークに活かしていく!この考え方が大切だと思います。

クロールを泳ぐ場合、如何に進行方向に対して最小投影面積のストロークフォームを作るか、水の抵抗を受けるストロークやキックを最小限にするためのテクニックを以下の章で詳しく解説していきます。

2. 問題解消のためのポイント

前章でクロールが遅い原因を論理的に解説しました。ではこの原因を一つづず潰していきましょう。

読者の皆さんが如何に闇雲に泳いでも速くなることは無いと感じらられているかと思いますが、以下のポイントをしっかり抑えておきましょう。

2-1. 大きな初速を得る

競泳では飛び込みスタートで初速を得ますが、一般的な水泳愛好家にとって初速を得るのはプールの壁を上手く蹴って水中に飛び出します。

この時パワーが重要なのは当然ですが、壁を上手に蹴ることが大切です。壁のどの位置を蹴って飛び出す方向、そして水中姿勢がポイントとなります。

ポイント
壁を蹴るのは上半身を水平にして両足の屈伸力パワーが全開できるように繰り返し練習するのがポイントです。

そしてその評価は蹴伸び姿勢で停止するまでの距離でチェックできます。

まずは5mラインを通過できるようになることがポイントです。

2-2. 水中姿勢は体感部の強化

水中姿勢(蹴伸び姿勢)は初速を減速させないための基本的なポイントであり、クロールだけに止まることなく水泳全般においても重要なポイントです。

ポイント
壁を蹴って初速が減速となり停止するまで、停止してもしばらくはそのままの姿勢を保持できるようになるためには体感部の筋肉(腹筋、背筋、インナーマッスル)などの強化が必要です。

2-3. ツービートストローク

キックとストロークのタイミングがよく無いために大きな抵抗を受けてスピードアップが出来ない。この原因を解消するには一度できるだけゆっくりと泳ぐことをしっかりと練習して欲しいと思います。

ポイント
左右で1回のストローク中に左右のキックを1セット打つツービートのクロールがポイントです。

すなわち右手でのストロークのきっかけに右足でキックを活用します。

是非このキックをマスターされてキックとストロークのタイミングを合わすようにしてください。

これをマスターできると4ビートであれ6ビートであれ、右腕ストロークには右足キック、左腕ストロークには左足キックと言う具合にタイミングが合ってきます。

4ビート(6ビート)を単純に打つのでなく、きめ細かく強弱を持たせたキックとストロークとのバランスの良いフォームが出来上がるはずです。

そしていくら遅くても流れるようなフォルムの美しいクロールで泳げます。

あとはこのキックのリズムを切り替えてスピードコントロールが容易になると思います。

ツービート練習

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2-4. ストロークリズムの切替

まず2ビートリズムからのスピードアップには

3つのポイント
・1回のストロークで前進する距離を伸ばしてスピードアップを図る必要があります。

・次に回転数を上げてスピードアップする。

・さらにキックを2ビートから4ビート、6ビートに切り替えてスピードアップを図る。

こうした幾つものスピードアップの引き出しを持つことがより良きクロールが完成します。

従ってこのテクニックを身に付けるために2ビートの超低速クロールをマスターする必要があると私は考えています。

私は日々の水泳ではまずは30分程度、ゆっくりと歩く程度のゆっくりとしたスピードとゆったりとしたリズムで有酸素クロールを楽しみながらウオーミングアップします。

そしてその後半は少しスピードアップをしたクロールをして持久力練習をしています。

腕の使い方

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3. 効果的なおすすめ練習方法

3-1. 初速強化

筋力強化に役立つ陸上筋トレは以下のようなバリエーションをおすすめします。

・スクワット

・カーフレイズ

これら下半身を鍛える筋トレも取り入れていきましょう。

ポイント
プールでの練習は壁を蹴る前に上半身が蹴伸び姿勢が完成していることが大切です。そして最大限の脚力で壁を蹴って初速を得るのです。

最初のうちはどうしても壁を蹴ることに力点があり過ぎて、姿勢が乱れています。勢いよく上半身を沈み込ませ真っ直ぐにのびた両腕で両耳を挟むもしくは後頭部の後ろで両腕が伸びるような姿勢をセットしてから壁を蹴るようにしましょう。

