クロールを上手に泳ぎたいけれど、「腕だけで泳げるのか?」
水泳経験の浅い初心者には気になるところだと思います。
もちろんクロールの基礎がバタ足キックであることは間違いありませんが、キックばかり練習するのもいかがなものかと思わないでもありません。
バタ足キックである程度安定して前進できるようになれば、顔を水中に伏せての息継ぎ練習により、クロールの実践的な呼吸法を身に付けてください。
そしてクロールで安定した推進力が得られるように腕中心(ストローク中心)のクロールに移行していきましょう。

1. クロール、腕だけで楽しく泳いでみよう!
「クロールは腕だけで泳げるのか?」
とは言ってもバタ足キックもおろそかにはできません。バタ足キックで体幹や下半身を鍛え推進力にブレーキをかけない水中姿勢の維持が大切なキーポイントでありコツであると言えるでしょう。
まず最初にクロールの腕(ストローク)のイメージを頭に焼きつけるために次の動画を参考にして欲しいと思います。
結論を言いますと「腕だけでクロールを泳ぐ」感覚イメージは極めて疲労度の少ないハイブリッドなクロールだと言えるでしょう。
私がクロールで長い距離を泳ぐエクササイズはまさに「腕だけでクロールを泳ぐ」感覚です。キックはストローク開始のきっかけ、タイミングをとるためのキックだと言っても過言ではないでしょう。
1-1. 腕のストロールとキックのパワー対比
クロールの場合、ストロークとキックの力関係はどうなっているでしょう。
ある人はストローク:キック=8:2、またある人は6:4と答えるかもしれません。

こんな感覚です。
私はキック(バタ足練習)が大嫌いです。要するにキック力が弱いのです。従って速さを競えばとても遅いです。
でもクロールは大好きでプールで泳いでいるほとんどの時間、クロールで泳いでいます。それもゆったりと有酸素エクササイズです。
1-2. バタ足練習で体幹を鍛える
バタ足キック練習の目的はクロールのキック力を強化するためにあるのは言うまでもありません。
でも私のようにクロールが専門種目ではない者から客観的に言えば、単なるキック力だけでなく浮力維持、そして体幹強化に主眼があるように思います。
私の専門種目である平泳ぎなどはキックは浮力だけでなく大きな推進力でありキック力が全てなのですが、クロールの推進力は何と言っても腕のストロークです。
もっと言えば腕だけで泳いでいると言っても過言ではないでしょう。
その最たる原因が体勢です。頭の先から足の爪の先まで真っ直ぐに安定した軸が形成されていない限り、より上手により速いクロールの実現はありません。
その安定した軸を形成するためにキックがあると私は考えています。
もし両足の付け根にプルブイを挟んでクロールをするのであればキックなどは全くその必要性はなく変に強いキックなどはかえって抵抗となるだけだとさせ思います。
バタ足練習である程度の推進力が得られればかなりの体幹部強化が図られたと言えるでしょう。
そして深くて強いキック、浅くて回転数の高いキックなどいろんなキックを練習することもおすすめです。いろんなバタ足キックで推進力にどのような違いがあるのか体感してみましょう。
1-3. クロールで泳ぐときのキックの意識
ではクロールを泳ぐときのキックの意識ですが、私がクロールで泳いでいる時にはキックの意識はまるで無いと言えます。
クロールの意識は全て腕だけです。すなわちストロークのみの感覚です。
要するにいかに遠くの水をキャッチするか、そしてキャッチした水を支点にしてまるでボルダリングをするようにそのキャッチに乗っていく感じです。
意識の全てはキャッチですね!腕のストロークのフィニッシュなどはまるで意識していません。
これが私がおすすめするクロールのテクニックなのです。
1-4. 加速する時はキックから
さて、例えばタイムトライアルや他のメンバーと競うクロールの場合ですが、この時のキックリズムは両腕をかく1ストローク中6回のキックです。
いわゆる6ビートです。8ビートもありますが私にはできません。
そして競泳が50m100mと距離が伸びれば、ラストスパートの加速時はキックから始動してストロークの回転数を上げていきます。
2. より楽に泳ぐためのポイント

