学生時代、私は陸トレでランニングをしていてコーチから「背中で走れ!」とよく言われました。
どう言う意味なのかイマイチ、ピンとこなかったことを覚えています。
クロールを練習している初心者から中上級者のスイマーにまで、詳しく解説したいと思っています。
「背中で泳げ!」とは背中に意識を持って、クロールを泳いで欲しいのです。
技術的には以下の記事で解説をしていますので多くを語ることは避けますが、「背中」とは背筋を伸ばして水中姿勢の基本を忘れないで泳ぐことです。
どうぞこれからのクロールの練習には「背中で泳ぐ!」と言うイメージを意識してより上手に大きくダイナミックなクロールをマスターしていただきたいと思います。
目次
1. 【クロールは背中で泳ぐ!】イメージ練習
冒頭で申し上げた「背中で泳ぐ!」と言うイメージです。これはあまり一般的な表現ではないかもしれません。
でも私は「背中で走る!」と言うイメージが学生時代とてもシックリいったイメージ表現だったことからクロールにもこの表現をこの記事で読者の皆様に伝えたいと思っています。
でも泳いでこう言った指摘を修正するのは意味は理解できても、イマイチ上手くいかないのではないでしょうか・・・
そこで私は「クロールは背中で泳げ!」と言う表現でこうした指摘を全て改善できるように考えています。
どうしてもクロールの場合、泳ぎながら意識してなくても、どうしても「顔」「胸」「お腹」「太もも」「膝」「足の甲」と内側に意識が集中しているように思います。
これを改め、「後頭部」「肩甲骨」「背骨」「お尻」「ハムストリング」と背中全般に意識イメージをスィッチしましょうと言う提案です。
こうした背中に強い意識を集中することでクロールのウィークポイントが修正されると思います。
難しいテクニックやなかなか修正できない指導者からの指摘に対して、難しことは考えずに「背中で泳ぐ!」イメージで泳いでみましょう。
きっと「目からうろこ!」と感じられると思います。
いか具体的な部位について解説していきましょう。
1-1. 肩甲骨
肩甲骨についてはクロールにしろ他の泳ぎについてもとても重要な部位であることは誰もが知るところです。
肩甲骨を大きく回すストローク、肩甲骨を前へ出して遠くの水をキャッチする・・・
そして腕の回転は肩甲骨を支点として回転を始めます。
「肩甲骨を回せ!」と言うイメージは「背中に意識して肩を回せ!」と表現した方がより良い結果を作り出す指摘だと思います。
1-2. 背筋
「背筋を伸ばせ!」この表現による指摘も指導者から耳にタコができるくらい私も若い頃指摘され、なかなか改善できなかった苦い思い出があります。
要は「背筋を伸ばして姿勢よく泳げ!」「猫背で泳ぐな!」と言われても頭で理解できても、身体が理解してもらえないのです。
そんな時、陸トレの時コーチから受けた言葉「背中で走れ!」
これは大きなブレイクスルー的指摘でした。
これは泳ぐ時も全く同じだと思います。身体の軸である背骨とは背中の軸なのです。背骨で泳ぐとは背骨で泳ぐことに他なりません。
1-3. お腹を凹ませる
私は泳ぐ時いつもお腹を凹ませる意識を持っています。このお腹を凹ませる結果体幹部の筋肉全てが有機的に連携をもたらし、しっかりとした軸を作り、下半身の沈みも防いでくれます。
でもこのお腹を凹ませるテクニックは泳ぎながらやるのはとても難しいです。
でも背中に強い意識が向くと姿勢が良くなりお腹が自然と凹んできます。
1-4. 下半身の沈み
そして「背中で泳ぐ!」イメージで最終的に下半身の沈むさえ修正されていきます。
この下半身の沈みを防ぐために多くの人はプルブイを両足で挟んで泳ぎますが、この練習ばかりしていると、プルブイがなければ下半身の沈みはカバーできなくなってしまいます。
2. 背中で泳ぐイメージで水中姿勢を修正するコツ
ストリームライン(蹴伸び)の重要性はここで解説するまでもなく以下の記事に詳しく解説してありますから参考にして欲しいのですが、スタートやターン時、浮き上がるまでの水中姿勢、そしてストローク中の姿勢、全てこのストリームラインは基本の最重要ポイントです。
この「背中で泳ぐイメージ」でストリームラインをイメージ表現してみましょう。そして今までのイメージによるストリームラインを大きく修正してより軽快な浮き上がりを追求しましょう。
2-1. 両腕で両耳を塞ぐ
ストリームラインでより抵抗を少なくするには水中姿勢をいかに紡錘形にするかです。
肩の柔ない人は後頭部の後ろで両手が伸びています。