前章でも述べましたがまずは5mを目標に頑張りましょう。

3-2. 蹴伸び

次に蹴伸び練習です。

そして蹴伸び姿勢で5mを楽に通過できるようになれば、次は浮き上がりにドルフィンキックもしくは6ビートで水の抵抗による減速をカバーして浮き上がる練習をしてください。

ポイント
壁を蹴った蹴伸びで最初は加速してスタートします。そのスピードが等速度スピードとなり、以後は減速していきます。

その減速するタイミングでドルフィンキックもしくは6ビートのキックで浮き上がります。

この練習でゆっくりとしたスピードのクロールをしっかり行っておけば、素晴らしく美しい最初のストロークが開始できるようになります。

3-3. プル・キック・スイム(P・K・S)

次の練習バリエーションはプル・キック・スイムとまず腕のストロークだけの練習、キックだけの練習、ストロークとキックのコンビネーションスイムです。

この分解した練習にも常にコンビネーションスイムのイメージで練習することが大切です。

3-3-1. プル

プル練習にはパドルを使った練習やプルブイを使った練習がありますが、おすすめは小さめのビート板があればプルブイとして使用目的にも合致した優れものです。

 

このビート板兼プルブイは両足で挟みやすい構造となっておりこれ1つあればこのPKS練習が可能です。

ポイント
注意事項はあくまでコンビネーションスイムの完成が目的で筋力強化という趣旨は私は望みません。自然と筋力アップにつながっていくというのが私のイメージです。

3-3-2. キック

キック練習はオーソドックスにビート板を使った練習、ビート板を使わない腕を真っ直ぐ伸ばした状態でのグライドキック練習などのバリエーションがあります。

キック練習中、必ずコンビネーションスイムをイメージしながら、キック練習を行いましょう。

そしてラストスパートの練習として6ビート以上のタイミングでキックが打てうるように練習してください。

3-3-3. コンビネーションスイム

プル・キック練習をしてコンビネーションスイムをせずに次の練習メニューに移る場合が多いですが、プルとキックの後、必ずコンビネーションスイムでプル・キック練習の合体イメージのスイムを行うことを忘れないようにしましょう。

このスイムで2ビート、4ビート、6ビートとタイミングとリズムをチェックしておくのも大切です。

3-4. ロングスイム

最後に紹介する練習バリエーションはロングスイムです。

疲れないクロール、超スローなクロールなどを確認するようにしましょう。

ポイント
1000m、15分など距離や時間を定めて長い距離を泳ぐような練習を是非やるようにおすすめしておきます。

スタートしてしばらくはほとんど呼吸が乱れないくらいの優雅でゆったりとしたクロールを目指して練習しましょう。そして500mほど経過すれば一番楽なペース、タイミングで泳ぎ続けると良いでしょう。

私の場合も超スロークロールよりも少しスピードアップした方がかえって楽に疲れません。でも最初は一番遅いスピードで開始しています。

4. まとめ

なぜクロールが遅いのか?その原因を検証して論理的に解消するポイントを整理しておすすめする具体的な練習メニューを紹介してきました。

冒頭にある私のツイート「クロールが遅いのは超スローなクロールが苦手」と言うその意味が理解できたことと思います。

この超スローなクロールは初心者にはまずできないかもしれません。でもそれはある意味仕方ないことかもしれません。

この練習を日々のトレーニングに入れていくことで有酸素運動クロールがマスターされ、優雅でゆっくりとしたクロールが身につき、他のメンバーに対して大きなステータスになることでしょう。

終わりに

クロールは一番スピードの速い泳ぎ方であると同時に一番楽で疲れないハイブリッドでサバイバルな泳ぎ方であると言えます。

私は専門が平泳ぎですが、クロールの練習でスピード感を身体全体そしてイメージで体感して平泳ぎのスピードアップにしています。

遅いクロール、速いクロール、どんなスピードでも泳げるようになることが上達の秘訣です。

そして1日に1回は超ハイスピードで自己ベスト目指しましょう。

この記事で紹介した練習によりクロールが遅いと言う悩みは完全に克服できると思います。

最後にゆっくりとクロールを楽しむことがクロール上達の秘訣であることを申し上げてこの記事は以上とさせていただきます。最後までお付き合いをいただき心から感謝しています。

 

なお以下の記事はクロール全般の解説記事ですので是非ご一読いただければ幸いです。

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