前章でクロールは腕だけで泳げるのか?と言う命題を解説することでキックと腕によるストロークとの関係について詳しく解説しました。
言い方を変えれば腕だけで泳ぐクロールはとても楽に泳げます。
2-1. 腕だけで泳ぐクロールはとても楽
クロールで泳ぐ場合、上半身はモーターボート、下半身は引っ張ってもらっているようなモノなのです。
一番良いのは何もせずにしっかりと身体を水平に維持することだとすぐに理解できると思います。
下半身が沈んだり、腰がフラフラとしたり、やたら足をバタバタしたりなどせずに下半身は真っ直ぐに伸びていることが大切です。
無駄にキックする力は不要ですからとても楽です。ただ身体を水平に保つために必要な浮力が必要です。
モーターボートに引っ張ってもらっていれば当然ながら浮力は自然に生まれますが、上半身の推進力では浮力を作ってやらなければなりません。
そのために必要な体感部の筋肉、そしてタイミングの良いキックで浮力を作り出すことができます。
そして軽やかで大きなストロークで泳ぐクロールは正にハイブリッド・クロール!疲れません。
もし1キロの距離を移動する必要がある場合、私ならクロールで移動します。歩くより楽で気持ちいいからです。
無理のない自然な呼吸、滑らかに腕だけの推進力で得られたパワーを水の抵抗を生じさせない姿勢のコツさえ会得できれば素晴らしいクロールが実現します。
2-2. ポイントは体幹を鍛え水平に保つこと

前章までにプルブイを活用したクロールのことをお話ししましたが今はとても便利なアイテムが登場して腕だけの練習には事欠きません。
また最近では両足の付け根にプルブイを挟んでもバタ足キックが打てる優れ物ですからクロールのスイム練習にももってこいのアイテムです。
とは言えクロール以前に鍛えておくべき体幹部の強化について解説しておきます。
2-2-1. 体幹の筋肉を鍛える
まずテストです。プールの壁を蹴って蹴伸びで浮き上がり停止するまで姿勢を維持しましょう。
いかがですか?これらチェック項目に対してどうだったでしょう・・・?
いずれかでもNGがあれば体感部が弱いです。そしてとても難しいと思います。腹筋背筋インナーマッスルを総動員する必要があります。
2-2-2. 浮力を維持するためのバタ足キック
バタ足キックで気をつけるポイントです。そして一番楽なキックを探しましょう。また一番推進力のあるキックも探しましょう。
こうした練習により自然と体感部は強化されていきます。
このキックをクロールのスイムで生かしていきましょう。意識は腕だけに集中です。自然で無駄のない効果的な浮力を難なく得られるキックが会得できていると思います。
3. まとめ
クロールは腕だけで泳げるのか?
こんな素朴な疑問をテーマで、今回解説してきましたがきっとお楽しみいただけたと思います。
いかがでしたでしょうか・・・
まだまだ初心者の水泳愛好家の方々にとってクロールは苦しい種目だと思います。でも苦しいのは苦しくなっても泳いでいるから苦しいのであって苦しくなる前に停止して歩行にスイッチすれば苦しくはなく、楽しくクロール練習が続けられます。
スイッチした歩行で休息してまたクロールです。先ほどよりも1mでも長く泳げたら素晴らしいです。全く泳げなくても25回の練習で25mは泳げるようになります。
クロールで歩くように楽に優雅に泳げるクロールを目指しましょう。
そのためにもイメージの中では「腕だけでクロールを泳ぐ」
そんなイメージを今回の記事では持ってもらいたいと願っています。
今回の記事は以上とさせていただきます。最後までお付き合いをいただき感謝しています。
なおクロールの詳しい泳ぎ方については以下の記事で詳しく解説していますので是非一度目を通していただけると嬉しいです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。