背泳ぎとはクロールを仰向けにした泳ぎ方で技術的には共通点が多いとよく言われますが、本当のところはどうなんでしょうか・・・
クロールの上達は背泳ぎの上達にも寄与する。逆も然りです。
クロールは水泳の万能選手とも言えるかもしれません。頑張ってクロールの練習を続けましょう。
1. クロールと背泳ぎの共通点
まず、クロールと背泳ぎ!
うつ伏せで泳ぐクロールと仰向けで泳ぐ背泳ぎ、その泳ぎ方には大きな違いがあります。
それでいて両方の泳ぎ方も両腕を交互に水をかき、同じバタ足キックをして技術的には共通点もあります。今一度検証していきましょう。
1-1. 相違点
まず相違点を列挙していきます。
・競技ではクロールは飛び込み、背泳ぎは水中スタート ・自由呼吸と不自由呼吸 ・進行方向が見える見えない
もっとあるかもしれませせんがこのような大きな違いがあります。
1-2. 共通点を検証
次に共通点を検証していきましょう。
1-2-1. キック
クロールも背泳ぎもバタ足キックをうつ伏せ状態で打つか、仰向けで打つかの違いで同じようにイメージできます。
でも大きな推進力を生み出すには足の甲で水を捉えるためクロールはダウンキック、背泳ぎはアップキックが重要です。
この同じバタ足であってもイメージは大きな違いがありそうです。
それからクロールのキックは2ビート、4、6ビートといった表現をしますが、背泳ぎの場合はあまりこのようなキックは重要視しません。どちらかといえば推進力というよりもタイミングキックと言ったイメージが強いと思います。
1-2-2. ストローク
次にストロークですが、クロールと背泳ぎ共に左右交互に水をキャッチ、プル、プッシュ、フィニッシュするのは同じですが、手の軌道は全く違うように感じられます。
でもこのストローク中における手の軌道はクロールも背泳ぎも全く同じであることを体感して欲しいと思います。
この誤解を解消して欲しいと思います。
背泳ぎもクロール同様に手の軌道は身体の内側を通っていることを次の記事を参考にして、しっかりとイメージして欲しいと思います。
1-2-3. ローリング
特に大きくダイナミックな泳ぎで長い距離を泳ぐ場合にはこのローリングは欠かせません。
このローリングを上手く活用して、より遠くの水を捉え、長いストローク距離を生み出すためにとても大切な共通点と言えます。
また背泳ぎの場合はこのローリングがあるがゆえにストーク中における手の軌道が身体の内側を通ることとなるのは言うまでもありません。
2. 共通点にあるのは水泳上達の秘訣!
クロールと背泳ぎの共通点を検証して見えてくる水泳上達のコツについてここで詳しく解説していきます。
前章ではその導入となるところを検証しましたのでおおよそのところは理解してもらえるかと思います。
では具体的にみていきましょう。
2-1. キック
次にキックのポイントです。
前章ではクロール・背泳ぎともに足の甲を使ったキック力といいました。そしてそれにはコツがあります。クロールと背泳ぎについて分けて解説します。
2-1-1. クロール
まずクロールですが、何と言っても重要なのはダウンキックです。
そしてストロークと最もバランスが良く、ストロークのタイミングにバッチリ合うキックを見つけ出しましょう。
私の場合は長い距離を泳ぐクロールが得意なのでキックは2ビートキックです。そして右利きなので右キックと右ストロークのタイミングで最速スピードを生み出します。
こんな感じで各人の個性ある最適クロールキックを身につけましょう。
短距離のスピード目的なら4ビート、6ビートでしょう。でもメリハリのあるストロークとのタイミンを併せたキックを見つけましょう。
2-1-2. 背泳ぎ
次の背泳ぎです。背泳ぎの場合のキックはアップキックに意識がいくと思いますが、それはイメージ的には少し違うと私は考えます。
サッカーボールを蹴る場合をイメージしましょう。強いパワーのキックでボールをインパクトするには強いテークバックが必要です。
まして背泳ぎのテークバックは水中です。大きなアップキックを生み出すには強いダウンキックというテークバックが必要です。