このしっかり伸ばした腕によって肩甲骨が完全に伸びきっていることでしょう。
2-2. 小指サイドに意識
これはとても有効です。スタート・ターン時に両手の甲を合わせると思いますが、より強く伸ばすには小指を絡める感じで小指から両腕の外側サイドに意識してストリームラインを作ると腕の伸びは限界まで伸ばせることができますから試してみましょう。
これらのイメージ付けでしっかりと背中サイドに意識が集中します。
2-3. 下半身の沈みに耐える
このことで水中、水没距離が伸びます。
スピードを競う場合には浮き上がりのタイミンで加速が必要ですが、一般的に泳ぐ場合やロングスイムの場合には水没距離が伸びるのはとても楽に泳げるテックニックですからこの下半身の沈みに耐えるために、背中で泳ぐと言うイメージを継続しましょう。
2-4. 浮き上がりはドルフィンキックで
レベルや心配能力に合わせてドルフィンキックは複数回打てるように練習しましょう。
この場合、ドルフィンキックは背中からキックするイメージです。このドルフィンキックによって第1ストロークが生きてきます。
この浮き上がりですが、バタ足キックで浮き上がる方法がありますが、どちらでも良いのですが、ドルフィンキックの方が省エネ効果が高くスピードも劣りません。
3. ゆっくりとダイナミックなクロール
前章でストリームラインにおける背中で泳ぐイメージを解説しました。
では次にストロークに入ります。
従ってクロールでしっかりこのイメージを叩き込みましょう。
ここで解説する、テクニックは出来るだけゆっくりと大きく、ダイナミックに泳ぐイメージです。
クロールをゆっくり泳ぐのはとても難しいです。自分自身のクロールペースで最遅のクロールを身につけましょう。
そして気がつけば最遅のクロールが見事に最速のクロールにそして最省エネクロールに変身することでしょう。
3-1. ゆっくりクロール
それは背中に意識を持ち続けることで浮力を維持するからです。
もしそんなイメージを持たなければ下半身が沈み、失速します。この失速する状況を回避するためにストールの回転数を下げることができません。
でも常に浮いている状態では最低限のストロークで済むと言う訳です。
すなわちゆっくりとしてクロールで泳ぐとは背中で泳ぐことに他なりません。
3-2. 大きくダイナミックに
ゆっくりと泳ぐタイミングが身につけば次に大きくダイナミックに泳ぐ意識を持ちましょう。
大きな動きとは、ストロークもキックも大きくダイナミックタイミングで泳ぎましょう。
これが可能になるのも背中で泳いでいるからです。
そしてキックも2ビートが良いかもしれません。
3-3. より優雅に
そしてゆっくりとした大きくダイナミックなクロールはプールサイドで見る人にはとても優雅に見えることでしょう。
滑るように流れるようにそれはそれは美しいフォルムを呈したあなたの優雅なクロールは多くの人を魅了することでしょう。
4. まとめ
背中で泳ぐクロールと題してこの記事を読んでいただきありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?お楽しみいただけたと思います。
人の日常生活は陸上であるため、水の中を泳ぐ感覚はとても難しいものです。
水泳の上達は正にそのイメージとの戦いです。それは自分が動画で見るクロール、情報として読むイメージ
これを自分が泳ぐ時に再現させようとしてもそれはえてして間違いをもたらすことがあります。
そこで私はいつもその人に理解しやすいイメージで表現することにしています。
例えば今回「背中で泳ぐ!」と言う表現は読者に背中でどうして泳ぐの?と言う疑問を持たれた人はいないと思います。
背中で泳ぐとは背中に意識をして泳ぐと言う意味です。
どうぞ一度、背中で泳いで見てください。
そして優雅でダイナミックにクロールを楽しく泳ぎましょう。
ある人はダイエット目的で30分も連続してクロールで泳ぐかもしれません。
またある人は自己ベストを狙うクロールにトライするでしょう。
ご自分が目指すクロールを泳いでもらえれれば良いのです。
でもそこに至る時間を少しでも短縮するために、この「背中で泳ぐ!」イメージを持ってもらえたら私の喜びです。
と言うことでこの記事は以上とさせていただきます。最後までありがとうございました。
なお、以下の記事もとても興味深い内容となっていますのでご一読いただけれ嬉しいです。
けんこう水泳運営者の石原(@T.ishihara)です。