従って背泳ぎの場合、イメージ的にはダウンキックに強い意識が必要だと考えます。
2-2. ストローク
クロールであれ背泳ぎであれ、どんな泳ぎ方であっても最も大切なことはストローク最大のポイント(コツ)は水をいかに捉えるかです。
水を捉えそこなったストロークに推進力は全く生み出すことはできません。いきおい失速原因となりバランスと崩し陸上でいえば転倒状態となります。
この水を捉えるキャッチングテクニックは柔らかい手首、そしてスカーリング能力です。
このスカーリングによる水の捉え方を練習するにはクロールだけでなく背泳ぎも練習することでスカーリング能力が身につきます。
そしてより遠くの水をキャッチすると言う共通の課題を補えると思います。
キャッチ以降の腕の動きはフィニッシュまで真っ直ぐにかき切れば良いと言うのが私の理論です。ここで難しいテクニックは不要です。
そして自然なローリングが最適な水深で手のひらから腕全体で水をかくことができ、素晴らしい推進力を生み出すのです。
2-3. コンビネーションスイム
キックとストロークに分けて水泳上達のポイントを解説してきましたがもう一つ伝えておかなけれならないのがコンビネーションスイムです。
この練習によって下半身が沈んだり、方向性が悪いとかピッチングという上下運動がなくなってスムーズな滑るような泳ぎが実現します。
キック練習、ストローク練習などのドリル練習後は必ずコンビネーションスイムでイメージを育て、より優雅で素晴らしい泳ぎを追求していきましょう。
3. 相互練習による相乗効果
クロールの練習をしていて、飽きたり、つまらなくなったりとどうしてもマイナスのイメージが湧いてきます。
3-1. 気分転換
そんな時、気分転換を兼ねてクロール練習の場合は背泳ぎにスイッチしてみましょう。またその逆もしかりです。
背泳ぎの人が飛び込みスタートをするのはとても素晴らしいイメージチェンジとなります。それでいて練習効果は十分で新しい感覚が研ぎ澄まされるかもしれません。
3-2. クロールと背泳ぎのミックス練習
プルからプッシュへスイッチする微妙な感覚の違いをクロールと背泳ぎを両方練習することで双方のストローク技術の向上に相乗効果をもたらします。
またキックについてもクロールと背泳ぎを両方練習することでテークバックからインパクトへのスイッチ(ダウンキックとアップキックとの一連の動き)が明確にイメージでき最小のパワーで浮力維持、そしてラストスパートの推進力をキックから生み出すことができるでしょう。
4. まとめ
クロールと背泳ぎの共通点というテーマで解説してきました。
この相互の共通点を検証して見えてくる水泳の醍醐味、面白さが少しでも感じてもらえたのではないでしょうか。
初めてのクロールをレッスンで習った初心者の方が次に習う泳ぎ方は背泳ぎだと思います。クロールから背泳ぎを飛ばして平泳ぎの練習をするレッスンは皆無だと思います。
それだけに両者には共通点が多いのです。見かけは全く違った泳ぎ方でもよく検証してみれば技術的にはほとんど同じだとも言えるかもしれません。
左右交互にかく腕、バタ足キックと見かけの共通点に加え、細部にわたるテクニックにおいても共通点が多いことを理解していただければ嬉しく思います。
ここで最後に申し上げておきたいことは水泳、何も速く泳ぐだけが目的ではありません。長い距離をまた長い時間を優雅に泳ぐ能力もとても意味のある目的です。
シニアの私は80歳、90歳になっても元気で1000mでも30分でも泳いでいられる泳力をずっと持ち続けたい!
それが夢であり目標です。
どうぞ共にいつまでも水泳が大好きで、生活の一部としてスイミングライフをエンジョイしましょう。
ということでこの記事は以上とさせていただきます。最後までお付き合いをいただき感謝しています。
なお以下の記事はクロールの解説書的記事ですのでご一読いただけたら嬉しいです。
初稿:2020年8月6日
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。